そしてストックは作れそうに無いので書けた物からどんどん放出致します。
今回はちょっとした回になります。
では、本編へどうぞ!
第26話『その男の真意』
偵察に出た4機はレーダーを注意深く監視していたが、この周囲一帯に強力なジャミングが掛けられており、レーダーと遠距離通信がまともに反応していなかった。
「フッ、分かり易いジャミングを掛けてくれるな。
俺達に向かって来る奴は余程の自信家か馬鹿の何方か、だな」
「ツルギ少佐、そんニャ事を言ってると本当に敵が出て来たらどうするつもりニャの?」
「無論囮としての役割を果たしつつ返り討ちにしてやる。
そして退路を確保し、ハガネとヒリュウ改に敵の位置を知らせる、ただそれだけだ」
「まっ、テツヤさんやマサキにリューネ、それに俺達が居ればそんなの朝飯前って奴だよ」
そうしてツルギはクロから敵が本当に来たらどうすると問われれば返り討ちにすると実力に裏打ちされた堂々とした宣言をしたのだった。
其処にコウジも乗っかり、この4人と乗機があれば可能だと結論付けていた。
高火力のダブルマジンガーに加えてMAPWを搭載し、分身機能と高機動力で敵の攻撃を避けるヴァルシオーネとサイバスターが居れば囮役を完璧に熟せる自信がコウジの中にもあるのだ。
………そうして、そんなコウジ達の前に案の定と言うべきか、敵がノコノコと現れたのだった。
「チッ…降下ポイント付近で奴等に出くわすとはな。
だが、あの4機を倒せば、俺のDCでの立場も向上する…。(そして何れはアードラーやゼンガーを亡き者とし…新たなDCの総帥となってやる…!)」
「この識別コードは………コロニー統合軍の毒ガス野郎か!」
「どうするニャ、マサキ!」
「ハガネとヒリュウ改が来るまで俺達で何とかする。
良いな、リューネ!」
「分かってるよ!
DCとの決着は、あたしの手で付けなきゃならないからね!」
「おいおい、そりゃ違うぜ。
あたし達の手で、だろ?
さっきも言っただろうが。
俺にもDCとの因縁があるってな」
「それなら俺もお祖父ちゃん絡みでアードラーとの因縁があるぜ、リューネ」
そうしてリューネが1人でケリを付けると言おうとした所でマサキ、更にコウジが軌道修正を行い自身等にもDCとの因縁があると口にしていた。
更にマサキは南極事件からDCと絡んで碌な事が無い為、これ以上アードラー達をのさばらせるつもりは無かった!
そしてそれはコウジやツルギも同じであった!
「…分かったよマサキ、コウジ!」
「よし、行くぜ!!」
「全機、攻撃開始せよ!!」
そうして偵察隊とジーベルの部隊が衝突し、4機は敵部隊を引き付ける様に行動しながら迎撃を行おうとした………その直後、ヴァルシオーネをロックオンするガーリオンが4機出現し、バースト・レールガンを構えていた!
「奴め、リューネが狙いか!」
「(ビアン・ゾルダークの娘…何れは俺が支配するDCにとって、邪魔な存在となる…。
今の内に潰させて貰うぞ、クックック…)」
ジーベルは分不相応な野望の為に邪魔であるリューネとヴァルシオーネの排除を行おうと言う魂胆がコウジ達にも透けて見えており、完全に自身に酔っているタイプの人間が昂ぶっている所だとリューネすらも理解していた。
よって此処で1つ挑発を掛け始めるのだった。
「ちょっとあんた、セコい手を使わずに正々堂々と戦いなよ!!」
「ゼンガーではあるまいし、実戦に正々堂々と言う言葉は存在しない。
要は、策を使って勝てば良いのだ、勝てばな」
「顰めっ面して何を偉そうに!
単に周りを囲んだだけじゃないのさ!
それの何処が策だっての!?」
「あんまり挑発しないと良いと思うニャ」
「大丈夫、大丈夫。
策がどうたらとか言う奴に限って詰めが甘いもんなんだから」
更にその挑発は余りにも分かり易く、こんな物にツルギやコウジすらも乗っかる方が馬鹿を見るレベルだと理解する程度の物であった。
しかし………そんな分かり易い挑発にジーベルは青筋を立ててリューネとヴァルシオーネを睨んでいたのだった!
「…こ、小娘が…!
調子に乗りおって!」
そうしてリューネの挑発に乗り、更に潜伏させていたガーリオンを4機、合計8機のガーリオンを出現させてどれもこれもがヴァルシオーネをロックオンしていたのだった!
「あ~あ、安っぽい挑発なんかに乗って手の内を晒してら」
「まっ、結果オーライって事にしておくか」
「そう言う事!」
「おのれ…何としてもヴァルシオーネを落とせ!!」
そうしてヴァルシオーネに向けてバースト・レールガンが掃射されるが、ヴァルシオーネはそれを華麗に回避しながらハイパー・ビームキャノンで反撃し、ヴァルシオーネにばかり目を向けているガーリオンに対してハイファミリアやドリルミサイル、ネーブルミサイルに加えてスクランダーカッター、ディスカッター、そしてマジンガーブレードとフリーの3機の攻撃が面白い様に飛び、ガーリオンを撃ち落としていた!
これがテンペストやエルザム達が指揮していた部隊ならば決してフリーになる敵機を作らずそれぞれを上手く釘付けにした後に武器を削ぎ落としてから撃墜する筈であった………が、ジーベルにはそんな指揮能力は存在しない為、折角のガーリオン部隊も宝の持ち腐れであった!!
…そして、そんな戦場にR-GUNが戦域に突入して来たのだった!
「R-GUN!?
ハガネとヒリュウ改の救援にしては早過ぎる、誰が乗っているんだ!?」
「やっぱり、敵にとっ捕まってやがったか!」
「カチーナか!
たった1機で来るなんて無茶だぜ!」
「結果オーライだ!
あたしを差し置いて強行偵察なんて生意気するからそのザマさ!」
「…他人の事、言えないと思うけど」
カチーナのたった1機での独断専行に加え、明らかに敵に喰らい付きに来た雰囲気を感じ取る4人はそれぞれ無茶が過ぎると思っており、更にツルギに関しては戦闘のプロとしてこの行動は流石に見過ごせずに居た。
これでは後から来るハガネとヒリュウ改の部隊展開に支障を来す上に、下手をすれば撃墜されてしまいかねないので自分自身を危険に晒すこの行動に静かに怒るのだった!
「ククク…援軍が来る事など百も承知だ。
残りの連中が来るまでに貴様等を片付けてやる!」
そんな足並みが揃わないカチーナを勇ましい援軍だと思ったジーベルは伏兵のランドリオンを4機投入し、物量で攻め落とそうとしていた!
そんなジーベルの策と呼べぬ物にコウジも閉口し、カチーナは敵が増えた事で撃墜数を稼いでトップエースを狙えると考えそれを正面から叩き潰そうとしていた!
其処に遅れてラッセルのゲシュペンストMk-IIが辿り着き、カチーナの援護に入っていた!
「カチーナ中尉、助けに来ました!」
「ラッセル!?
お前まで命令に違反して、どうするのさ!
あたしに付き合う事はねぇ、直ぐに後退しろ!」
「…いえ、自分はカチーナ中尉の部下です。
何処までもお供させて貰います」
「ラッセル、お前…」
ラッセルはカチーナが本気で心配だった為、直属の上司を守るべくこの場に馳せ参じたのだった!
その心意気にツルギは確かにあちらも命令違反ではあるものの、上司へのフォローを忘れぬ気配りが良く出来ているとしてカチーナは部下に恵まれていると、黙りながらも評価していた。
そしてそれは、功績に焦らないカチーナはラッセルの様な部下が自然と付いて来る姐御肌気質であると言う証左にもなるのでカチーナには此処ら辺で一旦頭を冷やして貰いたいとも上官として思うのだった。
「皆、ハガネから通信が入ったニャ!
後1分でこの区域に来るって!」
「よし、皆もう一踏ん張り頼むぜ!」
更にハガネ・ヒリュウ改はもう直ぐ来るらしく、6機はそれぞれ敵を相手にしつつ時間を稼ぐのだった!
しかしカチーナは矢張りこの中で誰よりも敵を撃破したい為にR-GUNの運用としては間違っている突撃を行い、ミドルレンジでツイン・マグナライフルを放っていた!
R-GUNの本来の運用は遠距離攻撃による敵の制圧であり、これではメタルジェノサイダーモードに変形して重金属粒子砲を放てない運用であった!
しかし、そんな間違った運用をしてる中でラッセルのゲシュペンストMk-IIが上手く援護に入り敵のミサイルを迎撃したり、加速してインファイトを仕掛けて来たガーリオンを落としたり等でR-GUNに必要以上のダメージが入らない様に立ち回るのであった!
そして、遂にハガネとヒリュウ改が区域に進入し、機動部隊が出撃するのであった!
「全員無事か…!
何とか間に合った様だな」
「キョウスケ…!」
「中尉、幾ら何でも無茶が過ぎる…」
「ケッ、お前にだけは言われたくないぜ」
キョウスケは全員の安否確認をして安堵しつつ、カチーナには無茶と言う言葉で諫めたが、矢張り今のカチーナには届かず不機嫌になるだけであった。
一方ハガネ・ヒリュウ改本部隊が戦闘区域に進入するまでに偵察隊を全滅させられると思っていたジーベルは苦虫を噛み潰した表情でハガネ・ヒリュウ改部隊を睨んでいた。
「この識別コードは…ジーベル・ミステル、奴の部隊か…!」
「テンペスト、奴は」
「ああ、分かっている。
ホープ事件の被害者として、コロニー出身の男として…毒ガスを安易に使おうとした奴を許す気は無い。
この砂漠の地で朽ち果てて貰う!」
「あんま力むなよ、部隊の和を乱せばあんな3流以下にも付け入れられる可能性だってあるんだからな」
「き、貴様等…この俺を3流以下と侮辱したな…!!
許せん、此処でハガネ・ヒリュウ改部隊を完全に叩き潰してやる!!
残りのAMも出撃させろ、奴等を血祭りに上げるのだ!!
そうすれば、DC内での俺の立場は絶対的な物となる!!」
「そう言う事を口にしちゃう所が小物っぽいわねぇ。
男は黙って、有言実行よん?」
「ジーベル・ミステル少佐…今の貴方に生きているだけの価値があるかどうか、この私が確かめて上げるわ」
更にテンペストがジーベルの存在を確認し、コロニー側の人間としてあの策を弄する愚者に鉄槌を下さんと怒りを向けていた!
一方ジーベルは愚弄されたと憤慨し、ライノセラスに残っていた残存AMを全機出撃させ、原始的な策である物量でハガネ・ヒリュウ改部隊を殲滅しようと躍起になるのであった!
そうして両部隊の戦闘が開始し、物量で攻め落とそうとするジーベルの部隊をハガネ・ヒリュウ改部隊は機体性能とそれを引き出すパイロットの技量を以て押し返し、次々にAMを撃破しライノセラスへの道を切り拓いて行った!
初陣のサヤカとビューナスAも光子力ビームやミサイル等を用いてランドリオン、ガーリオン等を相手取り、上手く捌きながら敵機を撃墜する活躍も見せていた!
そうして、アルトアイゼンが開いた道を突撃しようとエンジンを吹かした………正にその時、戦闘区域に1つの部隊が降下して来た!
「む?
あの部隊は…!」
ジーベルはその部隊を知っていた。
その部隊は『リリー・ユンカス』中佐が率いるコロニー統合軍残存部隊であった!
そしてその最前に居る機体は………超闘士グルンガストの試作機にしてゼンガー・ゾンボルトが搭乗するグルンガスト零式である!!
「此処は本艦で食い止めます。
ゼンガー少佐とジーベル少佐はアースクレイドルへ向かいなさい」
「(あの女、手柄を独り占めにするつもりか…!)」
「いえ、敵の足止めは自分が引き受けます。
リリー中佐こそ、此処から離脱を」
「貴方1人で………!?
死ぬ気ですか!?」
「己の宿命を全うするまで、死ぬつもりはありません」
「…奴等は俺の獲物だ。
此方も撤退する気は無い。
ゼンガー…貴様などに、手柄は渡さんぞ」
「好きにするが良い」
リリーの撤退命令をゼンガー、ジーベルは共に拒否しこの場に留まり戦闘を続行すると言う意思を示した。
が、その理由はゼンガーとジーベルではかなり異なり、ジーベルは此処に至ってもまだ己の引き際を見極められる目を持たず、ハガネ・ヒリュウ改部隊を倒そうと躍起になっていた。
ゼンガーもジーベルの言葉を聞き、己の道を己の力で切り拓ければそれで良しとしてそれ以上は語らなかった。
それ等を聞き届けたリリーは己の乗るペリグリンと防衛部隊を撤退させ、グルンガスト零式とジーベル達に殿を任せたのだった
「ねぇ、キョウスケ。
アレってやっぱり」
「ああ、間違い無い」
「グルンガスト零式………そうか、お前が此処に来やがったか、ゼンガー」
「ゼンガーって、ヘビクラ中佐達が言っていた!?」
一方殿の最前列に居るグルンガスト零式を確認し、ATXチームやヘビクラはゼンガーが来たと確信し、リュウセイはヘビクラと五分の勝負をしたとされる男が来たと知り警戒心を顕にしていた!
更にツルギやクレナイ、テンペストもまた無言ではあるがゼンガーに視線を向け、それぞれ機体を身構えさせていた!
「(今のDCに我が命を懸ける価値は無いかも知れんが…俺は俺の宿命に従うのみ)ハガネ、そしてヒリュウ改の戦士達に告ぐ!
我が名はゼンガー!
ゼンガー・ゾンボルト!
悪を断つ剣なり!!
此処を通らんとする者は、何人であろうとも、零式斬艦刀で一刀両断にしてくれる!!」
「うっ、凄え気迫だ…!!」
「呑まれるなよコウジ、リュウセイ達。
隙を見せれば奴の言葉通り、あの斬艦刀で断ち斬られるぞ」
「たった1人で私達を止めようだなんて、相変わらずみたいねぇ」
コウジ、リュウセイ達はゼンガーの気迫に呑まれそうになるが、ヘビクラが軽く通信を入れた事でリラックスしつつ改めてグルンガスト零式に視線を向けていた!
そして、あの零式斬艦刀に叩き斬られてしまえば如何にアップデート版超合金Zと言えど一太刀で斬られてしまうと判断していた!
エクセレンもまた、孤軍奮闘の中で(ジーベル達は頭数に入れていない)ハガネ・ヒリュウ改部隊を食い止めようとするその姿を見て相変わらずと呟く程ゼンガーは変わりようが無かった。
そんな中ブリットはゼンガーに通信を入れ、説得を試みていた!
「ゼンガー隊長、自分達が戦わなければならない理由はもう無い筈です!」
「ブルックリン…戦士たる者、一度戦場に身を置けば…眼前の敵を倒す事に専心しろと教えた筈だ!!」
「しかし、自分達の共通敵はエアロゲイターの筈です!!
今こそ力を合わせて…」
「問答無用!!
己の信ずる道があるならば、己の力で押し通ってみせろ!!」
だが、ゼンガーはそんなブリットの進言を真っ向から切り捨てると、零式斬艦刀をハガネ・ヒリュウ改部隊へ向けて構えていた!
すると、ヒュッケバインMk-IIの前にヴァイスリッターとアルトアイゼン、更にヘビクラのゲシュペンストMk-IIとグレートマジンガーが聳え立っていた!
「…ブリット君、ああなったら、ボスはテコでも動かないのは分かってるでしょ?」
「まぁ、昔からああ言う奴だからな。
ならやる事は1つ…」
「そう、俺達の力で奴を捻じ伏せる、ただそれだけだ」
「で、でも!」
「其処までだ、ブリット。
ゼンガー・ゾンボルトとの決着は俺がこの手で付ける」
「良い度胸だ、来い、キョウスケ・ナンブッ!!」
「ゼンガー、勝負だ…!」
こうしてアルトアイゼンがリボルビング・ステークを構え、突撃態勢に入るとグルンガスト零式もまた斬艦刀を構え、真っ向から迎え撃つつもりであった!
そして………キョウスケはスロットルをフルで入れると、アルトアイゼンはそのままフルブーストで突撃し、グルンガスト零式に迫る!!
グルンガスト零式もまた零式斬艦刀のブースターを吹かせながら振り下ろし、アルトアイゼンを一刀両断しようとした!!
【ガギィィィィィィィィィッ!!!!!!!】
そうして鈍い音を立てながらアルトアイゼンの右腕とグルンガスト零式の斬艦刀は衝突し、サイズが小さいながらも突撃力はグルンガストを上回るアルトアイゼンが上手く斬艦刀に打ち込み、直ちに両断される事は無かった!!
其処にアルトアイゼンを陰にしながらヘビクラのゲシュペンストMk-IIがプラズマカッターを構えながら突撃し、その巨躯を斬っていた!
しかし、グルンガスト零式の装甲は分厚く出来ているのでゲシュペンストMk-IIのプラズマカッターでは掠り傷を負わせるのがやっとであった!
「チッ、俺もグルンガストに乗っときゃ話が変わったかも、な!!」
「その手は食わんぞ、ショウタ・ヘビクラ!!」
更にヘビクラ機はジェット・マグナムを当てようとしたが、それをゼンガーは見切ると至近距離で零式の熱線砲である『ハイパー・ブラスター』を放ち、ヘビクラ機を焼き切ろうとした………が、これをヘビクラは何とムーンソルトで回避すると言うゲシュペンストを慣れ親しんでいなければ出来ない動きを見せ付けていた!!
更にその上空からヴァイスリッターが援護射撃しながらグレートマジンガーがマジンガーブレードを2本構えて突撃し、零式斬艦刀と激しく鍔迫り合っていた!!
「やるなゼンガー…腕は衰えていないようだな!!」
「俺を倒したくば、もっと打ち込んで来いテツヤ・ツルギ!!」
更にグレートマジンガーのドリルプレッシャーパンチとグルンガスト零式のブーストナックルが衝突し、鈍い音を立てて互いに腕が返ると、其処から突撃しハイパー・ブラスターとブレストバーンの撃ち合いとなったのだった!!
この熱線同士の対決には流石にPTで近付けるのはアルトアイゼン並の装甲が無ければ無理だった為、エクセレンやブリットは遠目でその戦いを見ていた!
それから20秒の撃ち合いが終わると、今度はエクセレンとブリットが攻撃を仕掛けていた!!
「そうだ、それで良いエクセレン・ブロウニング、ブルックリン・ラックフィールド!!」
「くっ、隊長…!!」
ヴァイスリッターの『オクスタン・ランチャー』やヒュッケバインMk-IIの『Gインパクト・キャノン』を受けてもビクともしないグルンガスト零式は狙いをヒュッケバインMk-IIに定めながら突撃し始め、其処にグルンガストやマジンガーZも加わり食い止め始めていた!
「おっと、これ以上は通行止めだぜ?」
「例えグルンガストが相手だろうと、マジンガーZは負けない!!」
「良い気迫だ、ならば…推して参る!!」
グルンガストの計都羅睺剣とマジンガーZのアイアンカッターでグルンガスト零式がやっと止まったと思いきや、逆に剣と躯体のブースターを用いて2機の特機を押し切ろうとしており、これにはイルムやコウジも驚きを隠せずにいた!
そんな中、頭上からクレナイとテンペストがグルンガスト零式の頭部を攻撃し、メインコックピットを大きく揺らした…筈だが、これでもゼンガーは全くブレず、その巨躯はハガネとヒリュウ改の眼前まで迫りつつあった!
其処にカチーナが他の機体が射線から外れた瞬間メタルジェノサイダーモードを起動し、重金属粒子砲を発射していた!!
更にそれに続きリベル・レギスがに突撃し、グルンガスト零式はメタルジェノサイダーを防御した後リベル・レギスの黄金の剣と鍔迫り合っていた!!
「むっ…この気配、貴様は人間ではないのか…?」
「ほう、人の身でありながら余の存在の一端に触れて正気を保ちつつ冷静に対応するとは…。
フッ、ゼンガー・ゾンボルトか、面白き男よ」
更にマスターテリオンは異形の存在である事を察知したゼンガーに最大限の敬意を払うと同時にリベル・レギスの力を存分に見せ付け、ABRAHADABRAとハイパー・ブラスターが零距離で衝突し、爆煙を上げながら両機は一定の距離を保っていた!
そんなグルンガスト零式との激戦の横で起きているジーベルとの戦闘をダイテツ達は見つめると、R-シリーズやジガンスクード、そしてレオナのガーリオンやサイバスターとヴァルシオーネが敵機を撃墜し、遂にライノセラスまで迫っていた!!
「い、いかん!!
このままでは墜ちる…!
おいゼンガー、貴様何故俺を援護しない!?」
「…貴様の獲物なのだろう?
ならば己の力で道を切り拓いてみせろ」
「ぬ、ぐ、き、貴様ぁ…!!」
ジーベルはゼンガーに対して苛立ちを覚えていたが、これも全ては己が撒いた種である故に何かを言おうとしてもそれ等は自身の行いが全てを無に帰すのであった!
正に諸行無常、ジーベルはコルムナで毒ガスを使おうとし、更に自身には分不相応の野望を抱いた報いを受ける時が来たのだった!
「隙ありだ、ゼンガー!!」
「喰らえ、サンダーブレーク!!」
「ぬぅ!!
零式を撃ち貫くかキョウスケ、テツヤ!!」
「…決着を付ける、そう言ったぞゼンガー!」
そうしてグルンガスト零式が膝を僅かに突くが、直ぐに立ち上がりアルトアイゼンやグレートマジンガーを始めとしたハガネ・ヒリュウ改部隊を見つめながらゼンガーは少し感慨に耽っていた。
「…また一段と腕を上げたな。
そうだ、そうでなければ、見込んだ意味が無い。
…お前達の様な男がもっと上層部に居れば…いや、言うまい。
俺は立ち塞がるだけだ」
「倒される事を望むなら…此処で幕引きにする、ゼンガー…!」
「その宣言は受けてやれん!
俺達に相応しい舞台…ジュネーブで待っているぞ!!」
そうしてゼンガーはリリーの部隊が十分後退したとしてタクラマカン砂漠より撤退を開始した。
その際にジュネーブと言う単語を口にした事で、テンペスト達からの情報通りDC残党の第1目標がジュネーブである事が確定したのだった。
「ぬぅ、おのれゼンガーめ、口先だけで役に立たん奴だ!
矢張り奴よりもこの俺こそがDCの新総帥に」
「残念だけれど、これでおしまいよジーベル少佐…!」
「コロニー統合軍の身でありながら毒ガスに頼った己の短絡的思考を呪うが良い!!」
【ドンドンドンドンドンドン、ズドォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!】
そして、残ったジーベル・ミステルもまたレオナとテンペストの手で葬り去られた事で、この戦いにケリが付いたのだった!
そして、DC残党の目標も確定した事で、ハガネ・ヒリュウ改部隊は急いでジュネーブへと航行するのであった。
「う、うぅぅぅ………お、俺は、まだ………」
しかし、此処で誰も予想していない自体が発生した。
何とジーベルはライノセラスが轟沈したにも関わらず瀕死の重傷を負いながらも生きており、今も生にしがみつこうと必死であった。
『キィィィィィィィ…!!』
しかし、そんなジーベルの周囲に等身大サイズのスペースビースト達が群がり、ジーベルの血肉を喰らおうとした………その時である。
闇がジーベルに纏わり付き、その身体を、その心を、人間から別の物へと変質させて行くのであった!
「これで布石は打った、後は我々の手でマジンガーZを…」
その様子を見届けていた…否、この状況を招いたエイゴウ率いるハンドレッドの一団はマジンガーZを奪い取る手段を講じて行くのであった。
それも全ては自身達が仕える無貌の神の意志でもあったのだった…。
一方ヒリュウ改の格納庫では、カチーナの独断専行、自身を顧みない戦闘行為、更に味方を巻き込んで尚も反省の色を見せないと言う今までの行いに遂に堪忍袋の緒が切れたラッセルが、直属の上官…しかも女性に手を上げると言う直接的な行動に踏み切っていたのだった!
「ぐっ…ラ、ラッセル、てめぇ…何を…!」
「………」
「ちょ、ちょっとラッセル、何やってんの!?」
「あいつ、中尉を殴りやがった…?」
「…あっちゃ~あ。
ラッセル君、遂に我慢の限界を超えたって訳ね。
どうするのキョウスケ、止める?」
「…男が女に手を上げたんだ。
ラッセルも考えあっての事だろう、俺達の出る幕じゃない」
ガーネットやジャーダ達が困惑し、エクセレンやキョウスケが冷静に見守り、ツルギ達元教導隊組もラッセルが手を出さなければ自身達が修正する所だった為、一旦ラッセルに任せてそれぞれが見守るのであった。
「ラッセル…!」
「…手を上げて済みません。
ですが、今日だけは…今日だけは言わせて下さい!
自分勝手な事は控えて下さい、この戦いは中尉1人でやってる訳じゃないんです!
今は実績とか、テストパイロットとかに拘っている時じゃありません、皆で力を合わせてDCや異星人と戦わなければならないんです。」
「………」
「…自分はこれからも中尉の背中を守って行くつもりです。
でも、貴女がまた同じ事をするつもりなら…自分は何度でも貴女を殴ります!」
カチーナはあの温厚で何時も背中を付いて来るラッセルに殴られた事や、こんな風に本気で殴られ注意を受けた事は初めての経験であり、また、まさか部下に正論を本気でぶつけられてしまう立場になるとは思っても見なかったカチーナは…ツルギやキョウスケ等に殴られ叱られるよりもずっと堪えており、自分が如何にスタンドプレーに走り部隊の仲間達に負担を掛けていたのか此処に至り理解したのだった。
「………………分かったよ、ラッセル。
あたしが悪かった………」
「中尉…」
「…ふう、どうやら雨降って地固まるって奴だね」
「らしいわね〜」
そうして、ラッセルの修正が終わり、カチーナも漸く持ち前の判断力を取り戻したらしく、見守っていた全員はそれを見て一息を吐いていたのだった。
それ等のやり取りを見ていたキョウスケもそれが正しい事であるならば上官だろうと殴れる度量も必要な事だと締め括り、コウジ達もゼンガーと言うこの締めにもってこいの人物とやり合うキョウスケの言葉に説得力を見出していた。
「ねぇ、キョウスケ…私がおイタしたら…叱ってくれる?」
「面倒だ、ラーダさんに頼んで折り曲げて貰う」
「…あら〜」
そんなキョウスケにエクセレンはノリノリで絡んだものの、矢張り軽くあしらわれつつもそれが日常と言う雰囲気を見せカチーナの一件からピリピリした空気が抜けたのだった。
しかし………ブリットはゼンガーが未だ敵である事に嘆いており、俯いた表情を見せていた。
そんなブリットにヘビクラとツルギが声を掛け始めていた。
「ブリット、あの野郎は途轍も無く不器用な奴だ。
その所為で考え方1つ曲げさせるのも一苦労するのは何も一度や二度なんてもんじゃないぜ。
だがな………ゼンガーは俺達にジュネーブで待つって言葉を残した、この意味は分かるな?」
「………あ」
「そう言う事だ、ブリット。
エクセレン達には言う必要は無いが………お前達ATXチームは最後まで奴を信じてやれ。
教える必要が無い目標地点を口走った、ゼンガー・ゾンボルトと言う不器用な男をな」
そうしてヘビクラ、ツルギの言葉を受けたブリットもまた自身等に彼なりのやり方で情報を流したゼンガーを信じ続ける事にしたのだった。
一方キョウスケも、コウジも、クレナイ達元教導隊組達もゼンガーの大体の目的に検討を付けつつも果たしてそれが真に正しいのか…その答えを、真実を導き出す為にジュネーブへと向かうのであった。
此処までの閲覧ありがとうございました!
・ジーベル撃沈………しかし………?
・ラッセル、遂にキレる。
・ゼンガーオヤビンもまた彼なりのやり方で導いてくれてると分かった回でした。
その他にもハンドレッドがまた仕掛けて来そうですが、どうやって来るかはまた次回以降。
そして、エイゴウ達の手引きでジーベルに纏わり付いた闇について………ネクサス、スペースビーストと来れば恐らく分かると思われますが、一体どれなのかはお楽しみにです。
また………この闇は、『ジーベル1人では終わらない』とだけ宣言致します………。
次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!