スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

53 / 68
皆様おはようございます、第33話を投稿致します。
えっ、原作とサブタイ違う?
…何もかもが原作に沿うと言う訳では無いのですよ。
なので今回はオリジナル展開ドッシリです。
と言う訳で実際の内容は本編へどうぞ!


第33話『断ち切るは操り糸』

 ───自動惑星ネビーイーム───

 

 

 

 イングラムはクスハの洗脳措置を…出来るだけ軽め、しかし強めのショックを与えねば解除出来ない…そんな塩梅の物を掛け、具合を確かめに来たレビにそれを見届けさせていた。

 自身はしっかりと役割を全うしているとアピールしながら…。

 そんな時、アタッドがレビに話し掛け始めていた。

 

「レビ様…次の作戦にはゲーザ・ハガナーを出撃させたいのですが、如何でしょうか?」

 

「奴の初陣か…」

 

「ゲーザの能力を確かめるのにもハガネとヒリュウ改が最適かと…」

 

「なら、其処の女も出撃させるのだ。

 異存は無いな、イングラム?」

 

「…ああ」

 

「では、後はアタッドに任せる。

 くれぐれも収穫物に致命傷を与えぬ様にな」

 

「…承知しております(フフ…要は物理的な致命傷でなけりゃ良いって事さね)」

 

 その中でレビがクスハも出撃させるとし、アタッドも精神的な致命傷を与えても問題無いとして悪意を見え隠れさせ………その中でイングラムは2人のやり取りも哀れな人形劇だとして己の罪をより自覚するのだった。

 

「…ハガネと、ヒリュウ改は…敵…」

 

「(…ハガネ、ヒリュウ改…お前達がクスハを助け出せるかどうか…見届けさせて貰うぞ…)」

 

 更にイングラムはクスハの洗脳が致命的な物になる前に救い出せるのか…その是非を見届ける様に努めるのだった。

 …その心の内では、クスハを救出するチャンスを物にすると信じながら、今は流れに身を任せる事とするのであった…。

 

 

 

 

 

 

 ───地球連邦軍極東支部・伊豆基地───

 

 

 

 

 エゼキエルとの初交戦から翌日、SRX計画全体に軍査察部より査問が開始され、査問終了まではRシリーズが凍結される事になった。

 しかし、バレルやジュウゾウ達は査問が何時終わっても良い様に整備だけは完璧に済ませ、何時でも出撃可能な状態で凍結措置を受け入れたのだった。

 そんな伊豆基地の格納庫にて、ブリットは竹刀を構えては何度も何度も振り下ろしていた。

 

「998、999、1000!!」

 

「ブリット、ほら休憩用のスポドリ。

 ちゃんと飲んで休めよ?」

 

「ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ…ふう、いや、コウジ。

 もうワンセットやってから休むよ」

 

「いや、お前もう2セットはぶっ続けでやってるじゃん!

 幾ら何でも無茶苦茶だぜ、良いから休めって!」

 

「けど………」

 

 ブリットは目の前でクスハを攫われた事を未だ引き摺っており、自身が未熟だった為に護れなかったと自責し身体を動かさねば気が済まなかったのだ。

 なのでコウジが止めてもまだ動こうとし、ジャーダ達が見に来れば何やってるかとコウジに聞き、カチーナさえももう休めとストップを掛ける程だった。

 そんな中、ツルギとクレナイ、更にテンペストとヘビクラが何事かとコウジ達の下にやって来るのだった。

 

「あ、テツヤさんにヘビクラ中佐達!

 ブリットを止めてやってくれよ、あんな調子じゃぶっ倒れちまうよ!」

 

「…竹刀を振る設定回数、及び今は何セット目だ?」

 

「1000回、で、今は3セット目らしいですよ」

 

「いや〜、ブリットが倒れちまうと俺等にもちょ~っと止められなかった罪悪感って物がッスね〜………」

 

「ふむふむ………なら、丁度良いか」

 

 そうしてツルギやクレナイ、テンペストが止める側に回ろうとする中、ヘビクラは………何とブリットが用意した2本目の竹刀を手に持ち、くるくると手遊びしながら構えるのだった。

 その構えは…示現流では無くヘビクラ…ジャグラーの構えである蛇心流であった。

 

「えっ、ヘビクラ中佐?」

 

「ブリット、俺を裏切った当初のイングラムと思って打ち込んで来い。

 それで俺に一本取れたら休んで良いぜ。

 言っておくが、俺はゼンガーと同様手加減はしねぇからそのつもりでいろよ?」

 

「ちょ、良いんですかアレ…?」

 

「…ヘビクラにも狙いがあるんだろ、ならやらせよう」

 

「中佐…はい!」

 

 ジャーダが止めなくて良いのかとツルギ達に問うと、ヘビクラの考えを尊重したツルギ達は彼なりの指導を受けさせるべきとして見物するのであった。

 更にツルギやテンペストは示現流のブリットが自己流(としている)ヘビクラと刀を構え合うのは過去にゼンガーとヘビクラが手合わせしていた光景を思い出し、剣の中で答えを見つけさせようとする心意気と言う物を感じていたのだった。

 

「では…行きます!!

 チェストォォォォォ!!!」

 

「ほい甘い!!【バシン!】」

 

「うわっ…ぐっ、まだまだぁ!!!!」

 

 そして、当然の如くブリットとヘビクラでは剣士としての腕前に差が出ており、且つ今のブリットは少し曇ってるのでヘビクラに一本を入れる事はほぼ不可能な領域となっていた!

 が、ブリットは何度も何度も竹刀で叩かれ頭が赤くなっても、手が腫れても自身の竹刀を決して離さず何度も何度も挑んでいた!!

 その中でブリットは自身に力が足りなかった…クスハを護れた筈…そんな雑念が身体を極限まで動かし続けた結果次第に晴れて行き、目の前のヘビクラに一本を取ると言う目的に対して我武者羅に竹刀を打ち込み始めていた!

 その結果動きが次第にヘビクラの動きに対応する様に最適化されて行き………されどヘビクラにボコボコにされ続けていた!

 

「ッ………!!!」

 

『………ブリット君!』

 

「(クスハ…!!)っ、チェストォォォォォォォォォ!!!!!!【バシンッ!!!!!!】」

 

 だが、その最後の最後でブリット自身の内にクスハの笑顔と声が思い浮かび、ブリットはそれを再び掴む為にと…正に一意専心の心構えで竹刀を振るった結果、78本中1本をヘビクラから漸く取るのだった!!

 そして肩に竹刀を受けたヘビクラは不敵に笑い…ブリットを引き寄せた!

 

「それで良いんだよ、雑念なんか捨ててお前はやりたい事をやり遂げろ。

 一意専心、その心構えを忘れんな」

 

 そしてヘビクラ…ジャグラーは剣士として雑念に振り回されずただ1つの目標へ純粋に打ち込む事による活路をブリット自身に体感させ、且つ回りくどい考えを全て捨てさせてクスハを助けたい…その一心のみに集中させる様にアドバイスしたのだった!

 そう、ブリットは真面目であり、ゼンガーとも違うタイプだが………しかしゼンガーと同じくこれと決めた事はやり抜く覚悟や気概もあるので、未熟な分余計な事は考えさせず真っ直ぐ突っ走らせようと考え今回の手解きをしたのだった!

 

「…ありがとう…ございました…!!」

 

「…ふう、んじゃ、体力を戻す為にも先ずは休め。

 クスハを助けようって時に体力がありませんでした〜はカッコ悪いだろ?」

 

「…はい…!!

 …痛たた…!!」

 

「おいおいブリット、大丈夫か!?」

 

 そうしてヘビクラの指導が終わり、その瞬間ブリットはドッと疲れて尻餅を突き、オマケにヘビクラに散々ボコボコにされたので改めて竹刀で叩かれた箇所が痛くなり、コウジ達にテーピングをされるのであった。

 そうしてヘビクラが格納庫から去ろうとすると、クレナイがスポーツテープを投げ渡して『付けろよ』と促し、ヘビクラも『はいはい』と頷きながらテープを懐へとしまうのであった。

 

 

 

 

 一方ラーダとギリアムはイングラムの動向を調べるべく特脳研のデータを閲覧しようと情報部権限で情報のプロテクト解除に着手しようとしていた。

 

「ハロー、地球人のいぶし銀さん達よ」

 

「むっ!」

 

「えっ…貴方は…ジャグラスジャグラー!?」

 

 その時、ギリアムの肩にスッと顔を寄せたジャグラーがいきなり声掛けし、ラーダ共々驚かせたのだった!

 ラーダは何故ジャグラーが伊豆基地へ出入り出来ているのかと混乱し、ギリアムは冷静に相手の出方を伺う中………ジャグラーは1つの情報チップをギリアムへと投げ渡したのだった!

 

「…これは?」

 

「お前等が今必要としてるもんだ、さっさと情報を抜いてお前等の予想と照らし合わせるんだな。

 んじゃ、アディオス【ブオオンッ!】」

 

 ジャグラーはギリアムに情報チップを渡した後即座に転移で消えたのだった。

 一方チップを渡された当本人は………僅かに何かを考えた後、コンソールにチップを挿入してから特脳研のデータアクセスを試みたのだった!

 その結果………何と情報チップにはイングラムに用意されたアクセス権限が記録されており、それによりスマートに情報へとアクセスしたのだった!

 

「これは…ギリアム少佐、何故ジャグラスジャグラーがイングラム少佐のアクセス権限を持っていたのでしょうか…?」

 

「…恐らく何処かで接触するタイミングがあり、其処で今の事態を予測したイングラム少佐がジャグラー越しに我々にアクセス権限を託したのだろう、と予想出来るな。

 兎に角私の予想が正しいのかを確かめるぞ、情報閲覧を始めよう(………済まないなジャグラー…ヘビクラ)」

 

 その中でギリアムは………情報部として知り得ているヘビクラ=ジャグラーと言う事実を改めて受け止め、教導隊の友であるヘビクラ…そしてジャグラー、その何方にも感謝の念を思い浮かべながら情報を閲覧し始めるのだった。

 其処にあった特脳研の情報はマイ・コバヤシの入所や生年月日、冷凍処置と解凍を繰り返し、更には事故の後被検体No.4の『ジェニファー・フォンダ』と言う女性と共に破棄されたと言う情報があった。

 それによりマイ・コバヤシが生存している可能性すらあると…背筋が凍る様な予想が出たのだった。

 ラーダはアヤから聞いた彼女の記憶とこの情報…その齟齬や、アヤとマイが本当の姉妹なのか…何が真実なのかと、流石に疑問に思ってしまうのだった。

 しかし、真実を確かめようにも査察部に身柄を拘束されてる為に次の作戦までにケンゾウ・コバヤシ博士への面会は許可されないので当分は他言無用と言う結論に至るのだった。

 …但し、イングラムが戻って来れば話は別であるが。

 

「…だが、これでイングラム少佐の考えが大体予測出来た」

 

「どう言う事です?」

 

「エアロゲイターのスパイとしてのイングラム・プリスケン、更に何らかのきっかけでハガネ・ヒリュウ改の一員となったイングラム少佐、その何方もヒントを与えたがるのが好きだと言う事さ。

 そして…トラップを仕掛ける気も無く、ヒントが易し過ぎる事からも…イングラム少佐の考えは一貫して我々を助ける事が本心であるのだろう。

 その上で洗脳を受けていたと言う情報も照らし合わせれば…彼はその洗脳に抗いながらも地球…もっと限定してSRXチーム、彼等の力になろうと言う複雑な内面を持ち続けていたのだろうな…」

 

 そして、ギリアムはイングラム・プリスケンと言う男のこれまで出た情報と此処まで一貫した不必要なまでに易しいヒントからも、彼は矢張り此方を助けようと言う一貫した姿勢が見て取れると断定した。

 その上で洗脳に抗い、自分自身を保とうとしていたともあるので…想像以上に複雑怪奇な内面を持ち併せ、されどリュウセイ達の成長を見届けようと言う優しさまで持つ…そんな男であったと、ギリアムは思い至ったのだった。

 

【ビィィィィィィィ、ビィィィィィィィ!!!!】

 

 しかし、その情報を纏めていたギリアムとラーダ、更に格納庫に居たコウジ達に伊豆基地の警報が届くのであった!

 その内容は川崎地区にエアロゲイター機が無差別攻撃を仕掛けたと言う物であり、エアロゲイターの暴挙を止めるべくハガネとヒリュウ改は緊急出撃するのであった…!!

 

 

 

 

 

 

 第33話『断ち切るは操り糸』

 

 

 

 

 

 攻撃の指揮官を任されたゲーザは随伴機達や自身のエゼキエルで無差別攻撃を行い、民間人も迎撃に出た連邦軍も関係無く虐殺を楽しみながら地球人は弱いと考えていた。

 そんな中、洗脳下にあるクスハからの通信が入るのだった。

 

『…ゲーザ…。

 貴方が攻撃してる場所はレビ様が指定した所と違う…』

 

「うるせぇんだよ、人形!

 俺はアタッドからちゃんと許可を貰ってるぜ!

 そう…地球人共を片っ端から血祭りに上げても良いって許可をな!」

 

『…それはレビ様のご意志に反している…』

 

「へっ、てめぇは人形らしく黙って出番を待ってりゃ良いんだ!」

 

 ゲーザはアタッドから地球人の血祭り許可を貰いそれを愉しんでいた。

 一方クスハはレビの命を守ろうとしたが、ゲーザはそんな事を聞き入れず通信を一方的に切り再び破壊活動を行おうとしていた!

 が、其処にハガネ・ヒリュウ改部隊が到着し機動部隊を展開させるのであった!!

 

「先発の飛行隊は既に全滅か…!」

 

「ブリット、分かってるな?」

 

「はい、クスハが来れば助ける事に専念しますが…今はあの敵を一刻も早く迎撃する事が先決です!!」

 

「そうだ、優先順位を履き違えるなよ。

 その上でクスハも助け出す…それだけだ」

 

 ヘビクラの言葉にブリットはちゃんと正しい答えを出すと、ツルギも正解だとしてグレートマジンガーを身構えさせ、エアロゲイター機を殲滅しようとするのであった!

 コウジもコウジであの指揮官機が操る部隊による無差別攻撃をこれ以上させぬ為にマジンガーZと共に闘志を燃やし、それに釣られて周りにも気合が伝播するのだった!

 

「よし、各機は速やかに敵を迎撃してくれ」

 

「ああ、任せな!」

 

「では参ろうか、エセルドレーダ」

 

「イエス、マスター」

 

 それからキョウスケの号令が掛かると、マサキやマスターテリオンが反応し、SRXチームが居ない分の穴を埋めるべく動き出そうとしていた!

 …そんな中、ゲーザはハガネ・ヒリュウ改部隊に注目し始めたのだった。

 

「ん?

 あいつ等は…【ピキッ!】うぐっ…あ、頭が…痛え!!

 あ、あいつ等を見た途端に…!!

 ぐぐ…よくも俺をこんな目に(・・・・)遭わせやがって…許せねえ!!

 このゲーザ・ハガナーが、てめえ等を皆殺しにしてやる!!」

 

「!?

 あいつは…」

 

「どうしたの?」

 

「いや…あの指揮官機何だけどさ、何処かで見覚えがある様な気がする。

 何て言うか、アイツから感じる気とか…そんな感じの奴が」

 

「…タスク、何か俺もあのモーションに見覚えがあるんだ…それも、何度か見た事があるって感じがするんだ」

 

『…何故だ、俺も既視感を覚えている…』

 

 ゲーザが突然の頭痛と、自身の境遇に対する復讐心を見せる中、タスクがゲーザが操るエゼキエルに何か既視感を感じ取り、コウジとマジンガーZまでモーションパターンに見覚えがあるとまで語っていた!

 それを聞いたヘビクラは、あの指揮官機は前の戦闘に於いて見覚えを感じた自身達の様に何処かでハガネ・ヒリュウ改部隊と動きが同じ者に遭遇したのかと考察し…ギリアムは差異次元の記憶通りならば、あのエゼキエルに乗る者は『ジュネーブにて死んだ筈の者』として警戒するのであった!

 

「タスクが女と賭け事以外に興味を持ったり、コウジとマジンガーZさえも見覚えがある、か…。

 ガイ、お前はどうだ?」

 

「…俺も、何度か見た事がある感じが拭い去れない。

 しかも俺達からすれば2流以下も良いような…」

 

「…(2流以下…コウジやガイすらも見覚えがある………まさか、あの指揮官機のパイロットは………だが、『奴』はヴァルシオン改の爆発で………いや、エアロゲイター…はぐれバルマーの目的はまさかそれか?)」

 

 更にヘビクラがクレナイの意見も聞き届け考察を進め、それにより色々と情報を整理した結果、エアロゲイターの本当の目的が朧気ながら捉える事に成功したのだった。

 しかし…確証が無いので混乱を招かない為に今は黙る事にするのであった。

 因みにこの時レオナ以外の女の子に興味は無いと話すタスクをあしらうレオナの一幕もあったが、それが耳に入らない程度に集中して考え込んでいたのだった。

 それから改めて敵部隊に突撃し、展開していたゼカリアやメギロート・アフ、ハバククと戦闘を開始したのだった!

 前回の戦闘と違い何かゴリ押しや無差別的な部隊展開に違和感も感じ取り、ツルギはエアロゲイターも一枚岩では無いのでは?などと考え始めながらも的確に敵を撃破し始めていた!

 が、ラッセルが9時の方向より敵増援が来る事を察知しキョウスケに報告した事で、更に増援が来るとして機動部隊は身構えるのであった!

 

『…来る!』

 

「【ギュィィィィィンッ!!】つっ!!」

 

 更にマジンガーZが光の文字で来ると告げた瞬間、ブリットの脳裏に火花が散った感覚が走ると同時に敵増援が現れた!

 …その中には、何とグルンガスト弐式が居り、ハガネ・ヒリュウ改部隊を驚愕させた!!

 

「グ、グルンガスト弐式だニャ…!?」

 

「まさか、乗ってるのはクスハニャの!?」

 

「…目標確認…敵…破壊する…」

 

「こ、この声は…!!」

 

「間違い無い、クスハだ……けど、シャイン王女の時みたいに明らかに正気じゃない!!」

 

 更にコウジの指摘通り、クスハは明らかに正気じゃありませんと言う雰囲気を醸し出しており…洗脳措置を受けている事は誰から見ても分かる事であった!

 その困惑している様子をゲーザは高笑いしているが、正直ゲーザの声を聞くよりもクスハの救出をどうするか考え出す必要性が出たのでそちらは気にしていられなかったのだった!

 

「…私は…帝国監察軍の兵器…」

 

「エアロゲイターめ、アードラーの様に悪趣味にも程があるぜ…」

 

「クスハ!

 俺だ、ブルックリンだ!!」

 

「…お前達は敵だ…敵…」

 

「クスハ!!」

 

「ブルックリンよ、クスハ・ミズハは念により縛られている…」

 

「えっ!?」

 

 ブリットがクスハに説得しようと声を掛けるが、効果が無さそうなのでラーダも有効な手を考えようとした…そんな時、大導師であるマスターテリオンがブリットに助言を与え始めていた!

 その助言を周りの皆も聞き始め、マスターテリオンは更に言の葉を紡ぎ出していた!

 

「クスハ・ミズハを救いたくば、今あの娘を縛り上げる念を増幅させる装置…即ちT-LINKシステムを破壊するのだ。

 さすれば、クスハ・ミズハは此方に帰還する事が可能だろう」

 

「T-LINKシステムを…!?

 けど、アレはコックピットの近くに…!!」

 

「されどそれを成さねば、みすみすあの娘をエアロゲイターへと明け渡す事になる。

 ならば…余が言わずともやるべき事は分かるな?」

 

 マスターテリオンは淡々と感じ取った事実を…T-LINKシステムを媒介に洗脳されてるのでそのシステム自体を破壊する事を助言していた。

 しかしブリットは弐式のT-LINKシステムの位置を知ってる為、下手を打てばクスハが死んでしまうとして尻込みし掛けていた!

 だが、マスターテリオンの語る事もまた事実であり、此処で助け出さねばエアロゲイターにまたクスハを連れ去られる事になるので最早成すか成さないかの2択しか存在していなかったのだった!

 そんな中…ヘビクラがブリットに再び通信を入れ始めていた!

 

「ブリット…さっき言った事は覚えてるな?

 なら…俺等が道を作ってやる。

 お前はクスハを助け出す事だけを考えろ」

 

「…っ!!

 ヘビクラ、中佐………すぅ〜、はぁ〜………。

 分かりました………皆、俺はクスハを助け出したい!

 だから力を貸してくれ!」

 

「…へへ、水臭いぜブリット!

 そう言う事なら俺とマジンガーZも存分に力を貸してやるぜ!!」

 

「あのナイトは俺やギリアム達で押さえてやる」

 

「周りの敵は撃ち貫いてやる…ブリット、お前は前だけ見ろ」

 

「そして、王子様の熱〜いキスで囚われのお姫様を目覚めさせましょ」

 

 ヘビクラの檄を受け、ブリットも出撃前の感覚を思い出し周りの皆に協力を求めながらクスハを救い出す事に専念し始めた!

 その瞬間ハガネ・ヒリュウ改部隊の意志は1つとなりて、ツルギとギリアムを始めとした者達でゲーザを押さえ、キョウスケとエクセレン達で道を作り、コウジやマサキ達でグルンガスト弐式に適度なダメージを与えてブリットのアシストをする事になるのだった!

 そして…全員に気迫が掛かると、コウジも出し惜しみは無しとしてマジンガーZと共に魔神パワーを発動させ、高次予測でブリットがクスハを救い出せる未来を視始めるのだった!!

 

「よし…アサルト1より各機へ、クスハを必ず救うぞ。

 賭け金は…当然オール・インで行くぞ…!」

 

「OKキョウスケ中尉、やってやろうぜ!!」

 

「クスハ…今行くぞ!!」

 

「…敵は…破壊…」

 

 かくしてハガネ・ヒリュウ改部隊によるクスハ救出とエアロゲイター部隊の殲滅の同時並行が開始された!

 グレートマジンガーやゲシュペンスト・タイプR、ビルトラプター、ジガンスクード等はゲーザのエゼキエルを相手取り、ヴァルシオーネとヴァルシオン改、更にグルンガスト等が周りのエアロゲイター機を撃破し、アルトアイゼン、ヴァイスリッター、サイバスター、マジンガーZ等がグルンガスト弐式へ適度な攻撃を仕掛けるのだった!

 ブリットは大詰めとしてヴァイスリッターの後方に待機させ、チャンスを見つければ一気に突撃しT-LINKシステムの破壊を狙うのだった!!

 

「そ〜ら、オルガ・キャノンで死にやがれぇ!!」

 

「そんな見え透いた攻撃に当たる物か!!

 食らえ、ブレストバーン!!!!」

 

「ニュートロンビーム発射!!」

 

「一丁行くぜ、ギガ・ワイドブラスター!!!」

 

「BMセレクト、ハイパー・ビームライフル…!」

 

 ゲーザの攻撃をグレートマジンガーはその機動性で回避し、更に反撃としてブレストバーンを直撃させると更にニュートロンビーム、ギガ・ワイドブラスター、ハイパー・ビームライフルの一斉射撃が当たり、エゼキエルは大ダメージを負い始めた!!

 

「て、てめえ等!!」

 

「其処だ、ミサイル掃射!!」

 

 更に目の前の敵に気を取られたゲーザの頭上からストライクチェスターのミサイル掃射がエゼキエルを襲い、直ぐに撤退しなければ撃破される程の損傷を負わせる事に成功したのだった!!

 

「やられただと!?

 くそっ!

 頭痛さえ無けりゃてめえ等なんぞに…!!

 覚えていろ、今度こそ(・・・・)必ず血祭りに上げてやるぜ!!」

 

【ギュオオンッ!!】

 

「(………あの言動、もしや………テンザン・ナカジマ………?)」

 

 そして捨て台詞を吐きながら撤退したゲーザに対して、ツルギはコウジ達が見覚えがありクレナイ達が2流以下認定したり、ゲーザ本人の言動から…死んだ筈の男、テンザン・ナカジマを連想し、先のエゼキエルがカーウァイ隊長のモーションパターンを見せた事からも死人が生きている可能性に行き着くのであった!

 しかし確証は無いので当然この推論は伏せて、答え合わせの時に開示しようと思うのであった!

 

「喰らいな、サイコブラスター!!!!」

 

【ギュォォォォォォォォォォンッ!!!!】

 

「では、これでトドメとしよう」

 

「計都羅睺剣!!」

 

「喰らいな、クロスマッシャー!!!」

 

【ズドドドドドドドドドドォンッ!!!!!】

 

 次にヴァルシオーネのサイコブラスターで広範囲の敵を巻き込み、そのトドメにリベル・レギスとグルンガストが黄金の剣と計都羅睺剣で次々と敵機を斬り裂き、更にヴァルシオン改が撃ち抜くと高火力で一気にゼカリア、ハバククの軍団を片付け、残るはグルンガスト弐式のみの状況にしたのだった!!

 一方グルンガスト弐式は念動フィールドと厚い装甲に守られてるので中々ダメージを与え辛く、かと言って一気に高火力を放てばクスハが危ないので救出班はある程度加減しながら攻撃を加えていたのだった!!

 

「…マキシ・ブラスター…」

 

「おっと、光子力ビーム!!」

 

「クスハ、私達で貴女を救うわ!!

 光子力ビーム!!」

 

 マキシ・ブラスターを回避したマジンガーZ、更にビューナスAの通常火力の光子力ビームで念動フィールドを貫きながらダメージを与え、サイバスターはディスカッター、アルトアイゼンはリボルビング・ステークを両腕の接続部に集中して当てて、ブースト・ナックルや計都瞬獄剣を使われるのを阻止しようと試みていた!!

 結果腕部接続部から煙が噴き、2種の武器が使用不能状態となったのだった!!

 

「オクスタン・ランチャー…行くわよ〜!!」

 

【ズドン、ズドン!!】

 

「…!」

 

 更にヴァイスリッターの適切な援護攻撃によりグルンガスト弐式はよりダメージを蓄積し、行動不能寸前に陥っていた!!

 そして………今まで沈黙していたブリットが遂に動き出す時が来たのだった!!

 

「ブリット、行けぇ!!」

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

 コウジがチャンスは此処だとしてブリットへ叫ぶと、当人も此処こそ千載一遇のチャンスとして見極め、ヒュッケバインMk-IIを突撃させてグルンガスト弐式の目の前へと躍り出るのだった!!

 

「…アイソリッド・レーザー…」

 

【ズガンッ!!】

 

「うぐっ!!!

 くっ………肉を切らせて………骨を断つ!!

 一意専心、狙いは1つ!!!!!!!!」

 

【ズドドドドドドドドドド!!!!!!】

 

 しかし、グルンガスト弐式のカウンター………アイソリッド・レーザーと言えどPTには大きなダメージを与えられるので、それを受けてヒュッケバインMk-IIは小破した………が、それに構わずブリットはただ1つ、クスハを助ける為にT-LINKシステムを必ず破壊すると言う決意の下で装甲がボロボロになりつつあったグルンガスト弐式に頭部バルカン砲を浴びせ、1つの小さな爆発を作り出したのだった!!

 

「…っ!!!」

 

「クスハ!!!!」

 

「クスハ…!!!」

 

「………………ブ、ブリット君………皆………………」

 

【キュォォォォォォォンッ…】

 

「…弐式が止まった…それに今…!!」

 

「各機は直ちにグルンガスト弐式を回収せよ!!」

 

 そして、クスハが正気を取り戻した様な言葉が出ると同時にグルンガスト弐式が沈黙した!

 それを目撃したダイテツは周りの機体にグルンガスト弐式を急いで回収させ、ハガネに緊急格納するのであった!!

 そしてヒュッケバインMk-IIが膝を付くと、コウジ達もヒュッケバインMk-IIに駆け寄るのだった!!

 

「ブリット、大丈夫か!?」

 

「あ、ああ…何とかしたら、急に力が抜けて…」

 

「…良くやったぞブリット、後は休んでろ」

 

「はい…キョウスケ、中尉。

 皆も、ありがとうございました…!」

 

 更に安堵から力が抜けて気絶したブリットを、機体毎運んで川崎地区での戦闘は終了したのだった!

 かくして差異次元では一度はクスハ救出が失敗する筈だったが、この世界では見事たった一度で救い上げたのだった!!

 マスターテリオンはアドバイスした甲斐があったとして満足し、ヘビクラもブリットがやり遂げた所を見届けニヤリと笑うのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それで、クスハの容体はどうですか、ラーダさん?」

 

「やっぱり洗脳状態だったから精神的疲労が凄いけど命には別状は無いわ。

 これなら次に目を覚ませば後遺症も無く医務室から出る事が出来るわ」

 

「よ、良かった〜………」

 

 戦闘終了後、ハガネの医務室前でラーダから容体を聞いたコウジやサヤカ、リオ達は安堵し、ガーネットも良かったとして涙ぐむのであった。

 一方ブリットはその後直ぐに目を覚ましたので、クスハが目を覚ますまで側に居る様にとエクセレンにも言われてしまったので半ば看病する形となりながらクスハに寄り添っていたのだった。

 ヘビクラもヘビクラで頷き、救出すべき者が1人戻って来た事を先ずは皆で喜び合うのであった。

 

「…後はリュウセイ達の査問だけど…まぁ、大丈夫な筈か、リュウセイ達だからな」

 

 一方コウジはリュウセイ達の査問を気にしていたのだが、リュウセイ達を信じてマジンガーZの整備へと向かうのであった。

 一方リュウセイは特脳研の被験者として母であるユキコ・ダテが参加していた事を初めて知り、自身が知らない事も多いと思い困惑しながらも査問に正直に答え続け1日でも早く戦線復帰しようと努力するのであった………。

 




此処までの閲覧ありがとうございました!
クスハはリュウセイルートだともう少し遅く、キョウスケルートだとエクセレンと引き換えって形になるので、本作ではさっさと助け出すルートになりました。
色々と理の外に居て、念動力やら魔術やら様々な知識が深いマスターテリオンが居て助かりました…ってのが本作でした。
また、ヘビクラによる指導でブリットの迷いやら目の曇りやらを晴らしました。
これもちょっと書きたかった内容だったりします。
えっ、蛇心流使って大丈夫なの?ってツッコミがあるかと思いますが、結局ヘビクラ=ジャグラーの我流なのでゼンガーレベルの剣士にならないと太刀筋やら刀の構えでヘビクラ=ジャグラーと言う答えには行き着かない様になってます。
オマケに格納庫にマサキが居ないタイミングでしたので…。
兎に角、クスハはこれにて救出完了&自軍復帰となります。

此処までの閲覧ありがとうございました、感想等もお待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。