スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第23話の後編を投稿致します。
今回はほんの少し物語の核心に触れる部分が幾つか出る重要な回なので、前書きは此処までにして本編へと移ります。
では、本編へどうぞ!


第23話『閑話:剣と新世代達(後編)』

 食堂のモニターに映されたウルトラマン4人の質問………この世界の歴史とPTが開発された経緯であるメテオ3の落下、ジャグラーの警告で抗戦派が一纏めになった事、エアロゲイターの侵略が差し迫る中で売星を行おうとした者達が居り、それ等は地球連邦議会を今も牛耳ってる事、そしてDCが連邦軍に反旗を翻し、地球連邦の代わりに地球を守る剣となろうとして失敗した事。

 それ等を聞きリク達も、タイガ達も中々根深い問題がこの地球の中で起きていると知るのだった。

 

『そんな事がこの地球で起きてやがりましたか………マジでウルトラヤベえですね………』

 

『俺達ウルトラマンは文明への過剰な干渉、特に地球人類間の戦争に介入してはならないってルールがあるから、連邦軍とDCとの戦争には参加は出来ない…けど、EOT特別審議会の自分の母星を異星人に売り飛ばそうって行動に対してはまだ干渉が出来るな、タイタス、フーマ、ゼット?』

 

『うむ…無論EOT特別審議会の者達も地球人であるので彼等に私達の力を向ける事はあってはならないが、我々ウルトラマンが間に入り彼等と交渉をして売星を諦めさせる、エアロゲイターにも侵略を止めさせると言う手段ならば講じれる…が、恐らくこの手も無理だろうな。

 それが出来るならばDCやジャグラーがとっくに何方もを説得に成功しているだろう』

 

「正しくその通りじゃタイタスよ。

 奴等はジャグラーの警告やディバイトランチャーの設計図、キングジョーを連邦軍に提供等を以てしても売星により自らの地位にしがみつこうとしておる。

 そう、エアロゲイター共の前ではちっぽけな地位も金も意味が無い、戦わねば未来が無いと理解せず初めから星を売ろうとする寄生虫と言っても過言では無いのだ。

 そしてエアロゲイターは端から話し合いなどする気無しじゃ」

 

 ゼットの反応からタイガは1つの提案を出したのだが、タイタスがEOT特別審議会の視点とエアロゲイターの現段階で想定出来る思考を考察し、何方も話し合いの余地が無いと断じるとサオトメを始めビアン、ヘルがこれに同意していた。

 EOT特別審議会が売星以外のマトモな思考が出来るならばDC戦争など起きる訳が無かったと言う逆説がビアン達自身の存在で証明しており、またエアロゲイターはホワイトスターを堂々と見せ付ける様に転移させている事から交渉のテーブルは無いと現時点でも判断可能だった。

 タイガ達はそれらを聞いた上で肩を落とす…が、エアロゲイターの地球侵略行為はウルトラマンとしても看過出来ないのでそれに対しては地球人類を助けられるのが幸いだった。

 

『では我等ウルトラマンはエアロゲイターの侵略やスペースビースト、そして害を為す怪獣に対して地球を守る為に力を振るう、このスタンスは変わらないだろう…であるならば、次に聞きたい事がある。

 この地球では何故スペースビーストはアレだけの数が出現しているのだろうか? 

 スペースビーストの跳梁にはビースト細胞の星中への拡散が必ず1度は起きた筈なのだが…誰かそれを知る者は居ないだろうか?』

 

 しかし、ウルトラマンが地球侵略を狙う異星人と戦わないと言う選択肢は毛頭無い。

 故にタイタスは敢えて自身等のスタンスを公言するとビアン達はその言葉の裏側………人類間の問題は人類で決着を付けて欲しいと言うある種の願いがウルトラマン達にはあると捉えていた。

 それ等に気付かない者はこの場には居ない為、クロガネの主要メンバー全員が頷いていた。

 それ等を見届けたタイタスは次なる質問を飛ばす…のだが、ビアンが真っ先に首を横に振りながら答え始めた。

 

「うむ…残念ながら我々が初めてスペースビーストを確認したのは新西暦180年に起きたメキシコ事変…SB-01ノスフェルとSB-02ガルベロス、この2体がメキシコの都市にて住民の虐殺と殺した人々をビーストヒューマンに変えた事、更にそれ等により生まれた混乱と恐怖を呼び水にSB-03ペドレオンも現れたあの事件からなのだ。

 幸いにもその事件は君達以外に既に地球に現れていたウルトラマン2人…ティガとオーブの2人に加え、メキシコ事変時に現れたネクサスの力で解決したが………我々としてもそれ以前に何が原因でスペースビーストが出現したのか、それは誰も知らぬのだ、すまない」

 

 ビアンはこの世界の人類達は何故スペースビーストが跋扈したのかその理由を知らないと語ると、タイガ達やリク、そして宇宙警備隊の座学で学んだゼットはスペースビーストが繁殖するきっかけとなる存在…始まりのビースト、『ビースト・ザ・ワン』をこの世界の人々は知らないのだと理解しつつ、ならばザ・ワンは何処に現れ地球にビースト細胞を拡散したのか? 

 そんな大きな疑問がリク達の中で生まれ始めていた…そんな時、リクの変身アイテム『ジードライザー』のナックルにレムの通信が入ったのである。

 

『リク、ネオブリタニア号に外部から思念波による記憶データを探知しました。

 発信源はエボルトラスター、ウルトラマンネクサスです。

 クロガネのモニターにネクサスの記憶データを再生しますか?』

 

「えっ、ネクサスさんの記憶データ!? 

 このタイミングで………分かった、レム、その記憶データを再生して。

 ビアンさん達にもそのデータを見せるべきだよ」

 

『分かりました』

 

 レムはネクサスより送られた記憶データをクロガネの食堂モニターに接続しつつ再生を行うと、タイガ達の横に映像が再生され始めた。

 この時ゼットは『うわっと!?』と驚きながら身動いで映像と自身の身体が被らない様に避けていた。

 そうして再生された映像は日付が新西暦180年のメキシコ事変の前日。

 ネクサスの視点で木星、火星、月と次々と戦いの舞台を映しながらそれと激闘を繰り広げていた。

 そう………始まりのスペースビースト、ビースト・ザ・ワンと! 

 

「…リク君、ウルトラマン諸君、もしやこの怪物が?」

 

「はい、ビースト・ザ・ワン…全てのスペースビーストの大元です!」

 

『やっぱり、この世界にザ・ワンは現れていたのか!』

 

『しかもザ・ワンはネクサスがメタフィールドを張ろうとすれば即座に離脱し、決してフィールド内に閉じ込められる状況を作らない様に立ち回っている…これではメタフィールド外部でザ・ワンを倒すしか選択肢が無いだろう』

 

 ビアン達やエルザム達はスペースビーストの大元の存在、SB-00と呼称すべき者を初めて認識しながらそれを睨み付け、この獣の所為で数多くの人々がビースト災害に巻き込まれたのだとして怒りを向けていた! 

 更にタイタスはザ・ワンの立ち回り方を解説し、明らかにネクサスにメタフィールドの外で戦う様に強要しており、その所為でネクサスも地球へ近付くザ・ワンを急いで倒そうと焦っている様子が、ネクサス視点からでも見て取れていた! 

 そしてメキシコ事変が起きる数時間前、ザ・ワンは遂に月から地球へと移動を開始しようとした瞬間、ネクサスは最後の手段としてその場でオーバーレイ・シュトロームを放ち、ザ・ワンの分子分解を図ったのだった!! 

 

『………』

 

 そしてネクサスは光線を更に強めて行き、その光景をビアンやリクにヒロユキ達、そしてタイガ達は固唾を飲みながら、一方ツカサは現在の地球情勢からから結果が分かってるとしながらも見守ると………ザ・ワンは、何と分子分解に抗いながら爆散したのだった!! 

 そしてザ・ワンの破片たるビースト細胞は地球へと拡散して行き、ネクサスはフルパワーのオーバーレイ・シュトロームでも分子分解し切れなかった事に驚きながら、急ぎビースト細胞を追い地球へと赤い球体となりつつ降り立って行き…其処で映像は終わっていたのだった。

 

『…成る程な、これがスペースビーストがこの地球で暴れてる理由って訳か』

 

『でもまさか、ネクサス先輩の光線で分子分解し切れなかったなんて………あのザ・ワン、普通のザ・ワンじゃない感じがウルトラ伝わって来ましたね…』

 

「…レム、今の記憶データのザ・ワンと、僕達が遭遇したビーセクタの群れのデータを照合してみてくれないかな? 

 それで何か分かると思うんだ」

 

『分かりました』

 

 そうしてウルトラマン達はザ・ワンがジュネッスになったネクサスの必殺光線で分子分解し切れなかった事に嫌な予感が脳裏に過ぎり、記憶データと自身達が遭遇したスペースビーストの分析データを照合し始めていた。

 一方ビアン達はネクサスの技ならば本来だったらビースト細胞を拡散させず分子分解させられる…其処まではネクサスの戦闘データからDC側も把握していたのだが、その分子分解にあの始まりの獣は抗って見せた。

 そんな光景に戦慄しながら、レムと言うリクが信頼を置く者が解析したデータを見ようとしていた。

 そうして解析結果が食堂モニターに出ると、タイガやタイタス、そしてリクは真っ先にある部分に注目して驚いていたのだった! 

 続いてフーマ、ゼットもその部分に気付き、ゼットは思わず『ウルトラヤバいぜ…!!』と呟いてしまっていたのだった。

 更にツカサもそのデータを覗けば「大体分かった」と呟くのだった。

 

「…リク君、それで解析結果はどうなのだね?」

 

「…はい、先ずは左のザ・ワンやビーセクタは通常の個体のデータです。

 次に右の方は記憶データと僕達が遭遇した、つまりこの世界に現れてるスペースビーストのデータです。

 それ等を見比べると…熱量や、潜在エネルギーが明らかに右の方が異様に上昇してるのは分かりますね?」

 

「確かに………して、何故この様な違いがあるのだ? 

 個体差…と言う訳ではあるまい?」

 

「はい………その原因は右側のデータにある解析結果の中に『DS反応あり』とありますよね? 

 この世界のスペースビースト達と通常のスペースビーストの違いはこのDS反応………つまり、『デビルスプリンター』による影響を受けてるとあるんです」

 

 そうしてリクやタイガ達は深刻な様子を見せつつそれを………デビルスプリンターの名を口にするとヒロユキとハルキも漸くデビルスプリンターが原因かと気付き、彼等もまた深刻な表情を浮かべながら右側のスペースビーストのデータを見ていたのだった! 

 しかし、この世界の人間にはデビルスプリンターと言われてもピンと来ない為、ツカサがディケイドパフェを食べながら口を開き始めた。

 

デビルスプリンターって奴はな、怪獣を凶暴化させ力を増幅させたり、一度死んだ怪獣が蘇る原因となり、その他様々な厄介な性質を持った物質だ。

 で、そのデビルスプリンターの正体はジードの父親、ウルトラマンベリアルが各宇宙で暴れ回った際に傷を負い、その時に飛び散った細胞の破片が結晶化した物だ。

 今の宇宙警備隊とその協力組織達はそのデビルスプリンター絡みの事件やらも対応しててんやわんやしている…そうだろう、ニュージェネレーションヒーローズ?」

 

「…はい、その通りです」

 

 ツカサの説明にリクもヒロユキもハルキも、そしてタイガ達も頷きデビルスプリンターと言う物質の由来と厄介な性質をビアン達は頭に叩き込むと、レムが気を利かせたのかデビルスプリンターの見本をモニターに映していた。

 そして右側のザ・ワンにデビルスプリンター反応があったと言う事は、ザ・ワンの細胞にデビルスプリンターが見た目では分からないレベルで融合していたと言った事実が浮かび上がったのだった。

 

「その様な物が…そしてこの世界に現れたザ・ワンはそのデビルスプリンターを吸収し通常よりもパワーアップしていた、と言うのか…」

 

「それでネクサスの光線でも分子分解し切れず今に至る訳か…成る程、メキシコ事変から始まったビースト災害のきっかけはこういう事であったか。

 ならばネクサス側にも過失はほぼ無いと言えよう…何故ならば通常のザ・ワンであるならばネクサスの光線を浴びた時点で分子分解してそれで終わりの筈だろうからな」

 

「そして、そんなザ・ワンから生まれたスペースビースト達も当然デビルスプリンターを受け継ぎ、強化体や更にその上の進化体にまで発展する力を得てしまったと言う事か………デビルスプリンター、斯様に厄介な物よ」

 

 そうしてビアンも、サオトメも、そしてヘルすらもデビルスプリンターを吸収したザ・ワンの悪辣さに逆に関心し、そして今日に至るビースト災害を引き起こしたとして歯軋りや握り拳を作ったり等の怒りの様子を見せていた。

 更に記憶データを振り返り、あんな風に戦われたネクサスでも分からずに普通のビーストと同じ対処をしてしまったのだろうとビアン達は推論付けネクサスには過失はほぼ無いと断じたのだった。

 そうしてディケイドパフェを食べ切ったツカサはこの世界のスペースビーストが何故こうも凶悪になってるかを漸く理解し、それをユーゼス達に共有するべくオーロラカーテンを開いていた。

 

「じゃあ俺はナイトレイダー本部へと戻る。

 お前達も今後増えるであろうビーストの強化体、そして進化体に警戒しておけ。

 それからエルザム、中々の腕前だった。

 今度厨房に立つ事があればその味を学んでやっても良いぞ」

 

「…フッ、そうか。

 ではその時はまた私の腕に縒りをかけると約束しよう」

 

「…じゃあな、元DC達、そしてニュージェネのウルトラマン達」

 

【ヒュゥゥゥゥゥゥン…】

 

 そうしてツカサは銀幕の中へと消えると、その場に残ったビアン達はリク達に視線を向け、リク達もまたビアン達に視線を向けながら互いに言わんとしている事を理解していた。

 

「そう言う事なのだ、新たなウルトラマン達。

 我々は君達を地球人類間の戦争に巻き込まない事を約束する、その代わりどうかエアロゲイター達異星人との戦い………そして何より、デビルスプリンターにより強化されたスペースビーストの撃滅に協力して欲しい」

 

『………本当に俺達、何よりヒロユキ達をこの世界の地球人同士の戦争に巻き込まないって約束出来るんだな、ビアン博士、サオトメ博士、Dr.ヘル?』

 

「元より他世界の人間に我等が解決せねばならぬ問題を押し付けたりはせんよ、それだけは安心するが良い。

 ………尤も、自ら首を突っ込んで来た場合に限りはその責任を負って貰うがのう」

 

 ビアン達はエアロゲイターやスペースビーストとの戦いの協力要請を出しつつ、リクやヒロユキ、ハルキの様な別世界の地球人とウルトラマン達に人類同士の戦争に巻き込まない事を強く宣言していた。

 更にリク達側から勝手に首を突っ込んで巻き込まれに行く場合は好き勝手させるとまで話し、巻き込まれに行く覚悟があるならリク達側の判断に委ねるとも口にする。

 それらを聞き届けたタイガ達は勿論ウルトラマンとしては人類間の戦争に介入しないと言う一線は踏み越える気は無いが、エアロゲイター達の様な異星人の一方的な侵略とスペースビーストの脅威にはこの世界の者達と協力する事は言わずもがなであった。

 そしてそんなニュージェネレーションヒーローズ組を代表してリクがビアンに握手を求めたのだった。

 

「ビアンさん、僕達ウルトラマンはこの世界に広がる因果の歪みを正しにやって来ました。

 その過程で地球が異星人に狙われたり、スペースビーストが蔓延るのなら…僕達は全力で戦ってこの星を守ります。

 何より………デビルスプリンターが関わってるなら、僕が何もしない訳には行きませんから」

 

「………ありがとう、リク君、ヒロユキ君、ハルキ君、そしてウルトラマン諸君………!」

 

「ならば当面の間、君達はクロガネを拠点にした方が良いだろう。

 今現在の地球連邦議会はEOT特別審議会とその息が掛かった者達にほぼ牛耳られている。

 もしも君達がウルトラマンであると知られたら………恐らくだが、考え得る可能性の中で最悪な事態が起きかねない。

 それを防ぐ為にもどうか了承して欲しい」

 

「分かりましたエルザムさん、自分達一同お世話になります!!」

 

 こうしてリク達はビアン達と会話を終えると、暫くはクロガネの預かりとして身を置く事となったのだった。

 エルザムが語る最悪の事態…ウルトラマンであるとEOT特別審議会に知られれば人体実験を受けかねないと言う、EOT特別審議会の話を聞けば頭が立つ者ならば誰もが想定し得る可能性はこの艦に居る間は起きる事が無いので、リク達もビアン達もリラックスしながら今後の事についてより詳しく話す事が出来る様になりつつあった。

 ………そんなウルトラマンと人類が手を取り合うこの場に、余り馴染まない者達6名がいきなり食堂のドアから入って来るのだった。

 

「おう、話は終わったのかジジイ共! 

 だったらこっからは俺達ゲッターチームがこいつ等を預かるぜ!!」

 

「えっ、だ、誰ですか貴方達は!?」

 

「俺達はゲッターチーム…2機のゲッターロボに乗る者達だぜ。

 お前達ウルトラマンに変身する人間がどれだけ鍛えているのか確かめに来たのさ!」

 

「日々精進、例え生身の状態でも修行すればより戦える様になる! 

 さあ、俺達と共に鍛錬しようか!!」

 

 食堂に入って来た初代ゲッターチーム及び第2ゲッターチームの内リョウマ、ベンケイ、ゴウ、ガイの4名がリク達3人を鍛錬場に連れ込みそうになっており、それ等を見たエルザム達は「まぁ彼等でも分別はあるだろう」と考えながらそれを見守っていた。

 因みにこの分別と言うのは死なない程度に過酷だが実りは十分ある修行の事を指すので、ヒロユキやハルキは兎も角生身の戦闘力はほぼ一般人なリクには辛い物になるとはまだエルザム達も分かっていなかった。

 

「まぁ待てリョウマ、ゴウ。

 こいつ等を鍛錬場に行かせる前にやらせる事がある。

 お前達、各ウルトラマンの能力データを今直ぐ纏めてくれ。

 今後ゲッターで共に戦う際にそちらの能力を把握してなければぶっつけ本番のおざなり連携になる。

 スペースビーストは兎も角、エアロゲイター共を相手にする際はそれがボトルネックになりかねん、だからその可能性を今この場で潰す、理解したか?」

 

「え、ええ…はい………鍛錬場に行く事は変わんないのか〜…」

 

 其処にハヤトが一旦ストップを掛けるとリク、ヒロユキ、ハルキにそれぞれのウルトラマンとしての力を渡して来たDコンに入力し、クロガネの主要メンバーや自身等に共有させようとしていた。

 リクはこのハヤトの判断は一理あると思っていた…のだが、この世界に来ても生身の鍛錬から離れられないと知り、少し肩を落とすのであった。

 

『なんかウルトラヤバそうな人相の人達だけど………ハルキやリク先輩達は大丈夫なのか?』

 

『なに、危ないと思えば我々側からストップを掛ければ良い。

 それに、ヒロユキやハルキ達側の鍛錬でもやって損は無いだろう。

 何より、この筋肉をヒロユキと共に鍛えられそうだから私としても大歓迎だ!』

 

『うわ~、タイタスのダンナの鍛錬バカが出ちまった…こりゃリク達も暫く動けなくなるだろうな、タイガ』

 

『あ、あはは…』

 

 一方ウルトラマン達も千差万別の反応を示し、特にタイタスは鍛錬と聞き早速筋肉を唸らせるポージングを取りながらゲッターチームが課す鍛錬に興味を湧かせたのであった。

 一方冷静なタイガやフーマはリク達に同情しながら、自分達もタイタスの鍛錬に巻き込まれる事は確定なので後で疲れないかと心配するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ナイトレイダー本部───

 

 

 

 一方ナイトレイダー本部にて、ユーゼスはエボルトラスターからネクサス自身の記憶の思念データを送り届けた後、満足げな表情を浮かべながらクロガネが居る方角を見つめていた。

 ホワイトスター近辺宙域で戦った際に若き戦士達の信念や想いに触れられた事で、ウルトラの絆が今でも脈々と受け継がれていると感じ取り、ソウゴ達が見ても珍しく屈託の無い笑みを浮かべられていたのだった。

 

「それでユーゼス、お前の名はニュージェネレーションの連中に教えなくて良かったのか? 

 何度も言うがタイガはタロウの息子、タイタスはジョーニアスから様々な物を学び、ゼットはエースに名を名付けられた奴等だぞ?」

 

「いや、私自身の名前は今はまだ出すべきでは無いと思う。

 恐らく私の悪名はタロウやエースから伝わり、更にU40のジョーニアスでさえ知ってるだろう。

 O-50に関しては私は全く分からないのだが………それでも、CPSを利用し世を乱したユーゼス・ゴッツォと言う男の情報を持たない訳が無いだろうからな………ウルトラマンオーブやジャグラスジャグラーから露骨な警戒心を見せられてないだけまだマシなのだよ」

 

 ユーゼスはツカサよりニュージェネレーションのウルトラマン達が光の国の次世代戦士であるとホワイトスター近辺宙域から帰還後に伝えられた後、嘗て犯した自身の罪による混乱を避ける為にまだネクサスの名前しか出さないと決めており、名を明かす時期も大体決め打ちしているのだ。

 そう、最低でもL5戦役………即ちエアロゲイターとの決戦を終えた後で無ければならないとしているのだ。

 そうでなければ、ユーゼスの悪名が足を引っ張り戦局に影響すら与える…そんな簡単な予測を立て、そうさせぬ為の行動を取っているのである。

 

「でも、ユーゼスってそんなに有名なの? 

 私達から見ても貴方って『20代前半』にしか見えないし、其処まで人相が悪いとは言えない………スッキリした目をしてるのに」

 

「………」

 

 そんな中、ツクヨミはユーゼスの外見年齢に口を出すとユーゼスも鏡に視線を向けると………其処に映る姿は確かにバルマー人のユーゼスの外見ではある、しかし………問題はその外見年齢にあった。

 そう、ユーゼスは何時もの外見は若く見積もって30代前半ギリギリだったのだが………今のユーゼスは嘗てイングラムが様々なヒーロー達と共に戦い、自身を打ち破った世界や『黒き天使』が初めて顕現した世界での年齢………19から高く見積もって20代前半の年齢にまで若返っていたのだ

しかも髪色も元は灰に近いくすんだ銀に対して、今現在の髪の色はもう1人の因果律の番人…『黒き銃神』を操る青年に近い銀色となっており、かの世界でクローンだったイングラムと並んでも髪色が違うが兄弟と認識される程度の年齢差しか現在は無く、下手をすればハザル・ゴッツォよりも若い可能性がある程である

 

「………フッ、色々とあったのだ、色々とな………」

 

『????』

 

 ユーゼスは今の若々しい外見の自身に自嘲すると、ソウゴ、ゲイツ、ツクヨミは訳が分からず困惑した表情を浮かべていた。

 一方ティガの光そのものであるダイゴも超古代文明の技術で知ったユーゼスの外見と今のユーゼスの外見が違う事は既に受け入れているが、何故こんなにも外見が異なるのか理由がユーゼスと同様に分かっておらず、深く追求が出来ずにいるのだ。

 ツカサやウォズでさえもオーマジオウからこの男がかのユーゼスと言われなければ=と言う図式が出来ず、彼等程の理の外側に居る者達でさえもこの若返りに理由を見出していなかったのだった。

 

「(イングラムは私の外見について何も言及しなかった…と言う事は、今の奴の目には何時もの私の姿でしか認識されていないらしい。

 恐らくはジュデッカの枷の影響だろうが………リュウセイ・ダテやコウジ・カブト達に外見年齢の事について一切言及されなかったのは運が良かった、もしもイングラムに今の私が若返ってると認識されれば………恐らくジュデッカの枷を緩ませる事が出来なくなっていただろう。

 そう理屈ではなく直感的な感覚で判断出来る…だからこそゴルゴレム:進化体撃滅作戦の際は本当に綱渡りだった…が、その綱渡りがあったからこそイングラムにもチャンスが生まれてる…それを無駄にはさせん…)」

 

 その後ユーゼスはクロムチェスターの格納庫へ入り、宙間戦闘が可能になる為の改良を施す中で心の声でイングラム側に生まれた綱渡りの末のチャンスを物にすべく、イングラムがハガネ・ヒリュウ改部隊を裏切るであろう北京でのエアロゲイター迎撃戦や『R-GUNリヴァーレ』………複製したR-GUNに異界から黒き天使を憑依させ、変貌させたかの機体が現れるその時に己の全てを賭して行動しよう、そう決意を固めながら作業を行うのだった。

 この事はまだ他のナイトレイダーの面々に話していないが、エアロゲイターがジュネーブ等を攻撃したタイミングで自身が考えた作戦を共有し、そしてイングラムをジュデッカの枷より救い出す………その筋道を立てながら、今日も先の見えぬ荒野の道をウルトラマンの光を手にした者として歩き続けるのだった………。




此処までの閲覧ありがとうございました!
今回判明した事は実はメキシコ事変の直前にザ・ワンが既に現れ、ネクサスがビースト細胞拡散を許してしまった事&この世界の住民がデビルスプリンター入りザ・ワンと、そして1番はユーゼスの容姿の変化です。
本作のユーゼスは初登場からやや痩せ型の男と年齢部分だけ誤魔化してましたが、実はスーパーヒーロー作戦やOGのアルテウル時の時よりも『若返っている』のです。
そんなユーゼス、若返った影響で行動がよりアグレッシブになっていて、且つイングラムとの接触時はガバチャー且つ綱渡りの賭けでした。
ただ、その賭けにユーゼスは『勝った』のでイングラムのジュデッカの枷が僅かに緩んだのです。
そして…何故ユーゼスが若返ってるのか、そもそもザ・ワンはどうしてこの世界に現れたか…前者はより核心に触れるので全然先になり、後者はもう少し先になると判明する予定です。
無論こんな事をぶっ込んだので本作は完結まで書き切ると力を込めてます…なので皆様、それまでよろしくお願い致します。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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