スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様こんにちはです、第34話目を投稿致します。
今回は前半が会話パート、後半が短めの戦闘パートになります。
更に次回に向けた布石もどんどんと打ってますのでお楽しみ下さいませ。
では、本編へどうぞ!


第34話『偽りの影』

───自動惑星ネビーイーム───

 

 

 ネビーイームの玉座に位置する間にて、アタッドはレビの前でイングラムを呼び寄せサンプルだったクスハがアッサリハガネ・ヒリュウ改部隊に取り返された事を叱責していた。

 

「どう言う事だい、アウレフ!!

 何でアンタのサンプルの洗脳が解けたのさ!!

 まさか半端な調整でもしたのかい!!」

 

「…クラス・ギボルのサンプルは繊細な調整が必要だ。

 下手にガルインやゲーザの様な調整を施せばそのポテンシャルを著しく損なう。

 だから洗脳のみに留め、他のサンプルの力を引き出そうと考えていたが…どうやらサンプル共の成長速度は俺の想定を僅かに上回ったらしい」

 

「それが此度のサンプル損失と?」

 

「ああ」

 

 イングラムは淡々と自身が処罰されないラインの事実のみをレビ達に話すと、当のレビも捕らえたサンプル一匹を失う損失とまだまだ成長をし続けるサンプル達、其処にあのクスハと言うサンプルが混ざれば捕らえた当初よりも強く育つのでは?と考え、それはそれで本格的な『収穫』に良い結果を齎すと計算していた。

 が、アタッドはヒステリックにイングラムを睨み付け、この男も失敗作として処分しようとまで考えていた。

 

「…ならばイングラム、サンプル達の最終的に収穫する際の個体値成長を伸ばしたと判断し、今回のサンプル損失は不問とする」

 

「レビ様!?」

 

「アタッド、そんなに気に入らなければお前の手でゲーザ以外にもサンプルを見繕って捕らえてみろ。

 そうすれば損失と利益が釣り合うだろう?」

 

「………」

 

 そして、最終的に下された審判はイングラムの不問であった。

 但し、イングラムを処罰する事はアウレフ・バルシェムとしてネビーイームに居る限り思考誘導等も含めて決して不可能であり、今回の審判はイングラムにとってみれば茶番劇に過ぎないのだが…。

 そんなレビの判断に苛立ち、次は自身が出るとして玉座の間からアタッドは苛立ちながら去るのであった。

 一方イングラムも玉座の間から去ると…ジュデッカの枷が更に強まり、自由意志が働かなくなり始める感覚を覚えていた。

 

「(くっ…矢張り猶予は僅かな間だった。

 それまでにクスハがハガネ・ヒリュウ改部隊の下へ戻ったのは幸いか…。

 …さて、いよいよ俺の命を以てこの枷からの解放を考えなければならなくなって来たな…すまないリュウセイ、ライ、アヤ、次に会う時は…俺は人形に成り果ててるかも知れん…コウジ、キョウスケ、マサキ、ユーゼス…お前達の力で、俺を…)」

 

 イングラムは苦しみながらも何処までもリュウセイ達や仲間達の事を考え、自身がエアロゲイターの人形成り果て本格的な『敵』となる事を是としない考えを貫き…いざと言う時は己の命を捨てて仲間達の未来を繋ごうとさえ考えるのであった。

 そんなイングラムに………『黒き天使』は寄り添い続け、ジュデッカの枷で完全に縛られるのを僅かに遅らせようと試みていたのだった。

 全ては己の顕現と、自らの半身たるイングラムの未来を切り拓く為に…。

 

 

 

 

タウゼントフェスラー・操縦席───

 

 

 一方とあるタウゼントフェスラーにて、操縦席にヴィレッタが座り当該機をハガネ・ヒリュウ改部隊と合流させようと操縦していた。

 それも輸送機の積み荷はマオ社にて保存されていた予備機と封印されていた機体…グルンガストの2号機と、『ヒュッケバイン008L』であった。

 更にヴィレッタはメモリーチップを大事に持っており、これとヒュッケバイン008L等を急いで届ける事が任務であった。

 

「(イングラム…貴方の枷が強まり、自由意志が全て縛られてしまえば…。

 そうなる前に1秒でも早くこの情報を届けなければ…)」

 

 ヴィレッタは悲痛な表情と感情を露わにしながらタウゼントフェスラーのエンジンを噴かせていた。

 全てはイングラム・プリスケン…自身の半身と呼べる男、唯一の家族と呼べる者の真の自由を勝ち取る為に。

 その為にヴィレッタはイングラムが示した希望………ナイトレイダーのユーゼス・タウルと接触しようと試みるのであった…。

 

 

 

 

 

───地球連邦軍極東支部・伊豆基地───

 

 

 

 ゲーザ・ハガナー率いる部隊を退け、クスハ救出が成功してから翌朝、クスハが遂に目を覚まして医務室からブリットに連れられ女性陣が居る食堂に向かい、元気な姿を見せたのであった。

 

「クスハ、良かったわ、もう動けるのね!」

 

「心配を掛けてごめんね、リオ、サヤカ、皆。

 でも、担当医の方がもう動いて平気だし、何なら出撃しても問題無いって太鼓判を押してくれたわ」

 

「…エアロゲイターに捕らえられていたのに、もう復帰可能になる辺り…やっぱりクスハに掛けられた洗脳は…」

 

「ええ、其処まで深刻な物では無かったと言う事ね。

 これも…イングラム少佐が何とか送り返そうと働き掛けたのでしょうね…」

 

 リオやサヤカ、レオナ達に囲まれたクスハはもう平気とアピールしていた。

 その光景を見ていた査問を終えたアヤやラーダは、イングラムが何とかクスハに深刻な影響を齎さずに洗脳措置をし、上手く行けばハガネ・ヒリュウ改部隊が取り返す隙を与えていたのだと判断していた。

 そしてクスハもまたイングラムの事を聞き、その上でアヤの下へと赴き話し掛け始めていた。

 

「アヤ大尉…私、洗脳されてた時の事は覚えないんですけど…それでも、イングラム少佐が私を気にして他のエアロゲイターの人達に私を弄らせようとしなかった…そんな感覚があるんです」

 

「クスハ…」

 

「だから、私も皆と一緒にイングラム少佐を助け出したいって考えてます。

 アヤ大尉…一緒に少佐を助け出しましょう」

 

「………そうね、クスハが帰って来たんだから教官だって帰って来れるかも知れないわ。

 なら、その為に私も皆の力を借りるわ」

 

 クスハからイングラムが敵に気取られない様にしながらの配慮をされたかも知れないと報告されたアヤは、彼女が帰って来たと言う前例を作った事でイングラムの救出により尽力しようと力と意志を固めるのだった。

 当然リオやレオナ、サヤカ達もクスハを五体満足で送り返せる様にしたイングラムには借りが出来たので、それを返す意味でも救出に協力しようとするのであった。

 そんな光景をブリットやタスク、リョウトが見守る中で、コウジがロブと共に現れ、クスハに話し掛け始めていた。

 当然ブリット達も何かと思い近付くのだった。

 

「コウジ、ロバート博士、何かあったのか?」

 

「ああブリット、タスク、リョウト。

 クスハにグルンガスト弐式の修理が完了したって事を伝えてたんだよ。

 T-LINKシステムも新調して、今度はシステム側からの洗脳がされない様にレジスト機能もこっちで付けようって事になったんだ。

 イングラム少佐がシステムを利用した洗脳措置って物をこっちに晒したからな」

 

「で、他のT-LINKシステム搭載器にも同じ機能を追加したってのも報告しようってなってな。

 ただ気休め程度の機能だから過信は禁物ってのも併せてな。

 じゃあブリット、ロブはこのまま整備に戻るけどこの後パイロット一同はブリーフィングルームに集合な。

 イングラム少佐の救出について煮詰めるってダイテツ艦長が集合掛けたんだ」

 

「そうか…なら俺達はこのまま直行するから、コウジもブリーフィングルームな」

 

 そして、イングラム救出を具体的に煮詰めると伝えたコウジもまた他のパイロット達の下へと向かい、ブリットやクスハ達は皆ブリーフィングルームへと向かうのであった。

 イングラムと次に戦場で出会った際に、その洗脳を解き仲間として連れ戻す為に…。

 

 

 

 

 それから数十分でコウジは全パイロットにブリーフィングルーム集合を伝え切り、最後にコウジ、リュウセイ、ラトゥーニがブリーフィングルームへと入るのだった。

 その道中でコウジはリュウセイが沈んでいる様子を伺ったので、ラトゥーニと共に何があったかと聞くとブリーフィングルームで話したいとされたので先ずは皆の下に向かったのである。

 

「それでリュウセイ、何があったんだ?」

 

「ああ…査問でお袋がアヤが居た特脳研の被験者だった事や、イングラム教官がその情報を知っていたんじゃとか、色々言われてな…。

 アヤ、お袋が特脳研に居た事は知ってたのか?」

 

「リュウ…ええ。

 けど、貴方のお母様がそうだったなんて知ったのは本当に偶然なの。

 事前に知っていればもっと違う形で軍にスカウトしていたって教官も話してたわ…」

 

「そっか…なら、その辺りも教官を助け出して問い詰めてみるか。

 悪い、少し空気が重くなっちまったな」

 

 リュウセイから母親のユキコ氏が特脳研の被験者だったと告げられたコウジやラトゥーニは驚き、アヤも誠実に答えてあくまでもリュウセイに念動力者としての資質がありそれを検査していた所でユキコに行き当たり、偶然が偶然を呼んだだけなのだ。

 リュウセイもアヤの態度に納得し、残りはイングラム救出後本人に問い詰めるとして割り切るのであった。

 そんなリュウセイの隣にスッとラトゥーニが立ち、何とかリュウセイを支えたいと言う彼女の心が見て取れるのだった。

 そうして全パイロットが集まり、事前にブリーフィング前に話す事を終えたと確認したダイテツはモニターを付け、イングラム救出作戦と言うシンプルな作戦名を出したのだった。

 

「よし、ではこれよりイングラム・プリスケン少佐の救出作戦を煮詰めたい。

 先ずイングラム少佐の状態についてだが…本人曰く、恐ろしく強力な精神支配が施されていて、少佐自身もほぼ抗えず普通の手段ではその支配から逃れられんと申告している。

 が………この作戦立案に際し、ユーゼス・タウルからアドバイスがあるとの事で発言をさせたい。

 ではユーゼス」

 

「はい。

 俺もイングラムから又聞きしたり、そもそもイングラムが完全に地球側へと精神が寄る事になったきっかけも本人から具体的にどの辺りだったのか問い質していた。

 その結果、イングラムはダブルマジンガーがその姿を見せた事をきっかけに、ゲッターロボや仮面ライダー、そして………ウルトラマン達と何度も何度も接触した結果、精神支配が緩まったと答えてくれた。

 何故マジンガーやゲッター、仮面ライダーやウルトラマンかは…本人に聞かねば不明だが、何か因縁めいた物を感じてると、俺は判断した。

 そして…今度はその精神支配を破壊する為にはマジンガー、ゲッター、仮面ライダー、ウルトラマン、そして…ハガネ・ヒリュウ改部隊に集った皆の力、特にSRXの力が必要なピースであると考えている」

 

 ダイテツから発言権を貰ったユーゼスはある程度暈しながらもマジンガー、ゲッター、更には仮面ライダーやウルトラマン、そしてハガネ・ヒリュウ改部隊の力がイングラムを救う鍵になると話すと、コウジやリュウセイ達も具体的にマジンガー等の存在が精神支配を緩めるきっかけになったと聞かされ、その上でSRXの力も必要になると聞き目を見開くのだった。

 しかし、ユーゼスの言葉は力強く何か根拠があると感じさせたので、次にキョウスケが手を挙げユーゼスに質問を投げ掛け始めた。

 

「…具体的にはどうすれば良いんだ?」

 

「イングラムが戦場に現れたその時…ハガネ・ヒリュウ改部隊の皆に全力でイングラムの乗る機体に攻撃して欲しい。

 特にSRX、サイバスター、マジンガー、ゲッター、更に仮面ライダーと…ウルトラマンによる全力の攻撃が必要不可欠だ。

 どれか1つ欠ければ、精神支配を破壊出来ず救出が叶わなくなるだろう。

 なので俺達ナイトレイダーは…ツカサに頼み、クロガネ隊にその旨を伝えて2機のゲッターロボをイングラムが救出されるその時まで、ハガネ・ヒリュウ改部隊に直ぐ接触出来る位置に居て欲しいと頼んである。

 ウルトラマン達にもツカサから何とかその時に動きを合わせて欲しいと打診してある。

 なので残りは…SRXと、そしてマジンガーZ…コウジ、君にも少し綱渡りをして貰う事になる」

 

「綱渡り…つまり、魔神パワー?」

 

「そう、第6のパワー………因果律兵器。

 それをイングラム救出作戦時に使用しながら光子力エネルギーを叩き込んで欲しい。

 高次予測と併せれば、イングラムを救い出せる未来を視て実現出来る筈だ」

 

 ユーゼスは具体案としてSRX、サイバスター、ダブルマジンガー、2機のゲッターロボ、仮面ライダー、そしてウルトラマンと言う普通ならオーバーキル物の力をイングラムの乗る機体に全力で叩き込むと言う狂気の案を出した。

 しかもSRXと聞きリュウセイ達も表情が険しくなるが、コウジもまた………第6の魔神パワー、今までもコントロールが難しい為使用せず乗り切って来た物、因果律兵器。

 マジンガーZを『終焉の魔神』たらしめるそれを使えと語っていた。

 

「…ユーゼスさん、そんな方法でしかイングラム少佐を救えないんですか?」

 

「その通りだよサヤカ・ユミ。

 コウジ、マジンガーZにもこの案を共有して欲しい。

 アレの開放、コントロールは現状約3分が限界なら、次にイングラムと接触したその1度で成さねばならない…イングラム曰く、エアロゲイターへの反攻作戦が開始される前に自身の洗脳が開放されなければ…死が確定すると、俺にも伝えていたからな」

 

 更にサヤカの懸念にもこれしか無いと答え、イングラムを救い出すには此方も相応のリスクを背負わなければならないとコウジ達に認識させた。

 一方ヘビクラやクレナイは、ユーゼスが此処までイングラムに伝えられたとペラペラ語るがそんなタイミングが無かったと把握してるので…この作戦はバルマーとしてのユーゼス・ゴッツォの知識も活用して捻り上げた物だと断定し、ならば上手くやらなければこの作戦でも無理なのでは?とも考えていた。

 するとユーゼスはヘビクラ達の考えに気付いてるらしく、黙って頷くと2人もそれ以上は指摘しない様に立ち回るのだった。

 

「…以上が俺が様々な視点で練り上げたイングラム救出作戦の具体案だ。

 諸君、次に会うイングラムは恐らく精神支配がより進みつつある状態になっている筈だ。

 だが…此処に集ってくれてる皆の力が合わされば、イングラム救出も叶う筈だ…勿論俺達も全力を尽くす。

 そして共に…俺達の仲間であるイングラム・プリスケン少佐を救おう」

 

『………………」

 

「(SRXの力が必要不可欠…なら、私は…)」

 

 最後にユーゼスが次に会うイングラムの状態も推察し、実質的なチャンスは次しか無いと言う雰囲気で語っていた。

 しかし、そのチャンスがあるならばイングラムと言う自身達を導き、見守ってくれた仲間を連れ戻す事も出来るとユーゼスも自身に言い聞かせる様にリュウセイやコウジ、マサキやキョウスケ達に語り掛けたので………全員この博打に全てを賭けると腹を決めるのであった。

 更にアヤはSRXの力が必要不可欠と語られたので、例え念の逆流が起きてしまおうとも必ず…と、精神を研ぎ澄ませるのであった。

 

 

 

 

第34話『偽りの影』

 

 

 

 

 イングラム救出作戦のブリーフィングから数刻経ち、ダイテツから指定された座標…DC戦争時に廃棄された連邦軍基地へとサイバスター、ヴァルシオーネ、ヴァイスリッター、そしてストライクチェスターが現着し、エアロゲイターの狙いがハガネ・ヒリュウ改部隊であるならば、発想を逆転させ周囲に被害が出ても問題無い場所で釣ってやろうと言う偵察任務が開始されていた。

 

「んじゃ、釣り糸を垂らして獲物が来るまで待ちましょか」

 

「ユーゼス、十中八九エアロゲイターが来るとして、イングラムの奴が来る確率は?」

 

「予測範囲では0だ、マサキ。

 代わりに…功績とサンプルを欲しがる勇み足の奴が引っ掛かるだろうな」

 

「…まぁ、そう言う奴は何処の組織にも居る。

 ならそいつも適当にあしらってイングラム少佐を引っ掛ける様にするしか無いな」

 

 そうして釣り糸を垂らし始める中、リューネとエクセレンが恋バナをしてる隣でマサキとユーゼスが真面目にイングラムがこの場に来る可能性を話していた。

 会話の中で勇み足で功績を焦る者が来る…そんな事を聞いたゲイツはオーマジオウに支配された未来でツクヨミや仲間達と共に勇み足で無謀にも魔王に挑み………ツクヨミとゲイツ以外は全滅した過去を思い出し、そう言った者は何処にでも居ると自嘲しながらその勇み足の張り切り者をあしらう事にするのだった。

 ………そんな会話が続く中、戦域に敵が現れたのであった!!

 その機体はユーゼス、ダイゴ、ツカサ、ソウゴ、ウォズ、そしてエクセレンの目にはメギロート3体にしか見えていなかった。

 が、ゲイツとマサキ、リューネにはグランゾンとヴァルシオンがその目に映っていたのだった!!

 

「な、あれは…ヴァルシオンにグランゾン!?」

 

「バカな、何でシュウとビアンが!?」

 

「えっ?

 ちょっとマーサ、リューネちゃん?」

 

「何故グランゾンやヴァルシオンが…」

 

「…ユーゼス、これは?」

 

「間違い無く幻覚だろうな」

 

 無論ユーゼス達、更にエクセレンには敵は『メギロート3体』と正しく認識されている為、ゲイツやマサキ、リューネ達のグランゾンやヴァルシオンと言う言葉をシャットアウトして幻覚と断定し下手人をレーダーで探し始めた!

 すると、戦域の外れ付近で鎮座しているエゼキエル…カラーリングは赤色の者が居り、明らかにそれが小細工を仕掛けて来ていたと分かる構図であった!

 

「エクセレン少尉、聞こえるか?

 マサキ達を幻覚で惑わしている敵が居る。

 ソイツにダメージを与え、マサキ達を正気に戻すぞ」

 

「あらん、ユーゼスってば仕事熱心ね〜。

 んじゃ、マーサ達の目を覚まさせましょっか!(…でも不思議なのは何で私やユーゼス達が幻覚に掛からなかった点よね。

 共通点は全く無い訳だし…何かしら、この違和感は?)」

 

「フフフ…見事に引っ掛かったねぇ。

 しかも、お目当てのサイバスターが。

 あれをサンプルとして持ち帰れば、あたしの立場も向上するってものさね。

 …しかし、あの女と戦闘機乗り共、一体何者だ?

 奴等にはあたしのマインドコントロールが効いていないし…トラウマシャドーも見えていない。

 フフフ…面白いね、直接あいつ等を調べてみるとするか」

 

「奴もこっちに目を付けた様だ、気を付けろよユーゼス、エクセレン」

 

 そうしてアタッドの駆るエゼキエルとストライクチェスター&ヴァイスリッターが接敵し、攻防戦を開始した!

 ストライクチェスターのミサイル掃射を高機動旋回で回避し、エゼキエルのオルガ・キャノンをストライクチェスター、ヴァイスリッターが共に直撃ギリギリのタイミングで回避し、ヴァイスリッターがオクスタン・ランチャーを放った!

 アタッドはそれ等を対処して回避し…そんな攻防が3分以上続いた。

 その時である、サイバスターはグランゾン(に見えるメギロート)の攻撃を敢えて受けて『真実』を確かめようとしたのだった!!

 

「マサキ!?」

 

「…はっ、やっぱりコイツ等は偽物だ。

 シュウの割には張り合いが無いし、普段のビアンと比べても言動がDC戦争時の物から変わってねぇ。

 だったらこれはと思えば…全く、何処のどいつだ、こんなつまらねえ策を差し向けたのは?」

 

「マーサ、正気に戻ったの?

 ならこっちを手伝って!

 このオバサンがマーサとリューネちゃんに幻覚見せてたのよ!」

 

「お、おば…!?」

 

「成る程、てめえが下手人か。

 なら、俺とサイバスターを得る為にアレコレやらかした分のお返しはキッチリさせて貰うぜ!!」

 

「…幻覚…!?

 アレが…」

 

 何とマサキは自力でアタッドのマインドコントロールを跳ね除け、更にはトラウマシャドーを克服してメギロートを撃破し、アタッドのエゼキエルに狙いを定めたのだった!!

 アタッドはエクセレンにオバサンと呼ばれた事で頭に血が昇り始めたが、此処で自身が死ぬ訳には行かないので…仕方無く怪獣兵器を差し向ける事にするのだった!!

 

「ちっ、此処は退かせて貰うけど次はこうは行かないよ、覚えておけ、小娘共!!

 行け、『大蟻超獣アリブンタ』!!」

 

『グォォォォォォッ!!!!』

 

「な、何!?

 超獣だと!?」

 

 そうしてアタッドは撤退すると、その代わり戦場には怪獣を超える怪獣、異次元人ヤプールが作り出した生物兵器である超獣の1体、が残されサイバスターやヴァルシオーネ、ヴァイスリッターとストライクチェスターを攻撃し始めた!!

 マサキ達は上手く攻撃を回避し、ユーゼスとダイゴは流石に超獣まで出るとなれば最早変身しない訳には行かずティガとネクサスに変身し、応戦していた!!

 

「おい、超獣って何なんだよ!」

 

「超獣とは、異次元人ヤプールが怪獣を超える怪獣と言うコンセプトの下で作り上げた生物兵器。

 痛みや恐怖と言った感情の類は存在せず、首が落ちようとも攻撃をやめない正しく兵器である。

 なので…アレを相手にするならば油断せず、活動停止するまで攻撃するのみだ、魔装機神操者のマサキ・アンドー」

 

「…そんな物まで操るって、エアロゲイターはかなりヤバいわね…」

 

 一方マサキ達に超獣とは何なのかと説明したウォズの言葉に、エクセレンも流石にエアロゲイターがいよいよもってリュウセイが話した上位存在的な何かが居ると考え始め、オクスタン・ランチャーを何度も何度も放ちティガとネクサスと共に攻撃の手を緩めずにダメージを与え続けた!

 しかし、後1手足りない…決定的な1手が足りない、そんな考えがマサキやエクセレン達の脳裏に過ぎり、しかしハガネ・ヒリュウ改部隊本隊が着くまで後2分は掛かるので其処まで耐えられるかが問題であった!!

 

『こちらヴィレッタ・バディム、これよりそちらを援護する。

 少しそこの怪獣から離れなさい!』

 

「えっ、ヴィレッタお姉様!?

 …了解、皆、ちょっと超獣から離れるわよん!!」

 

 その時、ヴァイスリッターの通信機にヴィレッタの声が鳴り響き、エクセレンは即座に周りの皆…ウルトラマン達にも含めて離れる様に促すと、全員何も言わず即座にアリブンタから離れた!

 その瞬間、戦域にヒュッケバイン008Lが現れ、既にブラックホール・キャノンを構えて狙いを定めていた!!

 

「ターゲットロック…ブラックホール・キャノン、デッド・エンド・シュート!!」

 

【ボォウッ、ゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!】

 

「アレは、まさか初代ヒュッケバイン!?」

 

「ちょっ、ヴィレッタお姉様何でそれに…!」

 

「説明は後よ、早くその怪獣を仕留めなさい!!」

 

 ブラックホール・キャノンの直撃でアリブンタは行動不能となり、残るはウルトラマン達やサイバスター達の大技を叩き込んで爆散させるだけどなっていたが…ヴィレッタが何故ヒュッケバイン008Lに乗って颯爽と現れたのか釈然としない所でもあったので少し戸惑いをエクセレン達は覚えていた。

 しかし、ヴィレッタの喝によりアリブンタがブラックホール・キャノンの影響下から逃れる前に殲滅せねばと考えたマサキ達はコスモノヴァ、クロスマッシャー、オクスタン・ランチャーWモード、ストライクパニッシャーに加えて、ティガとネクサスもゼペリオン光線オーバーレイ・シュトロームを放ち アリブンタを撃破する事に成功したのだった!

 そして、その場面に丁度ハガネ・ヒリュウ改部隊本隊が現着するのだった!

 

「これは…!」

 

「………どうやら、思った以上の餌が喰らい付いたらしいな」

 

「ハガネ・ヒリュウ改部隊へ。

 こちらマオ社スタッフのヴィレッタ・バディム、貴艦に補給物資と機体を届ける辞令を受諾している、着艦許可をお願いしたいわ」

 

「マオ社から?

 しかも…ヒュッケバイン008Lまで…?」

 

 更に其処にヴィレッタが通信を入れると、ハガネ・ヒリュウ改部隊にマオ社からの補給物資と補充機体を寄越す辞令を受けたと話したのでオノデラとエイタが裏で確認を取ると………その事例は確かに統合参謀本部に届いており、向こうも許可を取っていた事が確認された。

 しかし、余りにもタイミングが良過ぎるのでダイテツは少々考え………機体等は受け取るが、ギリアムにヴィレッタを監視させるべきだと言う考えに至るのだった。

 

「………良かろう、許可する。

 各機へ、直ちに帰還せよ」

 

 そして各機が着艦し、ヴィレッタが操縦して来たタウゼントフェスラーも着艦した後ハガネ・ヒリュウ改部隊はその場より去るのであった。

 ………それから数分後、その場にグランゾンが現れると、戦場を見渡していた。

 

「フッ…流石はマサキと言った所ですね。

 しかし…エアロゲイターは愚かな事をしましたね。

 この私を模倣し利用するなど…どうやら、其処までして私の手で葬られたいらしいですね。

 …普通の怪獣やゼットンまでならまだしも、EXゼットンや超獣まで操るとなれば最早看過出来ません。

 カール・シュトレーゼマンがエアロゲイターに手渡そうとする『N』とやらの正体を掴んだ後は…貴方達の番ですよ…フフフ…」

 

 そしてシュウはエアロゲイターに対する死刑宣告を言い放った後、グランゾンの転移機能でその場から去り引き続きカール・シュトレーゼマンが確保したと言われる『N』の正体を暴こうとするのであった。

 そして、その手段もまた用意しており、後は役者を臨時政府があるパリにて揃えるのみであった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数十分後、ヴィレッタはヒュッケバイン008Lに加えてグルンガストの2号機とグラビトン・ランチャー、更に資金やミサイル、武器の弾薬等を受領させると次にデータルームへと向かい、其処でユーゼスに加えてギリアムと接触するのだった。

 ギリアムとユーゼスは此処で待っていればヴィレッタは必ず来ると踏んでこの場で待ち臨んでいたのだった。

 

「ギリアム・イェーガー少佐、そして………ナイトレイダーのユーゼス・タウルね。

 …やっぱり、私とイングラムが知る貴方と比べると容姿が若々し過ぎるわ」

 

「…その理由については私でも分からん。

 が、ヴィレッタ…お前が今この時に俺達に接触して来たと言う事は…イングラムが何か情報を明け渡し、俺達に届ける様に命じたんだな?」

 

「ええ、そうよ。

 …正直に言えば私自身はユーゼスは信用できない、けどイングラムが信じるならば…私もそうさせて貰うわ」

 

「…成る程な。

 ならば安心してくれヴィレッタ。

 君とイングラムが齎した情報は我々が必ず活用すると約束しよう。

 ユーゼス…共に解析を頼むぞ」

 

「分かった。

 ではヴィレッタ、パスワードを開示してくれ」

 

 そして、ギリアムとユーゼスはヴィレッタより受け取ったイングラムが齎したデータチップを解析し始め、ヴィレッタの口からパスワードも聞き出してしっかり全てのデータを閲覧し始めたのだった。

 果たして其処に映るデータの全貌とは?

 イングラムがヴィレッタにこのタイミングで合流させてまで渡した情報とは?

 それが明かされるのはもう直ぐ其処であった…。




此処までの閲覧ありがとうございました!
イングラムを助けるにはこの世界で用意出来る物の中でも特大級にヤバイ物が必要になります。
なお、マスターテリオンがその中に入らなかったのは単純にイングラムとの因果が薄い為でした…。
そしてエアロゲイター、完全に地雷を踏むの巻。
更にカール・シュトレーゼマンは何を手にしたのか…それも近々分かりますのでお楽しみに下さいませ。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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