スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第26話前編を投稿致します。
今回は完全会話パート、後編に戦闘マップを回しています。
いや~、アレコレと頑張って詰め込もうとしたのですが…戦闘マップを中途半端に入れるよりも後編でどっさり書いた方が良いと判断してこうなりました。
なお、リアル事情のゴタゴタはまだ片付いてません、マジで数ヶ月掛かると分かり自分は今(´・ω・`;)←こんな顔になってます。
それは兎も角として、本編へどうぞ!


第26話『その男の真意(前編)』

 戦闘終了後、リューネはヴァルシオーネから降りると、その目の前でテンペストがカイ、ツルギ、ヘビクラ、クレナイの4人に1発ずつ殴られている光景が飛び込んで来た。

 どうやら本当に1発殴られていたらしく、しかしテンペストは殴られて当然と言う表情で受けており、4人も1発殴ったのでチャラと言う表情になっていた。

 そんな事が行われた後、テンペストはリューネの前へと赴いていた。

 その表情は真剣な物であり、今から大事な話があると周りも雰囲気でも察せられる程だった。

 

「リューネ・ゾルダークだな?

 さるお方からの伝言だ、『ヴァルシオーネにお前達が欲する物がある、プロテクトを解除して閲覧すると良い』との事だ」

 

「さるお方………ね。

 分かった、ならそうさせて貰うよ。

 ジュウゾウ博士、ケンゾウ博士、バレルさん、コウジ、リョウト、ラーダさん、ちょっと来て!」

 

 リューネはさるお方………推定ビアンからの伝言を受け取り、ジュウゾウやコウジ、リョウト達を呼び寄せヴァルシオーネの内蔵メモリーデータの解析を始めた。

 そしてジュウゾウやケンゾウと言った天才科学者やバレルやラーダの様なソフトウェアにも詳しい者達が集まった結果、ヴァルシオーネのプロテクトは次々と解除されて行き、リューネやマサキ達も見守る中シークレットファイルと思しき物の最終プロテクトまで一足飛びで辿り着くのだった。

 

「これが最終プロテクト………え~と、『のさばる悪を何とする』?

 何なのかしら、これは?」

 

「………あ~、これはアレだねお祖父ちゃん、父さん」

 

「アレか」

 

「ふん、ビアンの奴め…」

 

「あ、その答えなら簡単よ。

『天の裁きを待ってはおれぬ』だよ」

 

 そうして最終プロテクトのキーワードを見て、カブト一家は何の事なのか判別し、且つジュウゾウはビアンの考えを十全に理解してニヤリと笑っていた。

 更にリューネが回答を口にすると、リョウトはそんなので解除されるのか?と疑問に思いながらもリューネの言葉通りに入力ていた。

 

「………【ピピピピピ!】えっ、本当に解除された!?」

 

「さっきのはあたしが好きな時代劇のナレーションなんだ」

 

「へえ、お前って結構物知りなんだな。

 見直したぜ」

 

「ありがと、お世辞でも嬉しいよ」

 

 リューネの時代劇好きが最終プロテクト解除に貢献し、マサキは素直に褒めるとリューネも満更では無い様子を見せていた。

 一方ジュウゾウは口にはしないが、ビアンは娘の趣味もちゃんと理解した上で遺すべき物を残していたのだと知り自身の家族大好きと同じく親バカだとして笑みを浮かべていた。

 そうして最終プロテクトが解除されると、コンソール画面にビアンの映像が映し出され始めたのだった。

 

『…リューネよ、我が娘よ…お前がこの映像を見ている頃、私はこの世に居ないだろう。

 …私の死後、予想され得る状況に対処出来るよう、このデータをヴァルシオーネに残しておく。

 これをどう使うかは、お前の望む様にすると良い…』

 

「………これは、DCの各種計画書、EOTのデータ、エアロゲイターのデータ………どれも重要度の高い情報ね」

 

「これを解析すればシャイン王女が何処へ連れ去られたのか逆算が可能じゃな」

 

「………バカ親父、自分が死んでるって予想を見事に外してるよ………」

 

 そうしてヴァルシオーネに残された各種データの解析がその場で行われ、コウジやリョウトも手伝う中リューネはビアンの大きな予想が1つ外れた事に遠い目を向けながら笑みを浮かべ、また何時か直に話し合えるその日を心待ちにするのだった。

 そんなリューネの隣にはマサキが静かに立っているのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 コウジやジュウゾウ達がヴァルシオーネに封入されていたメモリーデータの解析を進める中、リュウセイ達はイングラム達と共にブリーフィングルームにて状況を確認し始めていた。

 

「教官、ハンスとシャイン王女を乗せた輸送機は何処へ向かっているんだ?」

 

「不明だ。

 T5は此方の警戒網を突破し、行方を眩ませた。

 本来なら極東支部のレーダーならばT5の行方もある程度は追えたのだが………これもハンスの手際の良さによる弊害だ」

 

「ならば、追跡は困難ですね」

 

「ああ、向こうは連邦軍側のレーダーサイトの位置を知っているのも災いしている」

 

「だからと言って、放っとく訳には行かねえだろ!?」

 

「そうですよ、何とかして王女を助けなきゃ!!」

 

 イングラムとライが冷静に追跡は困難だと言う結論を出す中、リュウセイとリオは焦りながら2人の意見に食い付き、ブリーフィングルーム内の空気が悪くなり始めた。

 クスハが慌てて間に入ろうとする中、ヘビクラとクレナイが伊豆基地司令室からブリーフィングルームへと訪れると、ヘビクラがいの一番に割って入り始めた。

 

「まぁ待てリュウセイ、リオ。

 何もイングラムもライも見捨てるって言ってる訳じゃねぇんだ。

 単純に行き先の当てが無いから動きようが無いってだけなんだ。

 当てさえ分かりゃ、向こうはシャイン王女を実力行使で連れ去ったからには先ず簡単に死なせない…つまり救出のチャンスが巡って来るんだ。

 2人は冷静にその時を待って、全力で救い出すって考えてんだよ。

 それに………イングラムもライも、シャイン王女が連れ去られて何とも思ってない訳無いだろ?」

 

「あっ………」

 

「ご、ごめんなさい………!」

 

「…(まるで同じだな、義姉上の時と…)気にするな、ヘビクラ中佐の言う通り連れ去られた者は取り返せば良い。

 彼女はまだ生きているのだからな…」

 

 そうしてヘビクラが仲裁に入り、リュウセイとリオもライやイングラムに謝罪するとライは………この状況をエルザムが妻である『カトライア・F・ブランシュタイン』を失う事になったエルピス事件時と似ていると感じると、エルザムもこんな思いだったのかと想像と自嘲を混ぜながらシャイン王女を取り返す気でいたのだった。

 その様子を遠目で見ていたレオナもまたライと同様の考えを持ちながらも、何としても同じ結末にはさせたくないと思うのであった。

 一方ヘビクラはクスハやイングラムにもウィンクし、フォローするとクスハはペコリと頭を下げ、イングラムも頷いていた。

 そしてイングラムはまだ辛うじて自由が利く中で、表情には出さないがシャイン王女を救出する事に神経を尖らせて行くのだった。

 

「それにしても、矢張りDC戦争時からのスパイはこんな所にも居たなんてな…」

 

「戦争時にDCが勢い付いたのは連邦軍内から裏切り者がぞろぞろ出た所為だって話だが、ハンスの野郎がその一人だったのは逆にありきたり過ぎて予想外だったぜ。

 灯台下暗しとは良く言うもんだ」

 

「裏切りって言うより…ビアン博士やマイヤー総司令達の考えに賛同した軍人が多かったんです」

 

「エルザムやゼンガーの様に、か」

 

 それからジャーダ、イルムがハンスの裏切りやDC戦争時の連邦軍側の裏切り者達の話に入ると、ブリットがハンスの様な裏切りよりもビアン達に賛同した者が多かったと口にし、それをクレナイが自身の友であるエルザムやゼンガーの様にとして全員が全員ハンスみたいな蝙蝠では無いとの考えに同調していた。

 そんな中で度々上がるゼンガーと言う名前にジャーダやガーネット達は疑問に思うと、其処にATXチームとして仲間だったエクセレンが会話に混ざり始めた。

 

「はいは~い、新入生の皆に先生が丁寧に説明しましょう!

 ゼンガー・ゾンボルト…私達ATXチームの元隊長で、キョウスケやブリット君のお師匠様…ってとこね。

 分かった?」

 

「んでもって、ゼンガーは俺達と同様元教導隊出身。

 そして剣戟に関しては俺とアイツで五分五分だったんだぜ?」

 

 エクセレンの説明に加え、ヘビクラが教導隊時代にゼンガーとは剣・刀で五分の勝負だったと口にするとブリットは驚き、エクセレンも「わお!」と驚いていた。

 何故ならゼンガーは『グルンガスト零式』に乗り、零式斬艦刀で並み居る敵を一刀両断する猛者なのだ。

 そんな男とこのヘビクラは五分だったとなれば、その腕は確かな物だと確信が持てるのだった。

 一方リュウセイ達は偶にトレーニングルームでヘビクラが参考に木刀で居合を見せていたり、シミュレーターではゲシュペンストMk-IIのプラズマカッター同士の対決で自身達よりも『疾い』一閃で勝ち星を挙げる等の経験があり、アレと互角なのかと思いゾッとするのだった。

 

「ヘビクラ中佐、クレナイ少佐と共に此方へ来たと言う事はハガネ、ヒリュウ改の次の行動指針が決まったのだな?」

 

「まぁな。

 でもま、あんまり良いもんじゃねぇぜ。

 俺等は何か悪い空気を感じたんでダイテツ艦長達よりも先に来たから、艦長達が来たら行動指針を伝えるぜ」

 

 次にイングラムはヘビクラに行動指針を問うと、余り色良い物ではないとまで言われたので統合参謀本部は何か理不尽な要求をEOT特別審議会側から突き付けられたとその聡明な頭脳が導くと、やれやれと言う空気を醸し出していた。

 そうして2分程経ち、ダイテツとオノデラ、レフィーナとショーンがブリーフィングルームに着くと全員行動指針を静聴し始める。

 

「ふむ、コウジやリューネ達はヴァルシオーネのデータ解析をまだしているのだな。

 では、これよりハガネ、及びヒリュウ改の行動指針を伝達する。

 我々は統合参謀本部の命令により連邦議会の防衛の為ジュネーブへと向かう。

 そしてエアロゲイターとの戦闘は反撃も含めて一切禁止と言う指令が出されていると言う事を留意して欲しい」

 

「へっ?!

 エアロゲイターと戦闘禁止!?

 何だよそりゃ!?」

 

「一体どうしてそんな事になったんですか!?」

 

「実は連邦議会に参加したレイカー司令、更にノーマン少将達を始めとした抗戦派やコロニー政府大統領の『ブライアン・ミッドクリッド』氏達はエアロゲイターの要求である30日以内の降伏勧告を反撃の準備期間と捉え、軍全体の戦力を整えようとしたのだが………アルバート・グレイを中心としたEOT特別審議会及び降伏派の反対意見によりエアロゲイターとの戦闘を連邦軍は一切禁じられたんだ」

 

「そして、SRX計画やATX計画の試作機等が介する我々には監視を兼ねてジュネーブへと向かう様に要求して来たのです」

 

 ダイテツやオノデラ、そしてレフィーナの話を聞き、リュウセイ達はまたEOT特別審議会が政治的に邪魔立てして来たと理解し憤慨するが、統合参謀本部からの命令は絶対である為逆らえないとイングラムが釘を刺すと、憤慨していたリュウセイとリオは静かになった。

 更にヘビクラが話を進め始めた。

 

「そして俺達が万が一にでも命令無視してエアロゲイターと戦闘しちまえばEOT特別審議会はそれを口実に抗戦派を一掃するって訳さ。

 だからお前等、俺達の裏でアレコレ頑張ってるお偉方達の首を飛ばさない様にする為にも此処は堪えておけ。

 分かったな?」

 

「因みにスペースビーストへの対処については変わらずと言う事だ。

 流石のEOT特別審議会も全く相互理解不可能な化け物にどうこうする訳にも行かないって訳だ。

 てな訳で俺達ストレイジはスポンサー議員である『グライエン・グラスマン』議員のお墨付きで特空機使ってビーストを殲滅出来る事を予め言っておくぞ」

 

 更にスペースビーストはそのまま対処せよと言う指令が出たので、其処はEOT特別審議会も理性が働いたのかと思いクスハやブリットもホッとしていた。

 だがそれでもEOT特別審議会はこんな状況でもストレイジに本来贈与され、ストレイジ用にカスタマイズされるべきキングジョーを死蔵しているので矢張り愚か者であると言う評価はツルギ達やイングラム達上官組の中では覆らなかったのだった。

 すると、ブリーフィングルームの扉が開きリューネ、マサキ、リョウト、ラーダ、コウジ、テンペスト、ジュウゾウ、サヤカ、更にアヤが入室すると、全員の視線が注目したのだった。

 

「あ、全体ブリーフィング中だった?

 たった今、ヴァルシオーネの中にあったメモリーデータの解析が終わったよ」

 

「それで、どうだったんだ?

 シャイン王女の居場所に繋がる物はあったのか?」

 

「バッチリあったよ。

 DC残党達が集結していると思われる場所はアフリカのケニア周辺地下に建造されてるアースクレイドルの可能性が極めて高いって結論が出たよ。

 これはテンペスト少佐によるとDC残党…アードラー派に紛れ込んだ工作員がエルザム少佐達に連絡している事からも確実だってさ」

 

「アースクレイドル…プロジェクト・アークで作られた人工冬眠施設か。

 ムーンクレイドルと同様の設備があるならば彼処は兵器開発ラインも整い食料の自給自足も可能、そしてクレイドル内部への侵入も困難…正にうってつけの場所だな」

 

「ええ、DC残党アードラー派にはこの上ない地下秘密基地になりますな」

 

 そうしてリューネ、コウジの口からアースクレイドルの存在と其処にDC残党アードラー派が集結していると告げられると、リュウセイも其処まで馬鹿では無いのでツルギ達よりアースクレイドルの概要を聞き其処へ行こうなどとは口にしなかった。

 しかも今は統合参謀本部からの命令がある為、ジュネーブへと向かわなければならないのでアフリカへは行けないのだ。

 なのでそもそも向かう事すら無理だと言う結論に至っていた。

 

「後、アードラー派の次の大規模作戦もある程度予測出来たわ。

 これもメモリーデータにあった計画書のデータのお陰よ。

 敵は恐らく連邦議会本部のジュネーブを狙い、其処から次に統合参謀本部を攻め落として連邦軍の打破を狙って来ると思われるわ」

 

「我々がアードラー派の内部に居る工作員の情報と照らし合わせた結果、この想定が最も可能性として高いとも結論が出ている」

 

「ジュネーブ…丁度良かったな、今俺達は統合参謀本部の命令でジュネーブに向かい連邦議会本部の防衛任務に向かう所だった。

 ならばその時に敵の本体とかち合う可能性がある…その時にシャイン王女の救出の目も出てくるだろうな」

 

 更にラーダ、テンペストよりアードラー派の次なる作戦を聞いたキョウスケは丁度良いとしてコウジ達に連邦議会本部防衛任務が上層部から直接命令を受けていると告げると、マサキもツキが回って来ていると感じ取り冷静に聞いていた。

 更にライやリュウセイ達も………その時こそが千載一遇にして正真正銘ただ一度のチャンスだとして、シャイン王女の救出を決意したのだった。

 

「それから私からはR-3のT-LINKシステムの調節が終わったので漸く戦線に出られる事を伝えます」

 

「そうか………ならば、リュウセイとライ、アヤは今後はRシリーズの特別訓練を受けて貰う事になるだろう。

 この訓練こそがエアロゲイターとの戦いを左右する1つの切り札になる、心して置く様に」

 

「特別訓練………ロボットアニメの超必殺技や合体とかで良く使われる言葉じゃないか。

 良いぜ教官、その訓練ビシバシ受けてやるよ!」

 

 更にアヤからR-3の運用が可能になったと聞かされ、イングラムも遂にその時が来たとしていずれ完成するプラスパーツ換装に向けてRシリーズの特別訓練…SRX計画の本懐を成すべくリュウセイ達にそれを課す事にしたのだった。

 そう、まだ自身の自我が残っている内に教えるべき事を教え切る為に。

 するとイングラムはアヤの視線を感じると、アイコンタクトで後で2人で話し合おうと合図を送るのであった。

 

「次に私からは遂にお父様からビューナスAが完成してこの伊豆基地に運び込まれたわ。

 これで私もコウジ君達の力になれるわ。

 コウジ君、クスハ、よろしく頼むわ」

 

「サヤカさん………分かった、サヤカさんも俺達と一緒にハガネでアイドネウス島決戦に参加したんだ。

 其処まで決意が固いなら止めはしないよ。

 でも、危なくなったら直ぐに俺達に助けを呼ぶんだぜ?」

 

「ええ、分かってるわよコウジ君」

 

「サヤカ、お互い頑張りましょう」

 

「ええ、勿論よクスハ!」

 

 更にサヤカもビューナスAが完成したとの事で、カタログスペック欄を各自に手渡されるとマジンガーZの通常出力の物と同威力の光子力ビームと…何故か胸から放たれるミサイルパンチレベルのミサイル、更にビューナススクランダーによる飛行とスクランダーカッターとしての運用、フィンガーミサイルと戦闘ロボとしては間違い無く準特機に当たる兵器だった。

 ………但し、光子力研究所の三博士(『ノッソリ』、『セワシ』、『モリモリ』の3名)の強い要望により外観はサヤカをモデルにしたらしく、本当にサヤカそっくりなロボットとして完成した為、ヴァルシオーネと良いレベルでロボットらしく無かった。

 但しヴァルシオーネみたいな美少女顔では無くあくまでもロボット感マシマシの顔の為、その点で差別化されていた。

 

「なら最後にワシから。

 マジンガーZ、及びグレートマジンガーのアップデート…通常性能面でゲッタードラゴンに未だ劣る2機のマジンガーの性能向上に関しての報告じゃ。

 マジンガーの新たなる装甲材………その名も『超合金ΝZ(ニューゼット)』が近々完成し、そしてそれに付随して新型光子力エンジンも完成する。

 これでマジンガーはアイドネウス島決戦で手加減しておったゲッタードラゴンにも性能で追い付き、そしてゲッタードラゴンの仮想敵であるエアロゲイターにも十全に戦えるようになるじゃろう」

 

 最後にジュウゾウから超合金ΝZ(ニューゼット)と新型光子力エンジンの完成が近いと言う報告が上がり、コウジとツルギはこれで漸くゲッタードラゴンと本当の意味で互角になれると確信していた。

 そう………あの時、ゲッタードラゴンは手加減していたのだ。

 でなければあの戦いで初代ゲッターロボより少し強い程度のロボットに収まる訳が無いのだ………それを直に戦ったコウジ達とサオトメを良く知るジュウゾウは理解していたのだ。

 そして、そんなゲッタードラゴンの仮想敵であるエアロゲイターにも対抗が可能になるのでコウジとツルギとしてもこのアップデートを心待ちにしていたのだった!

 そしてマジンガーが更に強くなると聞いたリュウセイは負けていられないとして腕を鳴らし、R-1をより上手く使い熟してみせるとより熱心さを見せるのだった!

 

「…では我々はこれよりジュネーブへと向かう。

 各員は直ちに配置に付くのだ」

 

『了解!』

 

 そうしてハガネ・ヒリュウ改部隊は新たな戦力と行動指針により連邦議会本部があるジュネーブへと出撃準備にはいるのだった。

 コウジ達もまた機体の整備等を行い、シャイン王女の救出チャンスを逃さぬ為に力を蓄えるのだった。

 更にキョウスケは…ハンスのツケを全て払わせる為に内に闘志を秘めながらアルトアイゼンの調整をするのだった。

 その様子を見ていたエクセレンはキョウスケは矢張り執念深いと思いながらも自身もシャイン王女を誘拐したハンスに目にものを見せる為にキョウスケの後に続く様にするのだった。

 更にスペースビーストへの対処の為に特空機、ディバイトランチャーの整備も整え、全てを終えた後ハガネ・ヒリュウ改部隊は連邦議会本部へ向けて発進するのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

───EOT特別審議会───

 

 

 

 

「結局抗戦派の主張をある程度しか抑えられず、ハガネとヒリュウ改をジュネーブ防衛に回すのみに留まったか…どうやらアルバートには荷が重かった様だな」

 

「しかし、エアロゲイターとの戦闘を禁じた事で貴方方は交渉の準備に取り掛かれる…悪い事だらけではありませんね」

 

 カール・シュトレーゼマンは私室にてアルバート・グレイの失態に酷評をし、自身の想定以下の議会結果に目を細めていた。

 対するニブハル・ムブハルは交渉の機会を掴める時間は作れたのでさして問題にはしていなかった。

 尤も、ニブハル・ムブハルは地球人では無く異星人であるので連邦議会のその程度の結果など全く眼中には無いのだった。

 

「それで、エアロゲイターとの交渉の用意は出来ているのか?」

 

「いいえまだ。

 何分彼等は我々の指揮下を外れた逸れ者ですので、中々コンタクトが取れないのです」

 

「(ふん、口では何とでも言える…)」

 

 更にカール・シュトレーゼマンはニブハル・ムブハルの今回の回答に全く信用を置いておらず、その目には猜疑心が満ちており棘の様な気配を全く隠していなかった。

 対するニブハル・ムブハルも聞いておくべき事がある為、その件を口にし始めた。

 

「所で………例の作戦は上手く行ったのですか?」

 

「ああ、我々の私兵たる部隊の大半を失う結果になったが、『検体N』を完璧な形で捕獲した。

 我々はこれを交渉材料の1つとしてエアロゲイターとのテーブルに立とう」

 

「ふむ………矢張り貴方は末恐ろしい御方ですよ。(そして、同時に酷く愚かでもありますよ、カール・シュトレーゼマン…)」

 

 ニブハル・ムブハルはEOT特別審議会が得たと言う『検体N』の件を聞き、その行為が如何なる結果を招く事になるかもカール・シュトレーゼマン達は理解していないとしてこの時点で見限り、以降はエアロゲイター達との接触を試みていると言う体で通して機を見て『損切り』を行うものとしたのだった。

 これもまた、ニブハル・ムブハル…そしてその上に立つ者とその協力者の意志でもあったのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ハガネ・ヒリュウ改・タクラマカン砂漠───

 

 

 

 

「おっ、ラトゥーニ。

 眼鏡を変えたんだな」

 

「ええ…シャイン王女から貰った物なの…。

 こっちの方が似合うからって…」

 

「そうなのか………早くシャイン王女にその眼鏡を掛けてる姿を見せられる様に、シャイン王女を助け出そうぜ」

 

「うん…」

 

 ハガネの格納庫にて、リュウセイがR-1の各種データ、エネルギーゲインチェックを行っている時にラトゥーニが格納庫に姿を見せると、眼鏡が何時も掛けている解析用の厚底眼鏡では無く目元までスッキリ見えるタイプの眼鏡に変わっている事に気付き、それをくれたシャイン王女にその姿を見せる為に必ず救い出すと意気込むのだった。

 そんなラトゥーニを見たタスクはチェックが甘かったと漏らすと、レオナに冷ややかな目で見られてしまい「冗談ッス〜」と言って機嫌を持とうとしたが、取り付く島が余り無かった。

 オマケにタスクはレオナには従兄弟にライの兄でかなり美形で性格も完璧であるエルザムの存在を聞き、ライバルの壁は高いとして苦戦すると考えていたのだった。

 

「…おっ、リュウセイにラトゥーニか。

 邪魔した所だったか?」

 

「いやコウジ、別に邪魔じゃないぜ。

 ラトゥーニと一緒にシャイン王女を救い出そうぜって話してた所だったんだ」

 

「そっか…ああ、俺も戦争と無関係なシャイン王女がアードラーみたいな奴に利用されるなんて黙って見てられないからな。

 マジンガーZの力も存分に貸すぜ」

 

『………………………』

 

 そうしてコウジがリュウセイとラトゥーニの会話に混ざり、シャイン王女救出にマジンガーZと合わせて力を貸すと口にした………そんな時にマジンガーZの目も一瞬だけ光り、コウジの意志に同調したかの様な様子を誰にも見られる事無く行っていた。

 そして………その同調は、アイドネウス島決戦で第4の魔神パワーが開いた時から更に強くなり、『それ』がより強く形作られ始め、コウジが『それ』を認識する日はもう直ぐ其処まで迫るのであった。

 

「ありがとな。

 ………所でコウジ、ラトゥーニ、R-1のこのレバーについて何だけどさ、これ何の為にあるんだろな?

 マニュアルに一切書いてなくて分からないんだよ」

 

「えっ?

 ………用途不明のレバー………イングラム少佐が言っていた特別訓練に関係があるのかな?」

 

「かな〜?」

 

 そんな中、リュウセイはR-1に付いている用途不明のレバーについて2人に聞くと、コウジは特別訓練に関わるのではと予測を口にしていた。

 更にコウジとラトゥーニは心の内にてR-1………否、Rシリーズの関節は通常のPTとは全く異なる構造をしており、特にR-1はR-ウイング以外の姿に変形が可能なのでは?と考察もしていた。

 まだロボのアレコレを熟知していないリュウセイと違い、スクールにて様々な知識を蓄えたラトゥーニとジュウゾウやケンゾウの下でロボットを学んだコウジならではの視点での推察である為、これにはほぼ確証があるのだった。

 そして………その用途不明のレバー、複雑怪奇な関節部、特別訓練がSRX計画の全貌に繋がるのでは?とも思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方ヒリュウ改のブリッジにて、ショーンがタクラマカン砂漠の名前でヨンを誂っていた所にマサキとリューネが訪れ、サイバスターとヴァルシオーネで偵察に出ると言う提案が成されていた。

 どうやらDC残党アードラー派はリューネとヴァルシオーネの存在を取り分け特別視し、それ等を取り込めばクロガネの様に合流しない他の残党部隊が合流するだろう、その為に狙って来ると予測を立てており、自身達を撒き餌に食い付く者を引き寄せようと言う魂胆を話したのだった。

 無論ヴァルシオーネ単独で行くのは無謀なので同じ特性のMAPWを持つサイバスターが共に行く事で安全を期そうと言うのがマサキの提案であった。

 尤も、マサキとしてはリューネが1人でDCとケリを付ける気じゃないかと言う心配が3割程あり、突っ走らない様にする為でもあったりする。

 

「………分かりました。

 しかしサイバスターとヴァルシオーネだけでは無く今回は護衛にマジンガーZ、そしてグレートマジンガーを同行させて下さい。

 マジンガーのパワーがあれば、大抵のAMによる包囲網は突破出来るでしょう」

 

「ふむ、より安全を期す形ですな。

 それにグレートマジンガーにはグレートブースターが搭載されており、サイバスターのスピードに追従が可能なのでいざと言う時はその分厚い装甲と機動力で殿も買える、と言う訳ですな。

 賢明な判断でしょう」

 

「コウジとツルギ少佐も一緒か。

 なら勝手が分かる分良いぜ、それじゃあ早速2人にも伝えて偵察に行って来るぜ」

 

 そうして付近の偵察任務にサイバスター、ヴァルシオーネ、マジンガーZ、グレートマジンガーが出撃する事になりマサキとリューネはハガネ格納庫に居たコウジに連絡を取り、更にイングラム、ヘビクラ達と一緒に居たツルギにも声を掛けてそれぞれコックピットに搭乗すると、動力に火を入れてカタパルトから発進しようとするのだった。

 そのヒリュウ改の格納庫ではラッセルがカチーナへのフォローを周りに入れている所であり………其処にマサキ達と入れ違いでレフィーナにヒュッケバイン008Lを使いたいと打診してやんわり断られ、それを実績が足りないからと思い焦るカチーナが格納庫に訪れ、偵察に出ようとするサイバスター達を目撃していた。

 

「何だ、サイバスターとヴァルシオーネが出撃して行ったぞ?」

 

「あの2機とマジンガーZ、グレートマジンガーは偵察任務で出たんです」

 

「偵察………あたしの機体を回せ!

 直ぐに出撃する!!」

 

「ええっ!?」

 

「ちょ、ちょっと中尉、何処に行くの!?」

 

 そして、実績に焦るカチーナはヴァルシオーネが偵察に出た意図に気付きながら、その撒き餌に喰らい付いた獲物を撃破すれば専用の試作機を得られるチャンスが巡って来ると判断し、R-GUNに乗り込み独断専行で出撃して行くのだった!

 その後をラッセルが追い掛ける様にゲシュペンストMk-IIで出撃し、何とか追い縋ろうとするのであった…!!




此処までの閲覧ありがとうございました!
遂にサヤカもビューナスAで参戦します。
ビューナスAの戦闘力は準特機クラスで、現在のマジンガーZ達と比べれば最大出力の光子力ビームやサンダーブレークが無い代わりに通常の光子力ビームによる精密射撃、ミサイル武装による火力、スクランダーの飛行能力、後はスパロボで言う修理装置が付いてる戦闘がある程度出来るサポート機になります。
因みに装甲は超合金Zになります。
さて、各所で少しずつ動きがある中カール・シュトレーゼマンが私兵を食い潰してまで何を手に入れたか…それが判明するのはちょっと後になります。
後、地味にストレイジのスポンサー議員があのグライエン・グラスマンになりますが、その辺りの背景は近々公開予定です。
超合金ΝZ(ニューゼット)と新型光子力エンジン完成については今回の話が終わり、ジュネーブでの決戦直前に完成する予定です。
そして、マスターテリオンとエセルドレーダはずっとブリーフィングルームに居ましたが、全く一言も話す事が無かったのでした。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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