スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆さまこんにちはです、第9話を投稿致します。
今回はプロジェクトEF…に行くと思った人も多いかと思いますが、作者的に絶対に描かなければならない物を間に挟む事にしました。
なので皆様、後もう少しだけ1.5の物語に付き合って下さいませ。
あ、因みに今回はあるキャラにヘイトが向かう描写がサラリと出ます。
では、本編へどうぞ!!


第9話『邂逅、そして回想』

 午前4:30、イングラムは1人誰も居ない通路を歩いていた。

 其処にAハロとCハロがポヨンポヨンと跳ねて近付いて来ており、イングラムも少し笑みを浮かべてから2体のハロを抱き抱えるのだった。

 

『イングラム、イングラム』

 

「…ああ、此処なら誰も見ていない。

 だから俺にその姿を見せてくれ、『アムロ』、『シャア』」

 

【キィィィィィィィィィィィィィン】

 

 イングラムが2体のハロをアムロ、シャアと言う名前で呼び掛けると、ハロから『虹の光』が放たれ、周りの空間を時間と切り離してイングラムをその光の中へと誘った。

 そしてその中に居たのは………『宇宙世紀』と呼ばれる世界に於いて、最も初めに『ガンダム』と言う『モビルスーツ』と呼ばれるPTとは違うロボット群の中で、ヒュッケバインに似た姿をしている『可能性の光』から生まれた機体に乗ったパイロット、『アムロ・レイ』と、そのアムロの永遠のライバルであり『赤い彗星』の異名を持ち畏れられた男、『シャア・アズナブル』が宇宙世紀0093の頃の姿で、少し薄く向こう側が透けて見える形で現れたのだった。

 

「矢張りアムロとシャアだったか…2人の念は特徴的だからな、直ぐにハロの正体が分かった」

 

「久し振り…と言うには少し変だな。

 僕達はあくまでも宇宙世紀0093の『アクシズ・ショック』で虹の向こう側に来てしまった2人であり、虹の向こう側に来た事で全ての並行世界の自分自身の記憶を共有する残存思念の様な存在なんだ」

 

「だが、それでも私達は君を『知っている』。

 だからこそ………イングラム、よく生きて我々の前に辿り着いてくれたな」

 

 その虹の中の空間…『サイコフレーム』が生み出す人の意思が集約した空間内でアムロとシャアとの再会を果たしたイングラム。

 しかし彼等はあくまでも宇宙世紀の人間であり、されど『虹の向こう側』に辿り着いてしまったが為に全ての並行世界の自身の記憶を持つ特殊な存在となってしまったらしい。

 イングラムもそれを聞き、肉体を失い実質死んでいる状態だと悟ると少し悲しい表情を浮かべ………しかし、聞き出さなければならない事があるので直ぐに決意を固めた表情に戻り、アムロ達との対話を開始したのだった。

 

「何故、2人はこの世界に来てしまったんだ?

 この世界には2人に関連する因果が余りにも少な過ぎる…なのに何故なんだ?」

 

「僕達にも分からない。

 だが新西暦181年、コウジが南極を踏破しつつその最奥…遺跡が埋まってる場所を割り出し、その中へ侵入して『あの地獄門』………『クロスゲート』を見つけ出したんだ。

 そして、其処でコウジは自身の良く知る者が来る様に念じた所…僕達の意識が残留した『νガンダム』と『サザビー』が現れたらしい」

 

「無論機体は今も封印され、今ではトライロバイト級のギャンランドにてヴィンデルが厳重に保管している。

 ヴィンデルも今では差異次元の記憶を有しているので、あの2機の価値を、我々の存在と言う物が残留した遺物を壊す気にはなれない様だからな。

 そして、νガンダムとサザビーからサイコフレームのみを取り出し、それをハロと言う器の中に納めて今の我々がある、と言った所だ」

 

「…矢張り、クロスゲートが存在するのか…」

 

 イングラムはアムロ達がこの世界に来た経緯を聞くと、この世界のコウジがクロスゲートを使ってνガンダムとサザビーのサルベージに成功したらしく、そして今はハロと言う器で自由に動き回れる様だった。

 しかし…此処で重要なのはクロスゲートが存在すると言う事。

 一応アストラナガンにもクロスゲート・パラダイム・システムが搭載されており、クロスゲートがあれば嫌でも探知する筈………なのだが、この世界に来てまだ1週間は経過していないが、それでもクロスゲートの存在が『探知出来なかった』、しかし『あった痕跡がある』と言う不可解な反応を示したので、イングラムは其処も疑問点として自身の中に持ち続けていたのだった。

 そして…アムロとシャアは、自身達が想像した解答をイングラムに与え始めたのだった。

 

「…イングラム、恐らく今この世界、少なくとも地球のクロスゲートはもう既に存在していないと僕達は思っている。

 その原因も、イングラムなら解るだろう?」

 

「…マジンガーZERO、因果律すらも平気で捻じ曲げるあのマジンガー。

 奴の高次予測と因果律兵器のコンボで、『何処かの世界』でクロスゲートが破壊された事を認識し、それを過程を無視してこの世界に結果のみを表出させた…そう言いたいんだろう?」

 

「ああ、新西暦187年頃にマジンガーZEROが突如として南極に向かったとあったので、我々は奴が地球のクロスゲートを破壊する為に動いたと容易に予想出来た。

 ヴィンデル達の手元にはシステムXN…ギリアムの半身が存在している。

 あれを完璧な形で利用出来れば、クロスゲートを自在に操り何処の世界にでも避難が可能だったからな。

 だからこそマジンガーZEROはクロスゲートを破壊した…この世界にある可能性の光全てを逃さない、その為に」

 

「ヴィンデルはクロスゲートの存在を認識しているのか?」

 

「ああ、ゲッターの使徒となった今のヴィンデルはクロスゲートも認識している。

 だから南極にクロスゲートが多分あったんだと、あいつも予測しているしマジンガーZEROに先手を取られてしまったとも思っている。

 何せその時に僕達の器であるAハロとCハロに愚痴を零していたからな」

 

 そしてどうやらヴィンデルもクロスゲートの存在を認識しているらしく、しかしシステムXNを利用して悪用する気もサラサラ無いらしく、イングラムがクロスゲートと縁があるとゲッターの使徒なら解るだろう情報を敢えて開示しなかったのもそれがイングラムへの誠意であるとも取れていた。

 だが…クロスゲートを使いこの世界の者達を別の世界に避難させるプランも破綻したので、もはやシステムXN単体で次元転移するしかないと、今切羽詰まっているのだろうとイングラムもアムロ達との対話でヴィンデルの現状が分かったのだった。

 

「なら、νガンダムとサザビーがあるならばAハロとCハロをそれぞれコックピットに搭載すれば、2人は戦えるのか?」

 

「ああ、それは間違いないんだが…」

 

「ヴィンデルは我々を戦わせる気は余り無いのだ。

 虹の向こう側と言う、『ララァ』が居る所に辿り着けて安寧を得られた私達を、『ニュータイプ』を争いに巻き込む事を良しとしていない。

 だから今ギャンランドではνガンダムもサザビーも『コウジ・カブト司令が持ち帰った触ってはいけないマテリアル』として厳重に保管されているのだ。

 レモンもコウジ司令が触ってはいけないと言うならとして触れてないが…肝心のコウジの方は我々の力が必要になる時が来るからその時まで待って欲しいと言っていて、少し意見に食い違いが出ているのだ」

 

「何故ヴィンデルは頑なにお前達の力を借りようとはしないんだ?」

 

「…自分達の計画は、外部協力者のウルトラマンゼロ達を含めても自分達だけで解決し…人と相互理解を深める事が出来る存在であるニュータイプを戦争の道具にさせない措置、らしい。

 ふっ、あのヴィンデル・マウザーがそんな事を言っていたんだぞ、僕達も少し驚いてしまったよ」

 

 そして、ヴィンデルはアムロ達平穏と安寧を手にしたニュータイプ達を戦わせたくないと言う、永遠の闘争を目指した男とは思えないロマンチシズムで…何処か哀しくも優しさがある決断を下していた事もイングラムは知れたのだった。

 そしてアムロとシャア自身は何時でも戦う用意は出来ているらしく、その瞳にはもう人同士の争いに疲れ果てていた頃のあの目ではなく、もう十分休めたと示すかの様な決意ある瞳をイングラムに向けていたのだった。

 

「2人の事は概ね分かった。

 なら最後に、何故この世界のコウジは南極にクロスゲートがあると思ったんだ?

 初めからそれを知っていなければそんな事は判る筈が無い情報の筈だが…」

 

「…コウジ曰く、マジンガーZEROになる寸前のマジンガーZの高次予測を使ってクロスゲートの位置を特定した、らしい。

 全く、その時取り込まれてしまったら危険だったのに…」

 

「…そうか…」

 

「それと…ヴィンデルとレモンはコウジ司令の個人的に使用していたノートパソコンを保管している事も異なる世界から来た者達に教えてやって欲しいと言っていた。

 今はプロジェクトEFが大詰めを迎えるのでもうそのパソコンに触れる機会は訪れないだろうが、それをテツヤと共有して覚えていて欲しい。

 いつかヴィンデル達とまた出会うその時に備えて、な」

 

 そして、最後にコウジ司令がクロスゲートの位置を把握した理由やコウジ司令が個人的に使用していたノートパソコンがあると知ったイングラムは、その事を記憶に留めると静かに頷いて覚えたと示した。

 それを見たアムロとシャアは満足して瞳を閉じると………虹の空間が消え去り、先程の通路にイングラムとハロ達が戻ると、時間はほんの1秒しか経過しておらず、矢張りあの空間は時間と切り離されたニュータイプの共感能力が作り出した物とイングラムは認識したのだった。

 そして…イングラムはそのまま満足気な顔をしながらハロを抱き抱え、午前6時まで時間を潰すのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新西暦183年、新年度が始まるその時にアクセル・アルマーは士官学校を卒業し、早速中尉としての階級を手にしながら…16歳の青年としては少し気持ち悪い位ウキウキな新兵気分で新兵達の集合場所であるラングレー基地の第3格納庫前にスキップしながら向かっていた。

 何故此処までアクセルは浮かれているのか?

 それは地球連邦軍ではエリート部隊の集まりであるシャドウミラー…かつて地球を解放した組織、マーチウィンドが前身の部隊に配属された事でテンションが最高潮に達していたからである。

 

「ふんふふーん、いよいよ俺もシャドウミラーで大活躍!!

 それで可愛い女の子達にもモテちゃうんだろんな〜これが!」

 

 なお、その頃のアクセルは本当に今のアクセルとは180度所か250度位は違う…超陽気でバカの二文字が似合う男であった。

 まだ世界が『終焉』に導かれ始める前まではアクセルもこんなバカをやれる世界であり、且つアクセルも重圧に潰されそうにはなっていなかったのだ。

 そんなアクセルと、第3格納庫へと向かう通路で肩がぶつかり、倒れた女の子が居たのだった。

 

「っと、ごめん大丈夫か!

 浮かれ過ぎて前を見てなかったんだ、もうマジでごめんよ!」

 

「…いえ、大丈夫よ。

 私もノートを見過ぎて前を見ていなかったから…。

 …それじゃあね」

 

「あ、待ってよお嬢さん!

 俺、アクセル・アルマー中尉!

 将来はこのシャドウミラーでエースになってやる男だぜ!

 君の名前も教えてくれよ、これも何かの出会いって奴にしようぜ、これが!」

 

「…そうねぇ〜。

 じゃあ、私はレモン・ブロウニング中尉、貴方と同じシャドウミラーに配属される新兵よ。

 私はパイロットも出来るけど、機体の開発や修理とかも出来るからよろしくね」

 

「おう、よろしくなレモン!!」

 

 そんなラブコメの始まりみたいな出会い方をしたのがアクセルとレモンの始まりだった。

 この頃のレモンは………死んだ『妹』のエクセレンの事もあり塞ぎ込んで居た頃であり、決定的な人との関わりを避けていた頃であった。

 が、このアクセルは平気でプライベートゾーンまで接近して来る部類と一目見て分かったので、もう関わりを持ったら名前を教えるまでしつこいと分かったので仕方無く名前を教え、2人で共に第3格納庫前へと向かったのだった。

 そうして辿り着いた第3格納庫前、其処には現シャドウミラーの中佐であるブラッド・スカイウィンドと『カーツ・フォルネウス』が其処に居た。

 

「全員、整列!!」

 

【ザッ!!】

 

「おはよう新兵諸君、俺がブラッド・スカイウィンド中佐だ。

 シャドウミラーの第1部隊の隊長を任されているのはもう分かっている者も多い事だろう。

 諸君を此処に集めたのは他でも無い、この部隊に配属されたからにはその身を砕いてでも護るべき物を護り、この星を守護する剣となる事を約束させる為だ!

 それぞれ担当する隊長は違うと思うが俺達全員…それこそカーウァイ総隊長やコウジ司令も同様に…お前達を皆立派な兵士に育て上げ、地球の未来を任せられる様に育て上げる気でいる!

 皆、士官学校での成績もザックリと見させて貰ってるからどれだけ成長するか、期待させて貰うぜ?」

 

『サー・イエッサー!!』

 

 そして、ブラッドの新兵達への挨拶が始まるとおチャラけていたアクセルもキュッと真剣な表情になり、レモンがそのギャップに驚いてる所で演説が始まったのでレモンも真剣にその内容を聞き、自身の………『失敗作』の烙印を押された過去を払拭する様な成長が出来るだろうか………そんな不安が過ぎりながらも、返事を返してブラッド達を頷かせたのだった。

 

「さて、早速だがお前達にはそれぞれ担当する隊長による訓練を受けて貰う事になるが…カーウァイ総隊長やコウジ司令が隊長カーツ達副隊長に加えてや総隊長、更に司令自身を含めた全員が施す特別メニューの訓練がある。

 これを見事に完遂させれば一気に少佐の階級を約束し、直に開発される新型機の専属パイロットをして貰う事になる。

 …で、お前達の中でこの特別メニュー、受けてみたい奴は居るか?」

 

 そんな時にブラッドから特別メニュー訓練の話が飛び出たので、新兵一同…レモンも含めてもザワつき始めていた。

 この特別メニューは確かにブラッドの言った通りに完遂させれば将来が約束されるのだが…その分とことんまで訓練がキツく、脱落率は99%オーバーと言う恐ろしいメニューだったのだ。

 それを進んで受けてみたい奴は此処には居ない…誰もがそう思っていた…だが、このアクセルだけは違ったのだった!

 

「はい、その特別メニュー、甘んじて受けさせて頂きます!!」

 

「ほう…お前、アクセル・アルマー中尉だったな?

 脱落率の噂は知らん訳ではあるまい?」

 

「はっ、カーツ中佐!

 しかしそれでも自分はその特別メニューを受ける所存です!!

 何故なら、それさえ受ければ俺はいつかこの手で誰かを護り抜く事が出来る…そうなる事が約束されるからです!!

 後、素直にめっちゃモテたいんだな〜、これが!!」

 

「…ぷっ、フハハハ!!

 正直過ぎる奴だな、アクセル!

 おいブラッド、コイツは特に念入りに鍛え上げてやろうぜ?」

 

「そうだな。

 じゃ、今年の特別メニューを受けるのはアクセル中尉だけで良いか?」

 

 アクセルの素直過ぎる理由と、熱いハートを感じさせるその言葉にそれを見ていたレモンは不思議と…何だか面白そうな人と感じ始めており、第1印象のチャラ男からランクアップし、興味深い人になったのだった。

 そして新兵用特別メニューを受ける者は他に居ないかとブラッドが問い掛け、周りを見渡すと…他にももう1人、手を挙げた者が居た!

 

「…で、では自分も!」

 

「お前は…ヴィンデル・マウザー大尉だな。

 新兵で大尉になれたのは実に優秀な証だ、特別メニューを受ける事を歓迎してやろう」

 

「…じゃあ、私も…受けてみますか」

 

「君は…レモン・ブロウニング中尉だな。

 ブロウニング…成る程な…家庭の事情には深く突っ込まん。

 だが特別メニューは血反吐を吐く覚悟を以て受けて貰うからな…覚悟しておけよ?

 女だろうが14歳未満の子供だろうが等しく過酷な訓練が約束されるんだからな」

 

 そうして当時シャドウミラーの新兵だったヴィンデル、レモン、そしてアクセルはこれよりほんの2週間…但し、他の兵士達が数年掛けてやり切る訓練を全て詰め込みつつ、更には生身の戦闘能力も嘗てDr.ヘルが操っていた『ガミアQ』や恐竜帝国の爬虫人類、百鬼帝国の鬼を圧倒出来る程の人間離れした物に育て上げる訓練が始まった。

 因みにその内容とは………マジンガーチームとゲッターチームが受ける一通りの訓練を足して2週間分に凝縮した、と言えば誰もが震え上がるだろう。

 普通の人間なら良くて脱落、悪ければ………流石に軍なので命を失う事は無いが、半身不随は覚悟するレベルの訓練である。

 勿論アクセルも、ヴィンデルも…レモンも血反吐を吐いて何度も何度も脱落しそうになった。

 だがアクセルが率先して前に出て訓練を受け続けた事で他の二人も釣られて訓練を受け続けた。

 

「なあ2人共、2人もマジンガーZとグレートマジンガー、それにゲッターロボ達に助けられた経験はあるのか?」

 

「やぶから棒ねアクセルも。

 そんなの私達の世代では当たり前でしょ。

 ほんの12、3年前の出来事なんだから」

 

「そうだな。

 そしてマジンガーZ、グレートマジンガー、ゲッターロボ…(くろがね)の城と偉大な勇者と竜の戦士、我々は皆彼等の背中から生きる勇気と希望を与えられながら護られた、その事を今でも鮮明に思い出せる」

 

「だよなぁ!!

 だからさ、俺もああ言う戦士になりたいって思ったんだな〜これが!

 そう…マジンガーZの様に無骨で、だけどその大きな背中に希望と勇気を乗せて、グレートマジンガーの様に洗練された戦士ととして敵を倒しながら護るべき物を護り、ゲッターロボの様に荒々しくもどんな敵にも立ち向かう不屈の魂を持つ………そんな戦士になりたいって、ガキの頃から夢見てたのさ〜、これが」

 

「………」

 

 そんなある日アクセルはマジンガーZ達に助けられた過去を振り返りながら目指したいと思った己の理想の兵士像を語り、その人には確かな熱と憧れ、そしてこの特別訓練メニューを熟してやると言う気概が見られたのだった。

 レモンはそんなアクセルを不思議に想い………興味深い人から目が離せない人にランクアップしていたのだった。

 そんな中、ふとヴィンデルもアクセルに釣られて語り始めた…自身の密かに秘めた野心を。

 

 

「私は…私は平和は嫌いだ。

 平和は人を堕落させ、人類の歩みを止めさせる。

 事実過去の世界政府はミケーネ帝国と百鬼帝国との最終決戦後、そしてDC戦争の後は即座に軍縮を始め、マジンガーZとゲッターロボをDC戦争に参列しなかったとして接収しようとした。

 結果、地球は異星人共に3年も支配され続け…カーウァイ総隊長やまた戦場に立つ事になってしまったコウジ司令やゲッターチームに尻拭いをさせてしまったのだ!

 だからもしも…あのまま争いが日常化していて、平和などという毒に人は踊らされてなければ、異星人の支配を受けなかった筈だと私は信じてる!

 …だから私が目指す物はただ1つ…永遠の闘争、コントロールされた戦争が日常的に続き、技術の進化や新兵の劇的な育成が常態化する事だ。

 これだけは…マジンガーZとゲッターロボ達に尻拭いをさせた連中にも違うなどとは言わせない…それが私の理想だ」

 

 ヴィンデルは永遠の闘争と言う恐ろしい野心を語り、アクセルもレモンもヴィンデルがそれを本気で語っていると感じ取り、その背筋を凍らせてしまう…が、それでもアクセルは持ち前の陽気さを発揮し、ヴィンデルの肩を掴みながら語り合いを始めた。

 

「ならさ、ヴィンデルの理想が正しいと認められたならソイツを親友として手伝ってやっても良いぜ!

 だがそれが間違っているって言うなら親友として止めてやるからよ!」

 

「アクセル…ならば、お前個人の考えを聞かせて貰おうか。

 正しいか、正しくないかそれを抜きにして、な」

 

「………そうだな〜………戦いに他人を巻き込み、殺し合う事でしかその価値を見出せない…その後に何が残るのかねぇ?

 俺は…生まれる物と失われる物…それは等価値なんかじゃないって思っている。

 だから本質的に言えば…ヴィンデル、お前が言う永遠の闘争って奴が正しい在り方だって証明されたくないな〜って感じてるんだよな、これが」

 

「………アクセル………」

 

 そんなヴィンデルの理想に対してアクセルはアクセルなりの正義の魂の在り方でヴィンデルの理想は本質的には反対的な立場を示した。

 レモンはこの親友の頼みなら聞く、しかし間違っているなら必ず止めてやると言うアクセルの友人想いの姿を見て…ほんの少し、胸がキュンと来る物があったのだった。

 対するヴィンデルもアクセルならばそう言うだろうとして少し残念そうだが、それでも笑顔を向けながら肩を組み合い、それから立ち上がってアクセルがまた先頭を立ち特別訓練メニューを再開させたのだった。

 

 

 

 

 

 そして、遂に2週間後、この特別メニューを課してから初めて3人同時にカリキュラム修了認定を貰い、アクセルも一皮剥けた男前の顔付きになった…気がするが、中身が全然変わってないのでトントンであった。

 そんな息も絶え絶えな3人の前に…何とコウジ司令が直々に現れ、笑顔を向けて特別訓練メニュー修了を歓迎していたのだった!!

 

「コ、コウジ司令…!!」

 

「アクセル・アルマー中尉、レモン・ブロウニング中尉、ヴィンデル・マウザー大尉、特別訓練メニューの修了を見させて貰ったよ、お疲れ様。

 これより3人の階級は一気に少佐、及び中佐に上がるのでその分地球を護る為に貢献して欲しい、頼んだぞ3人共!」

 

『了解!!』

 

「よし、じゃあこの後はそれぞれ個人面談をしてからそれぞれ配属される先に案内するから、先ずはヴィンデル、君から面談させて貰うぜ」

 

「はっ!!」

 

 そしてコウジ司令との個人面談が始まり、先ずはヴィンデルから個人面談が開始され………それから翌日にアクセルとレモンはヴィンデルと再会したが、其処でヴィンデルはビアン博士が遺した言葉である『やがて来る脅威に立ち向かうのはお前達の若い力だ、平和を求めるのは良い、だがそれに溺れてはならん。

 守るべきものがあるなら、それを守るだけの勇気と力を持ち続けるのだ』と言う物と、アクセルが語った様に『生まれ来る物と失われる物が等価値であってはいけない、俺達は平和を勝ち取る為に勇気を振り絞って戦うんだ』と語られた後、『平和は毒なんかじゃない、戦士達が心を癒す為に必要な時間であり、新たな戦いに備えて牙を研ぐ為の時間でもあるんだ。

 だから平和な日常がある事は素晴らしい事なんだ』と説得されたらしく、思い切り凹んでしまったのだった。

 

 

 

 

 

「ではこれより礼儀作法と座学の時間を始めますが、準備はよろしくて?」

 

「はい!!

 そしてマナミ少佐、アイシャ少佐………座学の授業頑張ってねえん!」

 

「忌憚無く申し上げるならば、気持ち悪いですわね」

 

「ええ、本気で消えて下さらないかしら?」

 

「ひっでぇな2人共!!」

 

 更にそれから3か月の間にはレモンが居る場面ではこの様に礼儀作法や座学の時間で『マナミ・ハミル』少佐や『アイシャ・リッジモンド』少佐に本気で気持ち悪がられる事を口にして、レモンも少しだけ気持ち悪いと思ったり…。

 

「あの、アーク、あたし…」

 

「レラ…」

 

「其処だアーク少佐、ズッキューンと一発キスしてやれ!!」

 

「…アクセル・アルマー!!

 あんたの所為で空気がぶち壊しよ!!【バシィン!!!】」

 

「あがっ…!!」

 

『アークライト・ブルー』少佐と『レラ』大尉がキスしそうな場面を静かに見守ろうとしたのにアクセルが何故か出歯亀してアークを応援し、その所為でレラに引っ叩かれたり…。

 

「よぉセレイン、今日も夜明けのコーヒーでも飲むかい?」

 

「おっとぉ!?

 リッシュ中佐とセレイン少佐はそんな関係なのでありまするか!?

 なら俺も全力で応援しちゃうんだな〜これが!!」

 

「ほう…そうか、ならばこれでお前達を撃ち抜けば今日の夜から少しは静かになるかな…?」

 

「って、待て待て待てセレイン!!

 安全装置を外した銃を俺達に向けるな!!」

 

「やっべぇぇぇぇぇ!!!

 これは逃げるがビクトリーって奴かなこいつは〜!!?」

 

 更には『セレイン・メネス』少佐を『リッシュ・グリスウェル』中佐と共に誂った挙句銃(セーフティ解除済) を向けられ、2人して本気と書いてマジで逃げ回り、結局取っ捕まりアクセルはくの字に折られる様に腹を蹴られ、リッシュはボコボコにされた挙句首根っこを掴まれて引き摺られて行ったのだった。

 それもこれもレモンの前でやらかしてるので………レモンは自然と理解してしてしまった。

 アクセルは人と避けがちな自分をちゃんと人と接せられる様にする為に、人と接するのはどうするのかと見本を見せてくれているのだと。

 そして…本当の意味で笑わない自身を笑わせようと、本気で行動していた事も、理解したのだった。

 

「…う、ふふ、うふふふふ…本当、アクセルって面白い人よ…うふふふふ…」

 

 そうして………アクセルが何度も何度もレモンの心の壁を叩いた結果、その壁は崩れ去り………レモン・ブロウニングは初めて『人』となり、真の意味で笑顔をアクセルに向け始め、其処から他の皆にも『人』として確立した彼女の一面を見せる事になったのだった。

 此処まで来るのに3か月、しかしレモンとアクセルにとっては濃密で………そして、かけ難い3か月であったのだった。

 

 

 

 

 

 

 だが、それも直ぐに終わってしまった。

 コウジ・カブト司令の自殺………それによりシャドウミラー所か地球全体が一時混乱に陥ったのだった。

 そしてその国葬を超えた星葬にて、アクセルとレモン、ヴィンデルは最前列に近い場所で左手で敬礼し、コウジ司令を見送るのだった。

 

「…お父さん…」

 

「えっ…あ、君は…」

 

「皆さんごめんなさい、リサがお父さんから離れたくないって我儘を言ってしまい霊柩車を足で追い掛けてしまって…」

 

「貴女は…サヤカ・カブト夫人。

 と言う事は、この子は…」

 

「はい、リサ・カブト…主人との間に生まれた、愛おしい娘です」

 

 その星葬にて、アクセル達3人はリサ・カブトと出会い…彼女を霊柩車に追い付かせる為にアクセルが肩車をして追い掛けると言う本来は許されぬ奇行を、娘であるリサの頼みと言う大義名分の下に果たし終え、火葬後にその遺骨の入った骨箱を…コウジ司令の遺言通りにルストハリケーン用の強酸が濃縮して注入される墓に押し込まれ…コウジ司令の居た痕跡は娘のリサや妻サヤカ、そして複数の写真や研究成果を遺して全て消えたのだった。

 

「…コウジ司令…」

 

『レモン、君は人造人間『Wシリーズ』を作ろうとしてると個人面談で答えてくれたね?

 この手紙に付録されてる技術的な問題点の数々はこれでクリア出来る筈だ。

 ………今が赤ちゃんを作れない身体だって事も知っている、Wシリーズはそんな君が子供が欲しいから作ろうと思った事も知っている、だから…その夢は諦めずに叶えるんだ。

 だって君の隣には、君を支えるアクセルが居るんだから。byコウジ・カブト』

 

 レモンはアクセル、ヴィンデルそれぞれにコウジ司令が遺した手紙を3人で共に読んでおり、自身の身体の問題も…自身の赤ちゃんが欲しいと言う願いも、それを叶える物をコウジ司令がその技術を結集し作り上げていた。

 これさえあればW00…アクセルとレモンの子供、体外受精で育て上げられる物…人工子宮機が出来上がる。

 更に他のWシリーズの問題点もクリアし、後は彼等がシンギュラリティに到達出来るまで母として見守るだけだった。

 

『ヴィンデル、何度も言うけど平和を勝ち取ろうとする心は別に大丈夫、問題無いんだ。

 ただ、平和に縋り付いて思考を止めてしまうのが駄目なだけなんだ。

 それさえちゃんと理解出来れば…永遠の闘争がどんな問題を抱えてしまっているのか見えて来る筈だ。

 だから、君は君の思うまた違う平和への理想を胸に抱いて、地球を狙う敵と戦うんだ。

 君の友達と一緒…。byコウジ・カブト』

 

「…コウジ司令、戦争で技術が発展すると言うのもある意味では正しく…そして間違ってる事までは分かりました。

 残りは、時間を掛けて考えて行きます…」

 

 次にヴィンデルはコウジ司令に矢張り永遠の闘争は止めて置く様にと言う釘を刺す手紙が遺されたのだった。

 だがヴィンデルはコウジ司令の説得等も相まって、漸くスタート地点に立つ事に成功していた。

 残りは時間が解決するだろうと言うのは誰もが見てもそう答えられるまでに至っていたのだった。

 

『アクセル、君のその正義感や熱い心、そして生まれて来る物と失われる物が等価値であってはいけないと言う考えを捨てずに立派な大人になってくれ。

 そして、皆を支える柱になるんだ…ヴィンデルにもレモンにも、君が必要なんだ。

 だからアクセル…これからも頑張るんだぞ。byコウジ・カブト』

 

「…う、うう…コウジ…司令…くぅぅ………!!」

 

 そして…アクセルに遺された手紙はこれから大人になるアクセルに向けてのエールであり、レモンとヴィンデルを支えられる男になる様に頑張ってくれと言う純粋な応援の言葉が綴られた物だった。

 その手紙の内容にアクセルは啜り泣き、手紙を彼の手の様に扱いながら縋り付く様に涙を流したのだった。

 他にもマーチウィンド時代の仲間達や、サヤカとリサにもそれぞれ手紙が遺され………皆がコウジ・カブトの死を受け入れ、涙を流したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 だがその1年後の新西暦184年、スペースビーストが突如として現れ、その対処に連邦軍が追われて居る所にエルピス事件が発生。

 エルザムやカトライア、マイヤーやレオナ達ブランシュタイン、ガーシュタイン家を含むコロニー全域の住民は毒ガスで全て死亡し………犠牲者の中には、風邪でアクセルとレモンの所に残したリサを見送った後、エルピスに旅行へ行ったサヤカ・カブトの名前も含まれていたのだった。

 そして…更に新西暦185年にデューク・フリードやミスト・レックス達少数の異星人が亡命して来たり、ベガ星連合軍が侵攻を仕掛けて来たり…そして、マジンガーZの封印がDr.ヘルの怨念により解かれ、マジンガーZERO:HELLモードとして大暴れする事になり、地球圏はコウジ司令の死後に混乱へと陥るのであった………。




此処までの閲覧ありがとうございました!
はい、アムロとシャアはハロになりながらもνガンダムとサザビーが『向こう側』に今ギャンランドにて保管されてます。
勿論プロジェクトEFで『こちら側』に持って来る予定ですので、勝手に消えたりはしませんよ。
そしてアクセルもといアホセルのレモンの心を開こうとする行動の回想も描きつつ、アクセル隊長が何でエンドレスフロンティアで通用する身体能力を持つのか理由付けする特別訓練メニューを書きました。
こうでもすれば嫌でもあんな身体能力や生身で青龍麟を撃てたりしますよね?
後、レモンは射撃に秀でてヴィンデルは総合能力と成長ツリーにも違いがあります。
ついでにカイドウとマガミもこのメニューを受けてる…とだけ。
そして、『向こう側』のサヤカはエルピス事件に巻き込まれて死亡し、リサは風邪を引いたのでアクセル達に預けられたので偶然助かった形になります。
つまりアーチボルト絶許案件、だけど『向こう側』のアーチボルトはエルピス事件後、とあるスペースビーストに喰われてます。
そんな裏話を後書きに書いていますが………それは勿論、これだけでは終わらないって意味を持つ事は…言わずとも分かりますね?

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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