スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様こんばんはです、第22話前編を投稿致します。
今回は久し振りに前後編となります。
理由は…本編を見て貰えば分かります。
では、本編へどうぞ!


第22話『ネビーイーム出現(前編)』

「………遂に現れたか、ネビーイーム………」

 

「ユーゼス、アレは一体何なんだ?」

 

「バルマー…エアロゲイターが持つ自動惑星、即ち衛星基地だ。

 アレが出現したと言う事はエアロゲイターの侵攻が本格化すると言う合図でもある」

 

 ナイトレイダー本部の衛星カメラでネビーイームを捉えたユーゼスはソウゴやツカサ、ダイゴ達にその正体を告げ、エアロゲイターがいよいよ本腰を入れて地球への侵攻を開始すると真剣な面持ちで話していた。

 一方ソウゴ達はその白き魔星を睨み付け、アレを叩かない限りエアロゲイターと地球側の戦いは終わらないと直感していた。

 

「それでどうするのユーゼス、クロムチェスターで彼処まで行って威力偵察するの?」

 

「いや、クロムチェスターはまだ宇宙空間で行動する為の機密性が確保出来ていない。

 後少し改良する必要がある…が、このまま我々が何もしない訳にも行かない。

 よって………ダイゴ」

 

「そう言う事だね………」

 

 更にツクヨミの問い掛けにユーゼスはクロムチェスターの宙間戦闘はまだ可能では無いとしてからダイゴに視線を移すと、互いにエボルトラスターとスパークレンスを取り出していた。

 エボルトラスターはユーゼスの考えに賛同するかの如きネクサスの意思を伝える様に脈打ち、それを確認したユーゼスはエボルトラスターを引き抜く! 

 そしてダイゴもスパークレンスを掲げると両者は光に包まれネクサスとティガに変身し、ネビーイームが鎮座するL5宙域へと飛ぶのであった…! 

 

 

 

 

第22話『ネビーイーム出現』

 

 

 

 

 偵察機のシグナルがロストしてから数時間後、DC戦争中に宇宙でコロニー統合軍との激戦を勝ち抜いたヒリュウ改が偵察機の捜索と白い球体物の調査をすべくその宙域に辿り着いていた。

 なお、送られて来た映像に映っていた球体物は『ホワイトスター』と言うコードネームが統合参謀本部より名付けられ、ヒリュウ改にも通達されていた。

 

「『レフィーナ』艦長、本艦は偵察機が消息を絶ったホワイトスター宙域に到達しました」

 

「成る程…分かり易くて良いコードネームですね。

 では『ユン』…消息を絶った偵察機の捜索を開始して下さい」

 

「了解です、艦長」

 

 ヒリュウ改の若き艦長『レフィーナ・エンフィールド』中佐は副長の『ショーン・ウェブリー』少佐が口にしたホワイトスターと言うコードネームを聞き、あの物体を白き魔星と呼ぶに相応しいとさえ感じながら、緊張感を張り巡らせながらホワイトスターを睨んでいた。

 そうしてオペレーターの『ユン・ヒョジン』伍長に命じヒリュウ改のレーダーで偵察機の捜索を開始する………が、その時ヒリュウ改のレーダーはホワイトスター方面から艦に接近する物体を検知し警報を鳴らせた! 

 そうしてモニターに現れた物体はAGX-02スパイダーであった。

 

「あれは…!」

 

「AGX-02、スパイダーですな」

 

「なら、ホワイトスターは彼等の要塞…?」

 

「恐らくは。

 そして、偵察機は彼等によって撃墜されたと思われます」

 

 そうしてレフィーナ達は以上の事柄からかの物体はエアロゲイターの要塞である可能性が極めて高く、偵察機の生存は絶望的であると判断し警戒レベルを一気に引き上げ、本艦を防衛しつつある程度の偵察をしてから撤退すべきと言う図式を頭の中で構築していた! 

 

「それで艦長、如何なさいますか?」

 

「総員、第1種戦闘配置! 

 オクト小隊、出撃! 

 但し、命令があるまで交戦は禁止します!」

 

「賢明なご判断です、艦長」

 

 更にショーンは敢えてレフィーナに次の手を聞けば当然ながら第1種戦闘配置、そして搭載されている機動部隊の出撃を選択したのだった! 

 それによりヒリュウ改から2機の量産型ゲシュペンストMk-IIとヒリュウ改に唯一搭載された大型機動特機『ジガンスクード』と白いシュッツバルトが発進したのだった! 

 中でもオクト小隊隊長の『カチーナ・タラスク』中尉が駆る赤いゲシュペンストMk-IIがいの一番に出撃し、その後に部下の『ラッセル・バーグマン』曹長、『タスク・シングウジ』曹長がその後に続く。

 オフェンスは主にカチーナ機が担当し、ディフェンスはラッセル機、そしてタスクのジガンスクードが担当するのだ。

 なお白いシュッツバルトはマオ社から地球連邦軍に出向中の『ラーダ・バイラバン』が乗り込んでおり、正式にはオクト小隊では無いが、DC戦争中や今もオクト小隊、そして今は伊豆基地に居るATXチーム達のサポートを行っていたのだ。

 

「やれやれ…いきなり敵さんの本拠地へブチ込まれるたあツイてねえな」

 

「へっ、怖気付いたのか? 

 だったらジガンスクードから降りな、代わりにあたしが乗ってやるさ」

 

「別にビビってる訳じゃねぇッスよ。

 運試しにゃ丁度良いって思ってる位だし…ジガンの操縦は俺に一日の長がありますからね。

 それに中尉には専用カラー機があるじゃないッスか。

 しかも、エース御用達のカラー機。

 あ~、う〜らやまし〜、専用カラ〜」

 

「…てめえの血でジガンをあたし専用カラーに塗る」

 

「ま、また滅茶苦茶言ってる………」

 

 そんなタスク達は自身のペースを保ちながら軽口を叩きつつ、モニターを見てやる気を漲らせたりラッセルはカチーナの後ろに付く様に配置し、ラーダも何時でもサポート出来る様に操縦レバーを握る………が、カチーナの中では焦りが生まれていた。

 DC戦争を生き抜いた彼女は確かな実力はあり元々は試作機のテストパイロットを熱望していたが、彼女の資質や性格からそれが叶わなかったのだ。

 そして同じく戦争を生き抜いたキョウスケ達や部下のタスクに至っても専用カスタム機や特機に恵まれ、自身はただの量産型ゲシュペンストMk-II………そんな状況下で彼女の中の熱意は焦りとなり、今此処で功績を上げれば試作機のテストパイロットになれるのではと言う考えを持ち、そしてそれがエアロゲイターの本拠地が現れた今、爆発していたのだ。

 

「オクト1より各機へ! 

 今からあたしが突破口を開く! 

 残った敵の始末はお前達に任せるぜ!」

 

「ちゅ、中尉! 

 そんな命令は艦長から出ていません!」

 

「うるせえ、現場の判断だ! 

 ガタガタ言うと、ジガン塗るのにてめえの血も使うぞ、ラッセル!」

 

「ほ、本気やったんや〜」

 

「し、しかしカチーナ中尉!」

 

「先手必勝!! 

 グダグダやってて後手に回るのは面白くねぇだろうが!!」

 

 そんな中で当然カチーナは現場判断と言う事で艦長の命令を無視して交戦しようとしていた。

 無論それを制止する為にラッセルも声掛けをするが一向に止まる気配がなく、其処にセラピストのラーダが更に声を掛け始める。

 

「カチーナ、私達の任務は敵のデータ収集よ。

 それに、今は『ヴィレッタ』たちだけじゃなく、キョウスケやエクセレン達も居ないんだから…」

 

「だからこそだ。

 少ない戦力を補う為にゃ、これしか手が無いじゃないのさ!」

 

「敵の詳細な戦力は依然不明なままよ。

 どんな攻撃があるかも分からないのよ? 

 だから、データを集めつつ相手の出方を見た方が…」

 

「自分もラーダさんと同意見ですが…」

 

「人数が少なくなって気合入ってるのは良いけど、ちょっと入り過ぎじゃあ…」

 

「根性入れずに戦って勝てる相手じゃねぇ! 

 連中はエアロゲイターなんだぜ!?」

 

「でも、我武者羅に突っ込んだって勝ち目はねぇッスよ!」

 

 しかし、ラーダやタスク、更にラッセルの言葉を聞いても止まる気配が無い…否、止まる気が無いので小隊内で口論状態になり、不和な空気が漂い始めてしまう。

 これもカチーナの1度火が付いたら燃え切るまで止まらない気質と焦りが悪い方向に噛み合った結果、こんな事になっているのだ。

 

「そうだわ、カチーナ…。

 こんな時に気持ちが落ち着く良い方法を教えてあげる」

 

「い、良い方法って…まさか、ヨ、ヨガ?」

 

「ええ、そうよ。

 水魚のアサナって言ってね…精神統一にとても効果があるの」

 

「あたし等を戦闘不能にする気かよ! 

 おら、行くぜ!!」

 

 すると ラーダが自身の趣味であるヨガでカチーナの気分を落ち着けようと提案する………が、ラーダのヨガは本格的な事もあり、慣れない者がやれば身体が半分折りになり戦闘不能になってしまうとしてヒリュウ改ではある意味名物(迷物)として有名になってしまっているのだ。

 だが、そんなラーダの提案すらも蹴って遂にカチーナのゲシュペンストMk-IIは1機で独断専行して行き、イルメヤの群団に突撃してしまうのだった! 

 

「待って、カチーナ!」

 

「止めたって無駄ッスよ、ラーダ姉さん」

 

「そうねぇ…何時もの事だし…。

 じゃあ、私達も行きましょうか」

 

「合点承知!!」

 

「…だ、大丈夫かしら…?」

 

 そうしてそんなカチーナ機を追い、オクト小隊も突撃を開始する。

 そんな様子をモニタリングしていたレフィーナは当然の事ながら頭を悩ませ、不安に感じてしまっていたのだった。

 

「…ふむ、まあ、何時もの事ですから…後は任せましょう」

 

 その横でショーンは冷静に何時もの事であるとレフィーナに言い聞かせ、ヒリュウ改もオクト小隊を援護すべく主砲やミサイルのターゲットロックをイルメヤ群に向けるのだった。

 そしていの一番に突撃したカチーナ機が遂に接敵し、複数のイルメヤに囲まれるがそれ等を捌きつつ1機、また1機と撃墜して行く! 

 其処にラッセル達が追い付き、カチーナの援護を行い更にイルメヤの群れを撃墜して行き、何とか流れを保つのだった。

 しかし、そんなカチーナ達の前にAGX-01バクス…メキロードの群れも現れるのだった! 

 

「敵の増援部隊が現れました!」

 

「このままでは偵察機の二の舞になります。

 副長、この宙域から撤退しましょう」

 

「ですが、現在の位置では味方機の回収が不可能です。

 それに、敵機を他宙域へ導いてしまう可能性もあります」

 

「ど、どうすれば…」

 

「それは艦長がお決めになる事です」

 

「………………では、戦闘を続行し、敵の波状攻撃が途切れた所で一気にこの宙域から離脱します」

 

「賢明なご判断です、艦長。

 まあ、何時も通りですが」

 

 そうして新たに現れたメキロードの群れを見てレフィーナは最終的な判断として敵をある程度撃破して撤退する選択を取ったのだった。

 その際にまだ艦長としての経験が浅いレフィーナを副長であるショーンが時に厳しく、時に優しく判断する様に促しそれ等の経験を彼女の血肉に変える様に立ち回っていた。

 新米艦長とベテラン副長の関係性としてこれ以上に無い程良い物であり、これもまたレフィーナの経験となるのだった。

 

「ユン、カチーナ中尉に本艦の位置まで後退する様に伝えて下さい」

 

「了解。

 ヒリュウ改よりオクト1へ! 

 本艦まで撤退して下さい」

 

「冗談だろ!? 

 敵はまだ残ってるじゃないのさ!」

 

「これは艦長命令です!」

 

「現れた敵は全て撃墜する! 

 結果的にヒリュウ改を守る事にもなるってもんさ! 

 以上!! 【ビュンッ!!】」

 

 だが、そんなレフィーナの判断に異を唱えたカチーナは新たに現れたメキロード達まで全て相手にし、そして撃墜するとまで宣言して通信を切ってしまったのだった! 

 これにはユンも驚き、通信を繋げようとしたがカチーナ側から通信の受信を切られ、ヒリュウ改の位置まで後退する気は無いと意思表示をしてしまっていた! 

 

「ちょ、ちょっと、中尉! 

 艦長、どうします!?」

 

「………」

 

「仕方ありませんな。

 此方からカチーナ中尉を迎えに行くしか無いでしょう」

 

「はぁ…その様ですね…」

 

 そうして作戦の一部がまた変更され、ヒリュウ改からカチーナ達の迎えに行くと言う形となりレフィーナは溜め息を吐いていた。

 そうしてヒリュウ改も前進し、味方をより援護しやすく且つカチーナ機の回収が直ぐに出来る位置まで接近するのだった。

 

「オラオラオラオラオラオラァ!!!!!」

 

 そんな中でもカチーナは突撃を止めず、メキロード群のド真ん中まで突っ込んで行き向かって来る敵をとことん撃破していた! 

 勿論その尻拭いをラッセル達が行い、彼女の援護を行い決してカチーナ機が致命的なダメージを負わない様に立ち回るのだった! 

 

「よし、カチーナ中尉が良い位置に離れてる! 

 これならやれる…喰らえ、G・サークルブラスター!!」

 

【ドドドドドドドドドドドンッ!!!!!】

 

 そんなカチーナが良い具合に突撃していたのが功を奏し、ジガンスクードに搭載されたMAPWの影響範囲から外れて味方を誰も巻き込まない様に配置が成されていた! 

 そのチャンスをタスクは逃さず、ジガンスクードの両肩と両膝に搭載されたG・サークルブラスターを使用しメキロード群を全滅させる! 

 これで波状攻撃が途切れたか………に思えたその時、AGX-03バードとコードネーム化されてる『ミシュレイ』の群体まで現れてしまう! 

 

「また増援かよ!」

 

「敵の本拠地近くだから、しょうがないけど…」

 

「姉さん、そんな呑気な事言ってる場合じゃねぇって。

 数で押し切られたらヤバイぜ、俺達!」

 

「カチーナ中尉、これ以上は無理です! 

 ヒリュウに戻りましょう!」

 

「まだだ、まだ戦えるぜ!!」

 

「せやから、そんな事言っとる場合ちゃうんや〜」

 

「此処で下がったら、不完全燃焼でストレス溜めるだけだ。

 下がりたきゃ、お前達だけ下がれ!」

 

 しかし、そんな状況下でもまだカチーナの暴走は止まらずミシュレイ達にまで突っ込んで行きそうな勢いだった! 

 これにはもうタスクもお手上げとなってしまっていたのだった。

 

「やれやれ、こんな時にキョウスケ少尉やヴィレッタさんが居てくれくれりゃあ…【ビュゥゥゥゥンッ!!!】うっ…!?」

 

 しかし、その瞬間タスクに激しい頭痛が走るのだった! 

 これはまだ本人も分かっていないのだが、タスクの念動力者としての直感が何かを察知し、警戒を促しているのだ!! 

 更にラーダも予知能力がある為、同じ様な物を感じ取ってしまっていた! 

 

「これは…? 

 タスク、貴方も感じた?」

 

「あ、ああ。

 何かモーレツにヤな予感がする…!」

 

「艦長! 

 重力振反応を感知しました!!」

 

「敵の増援ですか!?」

 

「いえ、違います! 

 これは…!」

 

 そうしてヒリュウ改も重力振反応を探知し、オクト小隊の機体とヒリュウ改のモニターにそれは現れた。

 重力を操る蒼き魔神、DC戦争でハガネ部隊と何度も交戦し、その脅威的な力を存分に振るった者………グランゾンが戦闘宙域に出現したのだった!! 

 

「あ、あれは…!! 

 ハガネからの報告書があった、DCのグランゾン…!」

 

「どうしてこんな所に!?」

 

「むぅ…」

 

 レフィーナ達の間に想定外過ぎる来客が現れた事により嘗て無い程の緊張感が走り、グランゾンに対しての警戒心をショーンすらも顕にしていた!! 

 更にその動揺はオクト小隊側にまで広がり始めていた!! 

 

「ふはっ、嫌な予感、大ビンゴ〜」

 

「へッ、DCならあたし達の敵! 

 攻撃を続行するぜ!!」

 

「おやおや、勘違いをされては困りますね」

 

「勘違いだと? 

 もうDCとは関係無いとか言うんじゃないだろうな!?」

 

「ええ」

 

「…巫山戯るな。

 もう少しマシな嘘を吐けよ。

 ビアンかマイヤーの仇討ちだ…位が分かり易くてオススメだぜ?」

 

「やれやれ…矢張り、地上にはこの手の人種が多い様ですね。

 良いですか? 

 私はあの2人によって選ばれた戦力である貴女方を助けに来たのです」

 

 そうしてグランゾンのパイロット…シュウ・シラカワはビアンとマイヤーが選んだ地球の守護者となり得る者達、その片割れであるヒリュウ改をこの場で救う為に現れたと言葉にしていた。

 これにはタスク達も黙って聞いている…が、カチーナは相変わらず噛み付こうとしていた。

 

「いや、強ち嘘とは言えませんな」

 

「!?」

 

「ですが、本当の目的はホワイトスターの様子見…とまぁ、そんな所でしょう」

 

「流石はダイテツ・ミナセ中佐の右腕と呼ばれたお方…理解が早くて助かります」

 

「いえいえ。

 どうか我々などお気になさらず、そちらの目的を果たして下さい」

 

 其処にショーンが大体の目的を推察して話すと、シュウも話が分かる者が居て説明を手短に済ませられるとして満足していた。

 更にショーンは上手くシュウ・シラカワに触らず、刺激しないスタンスを通して邪魔立てはしないと言う雰囲気作りも行っていたのでよりシュウからは好印象を持たれていた。

 

「おいおい、副長! 

 啖呵切ったあたしの立場も考えてくれよ!」

 

「まぁまぁ。

 立場を気にして戦争をしている訳ではありませんので。

 但し、シュウ・シラカワ博士…我々と一戦を交えるおつもりなら、それ相応の覚悟をして頂く事になりますが」

 

「…良いでしょう。

(では、確かめるとしましょうか…あのホワイトスターに居る異星人達が…何処の世界から来た者であるかと言う事を………)」

 

 しかしショーンもしっかりと釘刺しをし、そっちが仕掛けてくるなら容赦しないと言うスタンスを取っていた。 勿論シュウとしては此処でヒリュウ改と一戦交えるつもりは毛頭無いのだが、矢張り連邦軍と元DC、それもシロガネを轟沈させた者と言う立場から来る微妙な空気に当然であるとも考えていた。

 そうしてグランゾンに向かって来るミシュレイを捌きつつ………否、象が蟻を踏み潰すかの如く片手間程度の力も出さずに落としながらシュウは自らの目的…ホワイトスター、ネビーイームが何処から来たのか、あの中に居る者達は『この世界に居る者達』か『差異次元の世界』から来たのか、そして自らが持つ差異次元の記憶にある戦力との一切の差異を確かめるべく観察を開始していた。

 

「…向こうはこっちをやる気は無いみたいッスね。

 カチーナ中尉、触らぬ神に祟りなしって奴だからグランゾンに迂闊に向かっちゃ駄目ッスよ?」

 

「………チッ!! 

 だったらエアロゲイター共を相手してやる!!」

 

 そうしてヒリュウ改、オクト小隊はグランゾンに手出しは無用としながらミシュレイを相手取り対応していた。

 一方シュウはもしもネビーイームに『ラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォ』辺りが居ればこんな程度では済まないとして、『あのホワイトスターにはラオデキヤは居ないのでは?』と考察していた。

 そう考えればこのグランゾンを相手にこんな程度の戦力しか差し向けないのも納得が行く理由であった。

 そんな事を考えていたシュウの耳に、グランゾンに搭載された計器がある機体の接近を知らせる信号を発信した音が届くのだった。

 

「艦長、この宙域に接近して来る機体を探知! 

 凄まじいスピードですっ!!」

 

「!」

 

「フッ、矢張り現れましたね」

 

 そうしてヒリュウ改も探知したその機体………ラ・ギアスの風の魔装機神、サイバスターが戦闘宙域に進入したのだった! 

 マサキもマサキでアイドネウス島での戦いでシュウが死ぬ訳が無いと考え、ハガネから離脱し地球や宇宙を行き来していたのだ! 

 そしてサイバスターとマサキはグランゾンとシュウを睨み、ディスカッターを抜こうとしていた!! 

 

「漸く見つけたぜ、シュウ! 

 今日こそ決着を付けてやる!!」

 

「マサキ…貴方は本当に成長しない人ですね」

 

「五月蝿え! 

 行くぜ!!」

 

「そんな事をしている場合ではありませんよ。

 周りの状況を良く見たらどうです?」

 

「俺にとっちゃ、てめえは異星人以上に油断のならねぇ奴なんだよ!!」

 

「やれやれ…そういう所も相変わらずですね。

 目の前の事柄にばかり気を取られて、大局を見ようとしない…それで良く魔装機神の操者が務まりますものです」

 

 そしてマサキとのやり取りでシュウはやれやれと感じながらも相変わらずのマサキの反応に面白さもそこそこ感じており、少し誂うのも好きなのだ…が、矢張り今はネビーイームの方に集中したい事もあり、エアロゲイターより自身を優先するマサキに肩をすくめていた。

 すると、其処にヒリュウ改からサイバスターに通信が入ったのだった! 

 

「待って下さい! 

 マサキさん、私の話を聞いて下さい!」

 

「!? 

 何だ、あんたは!?」

 

「ヒリュウ改艦長、レフィーナ・エンフィールドです。

 マサキさん、貴方とシュウ・シラカワ博士の間に何があったか知りませんが…」

 

「だったら口を挟まないでくれ!」

 

「す、すみません…で、でも、今は地球人同士で争っている場合では無いのです…! 

 見ての通り、エアロゲイターが本格的な地球侵攻を開始しつつあるのです。

 彼等から地球を守る為に…今は我々で力を合わせなければならないのです」

 

 レフィーナはマサキから反発を受けていたが、それでもエアロゲイターと言う最大の脅威を前に地球人同士で力を合わせてこれに立ち向かわなければならない事の重要性を解き、マサキに踏み止まって貰おうとしていた。

 勿論マサキはエアロゲイターも相手しなければならない事は頭では分かっているのだが…それでもシュウを野放しにすれば何が起きるか分からないのでまだ受け入れられずにいた。

 

「もっともなご高説だけどよ、シュウは何時俺達を裏切るか分からねぇんだぞ! 

 あんた達、俺の事を知ってんなら、南極事件の話だって聞いてんだろうが!」

 

「…それでも、今は…!」

 

「マサキ、気持ちは分かるけど…あの艦長さんの言う通りだニャ」

 

「そうよ。

 地上でニャにかあったら、ラ・ギアスにも影響が出るかも…」

 

 其処にシロとクロもマサキのストッパーとして割って入り、今はエアロゲイターを優先すべきだと話していた。

 ファミリアとは己の心、潜在意識が具現化した存在、故にマサキも心の中では分かってるのだ、今はシュウとグランゾンを相手にするよりもエアロゲイターを倒す事を優先すべきであると。

 

「どうするのです、マサキ?」

 

「俺は…てめぇを信用する事は出来ねぇ…! 

 だが、あのレフィーナって艦長の言ってる事は事実だ…。

 ………良いか! 

 少しでも妙な真似をしやがったら…その時は俺の全てをかけて、てめぇを倒す!!」

 

「…覚えておきましょう」

 

 そうしてマサキは自問自答の末、今はシュウを放置しエアロゲイターを優先する決断を下したのだった。

 無論シュウとグランゾンが何かをすれば全てをかけて倒すと宣告しながら。

 その決意は揺るがず、もしかすれば地上世界で精霊憑依(ポゼッション)………風の高位精霊『サイフィス』をサイバスターに憑依させ、魔装機神の真の力を発揮するやも知れない程の気迫であった。

 シュウはそれを感じ取り、何れは………自身の中にある破壊神ヴォルクルスによる支配を脱する為に、どの様な世界でも一度はマサキに討たれる事を覚悟しながら、その言葉を受け取るのであった。

 そうしてサイバスターとグランゾンの奇妙な共闘が此処に来て起き、ディスカッターとグランワームソードの切っ先をミシュレイの群体に向けて突撃し、次々とミシュレイを撃墜しヒリュウ改とオクト小隊の窮地を救うのであった。

 そうして本来ならば此処で波状攻撃が途切れ、ヒリュウ改が離脱する隙が生まれる………のだが、此処に来て『この世界はウルトラマン達も居る』、その事象が悪い意味で世界に影響を及ぼしていた!! 

 

「艦長、ホワイトスターの方角より複数の熱源を探知しました!!」

 

「識別は!?」

 

「………これは、機体では無く40m以上の生命体………怪獣が複数来ますっ!!」

 

「怪獣ですって!?」

 

 そしてホワイトスターの方角より何と怪獣………それもそのラインナップは『宇宙恐竜ゼットン』が2体、『宇宙大怪獣ベムスター』が1体、『暴君怪獣タイラント』が1体、そして『宇宙悪魔ベルゼブ』が7体も現れるのであった!! 

 

「な、何だと!? 

 まさかエアロゲイターの奴等は………怪獣を兵器として利用してやがるのか!?」

 

「これは…ゼットンとベムスターのみならずタイラントまで。

 そして私がまだ知らぬ怪獣も複数………これが彼等の戦力の1つ、と言った所でしょうか…!」

 

『ゼットォン…!!』

 

『キュイイイイイ!!!』

 

『ギュオオオオオオンッ!!』

 

『キシャァァァァァァァ!!!』

 

 ゼットンを始めとする怪獣兵器とも呼ぶべき者達は狙いをヒリュウ改の部隊とグランゾン、そしてサイバスターに定めては吠え、何時襲ってきても可笑しくない状況で真空の宇宙(ソラ)を漂いながら躙り寄り始める! 

 レフィーナもPTの通常兵器ではあの手の怪獣にダメージを与えられないと判断し、カチーナ達を下げてヒリュウ改に搭載されたディバイトランチャーを装備させようと命令を出そうとした………その時である。

 

「艦長、地球側から2つの物体が高速で飛来して来ます!! 

 更にコルムナから緊急連絡、地球圏外宙域より複数の物体の飛来を探知したとの報告ありです!!」

 

「えっ!?」

 

 ヒリュウ改は搭載されたレーダーが地球側から2つの物体を検知し、そしてコルムナが探知した地球圏外宙域から超高速で飛来す複数の物体ありとの報告を受け取っていた! 

 レフィーナは此処に来てまだ何か来るのかと身構えてしまっていた! 

 

【ビシュン、キィィン、ビィィィィィィ!!!】

 

 そして…ヒリュウ改の後方からゼットン2体に光弾とエネルギーの刃が、更にベルゼブの横からそこそこの威力を持つ牽制用の光線が複数着弾し、怪獣兵器達の足止めを行っていた!! 

 

「今のは…まさか!?」

 

【ヒュゥゥゥゥゥゥンッ!!!!! 

 キィィィィィィィンッ!!!!!】

 

『シェア!!』

 

『デュッ!!』

 

『ハァァ!!』

 

『ショアッ!!』

 

『フンッ!!』

 

『テェヤッ!!』

 

『キェアッ!!』

 

 そうしてヒリュウ改の前にジュネッススカイタイプにタイプチェンジしたネクサスとティガが。

 そして別の方角…火星の方角から『ウルトラマンジードプリミティブ』、『ウルトラマンタイガ』、『ウルトラマンタイタス』、『ウルトラマンフーマ』、そして『ウルトラマンゼットアルファエッジ』が。

 合わせて7人のウルトラマン達が、この戦域に現れたのであった…!!




此処までの閲覧ありがとうございました。
グランゾンやサイバスターが現れるまではこの回は原作と一緒でしたが…本作オリジナル要素として、ネビーイームから怪獣兵器が沢山出ました。
HPにするとゼットンが42000、ベムスター30000、タイラント40000、ベルゼブ25000です。
そんな合わせて11体もの怪獣、しかもゼットンやらタイラントやらの強豪怪獣ばかりの詰め合わせセットで出たのでネクサスとティガ、そして漸くこの世界に向かっていたジード達が到来です。
次回はそんな光の巨人達とヒリュウ改部隊+サイバスター+グランゾンの共闘回になるでしょう。
と言う事なので、次回もまたよろしくお願い致します、感想等もお待ちしてます。











あっ、敵増援と味方増援はまだ1回分残ってます(ボソッ)

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