スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第29話を投稿致します。
今回は前回入れられなかった戦闘後会話パートで構成されてます。
また、前回の予告通りマジンガーZの意志について話したり等もします。
では、本編へどうぞ。


第29話『閑話:DC残党との決戦後』

「DC残党、全機撃墜を確認しました!」

 

「残るはあの男達や…アースクレイドルか」

 

 エイタやユンのDC残党アードラー派部隊の全機撃墜、道を見失いつつも最後の最後に己の使命を思い出した者達はリリーの先導の下撤退した事でジュネーブでの戦闘は終了した。

 残るはゼンガーやビアン達、更に未だその思惑が見えぬアースクレイドル勢力の処理、或いはその立場の証明であった。

 

「ゼンガー隊長…」

 

「キョウスケ、クレイドルの責任者であるソフィア・ネート博士は…地球人同士の戦闘を良しとせず、純粋に人類の未来を案じている人物だ。

 アードラー達が死んだとあれば、お前達と敵対する事はあるまい」

 

「隊長がそう言うなら、信じるが…しかし…」

 

「隊長…。

 自分は隊長にお願いがあります。

 隊長の力を自分達に貸して下さい」

 

 ゼンガーはキョウスケ達にアースクレイドル勢力、特に責任者であるソフィア・ネートは敵対する事が無いと告げ、ハガネ内に居るジュウゾウは元EOTI機関であり多分野に精通していた故にプロジェクト・アークにも助言を入れてたのでその人柄を良く知るので相違無く反論もしなかった。

 するとブリットがゼンガーに協力して欲しいと頼み込むと………ゼンガーはグルンガスト零式をクロガネの方に向けながら通信を続けた。

 

「…俺はお前達と共に行く事は出来ん」

 

「何でさ!? 

 あんたの目的は分かった。

 DCとも決着が付いたじゃないさ!」

 

「………どんな理由があれ地球連邦軍を裏切りキョウスケ達と敵対してしまった、そんな自分が許せねぇんだろ? 

 なら行けよゼンガー…俺達は、お前が再び悪を断つ剣を握るその時を待つぜ」

 

「ヘ、ヘビクラ中佐!?」

 

「ブリット、分かってやってくれ…。

 エルザム、ゼンガーを頼むぞ」

 

「…承知した。

 では行こう、友よ」

 

 ゼンガーからの協力要請の拒否にカチーナやブリットは驚くが、元教導隊組であるヘビクラ達はゼンガーの性格を良く知るので自分から剣を握るその時まで待とうと言い出し、更にツルギがエルザムにゼンガーを託したのだった。

 ライはエルザムと話すのは次に再会した時だとして、リューネもこの空気ではビアンとは話せないと思ったので黙ってクロガネを見送る事にしたのだった。

 

「おい、コウジ・カブト! 

 良く相棒を取り戻した上で強くなったな、次会った時は…マジンガーとゲッターで異星人共をビビらせてやろうぜ?」

 

「リョウマ………ああ、その時を楽しみにしてるよ」

 

「じゃあなハガネ、ヒリュウ改部隊! 

 今度会う時ももっと強くなってやがれよ!」

 

 そして、リョウマやゴウもゲッターチームなりのエールをハガネ・ヒリュウ改部隊へと送り、Dr.ヘルとサオトメ博士もブリッジにてビアンと共にハガネ達に敬礼すると、クロガネは再び地中へと潜りレーダーから消えたのであった。

 更にクロガネが去ると同時にジード達も空へと飛び去ると、クレナイやヘビクラは改めてジード達が『この世界』へと訪れたと自覚し、その後ろ姿を見送るのだった。

 そうして………ハガネ・ヒリュウ改機動部隊もまた、それぞれの艦に帰投し、コウジは今回の出来事を皆に説明する為に、マジンガーZを帰艦させたのであった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数時間後、シャイン王女が目を覚まし、皆が見ている中でライに抱き着き、ラトゥーニにも怖かった事を素直に告げてそれをライとラトゥーニが宥めた後、シャイン王女は一通りの検査やダイテツ達との話を終えて格納庫へと来ていた。

 

「シャイン王女、もう帰るのか?」

 

「はい。

 ジョイスを待たせたままでは居られませんし、私の居場所は此処にあっても出来る事がありませんので、ライディ様やラトゥーニに迷惑を掛けてしまいますから。

 でも、国に帰ってやらなければならない事が沢山あります。

 そして、私には私の守る物がある…それが、私の戦いですので…私は国に戻りますわ。

 ラトゥーニ、貴女と会えて良かったですわ」

 

「シャイン王女、私も…。

 この眼鏡、大切にします」

 

「うふふ、やっぱり似合っておりますわよ。

 これからもお友達で居て下さいましね。

 ライディ様は…白馬の王子様で居て下さいまし」

 

「王子様………はご勘弁下さい」

 

 それから格納庫でシャイン王女はラトゥーニに見繕った眼鏡を着用した姿を漸くゆっくり見たり、そのラトゥーニとの友情やライへの恋心を見せ、当のライは流石に王子様になるのは色々と拙いと思いご勘弁を願い出たのだった。

 それ等を見て、ライすらも振り回すシャイン王女は矢張り王族として凄い娘だとリュウセイ達も思うのだった。

 

「では皆様、本当にありがとうございました。

 これからのご武運とご無事をお祈り致します………」

 

「ご自愛下さい、シャイン王女…」

 

 そうして、シャイン王女は最後に救ってくれた皆に挨拶と武運を祈ると、そのまま小型機へと乗り込み一度伊豆基地を経由してリクセント公国へと帰国するのであった。

 ライも最後にシャイン王女へ言葉を送り、そして全員でハガネから離れて行く小型機へと敬礼して見送るのだった。

 

「…んじゃ、ブリーフィングルームへ行こうか。

 積もる話もあるからな、特にマジンガーZについてな」

 

「せやな〜、ロボットが意志を持つとかとんでも無い事が起きたからな〜」

 

 そして、コウジが率先してブリーフィングルームへと皆を誘導し、タスクも何か凄い事が起きたと思い出しそれの説明をして欲しいとして付いて行き始めた…その時、シャイン王女の小型機と入れ違いに、別の小型機がハガネへと着艦しハガネ・ヒリュウ改機動部隊のパイロットの殆どが何だと思っていた。

 しかし、ヘビクラとクレナイは小型機にストレイジのマーキングと『W』の文字を見掛け、スポンサーが何でフッ軽でやって来るんだよと思い始めていた。

 そしてタラップが降りて小型機の中から1人の中年の男性が降りると、その顔を知る者は驚くのであった! 

 

「矢張り私の予測通りの展開、そして予測通りの時刻に戦闘が終えた様だな、ヘビクラ中佐、クレナイ少佐」

 

「………あのですね、スポンサーが何でそんなにフットワークが軽いんですか、グライエン・グラスマン議員?」

 

「今は連邦議会委員長だ。

 アルバート・グレイ達が死亡し、カール・シュトレーゼマンが行方を眩ませたのだからな」

 

「…死亡確認はまだの筈ですが?」

 

「ハガネ、ヒリュウ改が現着する前にヴァルシオンに襲われ、連邦議会本部も吹き飛んだ上で戦闘終了後に連絡が付かんのだ。

 ならば死亡したと考えるべきだろう」

 

 そして、まさかのストレイジのスポンサーであり抗戦派の有力議員であったグライエン・グラスマン議員…当人が言うには連邦議会新委員長になるらしく、そんな人物がこんな前線の戦艦に訪れた事をハガネ・ヒリュウ改機動部隊の面々は驚愕しギョッとした目で見ていた。

 するとグライエンは…少し上品なお辞儀をした後、改めて名乗り始めていた。

 

「初めましてと言うべきだな、ハガネ、そしてヒリュウ改の者達。

 私はグライエン・グラスマン、抗戦派に所属する政治家だ」

 

 政界のウィザードと呼ばれた男は余裕綽々で…その裏で政治の泥沼を生き抜いて来た事を感じさせる剣呑な声を響かせると、ダイテツ達指揮官組がグライエンの出迎えをして艦長室へと通し、そして………この後のブリーフィングルームでの会話を聞く為にダイテツ達の横で様子を見る事となったのをコウジ達が知るのは、この直後の事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからブリーフィングルームにて、グライエンまで居る事で緊張感が走るが、そのグライエンは「何時も通りに話し合って欲しい」として聴く事に徹するらしく、皆はそれぞれ頷きながらコウジやジュウゾウ達が前に出る事、更に格納庫の映像をブリーフィングルームへと映しながら話が始まるのだった。

 

「それでコウジ、マジンガーZについてなんだが…」

 

「皆もそれを知りたいよな。

 と言う事で先ずは俺達の仲間を改めて紹介させて欲しい…鉄の城、マジンガーZだ」

 

『ハガネ、ヒリュウ改の戦士達、改めて名乗るが俺はマジンガーZ………コウジと共にある魔神の意志だ』

 

 そして、格納庫のマジンガーZは空中に光の文字を浮かべて改めてリュウセイ達に自己紹介をすると、グライエンは「ほう」と興味深くマジンガーZを見やり、それからリュウセイ等が挙手をしてマジンガーZやコウジに質問するのだった。

 

「それで………マジンガーZの意志って言うけど、具体的に何時から意志が芽生え始めたんだ?」

 

『始まりは南極事件…グランゾンに追い詰められ、初めて魔神パワーが発現したあの日に遡る。

 其処で俺の中に魔神パワーのブラックボックスが突如として搭載され、一気に第6のパワーまで開放されそうになった。

 しかし、ジュウゾウ博士の緊急措置により第4と第6のパワー開放は阻止され、また封印措置のお陰で簡単に魔神パワーが開放されなくなった。

 それにより、当初は生まれたばかりで真っさらな状態且つ自我と呼ぶべき物がほぼ無かった俺の意志は………コウジやリュウセイ達の心、決意に触れ続け、更にR-1やサイバスター、そしてグレートマジンガー…俺の兄弟、もう1体のマジンガーと共に戦い続けた結果、俺はコウジと共に戦う魔神としての意志を確立させたのだ』

 

 先ずはリュウセイの質問により、マジンガーZの自我の芽生えについてその始まりや経緯を聞き、南極事件の時からそんな事がと思ったが、リュウセイ達SRXチームやツルギは確かに南極事件で初めて魔神パワーが発現したのでその際に自我が芽生え始めたとなれば辻褄が合うとしていた。

 次に…イングラムが鋭い質問をし始めていた。

 

「ならば、真っさらな状態だったと言うが………お前は今は鉄の城としての意志を確立したが、そうでなければどうなっていた?」

 

『…俺は魔神パワーの発現によって生まれた意志。

 それは即ち『終焉の魔神』にも繋がる物であった…もしも今の俺と言う意志を確立出来なかった場合、俺は『終焉の魔神』の意志に組み込まれ、そのままコウジを介して魔神パワーの全ての開放を行おうとしただろう。

 尤も、今の俺は最早『終焉の魔神』の意志とはまるで別の物と成り果てたのでコウジとコウジの護ろうとする物を『終焉』へと誘う事は絶対にしないと誓おう』

 

 イングラムの質問はある意味衝撃を生み、それへの返答もまた稲妻が如き衝撃を皆に与えた。

 この魔神の意志が『終焉の魔神』なる物に繋がりかねなかったと言う事…それは、薄氷の上を今まで知らずに歩いていたのに他ならず、リュウセイ達はマジンガーZの意志がちゃんと鉄の城としての意志になって良かったと心の底から思うのだった。

 …その様子を見ていたグライエンは、あの魔神が嘘偽りを綺麗な言葉で包み隠していないかと疑いの目を向け、しかしその根底にあるのは『コウジ・カブトとそれに連なる者達の平和や未来を護る意志』と見抜くと、マジンガーZの語った事は今の所信用に足る物と判断したのだった。

 次にラトゥーニが手を挙げてマジンガーZへと質問をした。

 

「…じゃあ、次に魔神パワーについて。

 アレは今…マジンガーZの中でどうなってるの? 

 今後も勝手に開放されそうになるのか…答えて欲しいわ」

 

『ああ…俺と言う意志が芽生えた事により………魔神パワーをより深く封じる事に成功し、勝手にパワーが開放される可能性は限りなく0に近くなった。

 更に例え意図的な開放をしても…第4のパワー高次予測を含む第5のパワーまでを、俺とコウジの意志がシンクロする事で完璧に制御下に置く事が可能になった。

 無論余程の事…今回はシャイン王女の救出と言う可及的速やかに対処すべき事案があり使用したが、こう言った物が無い限りは極力開放させない様にする。

 これはジュウゾウ博士や、コウジも同じ考えを持っている筈だ』

 

「うむ」

 

「…マジンガーZ、俺達の事を尊重してくれて嬉しいよ。

 …なら、其処から踏み込んだ話として第6のパワー…アレはどうなんだ?」

 

 ラトゥーニの質問をマジンガーZは真摯に答え、魔神パワーを滅多な事では使用しない今までの方針を継続する事や恐らくマジンガーZとコウジ、2つの意志が1つである限りは勝手な魔神パワー開放が起こらないとまで示され、「ふう…」と誰かが一息ついていた。

 しかしコウジは其処から踏み込み第6のパワー…それについて質問していた。

 それは即ち第6のパワーまで頼る事態が発生したと言う裏事情を抱えた物であり、そうなった場合はどうなるかと言う至極真っ当且つイングラムみたく鋭い質問だった。

 

『第6のパワー………因果律兵器、文字通り因果に干渉し俺とコウジ、そして仲間達の勝利を絶対的に引き起こす恐るべきパワー。

 アレに関しては今の俺とコウジ、お前の意志が例え1つになろうとも…意図的な開放が出来る時間は約3分が限界だ。

 それを超えればいよいよ第7のパワーまで開放されてしまう危険性が余りにも高いのだ。

 第4のパワーと第6のパワー、それぞれが大きな力を持ち片方だけなら制御下に置けても…それは実質第4のパワーのみを示す。

 何故なら第6のパワーは第4のパワーが開放下に無ければ開放されない連動した物であり、そしてこの2つこそが『終焉の魔神』がそう足らしめる事を証明するパワーなのだから』

 

 その質問に対する返答もまた今までの言葉の裏を返せばそうであると納得が行く物だった。

 マジンガーZの意志にも扱いが危うい第4と第6の魔神パワー…その片方、即ち第4のパワーは制御出来ても第6まで合わせると途端に完璧な制御が不可能になるのだろう。

 そして改めて因果律に干渉出来ると想像も付かない領域の第6のパワーを聞きリュウセイはコウジや自分達が強くなり、因果律兵器の使用に踏み切る事を無くしていかなければと考えていた。

 一方マサキはサイバスターもまたアカシックレコード…即ち因果律に干渉出来る能力や武器を持つが、恐らく魔神パワーの場合はより大きな因果律…1つの存在所か全ての因果へ文字通り干渉するので其処まで制御が利かないのだと判断したのだった。

 そしてそれ等を聞き届け、黙って見ている大導師(グランドマスター)もまた第6のパワーは触れず干渉せぬ方が世界の為だと心得ているのだった。

 

「さて、次の質問は無いかのう? 

 …聞きたい事は大体聞いたらしいな。

 ならワシやケンゾウから良い話を幾つか。

 先ずマジンガーZとグレートマジンガーのアップデート…超合金NZ(ニューゼット)と新型光子力エンジンへの換装作業が漸く出来る事じゃ」

 

「あっ、そうか…その作業に移る前にマジンガーZがハンドレッドに奪われたから停滞していたんだった」

 

 それから質問が終わるとジュウゾウ達の報告が始まり、最初は完成していた超合金NZ(ニューゼット)、及び新型光子力エンジンへの換装作業に入れる事だった。

 これでエアロゲイターへ対抗し得る力が確立され、地球側の戦力向上に大きな貢献を果たすとしてそれを聞いているグライエンも満足する内容だった。

 更にタスクやリョウト、ラーダもハンドレッドに奪われなければジュネーブでの戦闘時にとっくに完了していた作業だけに少し遅れたと思いつつも、マジンガーZの意志の確立と言う自分達にも想定外だが歓迎すべき事もあったのでそれも今となれば必要な事だったと割り切るのだった。

 

「次に魔神パワーの解析作業についてだが、我々は今まで解析が困難であった第6のパワーのブラックボックス…それがマジンガーZの協力により、時間は掛かるが解析が完了出来る目処が立ちました」

 

「本当なのか?」

 

「うむ、構想者たるワシの頭脳を以てしても解析が困難だった箇所がマジンガーZ側から協力してくれるお陰で漸く解析が進むのじゃ。

 尤もその作業の完了は最短で3ヶ月、最長で半年も掛かるのでエアロゲイターとの決戦には間に合わん。

 なのでエアロゲイターとの決戦後も解析作業を続け、それによりグレートマジンガーへとワシ等が完璧な制御が出来た魔神パワーの搭載が初めて出来るんじゃ」

 

 更に魔神パワーの解析作業にも好転が起き、マジンガーZが協力する事で解析が困難だった箇所も漸く進む事が可能になったと報告が上がった。

 しかし、矢張りエアロゲイターとの決戦までには間に合わずその後の未来までずっと解析をしなければならないので、この第6のパワーは本当に厄介な物だとパイロットも技術者も思い知るのだった。

 しかし、それでも解析が完了すればグレートマジンガーが『終焉の魔神』へのカウンターに成るので解析作業は継続する方針であった。

 

「…ふむ、お前達の話は聞かせて貰った。

 諸君等の所感を語らせて貰うが…政治家として見ればまだまだ甘いと言わせて貰う。

 お前達のやり方では何れ裏を搔こうとする者達の手で手痛い目に遭うだろうと。

 しかし…1人の地球人として話すのならば地球圏の未来を託すに足る者達が此処に集った事を喜ばしく思う。

 よって諸君等に降り掛かる政治的な妨害は私の方から出来る限り抑え込もう。

 そして…未来ある若者達よ、その力と強い心で地球の未来を勝ち得て欲しい。

 それが私から諸君等に求める物だ」

 

 そして、此処でグライエンはハガネ・ヒリュウ改部隊の戦いを政治家としての側面と1人の地球人としての側面の両方を語り、その何方もコウジやリュウセイにマサキ、キョウスケ達に深く刺さり自分達の裏を掻く者…即ち悪意があり、自身等に見えない所で謀略を図る者達への警戒を強めさせたのだった。

 それを一頻り語ると、グライエンは特に若者達に地球人としての願いを託し、政治家として政治的妨害を自身の出来る限り抑えると約束したのだった。

 

「では、これにて臨時のブリーフィングは終了となる。

 各員は持ち場に戻り、やる事を終わらせつつ英気を養うのだ」

 

『了解!』

 

 そうしてダイテツの号令と共にマジンガーZに関連するブリーフィングや報告が終わると、それぞれが持ち場に戻り機体の調整や超合金NZ(ニューゼット)、新型光子力エンジンへの換装作業等に戻り始めたのだった。

 グライエンも見るべき物を見させて貰ったので、残るはプロデュースしているヘビクラ達への報告等を行うだけだった。

 そして、自らやノーマン少将達抗戦派閥の軍人や政治家、そして臨時大統領となるブライアンが持つ事を許された情報をダイテツと言った『それ』に関わる現場の上官組にも共有するべく艦長室へと足を運ぶのだった。

 それから少し経ち、報告書を纏め上げたイングラム達も艦長室へと訪れグライエンからの報告が始まるのだった。

 

「…それでグライエン委員長、ワシ等に話す事とは?」

 

「単刀直入に言えばEOT特別審議会や降伏派閥の有力者達が消えた事で連邦議会は結果的に膿を取り除けたと言う事だ。

 私が正式に連邦議会委員長に抜擢される根回しが行えたのもそれが大きい。

 そして私の権限を使い、秘匿し死蔵されて来た全ゲシュペンストMk-IIの所在地を明らかにしエアロゲイターとの決戦に軍備を整える事が可能になった。

 また現在、降伏派閥と蜜月であった地球連邦政府の現大統領を引責辞任させ、臨時大統領にコロニー統合府のブライアン・ミットグリッドが選出され、ノーマン・スレイ少将にもエアロゲイターとの決戦に備えた軍部の判断権限が与えられる運びになっている。

 それが私から報告する事の1つ目だ」

 

 其処からグライエンに語られた事は政治的圧力が消え、ノーマン少将が漸くエアロゲイター決戦の軍部責任者へと押し上がるのと同時にEOT特別審議会により隠された地球連邦軍に本来あるべき量産型ゲシュペンストMk-II全機の所在が開示される事だった。

 今まで量産された約1500機程を漸くエアロゲイターとの決戦に投入出来る事となり、地球側の戦力が本来あるべき形に戻ると知らされたのだった。

 

「更に2つ目はストレイジに良い報告だ。

 カール・シュトレーゼマンが行方を眩ませた事で隠されたキングジョーの所在も判明し、現在私やノーマン少将の命令で回収作業が執り行われている。

 ただ此方は奴等に邪魔を掛けられ過ぎた為、キングジョーをストレイジカスタムへと換装させる作業所かその換装パーツを全く生産されていないのでエアロゲイター決戦の投入は不可能だ」

 

「いえ、俺達の特空機3号機となる物が漸く見つかっただけでも大きいです。

 これでエアロゲイター決戦後にストレイジもまた完璧な形で戦力が整い、スペースビーストへの対応の幅が大きくなるでしょう」

 

 更に本来ストレイジにあるべき特空機3号機、その素体となるジャグラスジャグラーより齎されたキングジョーの所在まで明らかになり、回収作業が進められているとヘビクラとクレナイ、更にダイテツ達に伝わりこれでスペースビースト殲滅に大きな一歩を踏み出せる様になったと考えるのだった。

 しかし、矢張りEOT特別審議会や降伏派閥の妨害で特空機3号への換装パーツが全く作られていなかった事実も知り、カール・シュトレーゼマン達が残した爪痕も大きいとして大きく息を吐くのであった。

 

「そして………3つ目はダイテツ艦長やレフィーナ艦長達、更にツルギ少佐と言った面々にも知って貰うべき事を教える時が来た事だ。

 これはSSSすらも超えるSSSSクラスの情報であり、降伏派閥やそれに連なる者達にもずっと秘匿する事が何とか出来た情報だ」

 

『(SSSSクラスの情報…?)』

 

 そして3つ目としてグライエンの口から語られた事は、降伏派閥やEOT特別審議会に知られてはならなかったSSSSクラスの情報の開示であった。

 ダイテツやレフィーナ、ショーンにオノデラ、更にツルギ達はとんでも無い情報が開示される事に身構えつつ、それがどんな物なのかと思っていた。

 すると………ヘビクラとクレナイは時が来たと口にされた事で、その裏の顔を漸くこの場で明かせる様になったとして雰囲気が変わり始めたのだった。

 

「…ふう、やっと窮屈な立場を強いてきた連中が消えて少しは大手を振って歩けるな。

 なぁ、ガイ?」

 

「ああ、そうだな」

 

「(…成る程、そう言う事かヘビクラ、クレナイ)」

 

 そんなヘビクラ達の様子から戦士としての勘と友人としていの一番にその答えにたどり着いたツルギは、この2人は本当に食わせ物だなと考えつつ地球圏の敵で無い事がこれ程有り難いと初めて思うのだった。

 更にイングラムもヘビクラ達の正体を知っているので何も語らないが、矢張り地球側ではこの情報は本来自身が知る事を許されないSSSSの情報だったと知り、グライエンの前で初めて知った事を装うのであった。

 

「…その情報とやらはどうやらヘビクラ中佐達に関わるのだな?」

 

「そうだぜ、ダイテツ艦長。

 んじゃ、改めて自己紹介させて貰うぜ。

 ショウタ・ヘビクラと言うのは仮の姿、俺の本当の名は………ジャグラスジャグラーだ」

 

『!!!?』

 

 そしてダイテツ達はヘビクラ………否、ジャグラーの口から自らの存在を明かされ、更に魔人態としての姿も一瞬だけ見せ付けその証明をすると、ダイテツ達はまさかこんな近くにジャグラスジャグラー………地球側に異星人、特にエアロゲイターに話し合いは通じないと警告して来たかの異星人が居たのだと知り、ダイテツやショーンすらも珍しく驚愕したのだった! 

 

「で、では、クレナイ少佐は一体…!?」

 

「そうだな…俺はこの星ではガイ・クレナイ少佐として軍人をやらせて貰ってるが、それ以外の星々ではさすらいの風来坊クレナイ・ガイ………そして、ウルトラマンオーブとして宇宙の平和を守らせてもらってるぜ」

 

「なっ、ウルトラマン…オーブ…!!!?」

 

 そして更に特大の爆弾としてクレナイの正体………そう、さすらいの風来坊クレナイ・ガイ、またの名をウルトラマンオーブだと言う情報をオーブリングフュージョンアップカードを見せる事で証明していた! 

 ダイテツ達も、ウルトラマン達が怪獣やビーストとの戦闘で都合良く地球に降り立つ事からもしかしたら地球の何処かで潜伏し、怪獣の出現に際してその力を振るっていると考えては居たが………まさかそのウルトラマンオーブがハガネ・ヒリュウ改部隊の内側に居たとあれば驚かざるを得ず、そしてこの2人の正体はEOT特別審議会や降伏派閥に知られてはならなかったと思い知らされるのだった! 

 奴等が知れば自分達の生存を優先し、ウルトラマンの人体実験やその情報やガイやジャグラーの身柄を生贄としてエアロゲイターに捧げただろうと言う考えに至っていた! 

 

「しかし………まさかウルトラマンも人間としての姿があるとは………」

 

「勿論本来は俺がウルトラマンであると知らない星の者達に知られてはならないんだが、今回はスペースビーストと言うエアロゲイターすらも手を挙げる様な明確な脅威や、この世界の地球の異常な脅威の数々に際して俺達は先ず抗戦派閥の人間達と接触して正体を明かしながら情報を与えたりしてたんだ。

 まぁそれでも降伏派閥、特にEOT特別審議会の政治的圧力や根回りが凄まじくて思う様に地球の脅威の排除が出来ていなかったんだがな。

 だが、連中が消えた事で俺達は漸く表立ってスペースビーストやエアロゲイターとの決戦でこの裏の顔でも行動出来る様になったって訳だ」

 

「ああ、それと地球人同士の争いには宇宙人としてじゃなく地球人ショウタ・ヘビクラ、そしてガイ・クレナイとして一定の距離を保たせながら関わるがな。

 別に俺は良いんだが、ガイが地球人の問題は地球人の手で解決させるべきだって五月蝿えからな」

 

 そして、ガイやジャグラーは自身等が地球連邦軍に参画する事になった経緯を語ると、確かにこの星の脅威…人類間の争いを除いた物の数だけでも異常であり、それにウルトラマンも黙ってる訳が無いと改めてダイテツ達はその考えに至り、そして2人の複雑な立場を理解したのだった。

 尤もガイとジャグラーにもマジンガーZの魔神パワー、更に『終焉の魔神』と言う存在は寝耳に水であったのでこれを何とかしない限りはこの地球を去りたくても去れなかったりもするが、其処はもう語らなくても良い部分だった。

 そうして衝撃の告白会後、グライエンは肩の荷が1つ下りたと同時にダイテツ達はこの情報は外部に知られてはならないとして口を閉ざす事とし、またクレナイやヘビクラの正体を抗戦派閥以外で知る者が居ればそれは彼等の正体を予め知る敵か味方も分からない…恐らくは敵側である確率が高い物と1つの判断材料として処理する事となった。

 そして………ツルギは改めてクレナイとヘビクラの前に立ち、不敵な笑みを浮かべていた。

 

「フッ、お前達がどんな顔を持とうと俺達はカーウァイ大佐の下に集った元教導隊には変わらん。

 だから改めて挨拶はしないぞヘビクラ、そしてクレナイ」

 

「…へっ、お前等のそう言うフランクな所が俺等は気に入ってんだ。

 了解だぜ、ツルギ」

 

「ならこれからも友人として肩を並べさせて貰うぞ、地球人としても、ウルトラマンとしてもな」

 

 更にツルギは特殊戦技教導隊として切磋琢磨した事実は消えないとして、相手の裏の顔がどんな物であっても構わないと言う立場を示してヘビクラ達を歓迎したのだった。

 そんな連中が集まっていた教導隊をヘビクラやクレナイも特に気に入っており、この後テンペストにも正体を明かして少し驚かせてやろうとヘビクラはサプライズを考えつつツルギ達教導隊との友情を深めたのだった。

 そして、ヘビクラ達はそんな正体を明かしながらも今後もハガネ・ヒリュウ改部隊の一員としてエアロゲイターとの決戦やスペースビーストの駆逐に尽力するとしてその軍服を脱ぐ事は無かったのだった。

 

「では私はこれで失礼させて貰おう。

 くれぐれもヘビクラ達の正体を外部に漏らす事は無い様にして貰うぞ」

 

「了解だ」

 

「(…グライエン委員長も恐らくは統合参謀本部伝手に俺がエアロゲイター側の者だと知りつつもクレナイ達の正体を明かしたのは、エアロゲイターも2人の正体を知って然るべきと考えての事だろうな。

 そして、その考えは至極正しい事と、リュウセイ達に俺の正体を明かさなかった事を感謝する、グライエン委員長)」

 

 そうして一通りの報告を終えたグライエンは特に3つ目を秘匿する様に念押しすると、小型機に乗り込みハガネ・ヒリュウ改部隊より去り政治の世界に戻るのだった。

 こうしてハガネ・ヒリュウ改部隊のサプライズも終わり、後はジュネーブの事後処理を統合参謀本部から命じられるのみとなり、その指令を待つのであった。

 その中でイングラムは、エアロゲイターもヘビクラ達の正体を知っていると判断した事を評価した上で自身の正体をリュウセイ達に暴露しなかった事に感謝しながら…SRXチームの未来を考え行動するのだった。

 まだジュデッカの枷がほんの僅かに緩んでいる内に…そして、その時間がもう残されていないとまた強まりつつある枷によって確信していたのだった…。




此処までの閲覧ありがとうございました!
マジンガーZの意志や魔神パワーの今の所の状態等、話すべき部分を描きました。
そして第6のパワー因果律兵器、これは意図的な開放しても約3分が限界なので本当にこれに頼る事態は出来れば避けたいと言う形になります。
また………ハガネ・ヒリュウ改部隊の上に立つ人がストレイジの二人の正体を聞かされたりしました。
これでガイもジャグラーも変な時にビーストが出て特空機が出せない状況で堂々と変身して対応が可能になりました。
そして、DC残党アードラー派との決着が付いたので次はいよいよエアロゲイターとの決戦…L5戦役に入ります。
此処から先も大きな展開がまだまだありますのでお楽しみにして下さいませ。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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