個人的な事情が重なり、小説をゆっくり書くしか出来なかったのですが、何とか1月中に投稿出来ました。
さて、タイトルにある様に今回はリュウセイルートのシャイン王女登場回に該当する話になりますが、今作独自の展開もそれなりにありますのでご了承下さいませ。
では、本編へどうぞ!
追記:第20話でした、失礼致しました
───???? ・クロガネ───
アイドネウス島での決戦から生き残ったビアンはその後1週間は絶対安静を医師に言い渡されていた。
が、その1週間が経過した頃にはもうベッドから起き上がり、そして現在はクロガネの艦橋にてこれからの行動を決める会議に参加していたのだった。
「先ず我々はアードラー派との合流はしません。
各地に散った同志からの報告によれば…アードラーはDCの残党を集結させ、ジュネーブの連邦議会本部を狙う計画を立案している様です」
「アードラーの考えそうな事だが…我々DCの役割は連邦軍が、特にハガネ部隊が勝った事で役目を終えている。
宇宙でもヒリュウ改部隊がハガネ部隊と同様の活躍を見せた、以降の地球圏を護る剣になる者達が誰なのかハッキリしている。
にも関わらずアードラーが残存勢力の集結を狙うのは…」
「当然じゃが、世界征服を狙っての事だろうよ」
「男である以上世界征服の夢は否定せんが…それは今では無いとワシでさえ分かる。
矢張りアードラーには現実が見えておらんと見るべきだろう」
エルザム、ビアン、サオトメ、ヘルの4名はアードラーがまだ世界征服を諦めていない事に呆れていた。
DCとしての役割を完全継承したとも言うべきクロガネ、そして生存したビアンの傘下の者達はエアロゲイター、更にゲストが未だ地球を狙ってるこの状況での地球戦力を削る愚かな行動を是としてなかった。
故にアードラー派とは合流せずこちら側で独自に戦力を集めようとしていた所である。
そんな会議の様子を…テンペスト・ホーカーはやや暗い表情を浮かべながら見ていた。
「テンペスト少佐…矢張りまだ復讐は諦め切れんか?」
「…俺は、俺の心にはまだ復讐心が宿っています。
連邦軍を許すな、奴等に地獄を味あわせろと煮え滾り、俺を突き動かそうとしています。
しかし…ヘビクラやクレナイ達が俺に語った事、それを確かめたいとも考えているのです。
だからこそ俺はアードラー派に付いて行かず、このクロガネに…そしてビアン総帥の下に居るのです」
テンペストはクレナイとヘビクラの言葉が深く深く…それこそ復讐心以外は捨て去ったと信じてた自身の心の奥底に深く突き刺さり、あの2人が何故あんな言葉を投げ掛けたのか確かめようとしていた。
それにより、数多の差異次元では復讐心の赴くままにアードラー派と合流したテンペスト・ホーカーの運命が変わったのである。
この変化は世界にとっては些細な変化である…が、テンペストの中では運命の分かれ目で別の道を選び抜いた大きな変化であった。
故にテンペストのこれからの運命は誰にも予測出来ない物になっている事を、誰も知る由が無かった。
「それで、同志達の情報を整理してアードラー共は何処を先ず攻めると思うのだ、ビアンよ?」
「ふむ………アードラーはマン・マシン・インターフェースの研究をしていた………そしてDC残党の各部隊の行路………此処から推測すれば、恐らくリクセント公国に攻め入るだろう。
先ず地理的にジュネーブに近く、更に豊富な金鉱山がある為ジュネーブ侵攻の中継地点兼資金源になり得る。
更に…かの国の王女には不思議な力があるとされていた、ならばアードラーはそれを自らの物にしようと画策するだろう」
「成る程…リクセント公国はDC残党にとってみれば正にうってつけの土地であると言えましょう…」
そんなテンペストを交えながら会議を進め、DC残党はリクセント公国に攻め入る可能性が高いとビアンは総合的に判断し、他の面々もそれに同意していた。
そして………クロガネに逐次報告される情報は、ビアンの予測が正しかったとする物に変わって行った。
リクセント公国にテンザンが率いる部隊が侵攻を開始したと、ビアン達の耳に届くのであった。
が、それと同時にハガネ部隊がリクセント公国の近くを航行しているとも情報があり、かの国はツキに見放されいないとビアン達は判断するのであった…。
───ハガネ・ブリーフィングルーム───
時を少し戻し、ハガネ部隊はR-ウイングやビルトラプターFM、更にリオン・タイプFやダブルマジンガー等の飛行可能戦力はそれぞれ散開しクロガネやDC残党の捜索をしていた。
が、そんな時にハガネからの帰還命令が出た為コウジやリュウセイ達は急いで帰還し、ブリーフィングルームにて何が起きたかをイングラム達から説明を受けていた。
「全員揃ったな、では状況を説明する。
ハガネが現在航行中の近隣にある国であるリクセント公国より救難信号が発信された。
内容はDCの部隊と思しき者達より攻撃を受けているとの事だ」
「DC!?
まさかこうも早く行動するなんて………それにしてもリクセント公国か、今のDC残党ならあの国を狙うのは色々と思惑が透けて見えるね、イングラム少佐」
「コウジ、イングラム少佐、ヘビクラ中佐、リクセント公国って何なんだ?」
「ジュネーブの近場にある観光名所の国で、金鉱山が豊富な国………DC残党が未だジュネーブ侵攻を企てるならこれ以上無い好立地且つ資金源に出来る国さ」
ブリーフィングルームにてリクセント公国にDC残党が攻め入る理由をコウジから丁寧に説明されたリュウセイは、そんな事で1つの国を侵攻するDC残党に憤りを覚え表情を険しくしていた。
無論それはコウジやリョウト、クレナイ達も同様であり何としてもリクセント公国を防衛しようと考えていた。
「ハガネは当然ながらリクセント公国へと向かう。
パイロット各員は速やかに機体に乗り込み待機せよ。
ブリーフィングは以上だ、では行動開始せよ」
そしてイングラムの命令で各パイロットは乗機へと移動し、出撃するその時を待っていた。
更にイングラムもビルトシュバインへと乗り込むと…ジュデッカの枷が僅かに緩まった分自らの思考が未だ自由を得られるか否かの分水嶺までは到達していない事にある意味では内心穏やかで居られたが、これが何時まで続くか分からず急いでリュウセイ達を育て上げ、エアロゲイターへの対抗策として確立させねばと使命感を燃やしていた。
「イングラム、お前何か悩んでいるのか?」
「ヘビクラ中佐…フッ、人を良く見る貴方ならば俺の悩みが尽きない事を見抜かれるか…」
「悩んでるんだったら誰かに打ち明けてスッキリしとけ、後で伝え切れずに後悔するなんて無い様にな。
俺から言えるのはこれ位だが、お前の悩みが解決する事を願ってるぜ」
更にプライベート通信でヘビクラに悩んでいる事を見抜かれたイングラムは苦笑し、彼…ジャグラーからのアドバイスは素直に受け取ろうと考えたのだった。
そして、この苦悩を打ち明けるべき者はこの地球に幾人か居る………伊豆基地に帰還次第連絡を取り、ジュデッカの枷が強まり自分が自分で無くなった際に後を託そうと覚悟をしたためたのだった…。
───リクセント公国───
DC残党と思しき部隊に襲われているリクセント公国、その城内を執事の『ジョイス・ルダール』が王女を探して走り回っていた。
「王女!
何処に居らっしゃるのですか!?
シャイン様、どうかお返事を!
いい加減になされませんと爺は怒りますぞ!」
「…慌て過ぎです、ジョイス。
王族たる者、如何なる時も堂々と…でございますのよ」
そして走り回った先に探し人である『シャイン・ハウゼン』王女を見つける。
まだ10代前半…それもハガネ部隊のラトゥーニよりも年下にも関わらず王族として慌てず騒がず、冷静に事へ対応しようとする品格が見えていた。
「それどころではありません!
賊が城を包囲しておるのですぞ!
早く此処からお逃げ下さいませ!」
「爺…不届き者の狙いは、この私…そうではございませんか?」
「そ、それは…」
ジョイスはそれでもシャイン王女を逃がそうと必死になるが、彼女はその理由をジョイスの態度からも………自身が持つ『能力』を把握してる事からも想像出来ており、それでも尚堂々と振る舞っていた。
これも全ては彼女が持つ王族としての志がそうさせるのだろう。
「ならば…退けません。
お父様の代わりに、この国を守ってみせたりしますわ」
「よろしいですか、王女。
賊が要求しているのは、金塊だけではございません。
彼等は御身の引き渡しを要求して来ているのですぞ。
金塊など幾らでもくれてやりましょう…ですが、御身だけは…」
しかし、ジョイスも退く事が出来ずシャイン王女に具申していた。
DC戦争で彼女の両親は命を失い、今やリクセント公国の王族はまだ幼い彼女のみ………そんな重荷を背負うシャイン王女を想えばこそ、ジョイスは一刻も早く賊の手の届かぬ所に彼女を連れ出し守りたいのだ。
「この程度でビビる…あ、え~と、怖じ気付く私ではございません…!
理不尽極まりない侵略に屈する様ではハウゼン家の名を名乗れなくなりますもの…!」
「ですが、現実は甘くございませぬ。
状況は圧倒的に不利…これより防衛軍の面々も決死の覚悟で御身を脱出させる所存です。
どうか、大公家の血統…御身を守ろうとする彼等の決意を汲んでやって下さいませ」
「…爺。
もう一つ…方法がございますわ。
私があの者達の下へ行きます」
そしてシャイン王女はリクセント公国の民草の血を…防衛軍の兵士達も含めた全ての民の血をこれ以上悪戯に流させぬ為に賊達の下へ下ろうと言う悲痛な決意すら口にしていた。
シャイン王女も現実が見えていない訳では無い、ならば少しでも民達が生き延びられる選択を考えているのだ。
そんな決意を口にした………その時である、シャイン王女の脳裏にあるビジョンが浮かんだのは!
「っ!?」
「シャイン様、いかがなされましたか!?」
「…今、私の脳裏に………見た事の無い、『魔神』と並び立つ『鋼の魂』がリクセント公国に立つ姿が………」
シャイン王女が持つ能力…『予知能力』と呼ぶべきそれは彼女に様々な物を見せ、そして外れた試しが無かった。
そんなシャイン王女の予知能力が不意に見せたビジョン………魔神と鋼の魂達がこのリクセント公国に聳え立つ光景。
それが何を齎すのか、今のシャイン王女には分からない…が、その答えは直ぐ其処に迫っているのであった…!
第21話『リトル・プリンセス』
リクセント公国を襲った賊………DC残党、その中のアードラー派に属するテンザンの部隊が公国側に通告を行ってから少し経過し、返答期限が迫る中城の通信施設からジョイスが指揮官たるテンザンに通信を掛け始めていた。
この通信に際してタイマーに目を向けるテンザンは大体予想通りの時間だとして回線を開いていた。
「よう執事さん、こっちの要求を飲んでくれる気になったのかい?」
「………王女は貴方方の要求を受け入れると申されております。
その代わり、約束は守って頂きますぞ」
「へっ、分かってるよ。
王女サマの命は保証してやる」
「テンザン大尉、連邦軍の戦艦が接近中です!!」
「あん?」
しかし、その交渉の場を真っ二つに引き裂く………リクセント公国の救難信号を受け取ったハガネがストーク級の警戒レンジに入り込み、そして戦闘空域に進入したのだった!
ハガネの姿を見たテンザンは、割と簡単だったステージにボーナスエネミーが出現したとしてニヤリと笑っていたのだった。
「テンザン大尉、ハガネは機動部隊を展開しようとしてます!」
「まぁ、それはそれとして形式的にコレだけはやっておくか…。
え~ハガネに告ぐ、シャイン王女、及びリクセント公国の国民の命が惜しかったら武装を解除して降伏しな」
「て、てめぇ、テンザンか!!」
「人質を取るなんざ相変わらず汚い奴だぜ…!!」
「何とでも良いな、ゲームは自分に有利になる様に立ち回る事が正解なんだからなぁ。
要求に応じなきゃ人質が死ぬ事になるからよ〜く考えるだな、正義の味方さん?」
到着直後のハガネ部隊にテンザンは早速人質作戦を展開し、ニタニタと笑いながらリュウセイやコウジ達を煽っていた。
最もシャイン王女は無傷で運んで来いとアードラーに命令されているのだが、ハガネ部隊はそれを知らないのを良い事にテンザンは事を有利に運ぼうとしたのだった。
しかし、そんな下衆の作戦を土台から崩す者がこの場に居るのだった!
「それは嘘でございます!」
「何っ!?」
「この者達の目的は私!
ですから、私を殺しちゃったりはしません!」
「て、てめぇ…!!」
テンザンはシャイン王女の横槍によりイニシアチブが完全に崩れ去り、しかもハガネ部隊が好き勝手に動き出しかねない所まで予測したのであの王女の身柄を確保した暁には一発引っ叩く位はしてやらないと気が済まない所まで頭に血が上るのだった!
その光景を見ていたハガネ部隊の面々、特にツルギやヘビクラ、クレナイは矢張り三下とバッサリ切り捨てていたのだった!
「ハッ、早速人質作戦とやらが失敗してる様だな!
そんなんだからツルギ少佐達から三下呼ばわりされるんだよ!!」
「だが、速攻でケリを付けた方が良い事には変わらないぜ」
「よし…機動力の高い機体は王女の救出に向かえ。
残りの機体は敵機を撃墜せよ。
王女が居る場所は王宮のこのポイントだ」
「よし、だったらさっさと王女さんを救出しようぜ!
勿論テンザン達なんかに先を越されない様にな!」
「ああ、勿論だぜコウジ!!」
「機動部隊各機、出撃せよ!!!」
そうしてシャイン王女を救出すべくハガネ機動部隊が出撃し、早速眼前に展開していたシュヴェールト、リオンをビルトラプターとR-ウイング、リオのゲシュペンストMk-IIが撃墜する!!
その際に出来た進路をビルトシュバイン、シュッツバルト、ヒュッケバイン009が進撃し、グルンガストとマジンガーZ、グレートマジンガーがストーク級側の敵機に狙いを定め突撃し、ヘビクラとクレナイのゲシュペンストMk-IIは王宮に向かおうとする敵小隊を撃墜し始めていた!!
「ちっ、流石に展開が早いなアイツ等!!」
「こんな程度、ラストバタリオンやアイドネウス島の時と比べれば何ともないぜ!!」
「リュウセイ、油断するな。
伏兵が潜んでいるかも知れん、常にレーダーに気を配り警戒を怠るな」
「おっと、了解だぜイングラム教官!」
更にリュウセイはラストバタリオンやアイドネウス島防衛部隊と今のテンザンの部隊を比較し、ガーリオンもバレリオンも居ないこの程度ならばと余裕を出していた。
勿論それをイングラムに忠告され、直ぐに気を張り巡らせていた。
対するテンザンは確かに今の部隊でハガネ部隊とマトモにやり合うのは此方の戦力を悪戯に消耗するばかりであった。
此処から逆転するならばもうシャイン王女を諦めてMAPWをハガネ、リクセント公国に直接撃ち込む位しか無いのだが…アードラーからシャイン王女だけは必ず確保しろと口酸っぱく命令された為、それが出来ず爪を噛む羽目になっていた!
「…テンザン大尉、これを…!」
「あん?
………ビースト振動波の反応が上がり始めてるだぁ?
………コイツは良いぜ。
全部隊に秘匿通信で命ずる、連中が万が一王女サマを確保したらさっさと撤退しろ、スペースビーストがこの場に出るぜ?」
「なっ、しかし対ビースト特記事項は」
「んなもん、アードラーのジジイも適当にしてろって言ってただろ?
良いか、彼処に居るのはお前等が敬愛する総帥をぶっ殺した連邦軍部隊だ、ソイツ等がビーストの手でくたばれば御の字とも言えるだろ?
だったら俺の命令に従え、良いな?」
そんな中、テンザンはより最悪な選択………スペースビースト出現の予兆を察知しながらハガネ部隊に共有せず、そのまま撤退しようと部下達に命じていた。
これにはDC残党一般兵も納得が行かなかったが、上官たるテンザンの命令には従わざるを得ず、もし歯向かえばテンザンのみならずアードラー副総帥も何をするか分からないとさえ考えていた。
そうしてこの場に居たDC残党一般兵達は漸く気付くのだった、自分達は付き従うべき相手を間違えた、あの撤退時にエルザム少佐達に付いて行くべきだったと。
「…今、敵部隊の行動が鈍ったな?
何があったかは知らんが…この隙は逃さん!」
そんなDC残党側の動揺を隙と見てライは本来機動力は低めのシュッツバルトで一気に王宮まで一直線に突撃し、指定ポイントに誰よりも早く駆け付けるとコックピットを開けシャイン王女の御身を確保するのだった!
「艦長、王女の救出に成功した様です!」
「よし、残っている敵機を『ビィー、ビィー、ビィー!!!』むっ、この警告音は!!」
「はっ、ビースト振動波の反応が上昇!!!
スペースビーストが来ますっ!!!」
【ザバァァァァン!!!!!】
『ギュルルルオオオオンッ!!!!!!!』
「げっ、スペースビースト!!
こんな時に出やがって!!!」
だが、シャイン王女の救出と同時にスペースビースト…ペドレオンが4体、ビーセクタが5体、バグバズンが巨大個体が3、更に無数の等身大個体まで出現し真っ直ぐにリクセント公国へと向かい始めていた!!
コウジ達はもうDC残党を相手していられないとしてスペースビーストに目標を定め、向こうもスペースビーストに集中してくれる筈…と思っていた。
が、テンザンはニヤリと笑いながらオープン回線で通信を始めた。
「あ~ハガネ部隊へ、本艦は先の戦闘によりダメージを負ってしまった。
よって本艦は残った部隊と共に撤退をする。
後はそちらに任せたってな」
「なっ、おい!!
俺達はストーク級にまだ攻撃を仕掛けては」
「そんじゃ後は任せたぜ、正義の味方さん達」
「な、お待ちなさい!!
軍人ならばその責任をしっかり果たしやがれでございますわ!!!!」
何とテンザンはわざとらしく損傷を負ったので撤退すると宣言し、DC残党全部隊と共にリクセント公国空域から撤退してしまうのだった!
これにはリュウセイやコウジ、更にシャイン王女も憤りを覚えながら声を荒げてしまっていた!
更にダイテツもテンザンの対応には頭に青筋が立っており、誰が見ても切れていると分かる雰囲気を出していた!
「リュウセイ、コウジ、テンザンの事は放っておけ!
今はスペースビーストへの対処を優先しろ!!
それとPT部隊はディバイトランチャーを装備する為に一度ハガネに戻れ!!
ダブルマジンガーとグルンガストはPT部隊再出撃まで時間を何とか稼いでくれ!!」
「リュウセイ、聞いての通りだ。
今はスペースビーストを対処するぞ。
…テンザンへの怒りは、次に奴と出会った時まで取っておけ…」
「くっ………了解………!!」
其処にヘビクラ、更に声に怒気が混じり気味のイングラムの静止によりリュウセイは一旦立ち止まり、ハガネ格納庫に戻りディバイトランチャーをR-1に装備させるべく帰還した!
更にスペースビースト達の進行方向にダブルマジンガーとグルンガストが立ちはだかり、攻撃を加えてPT部隊再出撃とリクセント公国の国民達が急いで避難する時間を稼ぎ始めていた!
そんなハガネ部隊達の下に、ストライクチェスターと地上には仮面ライダーディケイドが現れ少なくなっていた手数を補い始めていた!!
「ハガネ部隊へ、これよりナイトレイダーは諸君を援護する!!」
「ナイトレイダーが来たか!!
済まない、援護に感謝する!!」
ナイトレイダーの援護によりPT部隊とセブンガー、ウインダムの出撃が叶ったハガネ機動部隊は時間を稼いでくれた彼等やコウジ達の奮闘に報いるべくデイバイトランチャーを斉射し、セブンガーは硬芯鉄拳弾を、ウインダムは機動力を活かした連撃と頭部レーザーを当ててペドレオンやバグバズンを撃滅し、空のビーセクタはダブルマジンガーによるダブルバーニングファイヤーによってビースト細胞が1つ残らず焼滅し、仮面ライダーディケイドもディケイドファイズに変身しつつアクセルフォームによる超高速の強化クリムゾンスマッシュ連続使用によって分子分解を行いながら等身大バグバズンも全て撃滅したのだった!
「ビーストが未だ蔓延ってて、なのにテンザンの野郎は…!!」
「…リュウセイ、イングラム少佐が言った様にその怒りは次にあの野郎と接敵した時にぶつけようぜ。
今はビースト細胞の無毒化が出来たかどうかの後始末を済ませようぜ」
「…ああ」
そうしてスペースビーストとの不測の戦闘もDC戦争を乗り切ったリュウセイやコウジ達ならばペドレオン等の通常種は難無く…それこそウルトラマンの手助け無しでも何とかなる様になっていた。
が、そんな事よりもテンザン達DC残党がスペースビーストへの対処をしなかった…この事実にリュウセイは怒りを激しく燃やし、イングラム達やコウジに嗜めながらも次の会敵時にこの怒りの全てをぶつけようと拳を握りしめるのであった。
一方コウジも一見すれば冷静に見えているのだが………サヤカやジュウゾウ、ツルギ達が見れば『コウジは本気でキレてる』と揃って口にする程その瞳に怒りを滲ませているのであった…。
DC残党、スペースビーストの襲撃を乗り切ったハガネ部隊達にジョイスは礼を述べるべくブリッジを訪れ、其処にジュウゾウも居合わせていた。
其処でダイテツ達はDC残党の目的を、ジョイスがシャイン王女に宿る予知能力を語る事で推察するに至っていた。
更に亡くなった先代の大公夫妻がEOTI機関に出資していた件もあり、其処から王女の力がDCに漏れたのだろうと言う経緯も加えていた。
「成る程、あんな小さな王女が狙われた理由が予知能力によるものでしたか」
「恐らくDC残党は彼女の力をマン・マシン・インターフェースに応用すれば、敵の攻撃の予測・回避する機体を作り上げる事が出来ます」
「アードラーの耄碌ジジイはその手の研究をしていた。
そして奴に道徳心など存在せん………ワシ等ハガネ部隊がリクセント公国に駆け付けてるのが少しでも遅れた場合を考えるとゾッとするわい。
しかもワシ等が離れれば奴等は間違い無く………」
更にジュウゾウがアードラーの事を考え忌々しく思いつつも矢張り最悪の想定が頭を過ぎり、それを包み隠さずダイテツ達に語っていた。
それ等を聞き………ジョイスはこの場で決断を下したのだった。
「…お願いでございます。
どうか、貴方方の手で王女を安全な場所に匿って頂けませんか?」
「ふむ…ヘビクラ中佐にイングラム少佐、ジュウゾウ博士の話が事実とすれば、シャイン王女の身柄をDCやコロニー統合軍に渡すのは避けねばならん所だな。
一度レイカーと相談してみる、少し時間を頂きたい」
ジョイスの決断にダイテツもこのまま王女をDC残党達にみすみす渡すのは危険であると判断し、極東支部のレイカー司令にこの件を通し如何なる物にするか判断を仰ぐのだった。
その結果、シャイン王女はレイカーが直接指揮下に置く極東支部伊豆基地に匿うと言う事となった。
その理由も今の統合参謀本部、EOT特別審議会があるジュネーブよりも安全だろうと判断されてのものだった。
更にRシリーズや新型機の調整もあるのでハガネが日本に帰還する理由もあるので丁度良いタイミングでの話なのである。
しかし、それはそれとしてシャイン王女が艦内をコッソリ歩き回る事を招いたエイタはコッテリ絞られた後責任を以て王女をその足で探す羽目になっていたのだっ
「で、ライの所にシャイン王女が赴いて話してる所をコウジとクレナイはちゃっかり目撃してたと?」
「まぁな。
邪魔しちゃ悪いからライが居なくなるまで見守って、それから王女を用意した部屋に案内したがな。
それより本当か、シャイン王女がこのまま日本に来ると言うのは?」
「ああマジだ。
総合的に判断してその方が良いって事になってな。
てな訳でお前等、王女に無礼の無い様に接しろよ?
変な事で外交問題に発展しました〜なんて洒落にならねぇからな?」
更にそれから数刻後、ブリーフィングルームにてシャイン王女がハガネの日本帰投に同行する事をヘビクラやアヤからパイロット達に伝えられ、ツルギもこのままリクセント公国に留まるよりも伊豆基地に匿った方が安全だと理解して頷いていた。
「あの、それでライディ様は何方に?」
「ライディ様………ライ、お前直接救出したのと格納庫でのやり取りで一国の王女様のハート射止めてるぞ………」
「其処の貴方、お時間はございますか?」
「へっ、俺?」
「では、ライディ様を捜して来て下さいませんこと?
私、艦内の事はまだ良く分かっておりませんの、申し訳無いのですが…お願い出来ますか?」
「は、はい、只今!」
【トタトタトタトタッ!】
「リュウセイ…」
「こいつは…小市民の悲しき性だねぇ…」
更にリュウセイはシャイン王女に命じられるままライを探しに艦内を走り回る事となり、コウジとイルム、更にやり取りを見ていたクレナイやヘビクラからは同情の目を向けられながらこの小さな姫君にこれからも自分達は振り回されるのだろうなと考えるのであった…。
一方イングラムの個室にて、イングラムはクスハを呼び出しPT訓練を施すとの話し合いが行われていた。
「それで、どうして私が…」
「お前に定期検診と同時に行っていた検査の結果、判明した。
お前の為に特別訓練プログラムとSRX計画の機体を用意してある」
「そんな…。
私は看護兵です、パーソナルトルーパーを操縦するなんて…」
無論クスハはその指令に異を唱えていた。
自身はただの看護兵、機動兵器を操る力など無いと訴えつつ困惑した表情を浮かべていた。
だがイングラムは目を伏せながら話を続けていた。
「…お前の言ってる事も最もだが、目下差し迫っている現実…来たるべきエアロゲイターとの戦いに備えて俺はSRX計画の機体を扱える人材を1人でも多く必要としている。
我々はエアロゲイターに勝利しなければならない、それがひいては多くの人命を救う事になる。
訓練プログラムはヘビクラ中佐やクレナイ少佐、更にお前が受領する機体特性を鑑みてツルギ少佐にもこの話を既に通してある。
…クスハ、頼む、お前の力を我々に貸して欲しい」
更にイングラムはクスハに頭を下げ、彼女の情にも訴える形でパイロットになる様に促していた。
これは勿論バルシェムとしてもサンプルを育成する正しいやり方だったが………それ以上に、『イングラム個人としての自由意志』が彼女自身の未来、そしてリュウセイ達の未来を切り開かせる為に必要な事だと判断して酷な決断を下したのだ。
そして…恐らくこの自由意志も長くは続かない、そんな予感が徐々に強まってる枷により現実の物になるとイングラムは考えていた。
よって此処からイングラムは後の事をリュウセイ達に託すべくより一層の行動を起こしていたのだった…。
此処までの閲覧ありがとうございました!
なんとテンペスト少佐、アードラー側に合流せずクロガネに合流しました。
『ラストバタリオン』の回でヘビクラとクレナイが戦闘した事でフラグが成立した、と言う形になります。
それにしわ寄せでリクセント公国襲撃はテンザンの部隊のみになり、更にテンザンはスペースビーストへの対処を相変わらず…。
そしてイングラム、原作では淡々とした表情で行っていたクスハのパイロット転向の指示もジュデッカの枷が緩んだ影響で頭を下げたりする等の形に変わってます。
が、本編にある様に徐々にジュデッカの枷がまた強まってるのでより切迫した形になりこうなってます。
そしてイングラムの行動はまだ終わらないのでそれはまた次回に。
次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしてます!