スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様こんばんはです、第31話後編を投稿致します。
今回も12000字程の分量でお送り致します。
前回の続きから、イングラムが裏切った直後になります。
また、今回は………『今後のOG原作と比べて展開が変わる要素が幾つも出る』と予め宣言致します。
その要素は本当に分かり易いので、本編をご覧下さいませ。
では、本編へどうぞ!!

追記:サブタイトルが後編ではなく中編になってました、申し訳ありませんでした。


第31話『裏切りの銃口(後編)』

 コウジが怒りの咆哮を上げ、マジンガーZと共にR-GUNとハバククの軍団に突撃しようとしたその時、戦場に光が2つ現れた!

 そして光が収まると、其処にはウルトラマンティガ、ウルトラマンネクサスが腕を掲げて立っていた!!

 

「ティガ、ネクサス、来てくれたのか!?」

 

『デュッ!』

 

『シェアッ!』

 

「フッ、現れたかウルトラマン達………では、お前達サンプルが怪獣兵器、そしてエアロゲイターを退けられるか見せて貰うぞ」

 

 イングラムはティガとネクサスを試すべく、EXゼットン、ブラックキング、パワードドラコを差し向けた!

 ネクサスは直ぐ様ジュネッスへとタイプチェンジし、ティガはEXゼットンをパワータイプになりながら対応し、ネクサスがパワードドラコとブラックキングを相手取っていた!

 更にネクサスはクロスレイ・シュトロームをパワードドラコへ放つと、その光線はパワードドラコの身体を形成する生体反射骨格に阻まれる………と思いきや、矢張りバリアで弾かずに受けてしまえば其処から分子分解によるダメージが入る為、パワードドラコはダメージを受けて混乱し、ある種のメタになっていた!!

 

「矢張りネクサスの分子分解能力は生体反射骨格すらも貫くか………ならば、その力を『採集』させて貰おう!」

 

「おう、お前が俺達を倒せたらそうしてみやがれ!!」

 

「イングラム、てめぇはブチのめす!!」

 

 データを淡々と録るイングラムに対してヘビクラとクレナイ、更にコウジが立ち塞がり、R-GUN1機に特空機2機と特機が襲う構図となっていた!

 しかし………イングラムはR-GUNを的確に動かし、セブンガーやウインダムの攻撃を避けてはカウンターでダメージを与え、マジンガーZには高次予測があるので回避はされていた物の反撃の隙を一切晒す事が無かった!!

 

「ちぃ、アイツとことん敵に回ると厄介だな!!」

 

「その隙は逃さん、メタルジェノサイダー…デッド・エンド・シュート!!!」

 

「しまっ【ドォォォォォォォンッ!!!!!】うおあっ!!!」

 

「ガイ!!」

 

「クレナイ少佐!!」

 

 その一方でイングラムは隙を見つけてはメタルジェノサイダーを的確に放ち、セブンガーを行動不能に追い込んでしまう!!

 流石のセブンガーと言えどトロニウム・エンジン由来の高出力の重金属粒子砲を受ければひとたまりも無い為、このカウンターは痛手であった!

 当然コウジもそれを成したイングラム睨み、油断すればこうなるとしてヘビクラにも更に気を引き締めさせていた!!

 

「ぐっ………セブンガーが完全に動かない………なら、とっておきを見せてやる!!」

 

 一方コックピット内部でセブンガーが動かない事を確認したガイはオーブリングを取り出し起動し、インナースペースを展開しカードも取り出していた!

 そのカードは、ニュージェネレーションヒーローズにおいて先輩であるウルトラマンの2枚であった!

 

「『ギンガ』さん!!ウルトラマンギンガ!!】

『ジュワッ!!!』

エックス』さん!!ウルトラマンエックス!!】

『イィィィィィ、サァァァァァッ!!!!』

 シビれる奴、頼みます!!」

 

フュージョンアップ!!

 ウルトラマンオーブライトニングアタッカー!!】

 

『電光雷轟、闇を討つ!!』

 

 オーブは3人居るニュージェネレーションの先輩であるウルトラマンギンガ、ウルトラマンエックスのカードをリードし、顔や両肩、胸部に両腕、そして両足にギンガ由来のクリスタルが装着され、且つ全身がエックスのアーマーを纏うのに因んでロボットの鎧の様にメタリックになりながら巨大化しセブンガーの前に光を纏いて現れた!!

 そして、街への被害を鑑みてゼカリアとハバククの軍団に向かって走り出しそれ等の撃破を優先していた!!

 無論R-GUNにも隙あらば攻撃を仕掛け、イングラムの裏切りがウルトラマンとPTが敵味方に分かれて戦闘する異常事態にまで発展したのだった!!

 

「ほう、この状況でその姿を選ぶか………確かに今この状況であるならば、防御性能が高いその姿で北京を守る事も可能だろうな………無論、この後増援が来ない事を前提としたならばな」

 

『!?』

 

 しかし、イングラムは今まで『この世界』で変身した事が無いライトニングアタッカーの特性も敢えて『知っているぞ』とアピールしながらヒット&アウェイでオーブから距離を取っていた!

 ライトニングアタッカーは防御力が高く単純なパワーや機動力もバーンマイトサンダーブレスターよりも上であり、実は通常のフュージョンアップ形態の中では『とっておき』と呼べる形態なのだ。

 しかし………イングラムはそれをまたしても知っていたと口にし、且つ更なる増援を考慮しなければと前置きしていた!

 その言葉にオーブやティガ、ネクサスは驚きながら周りを見た!!

 その瞬間、新たなるフーレが北京に飛来し、更にハガネ・ヒリュウ改部隊の展開が行き届いて無い箇所にまで戦線が広がり始めていた!!

 

「ぐぬ…!!

 このままでは拙い、重力震反応がまだ収まっていない上にこの戦域の外にまで反応がある…即ち敵の増援が北京全体へ攻撃を仕掛ける!

 しかも戦艦が野放し…市民への被害が広がる前に何とかせねば…!」

 

「………ならば、その役目は我々が担おう、ダイテツ中佐、レフィーナ中佐!!」

 

「えっ!?」

 

「艦首そのまま、全速前進、クロガネ突撃ぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 しかし、その増援のフーレに対して何とクロガネが現れ、艦首超大型回転衝角を使用して主砲に風穴を空けたのだった!!

 更に上空から………グルンガスト零式、更に2体のゲッターロボが現れ、既に零式斬艦刀とトマホークを引き抜いていた!!

 

「チェェェェェストォォォォ!!!!!」

 

『オォォォォォラァァァァァァ!!!!!!』

 

【ズガァァァァァァァッ、ズドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!】

 

「我等に、断てぬものなし!!」

 

「ゼンガー少佐、エルザム少佐!?

 それにリョウマにゴウ!?」

 

 増援のフーレがクロガネ隊に撃破され、その光景にコウジは意識していなかったので高次予測で本来は来ると判る筈のクロガネ隊の出現にすら驚き、そのマジンガーZの横に機械獣………それも量産型では無い、オリジナルの機械獣であるガラダK7が肩にあしゅら男爵を乗せて現れ、R-GUNと対峙していた!!

 

「「頭を冷やせコウジ・カブト、マジンガーZ!!

 今はお前達の第4のパワー、高次予測が北京に迫るエアロゲイターの出鼻を挫く鍵なのだ!!

 イングラム・プリスケンの裏切りに怒りを爆発させるのは分かる、しかしそれに呑まれて市民への被害拡大を手助けしてしまうのは本末転倒なり!!

 今は冷静に事を対処するのだ、その為に我々クロガネ隊、そして増援として現れるウルトラマン達にお前達の見た物を伝え、何処に行けば良いかを話せ!!」」

 

「あ、あしゅら男爵…!?

 す、すまねえ………マジンガーZ、高次予測をイングラムだけじゃなく北京全体に拡大するんだ!!

 奴だけじゃなくエアロゲイター全部を倒す為に!!」

 

『…すまないコウジ、俺も怒りに身を任せてしまった…高次予測、拡大拡張!!!!』

 

 あしゅら男爵による指摘により少しだけ頭が冷えたコウジとマジンガーZは高次予測による未来観測を北京全体に拡大させ、どれが何処に被害を齎すのかを高い確度で予測し始めた!

 その瞬間…後18秒後に現れる新たな戦艦3隻と発進したゼカリア、ハバククによる飽和攻撃で北京市街地が壊滅的な打撃を受ける未来が見えてしまった!!

 更にそれを阻止する為に必要な人員も全て0.5秒で頭に叩き込み、それ等に声を届けるべくオープン回線で大声を上げ始めた!!

 

「テツヤさん、リョウマ、マスターテリオン、マサキ、そして新しく地球へ来たウルトラマン達!!

 後15秒でポイントB-1415926に新しい戦艦が3隻来る、そいつらと艦載機を急いで叩き潰してくれ!!

 北京市街地が壊滅的被害を受ける前にッ!!!!!」

 

「…フフフ」

 

「!?

 リョウマ、マサキ、マスターテリオン、来い!!

 行くぞグレートマジンガー!!!」

 

「ちっ、そういう事かよ!!

 ゲッターマッハウイング!!」

 

「くそ、行くぞクロ、シロ!!」

 

「…往くぞ、エセルドレーダ」

 

「イエス、マスター。

 …コウジ・カブト、此処は任せたわ」

 

 そのオープン通信、更にイングラムの不気味な笑みにより市街地が壊滅的被害を受けると確信したツルギ、リョウマ、マサキ、マスターテリオンはポイントB-1415926へ急ぎグレートブースターやマッハウイング、サイバスターとリベル・レギスの最大速度で向かうと其処に事態に対処していた連邦軍の戦艦と、大きな重力震反応が現れ始め3隻の戦艦が転移出現する!!

 

「間に合えぇぇぇぇ!!!」

 

「エセルドレーダ、結界を張れ!」

 

「チェンジ・ポセイドン、スイッチ・オン!!」

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

 そして出撃した艦載機のゼカリア、ハバククと共に市街地に向けて飽和攻撃を開始し、まだ避難し切れていない市民達ごと北京を焼き払おうとした!!

 その間にグレートマジンガーやゲッターポセイドン、防御態勢に入ったサイバスターや魔術結界を張ったリベル・レギスが割って入り市街地への攻撃を全て防御しようとした!!

 だが、4機だけでは守り切れる訳も無く残る攻撃は全て市街地へと振り注ぐ…。

 

「守るぜ、希望!!

 ジィィィィィィィドッ!!!!」

 

ウルトラマンゼロウルトラの父ウルトラマンジードマグニフィセント!!】

 

「バディィィィィィ・ゴォォォォォォォ!!!!!」

 

ウルトラマンタイガ!!】

 

ウルトラマンタイタス!!】

 

ウルトラマンフーマ!!】

 

「変幻自在、神秘の光!」

 

TIGADYNAGAIA

 

「押忍!!」

 

『ご唱和下さい、我の名を!!

 ウルトラマンゼェェット!!』

 

「ウルトラマン、ゼェェェェェェット!!!!!」

 

ULTRAMAN Z GAMMA FUTURE

 

 しかし、それを許す訳が無いのがウルトラマンである!!

 ジードは護りに長けたマグニフィセントにフュージョンライズし、トライスクワッドはヒロユキの気合により全員が並び立ち、ゼットは超能力に長けたガンマフューチャーにウルトラフュージョンしてメガエレクトリックホーンによる電撃で相殺、バリア、筋肉防御、光波剣・大蛇による対応、そしてゼットバリアとガンマシャッフルによる防御・迎撃を行いグレートマジンガー達では足りない部分を完全に補い、全ての飽和攻撃を防ぎ切った!!

 

「ダブルサンダァァァァブレェェェェェェクッ!!!!!」

 

「おおおおお、ゲッターサイクロン!!!!!」

 

「ABRAHADABRA!!」

 

「食らいやがれ、アカシックバスター!!!」

 

『はぁぁぁぁ、ビッグバスタウェイ!!!!」

 

ストリウムブラスター!!!!』

 

プラニウムバスター!!!』

 

極星光波手裏剣!!!』

 

ゼスティウム光線!』

 

 更にダブルサンダーブレークに火の鳥を放つのみのアカシックバスター、ABRAHADABRA、ゲッターサイクロン、そして5人のウルトラマンによる必殺光線で北京市街地に新たに現れたフーレ3隻、更にゼカリアとハバククの増援部隊が殲滅され、本来及んでいた被害が『この世界』では防がれたのであった!!

 

「………市民が、シンシア達が、守られたのか………良かった………!!!」

 

「フフフ…中々やるじゃないか、ハガネ・ヒリュウ改部隊、そしてニュージェネレーションヒーローズ」

 

「イングラム、歯ぁ食いしばれ!!!!」

 

「むっ【ガァァンガァァンッ、ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!!】ぐっ、リュウセイ、ライディース…!!!!」

 

 そんな奇跡的な光景に連邦軍の戦艦に乗り指揮を執っていた『とある佐官』や連邦軍兵士達は安堵し、身体から力が抜けて救援に回ったハガネ・ヒリュウ改部隊…更にクロガネ隊やウルトラマン達に感謝の念を贈っていた。

 一方イングラムは上々な結果を手繰り寄せたツルギ達をニヤリと笑っていた!

 しかし、その隙を怒りを爆発させたリュウセイとライが逃す訳が無く、何とR-1、R-2パワードのコンビがT-LINKダブルナックルと散弾型のハイゾルランチャーをクリーンヒットさせ大きなダメージを与える事に成功した!!

 その瞬間アルトアイゼンとマジンガーZ、更にグルンガスト零式とグルンガスト、その上ガラダK7とウインダムが既に懐へと飛び込んでいたのだった!!

 

「撃ち抜く!!」

 

「強化型、ロケットパァァァァンチッ!!!!」

 

「斬艦刀・疾風怒濤!!!!!」

 

「計都羅睺剣・暗剣殺!!!!!」

 

「「やれ、ガラダK7!!!」」

 

「これでも喰らいな!!!!!」

 

「ぐ、ぐおおおおおっ!!!!!」

 

【ズガァァァァァァァァァァッ!!!!!!】

 

 リボルビング・ステークとスクエア・クレイモアの同時攻撃、強化型ロケットパンチの零距離発射、更に零式斬艦刀と計都羅睺剣の必殺の一撃に加えてガラダK7の頭の鎌、ウインダムのドリルアーム攻撃や頭部レーザーを受け、R-GUNは大破クラスの損傷を与えられその場で行動不能になっていた!!

 更に他の戦線でもブリットやラトゥーニ達が何とか踏ん張った結果、残ったフーレやゼカリア、ハバククが撃破され、残るは怪獣兵器のみであった!!

 その怪獣達も先ずはティガが一切の距離を離させないパワーによるゴリ押しによりEXゼットンが苦戦し、デラシウム光流とゼットン火炎弾による撃ち合いで決着を付けようとしていた!!

 

『フゥゥゥゥゥン、ダァァァッ!!!!【キィィィィィィィィィィン!!!!!】

 

『ゼェェットォォンッ!!!?!?!?』

 

【ズドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!】

 

 そして、EXゼットンは気合を入れたティガとのパワー対決で敗北を喫し、デラシウム光流を正面から受けてしまいそのまま爆発四散したのだった!!

 本来EXゼットンならばウルトラマンをより追い詰める事が可能な能力を持っていたが、ティガはそのEXゼットンに『パワータイプで接近して一切の力を発揮させずにゴリ押しで倒す』をやり遂げてしまったのだ!!

 それも…このティガは『全多次元宇宙(マルチバース)のティガの経験を共有するウルトラマンティガの光そのもの』であったが為に出来た荒業であり、『全人類の光を纏う事が出来たある青年が変身したティガ』やこのティガ以外が相手をすればEXゼットンに大苦戦した事は………ダイゴやツカサ達の視点から見れば言うまでも無い事であった!

 

『シェア、ハァァァァァァ!!!!』

 

『ギャォォォォッ!!!?』

 

【ズドォォォォォォォォォォンッ!!!!】

 

 更にパワードドラコはネクサスの光線や光弾に含まれる分子分解能力によって徹底的にメタられてしまい、オーブやティガが相手したならば苦戦しただろうこの怪獣もユーゼスが上手く相手を選び対処した事で何とか時間を掛ける事無く最後はオーバーレイ・シュトロームで撃破したのだった!!

 此方も厄介な能力を持つ怪獣に適切なウルトラマンをぶつけた事で苦戦せず撃破出来たのであって、油断ならない強豪怪獣だった事はユーゼスも十全に理解していたのだった!!

 

アタッカーギンガエックス!!!』

 

『グオオオオオオンッ!!!!?』

 

 更にブラックキングもとっておきのフュージョンアップの1つを解禁したオーブによって撃破され、残るはイングラムの拿捕のみであった!!

 そのイングラムは倒れたR-GUNのコックピットから出て周りを見渡し、笑みを浮かべていたのだった!

 

「フッ、まさかR-GUNを撃破した上で北京市街地を完全に護り抜くとは………そしてリュウセイ、ライディース、この俺に一撃を与えて逆転のチャンスを掴み取った事は褒めてやろう。

 だが、その程度の力ではエアロゲイターには決して敵わん………例え逆立ちしようとも、な」

 

「何だと、負け惜しみを言いやがって!!」

 

「待ってくれリュウセイ、重力震反応が更に増大!

 敵の増援が来るぞ!!」

 

「ッ、クスハ、逃げろ!!!」

 

「えっ!?」

 

 しかし、未だ余裕を崩さないイングラムに対してリュウセイが噛み付こうとした瞬間、高次予測に最悪の光景が浮かびコウジが声を荒げたが、その未来通りにゼカリアが空間転移出現しグルンガスト弐式を取り囲み、そしてそのまま転移してクスハを目の前で堂々と誘拐したのだった!!

 

「っ、ク、クスハァァァァァァ!!!!!」

 

「う、嘘でしょ………クスハ!!!」

 

『イングラム、てめぇぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

 更に近場に居たブリット、リオはクスハが攫われた事に衝撃を受け、コウジとリュウセイはイングラムに対して睨み付けながら大破したR-GUNへと突撃しようとした!!

 しかし、それを新たなゼカリア、更には指揮官機と思われる機体が転移出現し、マジンガーZとR-1の行く手を阻む様に立ち塞がったのだった!!

 

「イングラム、迎えに来たわ」

 

「予定通りだなヴィレッタ、では行こう」

 

「そ、そんな、少佐………!!」

 

「アヤ、そのザマではどう足掻こうがこの先生き残れん、無駄に命を散らす前にその機体から降りろ。

 そしてリュウセイ、コウジ………このまま存分に力を発揮しろ、より上質なサンプルとして成長する為にも、な…フフフ」

 

「イングラム…!!!」

 

 そしてイングラムはリュウセイ達に一度敗北したにも関わらず余裕を見せたまま指揮官機の腕に乗り、そのまま空間転移でネビーイームへと帰還しようとしていた。

 ………その中でネクサスは意味深にイングラムを見つめ続け、イングラムもまた『ネクサス位しか気付かれない様に視線を向けて』、『互いに何かを目で語る様な空気』を醸し出したのだった。

 無論それに気付けたのはネクサス本人と………イングラムを注視していたツルギやクレナイにヘビクラだけであった。

 そうして指揮官機も増援のゼカリアも消え、残ったのは何とか守り切れた北京市街地区と、イングラムに裏切られた上にクスハを目の前で攫われた事で敗北感を滲ませたハガネ・ヒリュウ改部隊だけであった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘終了後、クロガネ隊はその場から去り、ウルトラマン達も何処かへ飛び去り機動部隊が帰還後、アヤは気絶したので医務室に運ばれてしまった。

 その際に格納庫にてブリット、リュウセイ、そしてコウジが特に今回の敗北を引き摺っており、三者三様に悔しさを滲ませていたのだった。

 

「くそ、俺達が居ながらクスハを攫われるなんて…!!」

 

「ブリット………これもシャイン王女の時と一緒だ。

 奴等が攫ったと言う事は取り返すチャンスもあると言う事だ。

 その時に全てを賭けて助け出せ」

 

「モチのロン、私達も手伝っちゃうから安心してね〜。

 …イングラム少佐、いえ、イングラム・プリスケンには借りをキッチリ返してやらないと気がすまないし、ね」

 

 ブリットのクスハが攫われた事に対するケアをキョウスケとエクセレンが行い、次にクスハを助け出すチャンスが来れば逃さないと覚悟を決めさせたのだった。

 一方リュウセイ、コウジはイングラムの裏切りでかなり参っており、沈んだ表情を浮かべていたのだった。

 

「イングラム…俺達をずっと利用してたなんて…しかも、アヤを殺そうとまで…!!」

 

「見抜けなかった、そして…アイツが上手過ぎたんだ…チクショウ…!!」

 

「リュウセイ、コウジ…」

 

「…リュウセイ、コウジ、キョウスケ、そして皆。

 お前達に言っておきたい事がある。

 イングラムについてだが…俺やヘビクラ、そしてクレナイはその素性を奴の口から直接聞いていたんだ。

 それも、ホワイトスターが現れる前にな」

 

『えっ!?』

 

「…どう言う事だ、ヘビクラ中佐、クレナイ少佐、ツルギ少佐?」

 

 其処にツルギが見かねたのか、遂に自身達がイングラムがスパイだった事を知っていた、且つイングラム自身から聞かされていたと口にしていた。

 それを聞いたヘビクラやクレナイはあちゃ~と頭を抱え、リュウセイやライ、更にコウジやマサキも含めマスターテリオンを除く全員が驚愕し、キョウスケが改めてその事について問い質し始めていた。

 そしてヘビクラが観念してそれ等を情報開示し始めたのだった。

 

「要するに、あの野郎自分がスパイだって事を俺達にゲロっちまってんだよ。

 この情報はダイテツ艦長達にも共有され、統合参謀本部が何も言って来なかった所を見るに『情報が引き抜かれてる前提でイングラムを出来るだけ監視しつつ現状維持に努めろ』って無言の命令を下してたんだろうな。

 …何でアイツがスパイだってゲロったのかも、奴曰く正気を保てる時間が少なくなった、リュウセイ達を傷付ける存在に成り下がる前に出来るだけ寄り添って地球の守護者として成長させたいだってさ」

 

「ど、どう言う事だよ…それ…!?」

 

「…つまり、イングラム少佐はエアロゲイターの洗脳を受けている、と?」

 

「らしいな…お陰でエアロゲイター側の人間にも関わらず俺達にスパイ失格の情報を明け渡した上にリュウセイ達の事を本気で気にしていたからな…。

 だから、今まで俺達が見て来たイングラム・プリスケン少佐は間違い無くイングラム本人の意志があった…そして俺達の仲間だった、それは間違いないんだ」

 

「…嘘だろ…じゃ、じゃあ…イングラム教官も…エアロゲイターに今この時に洗脳され切っちまったって言うのかよ…!!

 そんなのって…アリかよ…!!」

 

 そして、イングラムは間違い無くイングラムの意志でリュウセイ達と接して成長させ続けた仲間だった、今日この時にエアロゲイターに洗脳され切り裏切りを強要されてしまったのだとリュウセイ達は知り、クスハのみならずイングラムまで助け出す対象であり………このハガネ・ヒリュウ改部隊の仲間だったのだと知らされ、コウジやリュウセイ達は更に複雑怪奇なイングラムと言う男に困惑し………そして、あの裏切りの銃口を向けたイングラムはイングラムの本意では無かったとされ、混乱に包まれるのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───自動惑星ネビーイーム───

 

 

 

 

 

 イングラムはヴィレッタに連れられ、遂にネビーイームへと帰還した。

 更にその足でエアロゲイターの総指揮官である『レビ・トーラー』達の前へと出るのだった。

 

「おやおやお帰り、アウレフ・バルシェム。

 コッチに戻る際にこっ酷くやられたらしいねぇ〜」

 

「…俺をその名で呼ぶな、『アタッド・シャムラン』」

 

「よせアタッド、帰還報告に余計な時間が掛かる。

 イングラムを煽るな」

 

「はい、レビ様…」

 

「………………」

 

 そしてレビの隣にはアタッド・シャムランとエアロゲイターに改造された男である『ガルイン』が立っており、イングラムを煽るアタッドをレビが嗜めるのだった。

 そんなやや険悪な空気の中、イングラムはハガネ・ヒリュウ改部隊と言う上質なサンプル達の出来具合を報告し、このまま行けば期日までにより強くなり『採集』の際により実るであろうと報告したのだった。

 

「にしても、コッチに戻る時に回収出来たのがサンプル一匹だけだなんて…ヤキが回ったのかしらねぇ?」

 

「………」

 

「あの場には複数のウルトラマンに加えて魔神パワーなる物を有するイレギュラーたる魔神が居たのだ。

 ならば如何にイングラムであろうとも任務に支障を来そう。

 であるからに、此度の帰還に際した不備は一切不問とする。

 そしてイングラム、お前は回収したサンプルを調整し、使える様にしながら奴等をより実らせろ」

 

「…了解」

 

「フ、フフフ…禁断の地より踏み出しし者達よ。

 お前達を収穫するその時が待ち遠しいぞ…」

 

「うふふふふ…」

 

 そしてレビ、アタッドは地球のサンプル達を手にするその時を待ち望び、悪意に満ちたな笑い声を上げながらモニターから地球を見つめ続けるのだった。

 その光景をイングラムは………自身等もバルマーにとっては人形に過ぎぬと気付かない2人に対して哀れみの感情を向け、その場から去るのだった。

 …それこそ、自身が犯してしまった罪の証しでもあると自覚しながら。

 

 

 

 

 それからイングラムはヴィレッタをコンピュータールームに呼び出し、2人切りで会話をしようとしていた。

 その際に監視システムは全てアウレフ・バルシェムとしての権限で切り、その一切の情報が残らない様に手を加えていた。

 尤もそれが許されるのは僅かな時間であり、それまでに『必要な情報を抜き取る』のであった。

 

「イングラム、私に任務かしら?」

 

「ああ…ヴィレッタ、お前に任務を与える。

 この情報チップを持ってネビーイームを去れ。

 そして…リュウセイ達にその情報を届けてやれ」

 

「えっ………まさかイングラム、貴方枷が!?」

 

「いや、ジュデッカの枷は俺を着実に、完全に縛りつつある。

 こうして自由意志を保てるのも…ユーゼスが俺に与えた言葉による僅かな猶予だ。

 だから俺はいずれ己を失う…その前に何としてもお前を逃がし、リュウセイ達に託すべき物を託さねばならんのだ」

 

「イングラム…それに、ユーゼスって…まさか、貴方に枷を掛けた男が…どう言う事なの…!?」

 

 その話の最中ヴィレッタは、自身が預かり知らぬ所でイングラムがとんでも無い事を経験していたと知り、且つイングラムに枷を掛け支配しようとした男まで地球に居て何かを企てる事を知り驚愕していた!

 しかし、イングラムは冷静にこれから語る物事に筋道を立てながら説明を始めた。

 

「俺にも詳しい事は分からんが、俺が会ったユーゼスはナイトレイダー隊長ユーゼス・タウルと名乗り、そして何故か俺達が知る容姿よりも若返っていた。

 具体的には…俺と余り変わらない程の外見年齢までな。

 そして奴はウルトラマンネクサスに変身し、本気で地球を護ろうとしていた。

 更に…俺に掛けられたジュデッカの枷を必ず外し、俺を自由にするとまで語っていた。

 ………恐らくだが、あのユーゼスは『俺達の知るユーゼスとは別人』の可能性がある。

 かなり低い確率ではあるが、な」

 

「なんですって…!?

 じゃあ、貴方が会ったユーゼスは…!?」

 

「…現状は何とも言えん。

 何せ奴も新西暦180年、メキシコ事変以前の記憶が無いと語っていたからな。

 だからユーゼス・タウルに何があったのか、奴は俺達が知るユーゼス本人なのかも一切が不明だ。

 …だが、それでも1つ確実に言えるのは、ユーゼス・タウルは地球側の味方であり、お前も信頼が置けそうな男であり、ウルトラマンネクサスとしてこれまでも、そしてこれからも戦うと言う事だ」

 

「………」

 

 ヴィレッタはユーゼス・タウルの情報を聞き、信じられないと言った表情を浮かべていたが、それでもイングラムがこうして自由意志をギリギリ保っている事も地球側に情報を流そうとしているのもナイトレイダーのユーゼス・タウルの助力があっての事と知り、その男にもしも出会ったのならば話をしなければならないと使命感に駆られていた。

 更に…イングラムの枷が僅かに緩んでいる事からも、ユーゼスならばイングラムを死なせずにジュデッカの枷を排除する手段を知っている可能性があるとも悟り、情報チップを受け取るのだった。

 

「頼んだぞヴィレッタ、俺の半身…俺が俺で無くなる前に、ジュデッカの枷を掛けられる前に自由を与える事が出来た、もう1人の俺とも言える者よ。

 リュウセイ達にその情報を…」

 

「………ええ、何としても届けるわ。

 でも…貴方は私が此処から居なくなっても良いの…?」

 

「…俺がこうしていられる時間は僅かな時だけだ。

 もしもこのまま足踏みをしていれば、俺はお前すらも排除してしまう可能性がある…それだけは何としても避けねばならない。

 お前にリュウセイ達を託す…その使命を果たせなくなるからな…」

 

 更にイングラムはヴィレッタが今この時よりエアロゲイターから離脱して地球側に逃れる事を寧ろ推奨し、情報チップを1秒でも早くリュウセイ達に託さねばならないと焦燥感に駆り立てられていた。

 その感情を誰よりも感じ取れたヴィレッタは………悲痛な表情を浮かべながら俯き………そして、新たに決意の表情をイングラムに見せたのであった。

 その表情にイングラムは満足気な顔となり、穏やかな笑みを見せていたのだった。

 

「…じゃあ、これでお別れね、イングラム」

 

「ああ…。

 後は、此方に攫ったクスハ・ミズハを何とかガルインの様な調整を施させる事が無い様に立ち回る。

 ガルインの様になってしまえば…もう終わりだからな。

 …さらばだ、ヴィレッタ・バディム、この世界で唯一…俺の家族と呼べる者よ…」

 

 そうして、イングラムはクスハを何とか浅い洗脳状態を保たせようと試みながらもう1人の自分、クローンでもあり家族でもあるヴィレッタに別れを告げ、ネビーイームより立ち去らせるのであった。

 その情報チップにはエアロゲイターが何故怪獣兵器をあんなにもデメリット無しで操れるのか…その秘密すらも封入し、イングラムとヴィレッタにしか解けないパスワードでガードを固めていたのだった。

 そしてイングラムは培養槽が置かれたエリアへと足を運び、クスハが入れられた漕のコンピューターを弄り軽い洗脳状態にするのみに留めさせる様にデータを入力していた。

 その際に………ユーゼスから贈られた言葉を思い出していた。

 

『イングラム………お前に真言を贈る、テトラクテュス・グラマトン………』

 

「(…ユーゼス、お前が贈った真言は確かに俺の自由意志をギリギリの所で踏み留まらせた。

 その行為に………感謝するぞ………)」

 

 イングラムはユーゼスへの感謝の念を思い浮かべながらコンピューターのパネルを弾きアタッド達に調整の仕事を行っているとアピールしながら、自身がエアロゲイター側に怪しまれぬ為に攫うしか無かったクスハを無傷で送り返す算段を立てようとしていたのだった。

 そして………アタッドやレビ達も、イングラム自身も気付かない。

 イングラムの影が再び異形の姿に変わり、翼と腕を広げてイングラムを抱きかかえようとするポーズを取っていた事を。

 更にその影から黒いナニカ………『繧「繧ケ繝医Λ繝翫ぎ繝ウ』が浮き出で、イングラムを『守る様に手を添えながら抱きついていた』事にも、誰も気付く事は無かったのであった………。




此処までの閲覧ありがとうございました!
原作OGと異なる展開、その答え合わせを後書きにてピックアップします。
ゼンガーオヤビンが北京に現れてフーレ1隻を早期撃破に貢献…これが先ず違いであり、反撃の狼煙になりました。
やっぱりゼンガーオヤビンなんよ。
次にイングラム、ギリギリ自由意志を保ったナウ(けどマジでギリギリ)。
ユーゼスが贈った真言が枷が完全に掛けられる前にイングラムの意志を留まらせたのであの場面でユーゼス・タウルとしての全てを曝け出したのは大正解でした。
更に『とある佐官の奥様や家族』と北京市街地区の市民達が其処まで犠牲にならず、北京市街地区が護られ切られました。
これもコウジとマジンガーZが高次予測で未来を視た事や、ツルギにリョウマ、マサキ達が身体を張った事、更にジード達ニュージェネレーションヒーローズも護りに長けたマグニフィセント、トライスクワッド全員集合、ガンマフューチャーで対応した事で本来起きる筈だった未来を変えました。
これがどう作用するかは…まだ内緒です。
そしてヴィレッタ早期加入フラグと、文字化けしながらもしっかりとイングラムに寄り添い続けられている『アレ』が居る事………以上が本作の『裏切りの銃口』のオリジナル展開となります。
これ等全ての中で早期に作用するのはヴィレッタ早期加入フラグと、イングラムに寄り添う『アレ』ですね…それ等がどんな未来を手繰り寄せるのか、楽しみにお待ち下さいませ。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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