スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様こんにちはです、第21話を更新致します。
今回はステージ開始前会話は原作とほぼ変わらないのでカットしつつ、R-1とアルトアイゼン+αの戦いから始まります。
しかし………オリジナル展開が無いとは言ってないので、何がどう違うのかを上手く見せられたらと思ってます。
では、本編へどうぞ!


第21話『R-1対アルトアイゼン』

第21話『R-1対アルトアイゼン』

 

 

 

 

 

 

 ハガネが伊豆基地に帰投してから時間がそんなに経過していない頃、コウジはSRXチームが訓練するのに合わせてマジンガーZに乗り込みその訓練に参加していた。

 イングラムから聞かされた話によればデータの乏しい『R-2』と『グルンガスト弐式』を直接戦闘訓練でデータ取得する為とされていた。

 更に………その中でリュウセイはピリピリしていた。

 弐式には何とクスハが乗り込むと事前に聞かされており、それを抗議しても取り下げられなかったからである。

 

「リュウセイ、お前の気持ちも分かるよ。

 だけど………お前直接クスハに言われたんだろ、『私の力でリュウセイ君達を助けられるなら、そうしたい』って。

 確かに話は急だったけど、彼女自身も考えた上でパイロット転向を受け入れたんだ。

 ならその覚悟、俺達も受け入れなきゃ駄目だろ?」

 

「だからってよ………」

 

「それにヘビクラ中佐やクレナイ少佐、テツヤさんがリオの様に筋が良くて特機適正もあるって太鼓判を押して、あの3人が今日までに何とか弐式を扱える様に整えてくれたんだ。

 ヘビクラ中佐達やクスハ自身の事、信じてやろうぜ?」

 

 それでもなお納得の行かないリュウセイをコウジは冷静に諭しながらクスハの覚悟を受け入れる様にと話しつつ、ヘビクラ達の名前も出して何とか納得して貰おうと会話をしていた。

 勿論これは本来コウジのやる事では無いのだが………イングラムからこうなると予想を聞かされ、その時は頼むとまで言われたので仕方無くこの役を勝っていたのだ。

 当然ながらコウジもクスハのパイロット転向の件はリュウセイと同様に異議を唱えたが、イングラムが頭を下げた上にその理由も…エアロゲイターに勝利する為に必要な一手と聞かされ、それを渋々了承したのだった。

 そうこうしている間にライ、クスハが乗り込んだR-2やグルンガスト弐式が起動し、伊豆基地の地を踏み締めていた。

 

「R-2起動完了。

 エンジン出力はクォータードライブを維持。

 …ジュウゾウ博士達の技術支援もあってか、当初のカタログよりもトロニウムエンジンの出力が安定してるが、流石に手放しで安心出来る域では無い、か」

 

「グ、グルンガスト弐式、起動完了しました! 

 これより、訓練体制に入ります!」

 

「…テツヤさん達が叩き込んだお陰か、普通に動く分は安心して見れるな、リュウセイ」

 

「………」

 

 R-2はジュウゾウやケンゾウ達も協力した甲斐があり搭載されたトロニウムエンジンもまともに訓練出来る領域まで仕上がっていた。

 が、矢張りまだハーフドライブ…50%より上の出力を引き出そうとすれば一気に不安定になるので、その辺りはまだ課題が多いとライも感じていた。

 一方クスハはヘビクラ達の叩き込みもあり、グルンガスト弐式を普通に動かすのみならず、戦闘も一応問題無く出来る所まで仕上がっていた。

 が、勿論荒療治且つリオの時よりも日が浅いので此方も安心は出来ない故に今回の戦闘訓練でより成熟させようとヘビクラ達も取り敢えずは了解していたのだ。

 その間にリュウセイはイングラムに不満があると言う態度を崩していないが、矢張りパイロット転向すると事前に話を通された際にクスハにも説得された為、態度に出すだけで言葉にはしていなかった。

 

「さて、そろそろ訓練が始まるぜリュウセイ。

 そろそろ構えとけ」

 

「…分かった。

 所でコウジ、戦闘訓練の相手は誰なんだ? 

 リオ達か?」

 

「その答えは…直ぐ来るぜ」

 

 そうしてコウジとリュウセイはそれぞれマジンガーZとR-1を身構えさせると戦闘訓練体制に入った。

 が、此処でリュウセイは誰が相手なのか知らないのでコウジに聞くと………コウジは不測の事態が無い様にとイングラム側から誰なのかを唯一聞かされており、そしてその相手に合わせた構えを取っていた。

 そんなやり取りをしていた正にその時である、R-1達のレーダーに識別不明機が急接近するアラートが鳴り響いたのは! 

 

「AMじゃない、アレはゲシュペンスト…!?」

 

「この間合い、貰った。

 止められると思うな…! 

 R-1のパイロット…!」

 

 更にその所属不明機…SRX計画と対を成す『ATX計画』にてカスタマイズされた初代ゲシュペンスト、そのタイプTが原型機であり、赤い駆体と右腕の釘打ち機、両肩の大型コンテナと1本角と原型のゲシュペンストに似つかない特徴のPTX-003C『アルトアイゼン』が急接近しながら右腕に装備された『リボルビング・ステーク』をR-1にヒットさせる! 

 が、リュウセイも急な接敵にも対応してR-1のダメージを最小限に留めてアルトアイゼンを相手に身構え直していた! 

 

「データ以上の反応速度…どうやら、機体の性能に頼っている訳では無いらしいな」

 

「ぐぅ、コイツ、ただのゲシュペンストじゃねぇ…!!」

 

「気を付けろリュウセイ、12時の方向から新手が来るぞ!」

 

 更にリュウセイがアルトアイゼンを普通のゲシュペンストでは無いと認識した直後、新手として試作型ゲシュペンストMk-IIのタイプTのカスタム機である白い駆体と機体以上の長身を誇るランチャーを装備し、PTでありながら自力飛行するPTX-007-03C『ヴァイスリッター』が現れR-2と会敵する! 

 更にグルンガスト弐式側にはヒュッケバインの新型機であるRTX-10『ヒュッケバインMk-II』が現れていた! ! 

 更にマジンガーZの頭上にはグレートマジンガーが現れマジンガーブレードを構えていた!! 

 そう、今回の戦闘訓練相手とはATXチーム及びグレートマジンガーが相手であり、それを聞かされていたのはモニタリングしているジョナサンやロブ、更にジュウゾウ達やヘビクラとクレナイ、そして今回戦闘訓練に特別参加しているコウジだけであり、リュウセイ達には一切相手が伝えられていなかったのだ! 

 

「こちらイングラムだ、これより模擬戦の内容を説明する。

 内容は『敵勢力の急襲とそれの迎撃』である。

 R-1はアルトアイゼン、R-2はヴァイスリッター、グルンガスト弐式はヒュッケバインMk-II、マジンガーZはグレートマジンガーと戦い、これらを行動不能にせよ、以上だ」

 

「な、何だって!?」

 

「…てな訳だリュウセイ、ライ、クスハ。

 ライはもう察してると思うけど、この訓練は敵の突然の襲撃を迎撃出来るかを測る訓練なんだ。

 因みに相手はマジで来るから、油断してたらアッサリやられるぜ?」

 

「そういう事よん、説明ありがとうね〜マジンガーZのパイロットさん。

 あ、もしかして急な対応に怖くなっちゃったの、R-1のぼ・う・や?」

 

「『エクセレン』、茶化すな。

 そう言う事だR-1のパイロット…本気でやらせてもらうぞ」

 

「くそ、上等だ!! 

 だったら遠慮はしねえ!!」

 

 そうしてリュウセイはイングラムへの不満が爆発し、それをアルトアイゼン…『キョウスケ・ナンブ』にぶつける形でR-1を動かし戦闘を開始する!! 

 先程のやり取りでアルトアイゼンは急加速からの零距離攻撃が得意とすると分析し、迂闊な接近を許さぬ様に隙を与えず、G・リボルヴァーを連射する! 

 が、アルトアイゼンの元がゲシュペンストとは思えぬ頑強な装甲はG・リボルヴァー程度では止まらず再びリボルビング・ステークを構えるが、これをR-1は何とか回避しつつ有効打を与えるべく攻撃を繰り返していた! 

 

「わお、今のを避けちゃうのね! 

 それにR-1もアルトちゃんの攻撃を受けてもビクともしないなんて、流石対異星人用に作られた試作機ね〜」

 

「この機動力、矢張り原型機とは比較にならないか…! 

 それに…このパイロット、此方の油断を誘うのが上手いな…! 

 だが、それは俺にとって問題ではない」

 

「もう、無理しちゃって。

 痩せ我慢は身体に良くないわよ。

 だから、早めに勝負を付けて上げる」

 

「そう簡単にはやられん、俺に出会った不幸を呪うがいい…!」

 

「あららん、キメキメじゃない色男さん。

 ふふっ、燃えて来ちゃった!」

 

 一方R-2とヴァイスリッターは距離を保ちながら『マグナ・ビームライフル』と『オクスタン・ランチャー』Eモードの撃ち合いになるが、エクセレンはほんの少しの隙を見つけては実弾とエネルギー砲の2つを撃ち分けるオクスタン・ランチャーのBモードに即座に切り替えては偏差撃ちしたりとかなりのやり手であった。

 が、ライはそんなエクセレン相手とも互角にやり合い、互いに一瞬の油断を突く針の穴を通す様な勝負を繰り広げていた! 

 

『うおおおおおおおおおお!!!!』

 

 更に伊豆基地の上空ではブレストファイヤーとブレストバーンの撃ち合いや超合金Z製のパンチの応酬、アイアンカッターとマジンガーブレードの鍔迫り合い等の激しい戦闘が行われ、マジンガー同士の戦いは苛烈さを増していた!! 

 更にツルギとしてはこの訓練はコウジの成長を再確認する意味合いもあり、コウジとしても魔神パワー無しのマジンガーZの力をより引き出せてると示す為の戦いでもあるので何方もマジンガーが激しく損傷しても構わないの精神で攻撃を仕掛けていたのだった!! 

 

「…このグルンガスト弐式のパイロット、戦闘慣れしていない? 

 なんだ、この感じは…?」

 

「こ、これが戦闘………怖いけど、やらなきゃ…!!」

 

「えっ、まさかこの機体、戦い慣れてない女の子が乗ってるのか!?」

 

 一方グルンガスト弐式とヒュッケバインMk-IIの戦いはヒュッケバインMk-IIのパイロットである『ブリット』こと『ブルックリン・ラックフィールド』がグルンガスト弐式の戦闘慣れしていない雰囲気に違和感を覚えつつバルカンで牽制し、隙を見て攻撃を叩き込もうとした所でクスハの声が聞こえ、此処に来て相手が女の子、しかもまだ素人が乗ってる事に気付き困惑していた! 

 イングラム少佐は何故こんな子をこの訓練に出しているのか、そんな疑問がブリットの中で大きくなり始めていた! 

 

【ガツンッ!】

 

「あっ、きゃあ!?」

 

 更にクスハは足場の確認を怠り破損した地面にグルンガスト弐式の足が取られ転倒させてしまう! 

 これには相手をしていたブリットも困惑し、攻撃を中断して様子を伺ってしまっていた! 

 

「クスハ曹長、無事か?」

 

「す、すみませんイングラム少佐、クレナイ少佐、ヘビクラ中佐…!」

 

「………いや、怪我が無いならそれでいい。

 訓練は再開出来るか?」

 

「ま、まだ………やれます………!」

 

「そうか…だが、無理だと判断したなら此方に伝えろ。

 機体は直せても、お前自身の代わりは居ないのだからな…」

 

 その際にイングラムはクスハに通信を入れ、怪我の心配をしながら訓練を再開させた。

 その際にキチンとクスハの身を案じてる言葉も投げ掛けており、ジュデッカの枷が緩んでる今だからこそ出来る他者を思いやる言葉を呟いていたのだ。

 しかしそれでも訓練を止めさせないのはクスハを強くし、彼女自身の力でこの先の戦いを生き抜く為にはこの訓練がどうしても必要だからであった。

 それ等のやり取りを見ていたクレナイとヘビクラは………クスハの特別訓練プログラムを彼自身から持ち出された際の出来事を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ? 

 クスハをパイロットに仕立て上げろだぁ? 

 おいイングラム少佐、お前本気で言ってやがるのか」

 

「ああ、本気だ。

 彼女はリオと同様に念動力者としての資質がある。

 だからこそ来たるエアロゲイターとの決戦に備え、彼女を鍛え上げる必要がある」

 

「…俺は反対するぞ。

 リオは自分から言って来たからこそ了承したが、クスハは事情が違う。

 幾ら何でも彼女には酷だ」

 

「イングラム少佐、俺も反対だ。

 如何に資質が備わっていようと彼女自身が戦場に立つ意志が無いのなら足手まといだ。

 それに訓練するにも時間が足りな過ぎる」

 

 イングラムはヘビクラ、クレナイ、ツルギにクスハの訓練プログラムと看護兵からパイロットへと転向させる話を聞き彼の言葉に耳を疑いながら反対し、決して首を縦に振る気は無かった。

 更に反対するにもそれぞれの視点から駄目出しし、イングラムの提案を折ろうとしていた………が、イングラムは真剣な眼差しを3人に向けながら更に言葉を紡ぎ始めた。

 

「…3人には俺の秘密を語っておく。

 俺は………地球の人間では無い、エアロゲイターから送り込まれた特殊工作員だ」

 

「な、何だと!?」

 

「…それ、冗談で言ってる訳じゃねぇよな? 

 ならその言葉が何を意味してるか、俺達にそれをゲロったらどうなるかも分かってて言ってるんだな?」

 

「無論だ。

 クスハのパイロット転向はエアロゲイターとしては出来の良いサンプルが増えるので好都合なのだ………が、此処からは俺個人の意思を話す」

 

 イングラムは自分がエアロゲイター側の人間である事を連邦軍の兵士であるツルギ達に告げると、彼等から当然の敵意を向けられ何時殺されても可笑しくない状況に敢えて自らを立たせていた。

 これからする話は、その方が信用して貰えると彼等の気質を『信じて』いるのだ。

 

「俺は、恐らくそんなに遠くない未来に自らの自由意志を失い、完全なエアロゲイターの尖兵として地球に牙を向く事になるだろう。

 そうなれば俺は………リュウセイ達や仲間達すらも傷付け、そして彼等の未来を閉ざしてしまうだろう。

 だが、そうさせぬ為にもリュウセイ達やクスハ達も鍛え上げ、未来を勝ち取らせるしかないんだ…『俺』と言う意志を失ったエアロゲイターの兵士に打ち克つ為にも必要な事なんだ。

 だから頼むヘビクラ、クレナイ、ツルギ…俺の申し出を、『願い』を受け取って欲しい…」

 

 イングラムは3人に頭を下げながらヘビクラ達に改めてクスハの訓練プログラムの承諾を願い出ており、その姿を見たヘビクラ、クレナイ、ツルギは………自分が敵側の異星人であると明かしながらこんな行動を取ると言うのは相当な覚悟が無ければ出来ないと一見すれば見て取れた。

 しかも話を聞く限りではイングラムはエアロゲイターから何らかの洗脳が施され、今はまだ自由が利いているがそれももう時間の問題とも受け取れる発言をしていた。

 だが相手はエアロゲイター側の人間、まだ全てを信じ切れる訳では無い故に幾つか確認を取る必要があった。

 その確認をツルギが口火を切り始めていた。

 

「…幾つか確認する。

 貴様はこの事を俺達に話した挙句この場で殺されると考えなかったのか?」

 

「無論、その可能性が高いと理解している。

 が、それでも打ち明けた方が良いと考えた」

 

「もしもこの場を見逃して、お前の要望通りにしたとして………お前がお前で無くなり敵に回ったその時、俺やリュウセイ達に討たれても良いと?」

 

「リュウセイ達の未来が切り拓かれるのならば………俺は自分の命は惜しくない」

 

「…その口振りからして貴様はエアロゲイターから洗脳を受けてると判断出来るが、何故貴様はエアロゲイターの洗脳下にありながら此処まで自由に出来た?」

 

「…本来エアロゲイターの人造人間、バルシェムである俺には無い筈の物…俺を『俺』と定義出来る魂…それを揺さぶる存在………仮面ライダー、ゲッターロボ、マジンガー、そして………ウルトラマン………それ等の存在と『光』が、俺の中にある枷を緩ませ、魂を震わせたのだ。

 最も、その枷や魂を更に大きく大きく揺さぶったのは…ナイトレイダーのユーゼス、あの男が『正義』の側としてこの星を護る、そんな行動を目にしたからなのだがな」

 

 ツルギの一つ一つの確認にイングラムは丁寧に答えつつ、どうやらナイトレイダーのユーゼスに何か因縁があるらしいとも答えていた。

 そして彼の行動が、イングラムにも大きな影響を与えてしまったとも。

 それ等を確認し………ツルギ達は互いに目を合わせると、溜め息を一つ吐きながらイングラムを見据えた。

 

「…この事はダイテツ艦長にも共有する、その上でダイテツ艦長が許すならば…お前の要望通りにしてやる。

 ヘビクラ、クレナイ、お前達はイングラムを見張っててくれ、俺がダイテツ艦長に報告して来る」

 

「ああ、任せてくれ」

 

 そうしてツルギはこれをダイテツに報告すると言う当然の行動を取ると、見張りとしてヘビクラとクレナイをその場に置いて艦長室へと足を運び始めていた。

 そうしてツルギの姿が見えなくなった頃…ヘビクラとクレナイはそれぞれジャグラー、オーブとしての側面を滲ませながらイングラムに目を向けていた。

 無論イングラムは2人が同じく異星人であると知っている為、何処か満足気な笑みを浮かべていた。

 

「よくもまぁ、俺達に今の今までバレずに潜り込めたな…バルマーのイングラムさんよ」

 

「勿論何度か冷や汗を掻いていたぞ、何せ相対する相手はジャグラスジャグラーと…ウルトラマンオーブだからな。

 何時斬られても可笑しくなかったさ…」

 

「矢張り…お前は俺達がジャグラー、そしてウルトラマンオーブと知っているんだな? 

 バルマー側は何処まで俺達の情報を持っている?」

 

「そうだな…お前達が様々な次元宇宙で活動している事や各フュージョンアップ能力、そして互いに表裏一体の風来坊である、それ位は共有されてるな」

 

 そうしてジャグラーとガイはバルマー側は自分達の情報を『持っている』とイングラムから聞き出し、相手は想像以上に此方の情報を手にしてると知りより警戒心を露わにしつつ、バルマーの尖兵たるエアロゲイターとの決戦も自身達の想定を上回る激戦になりかねないとして想定値を改めるのであった。

 その後ダイテツも事情を把握し、しかしイングラムは明かさなくても良い自身の素性を明かした上で地球側の戦力を上げようとしている事や…リュウセイ達の未来を案じてる『心』に重きを置き、クスハのパイロット転向とヘビクラ達による訓練プログラムの実施を許可するのであった…。

 

 

 

 

 

 

「くっ、こんな訓練馬鹿げてる…! 

 どうすれば…」

 

「だ、大丈夫です………私は、まだ訓練出来ます…!」

 

「だ、だけど君…!」

 

「私も…自分の意志でこの機体に乗りました…だから…!」

 

 そうして当時のやり取りを思い出しながらモニターに目を移せば、クスハはまだやれると気概を見せながらグルンガスト弐式を立たせ、そして構えていた。

 が、クスハの指は震えており………ブリットはその声の震え方からも彼女は怖がってると悟り、1つの行動に出るのだった! 

 

「此方H2! 

 機体に問題発生! 

 よって、戦闘の続行は不可能です!」

 

「えっ…?」

 

「え…!? 

 此方では、異常など確認されていません!」

 

「以上、通信終わり!」

 

【ビュンッ!】

 

「!? 

 H2、応答して下さい!」

 

「あらら、ブリット君やっちゃったみたいね。

 若いんだから、もう」

 

 ブリットはクスハの恐怖心を察し、これ以上は訓練と言う名の拷問であるとして、敢えて自身の機体に問題が起きたと嘯き戦闘を中断させたのだった! 

 当然オペレーターは通信を何度も試みるが、それに応えようとしなかった。

 但しATXチーム側は急襲相手であるとして今回の訓練内容を共有させていたので、これは命令違反になってしまうとしてエクセレンもブリットの事を心配していたのだった。

 一方トレーラーのイングラム達はと言えば…。

 

「で、これどうすんだよ?」

 

「…ブルックリン曹長には後で始末書を書かせる。

 また、クスハ曹長には更にシミュレーターによる訓練を後日実施する。

 …2人のケアについては任せるぞ、ヘビクラ中佐、クレナイ少佐」

 

「たく、面倒な事を俺等に押し付けやがってよ………わぁ〜ったよ、任せておけ」

 

 特にブリットを厳罰に処する訳も無く、始末書とメンタルケア程度で済ませる様に根回しをするのだった。

 勿論今回の火種を起こしたイングラムは未熟なクスハを戦闘訓練に参加させた為に上から絞られる事は間違い無いので、ヘビクラ達にメンタルケア側を任せるのだった。

 そうして戦闘から数分経過し、R-1とアルトアイゼンの戦いも一向に決着が付かなかったが此処でリュウセイ側から動きを見せていた! 

 

「R-1の右手に高エネルギー反応? 

 最後の一撃を仕掛けて来るつもりか。

 面白い、ならば俺も切り札を出すとしよう」

 

「R-1もアルトアイゼンも動きを止めた…次でケリを付ける気だな、あの2人は!」

 

 その戦闘を伺っていたコウジもツルギも両者が次の必殺の一撃で打ち勝とうとしていると見抜き、一旦戦闘を中断させその動向を見守っていた。

 そうして先に動いたのはR-1であり、その瞬発力で先ずは右手のT-LINKナックルでアルトアイゼンの左腕を破損させる! 

 そして止めの左を叩き込もうとした…が、アルトアイゼンはカウンターでリボルビング・ステークを突き刺すと、そのまま左肩の『スクエア・クレイモア』でベアリング弾を掃射し、R-1に大ダメージを与え両者痛み分けの結果となるのだった!! 

 

「…両者とも、其処までだ。

 これで模擬戦を終了する」

 

 そうしてR-1とアルトアイゼンの戦闘結果を見てイングラムは模擬戦終了の通信を行い、R-2とヴァイスリッター、更にダブルマジンガーも模擬戦を終了させて地上に降り立つと、それぞれ一息吐いていた。

 

「くっ、くっそ〜…相打ちかよ…!」

 

「…甘く見た。

 接近戦で不覚を取るとはな」

 

「アンタも手強かったぜ。

 そうそう、名前は何ていうんだ?」

 

「…キョウスケ・ナンブ少尉だ」

 

「キョウスケ…? 

 そっか、あんたがイルム中尉の言ってたビルトラプターの…俺はリュウセイ・ダテ曹長だ」

 

「…面白い戦いだった。

 また手合わせ願いたいな」

 

「ああ、こっちもな!」

 

 更にリュウセイもキョウスケとの模擬戦である程度不満を吐き出し切ったので、少しはスッキリした表情でキョウスケと対話していた。

 キョウスケとしてもまさかアルトアイゼンが接近戦で不覚を取るとは思っても見なかったのでリュウセイの事を高く買い、互いにまた手合わせしようと口約束を交わすのであった。

 一方モニタリングしていた月のマオ社から応援に来ていた『カーク・ハミル』は良い戦闘データが取れたと満足していた。

 

「イングラム少佐…今回のやり方には納得出来ないな。

 あんた、リュウセイやクスハ達を何だと思っているんだ?」

 

「…替えの利かない『人材』、だからエアロゲイターに打ち勝つべく徹底的に鍛え上げようとした…という答えでは不服か?」

 

「『人材』、ね…だったらそれらしくもっと彼等に寄り添ってくれ。

 俺はあいつ等を殺す為にパーソナルトルーパーを作ってるんじゃないんだ」

 

「…フッ、参考にしよう。

 作業員に伝達。各機の修理作業を開始する」

 

 一方ロブはイングラムのやり方に抗議するが、イングラムはロブから見ればそれなりにリュウセイ達を気遣ってると言う言動で彼を困惑させる。

 が、これは紛れも無いイングラムの本心であり…そして、自身がまだ正気を保ててる内にやれるだけの事をやろうと言う考えの下で行っている事を、事情を知るツルギやヘビクラ達は理解するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう………それでテツヤさん、俺の成長はどうだった?」

 

「手加減してるつもりは無かったが、上手くグレートの攻撃を裁かれていたな。

 乗りたてだった頃と比べるまでも無い、お前はもう1人前のマジンガー乗りだ。

 後は俺と共にもっと上へ鍛え上げて行くだけだ」

 

「へへ、やっと1人前になれたって訳だな! 

 これで1つ目標は達成出来たぜ!」

 

 それからマジンガーの整備を手伝ったコウジはツルギと共にブリーフィングルームへと向かいながら互いに腕が互角になりつつあると認められた事を喜びガッツポーズをしながら歩いていた。

 そしてブリーフィングルームへと入るとATXチームの面々とリュウセイ達が対話してる現場に出くわし、更にクスハと声からしてヒュッケバインMk-IIのパイロットの雰囲気が何か良いとコウジは感じニヤけており、ツルギは構わずリュウセイやキョウスケ達に声を掛け始める。

 

「リュウセイ、ライ、クスハ、模擬戦はご苦労だったな。

 協力してくれたキョウスケ少尉達にも感謝する」

 

「あ、ツルギ少佐、お疲れ様です!」

 

「いえ、自分達も噂のSRXチームやマジンガーZ、それにグレートマジンガーとテツヤ・ツルギ少佐…元教導隊の実力を見れて満足でした」

 

「そうか…お前達の戦闘を見ていたがゼンガーの奴が鍛え上げていただけの事はある。

 良い腕をしていたぞ」

 

「(そうか、ツルギ少佐はゼンガー少佐と同じ元教導隊…つまり友人だったんだな…)」

 

 ツルギに声を掛けられたリュウセイ達やキョウスケ達はそれぞれ敬礼すると、ブリットはゼンガー・ゾンボルト…ATXチームの元隊長であり、DC戦争中に連邦軍からDC側になり、自身達の前に立ちはだかった今でも尊敬の念を捨ててない漢の友人だと理解し、そんなゼンガーの教え子を見るツルギの心境を考え複雑な面持ちとなっていた。

 

「それにしてもアルトアイゼンにヴァイスリッター…極端なコンセプトだけど良い機体だったぜ。

 それを乗り熟せるキョウスケ少尉達も凄いって思ったよ。

 良い経験になったよ。

 ブルックリン少尉「あ、ブリットで良いよ」じゃあブリットも、クスハの事を気に掛けてくれてサンキューな」

 

「フッ、此方こそマジンガーZ…鉄の城の力を見させて貰った。

 マジンガーの性能頼りでは無いコウジ・カブトの腕もな」

 

「じゃ、その経験を作ってあげたお礼で私をデートに誘ってくれない?」

 

「ああごめん、俺はもう先客が居るんでね」

 

「わお! 

 しっかり彼女さんがいらっしゃったのね!」

 

 更にコウジはキョウスケ達とも談笑を行い、エクセレンのジョークには先客…即ち、高校に通っていた時から付き合ってるサヤカの事を話題に出してお返しするとブリットはこれがジョークの返しなのかと思いながら見ていた。

 因みにコウジとしてはサヤカが怒ると怖いのでエクセレンのジョークは割と本気で返したつもりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数時間後、キョウスケが司令部でレイカー司令に報告をしている頃、コウジは食堂で外出から帰って来たジャーダ達と談笑していたが、其処にサヤカがやって来た。

 

「ねえコウジ君、浅草でこんな物を見つけたんだけどどうかしら?」

 

「ん、これって…天使の羽型のブローチか。

 似合ってると思うよ、サヤカさん」

 

「ふふ、ありがとうコウジ君」

 

 天使の羽型のブローチを身に着けていたサヤカに似合うとしっかりと言葉にすると周りが嫌でも分かる位良い雰囲気を醸し出し、エクセレンはニマニマし、シャイン王女は照れながらその光景を見ていた。

 一方ラトゥーニは今日のリュウセイは大変な1日だったと思いながらも、リュウセイともいつか出掛けられたらと…そんな事を何故か心の片隅で考えていた。

 そうしてそんな日常が続く………そう思っていた面々であったが………現実はそれを許さなかった。

 

 

【ビィィィィィィ、ビィィィィィィ!!!!】

 

『!?』

 

 その時、伊豆基地全体に警報が鳴り響いていた! 

 その警報は音からしてAAAクラスよりも上だとラトゥーニがいち早く理解し、更にコウジも警報の音の種類もジュウゾウから学んでいた為、この伊豆基地………否、地球全体に強大なる脅威が現れたのだと理解してしまうのだった!! 

 

 

 

 

 

 

 

「キャメルE1よりソッピース7! 

 キャメルE1よりソッピース7へ!! 

 ラグランジュ5宙域に超巨大質量の物体が出現! 

 繰り返す、ラグランジュ5宙域に超巨大質量の物体出現! 

 コルムナでも探知出来るだろう!?」

 

 宇宙、L5宙域にて偵察機に乗った連邦兵が突如として出現した白い球体状の物体を報告しながら声を荒げていた。

 その物体はスペースコロニーよりも大きく、更に明らかな人工物だと分かる形状と構造をしていた。

 そう、あからさまに人工物なのだ、その物体は。

 そして映像を偵察機が送り始めた………が、その偵察機を囲む様に球体物から『敵性体』が出現した。

 

「! 

 こ、こいつ等は…エアロゲイターの…!? 

 う、うわああああああああっ!!!!!」

 

【ドォォォンッ!!!】

 

 そうして偵察機はエアロゲイターの『イルメヤ』…地球側からAGX-02スパイダーと称される敵機に撃墜され、その数刻送られて来た映像からあの白い球体物はエアロゲイターの拠点であると地球側に知らしめるのであった………。




此処までの閲覧ありがとうございました。
今回の戦闘訓練はイングラム側から事前に相手は伏せてるけどクスハも参加する、パイロット転向させた事を事前に伝えたり、クスハもこの戦闘訓練ではまだ怖がってましたが、それでも原作以上に前向きにグルンガスト弐式に乗る等のイングラム周りが軟化してます。
そして…イングラムは此処でヘビクラ達元教導隊組の3人に頭を下げつつ、自身がエアロゲイター側であると伝えました。
無論ダイテツから統合参謀本部やレイカー司令とかにも伝わりそうですが………この頃からギャスパル元帥辺りも居るので、この話は上層部の中だけでこの話を留めるでしょう。
イングラムが素性をゲロった辺りで色々と裏取り…つまりイングラム自身への事情聴取とか秘密裏に進みそうなので超法規的措置で現場に居る事になるでしょう、監視を兼ねて。
…そもそも素性をバラしたスパイなんかに構ってられる程事態は穏やかでは無くなりますので、ね。
最後にエアロゲイター側はオーブのフュージョンアップとかジャグラーとかの活躍を知ってるとイングラムが明かしましたので…ウルトラマンが居ても原作と情勢が変わらないorより悪化する可能性が出ましたとさ。

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