スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第4話の前編を投稿致します。
久々に前後編になりましたが………理由は前回以上に一纏めにすると長くなり過ぎて読者の皆様も疲れると思い、前後編に分けました。
さて、今回はか〜な〜り原作のOG2と違う点が多々出て来ますので其処に注目して下さいませ。
では、本編へどうぞ!


第4話『星への翼/宇宙の王者(前編)』

「プラチナム1よりアサルト、ストレイジ、ヴァルホーク、マジンガー各機へ。

 搬入作業開始までその場で待機せよ」

 

「了解!」

 

「此処でも親父みたいに機体で搬入作業やらせるんか〜い!」

 

「そりゃ効率が良いし、俺達の機体の精密動作に活用出来るから良いだろカズマ?」

 

「うへぇ…トレイラー心得『何事も修行と思え、生きてる内は修行の連続と忘れるな』が此処でも活用されるのか〜…」

 

 シロガネがラングレー基地へ帰還後、今度の任務は長期化が予測されたとの事で『優秀で寛大な』ケネスに可能な限りの物資をラングレーからシロガネに搬入させて欲しいとリーとヘビクラが頼み込むと、優秀で寛大に釣られてホイホイとどれ程の量を持って行くかと少し見てからラングレーが基地として維持出来る程度ならば良いかと考え判を押し、キョウスケ達に搬入作業を手伝わせていた所であった。

 

「所でブリット、クスハとは別れのキス位はしたのか?

 日本じゃ滅多に無いけど、こっちじゃほっぺに軽くってのをやる文化が全然あるんだろ?」

 

「キ、キキキキキキキキキキキスゥ!!?

 コ、コウジ何言ってるんだよ!?

 クスハとはテスラ研に戻って参式の調整作業の手伝いをするとか、俺達が遭遇したシシオウブレードを持ってたガーリオンをリシュウ先生に伝えて欲しいって事位しか話してないぞ!!」

 

「ありゃりゃ〜…ブリット君、クスハちゃんも女の子なんだから、また今度デートしよう位は約束しようよ〜」

 

「うっ…!」

 

「………ブリットはあのクスハって美人さんと恋人関係、なのに俺には居ない………なんだろう、目から汗が出て来るなぁ〜」

 

「カズマ〜、何時かお前にも彼女位出来るからもっと大きな男になれ!

 そしたらよりどりみどりだぜ!

 ま、どんだけ大きいかと言うとブレス艦長程にな」

 

「トホホ………」

 

 その間にオープン回線でクスハと一時の別れのキスをしたかの話をコウジから振り、ブリットとカズマがダメージを負い、エクセレンがブリットに、ヘビクラがカズマにフォローを入れる光景がシロガネとヴァルストークの目の前で行われていた。

 それにはケネスは真面目にやらない愚か者共と思い、リーやブレス達、更にシロガネのオペレーター、更にミツコ達は………思わず笑ってしまい、仲が良き事だと思うのであった。

 すると、シロガネのブリッジにラウルがやって来たのだった。

 

「あの、リー艦長。

 俺とラミアさんは手伝わなくて良かったんですか?」

 

「ああ、ラングレー基地の勝手を知るのはギリギリカズマ君達だ。

 諸君はまだ何処に何があるかを2割も把握してないので、効率良く搬入するならこうすると言う形になる訳だ。

 …それで、妹のフィオナ氏の容体はどうだったかい?」

 

「命に別状がないレベルまでは回復しましたが…矢張り意識が戻らないとの事なので…。

 なので、エクサランスのフィオナ機は整備を整えるのをやり続けながらフィオナが目を覚ます時を待って、その間は俺がフィオナの分まで頑張ります」

 

「…そうか。

 ならば無理せず頑張りたまえ。

 せっかく目を覚ましたフィオナ氏がボロボロの兄を見たらまた気絶しかねないからね」

 

「…はい」

 

 ラウルやラミアにラングレーからシロガネへの搬入を任せなかった理由をそれらしく整えてから、フィオナの容体を気に掛けたリーは北京で民間人と共に家族が死にかけたあの時を思い出し、あの時の様な奇跡的な事がフィオナの身にもあったのだと思いながらラウルを気遣い、元気付けたのであった。

 この世界のリーは他人を思い遣る余裕もしっかりある将校なので上司にしたい人としてはランクが高い方なのである。

 なお低い方にはケネスがブッチギリで最下位争いをしている事は本人には内緒である。

 そんな中、クスハが乗るレイディバードが離陸準備に入ったのでコウジ達はプライベート回線に切り替えて話し始めた。

 

「…そう言えばクスハにも伝わってるよな、連邦議会の件」

 

「ああ…テスラ研に戻る時の話でその話題が上がったよ。

 だから早く参式の調整作業を終わらせて、鋼龍戦隊として俺達に合流したいって話してた」

 

「あらあら〜、クスハちゃんは本当に良い子ね〜。

 んじゃ、そんなクスハちゃんの為に手を振っちゃいましょうか、ヴァイスちゃんで!」

 

『…ふふ、エクセレンは矢張り面白い事を言うな、コウジ』

 

「ふふふ、まさか人型兵器で手を振ったりするなんてクスハも思わないだろうな〜」

 

「…えっ、これマジでやる流れなのか?

 発信信号を送るで済ませちゃダメなのですか?!」

 

「…ブリット、コウジ達に揶揄われてる事に気付け。

 俺やクレナイ少佐、ヘビクラ中佐は信号を送る。

 お前は…好きにしろ」

 

「って、ええええええ!?」

 

 そうしてブリットは皆に弄られ続けながら、マジンガーZやヴァイスリッターはクスハの乗るレイディバードに手を振り、キョウスケやブリット、ヘビクラ達は発信信号で『また会おう』と信号を送ると、クスハは皆に笑みを浮かべつつ………あの緊急連絡の内容を思い出し、少し目を閉じ、皆に向けて決意の目を向けて始めたのだった。

 

「(連邦議会が乗っ取られ掛けている………それを取り戻す時には必ず私達の力も必要になる。

 だからその時は………必ず………!)」

 

 そうしてレイディバードは離陸して行き、皆がそれを見送った後、シロガネに搬入物資のコンテナを載せて行き………シロガネもまた、ラングレー基地を発つ為の準備を整えていくのだった………!

 

 

 

 

 

───シロガネ・オースティン───

 

 

 

 

 

 

「(PTX-003C、アルトアイゼン。

 PTX-007-03C、ヴァイスリッター…形状にパーソナルカラー、型式番号、名称が私のデータと異なっている。

 そして、ヒュッケバインMk-II…『こちら側』では量産化され、リオンも連邦軍の主力機の1つに…。

 矢張りDC戦争が起きた時代が異なるだけでこうも食い違うらしい。

 しかもカブト家の光子力リアクターと超合金NZ(ニューゼット)メッキ…『向こう側』には存在しなかった技術…恐らくコウジ司令だけでは実現出来ないとして、ソウルゲイン等に残した『アレ』やカイザーSKLを代わりに造ったのだろう。

 そして魔神パワーに目覚めつつもなおもマジンガーZEROになっていないマジンガーZ………グレートマジンガーと共に戦い抜いたと言うだけでも奇跡的と言う他あるまいな。

 だが、ヴァルホークやヴァルストークのデータが存在しないのも気になるが………矢張り中でも気になるのはあの女…エクセレン・ブロウニング、ただの偶然だと思いたいが…)

 

 ラミアはシロガネがオースティンを航行中に格納庫にて各機達を見つめ続け、様々な考えを考察し、『向こう側』には無くて『こちら側』に存在した技術やリオン系統の主力化、ヒュッケバインMk-IIの量産化等とかなり歴史が食い違うとして入念にその頭の中にデータを詰め込むが………矢張りエクセレンがレモンと同じ姓と言う事に気になり、そちらを考え始めてみた………所にキョウスケ、コウジが訪れたのだった。

 

「…俺達の機体に興味があるのか?」

 

「キョウスケ中尉、コウジ・カブト氏。

 私もパイロットの端くれでございましてからに、他の機体には興味ありますのでございましますの。

 自社の機体なら兎も角、軍用のカスタム機や民間協力者が造り上げたロボット、早々お目に掛かっちゃえませんのでして(…どうしょうもないな、この口調は。

 それに…データ通りにコウジ司令と呼んでしまいそうになった、何とか『し』で止められて助かった)」

 

「カスタム機やマジンガーの様な存在が珍しい、と言うことか。

 それはアンジュルグも同じだがな」

 

「どう言う事でございますのでしょうか?」

 

「幾らグルンガスト弐式の量産化ライセンスを獲得してても、イスルギの機体とは俺も思えなくてね。

 駆動系やモーターも大分違うし、何処の技術を使ってるのか、カブトの人間としても気になってね」

 

「何処も何も、イスルギ重工の技術に決まっちゃっているのでしょうですが…」

 

「分かった、アンジュルグの件は良い。

 だが、お前の操縦技術、身の熟し…民間のパイロットにして少々出来過ぎている気がしてな。

 似ている者を挙げれば…特殊戦技教導隊のパイロット、更にその内の1人に手解きを受けたコウジに近い」

 

「それは私も常々疑問に思ってはいたのでございますのてすが…」

 

「上から言われた訓練を受けただけって事かな?」

 

「ええ」

 

「何食わぬ顔をしながら水面下で事を運ぶ…少々良い思い出が無くてな」

 

「中尉、コウジ氏、はっきり仰られちゃって下さい」

 

「いや、気にしなくていいさ。

 ただ、ラミアのスポンサーがイスルギだけじゃないって考えてただけさ」

 

「(2人して仕掛けて来たか、さて…)」

 

「(乗ってくるか?

 何らかのカードを切って来る筈だが…)」

 

 コウジの事をコウジ司令と呼びそうになって内心冷や汗を掻いたラミアに対し、コウジとキョウスケが今回探りを入れ機体の構造、技術面やパイロットの腕の良さの『出来過ぎ感』を指摘し、ラミアはのらりくらりと躱そうとして来た所でコウジが上手く仕掛け、此処から2人はどんな切り返しをラミアが取るのか、ラミアもまた切り返すパターンを導き出そうとした………が、其処にシロガネに搭乗する一般兵が訪れ、空気が崩れ去ってしまった。

 

「キョウスケ中尉、此処に居らっしゃいましたか」

 

「どうした?」

 

「艦長からの命令です、ATXチームとストレイジ、コウジ氏はメインブリッジに集合せよとの事です」

 

「了解した。

 行くぞ、コウジ、ラミア」

 

「分かりました。

 それから、私の言ったことは全て真実なのでございましょうから、悪しからず」

 

 

「…そう言う事にしておこう」

 

「はい(『こちら側』でも『向こう側』でも…注意すべきはこの男、そしてコウジ・カブトのロボットへの多種多様な知識か…動き辛くならんと良いがな…だが、この2人は今の所レモン様やヴィンデル様達が仰る『未来を担う戦力』でもある…ケネス・ギャレットとちがってな。

 このままベーオウルフやマジンガーZEROへの兆候が無ければ良いがな…)」

 

 ラミアは運に助けられ、コウジ達の後ろに付いて行きながらラミアに与えられた任務…『キョウスケ・ナンブとコウジ・カブトの監視、及び未来を担う戦力か否かの見極めをしつつ、シャドウミラーが受け入れられ易くせよ』と言う連邦軍側での任務を思い出しながら、余りに無能過ぎる上に変に階級が高いケネスと違い、キョウスケ達ATXチームとストレイジ、コウジやカズマは素直過ぎたり巫山戯てる部分は多少あれど、マジンガーZEROとベーオウルフ打倒に必要な『兵士』であると思いながら、その足を動かすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 ブリッジに集まると、リーが各機のデータを纏めた書類等やパイロットの技術面を纏めたデータをモニターに映しながら編成に関する事に言及し始めていた。

 何事も編成は重要であり、此処を怠れば部隊の生存率は落ちるからである。

 

「先ず基本的な前衛はATXチームとマジンガーZ、更に機体によってはストレイジも務め、キングジョーSCは怪獣やスペースビースト以外では余り前に出ず固定砲台とし、エクサランスはラウル君の判断で必要なフレームを換装し、前衛や後衛への対応をして欲しい。

 ヴァルホークとヴァルストークもエクサランスもアンジュルグも…DC残党相手にはコックピットを撃ち抜きたくないだろうから、行動不能程度に留めさせる事も視野に入れるが…」

 

「いや、俺も積極的に前に出るぜ。

 命を大事に扱わない…今のDC残党は俺達の『敵』なんだ。

 だから………引き金を引く覚悟は出来てるぜ」

 

「俺もです、気にしないで下さい」

 

「私も全然気にしないで貰わなくても構わなかったりしちゃうのでございますのことです」

 

「…そうか。

 ではヴァルホークもATXチームと共に前衛を務めて欲しい。

 無論、全員身の危険を感じれば自身の生存を第一として他の仲間にスイッチし、後退も視野に入れてくれ、頼んだぞ」

 

「(あらあら、態々自分の命第一にっとか、カズマ君達の心配をしちゃうのね、リー艦長。

 尤も、前衛・突撃は何時ものことだけど)」

 

 リーの民間パイロット、特に前大戦を経験済みのコウジ以外の面子にDC残党のコックピットを撃ちたくなければ前に出なくて良いと言うニュアンスの言葉を投げ掛けるが、全員覚悟は決めてるとして、そのまま部隊へと編成されるのであった。

 エクセレンがそんなリーに良い感触を持っていると、オペレーターからの報告が飛んで来た。

 

「艦長、サイト24から報告が。

 ポイントYT887で、DC残党らしき機影がキャッチされたそうです」

 

「…近いな…もしや、ヒューストン基地を目指しているのか」

 

「その可能性は高いと思われます」

 

「艦長、自分達もヒューストンへ?」

 

「…我々の任務はメキシコ高原へ潜伏してるDC残党が主任務である」

 

「何故です!?

 艦長はヒューストン基地を見捨てるおつもりですか!?」

 

「(おいおいブリット…其処は押さえようぜ、やり方なら幾らでもあるんだからな)」

 

 リーは先ず自身達の主任務はメキシコ高原のDC残党の討伐が主任務と口にした瞬間、ブリットが噛みついてしまいエクセレンやコウジは表情には出さないがブリットはまだまだ青いと思い、助け舟を幾らか出そうかと考えて居た所であった。

 なお、ブリットが噛み付かなければカズマが噛み付いていたので民間協力者と軍人、何方かが噛み付いたとではかなり対応に差が出てしまうので危ない所であった。

 シロガネのモニターに映るブレスもそんなカズマを見て下手すればその場で修正所では済まされないと思いながらカズマを見ていたが…リーの返事は意外だった。

 

「…ブルックリン・ラックフィールド少尉。

 話は最後まで聞きたまえ、上官の会話に割り込むなと言う基本的な教育は済ませているのだろう?

 後は、上官の命令は基本的に絶対服従もあるが………此処では関係無いので脇に捨てておく」

 

「!?」

 

「(何…?)」

 

「確かに我々の任務はメキシコ高原へ向かい、時間と物資のロスを少なくする事も必要だが…もしもヒューストン基地に向かう者達がメキシコ高原に潜伏してるDC残党本隊と合流する為に、何らかの意図を持って当基地を目指しているとすれば…我々シロガネ部隊はそれを阻止する為に動く必要性が迫られる。

 確かに個々に与えられた命令に従い、定められた任務を効率良く遂行する事は軍人に必要な物ではあるが…部隊の流れや様々な角度からの情報の精査をしなければ、他の味方が危機に晒される可能性が生まれる。

 よって…実績や戦果による地位確立など四の次にでも捨てておき、直ぐにでもヒューストン基地へ向かっていると思われるDC残党部隊の目的の手早い考察が必要になる。

 なので………話は最後まで聞く様に、分かったかねブルックリン少尉?」

 

「あ…す、すみませんでした!!」

 

「(………この男、臨機応変に対応を変えると言うのか?

 我々兵士に求められるのは任務の完遂の筈だ…まさか、ヒューストン基地へ向かう事も任務の完遂に繋がると言う自信があるとでも言うのか、リー・リンジュン中佐には?)

 

 何とリーは頭が堅物で、割と融通が利かないのが鉄則な軍人の中で何故か臨機応変な対応を行おうとし、更にヒューストン基地のデータをオペレーターにアイコンタクトし入手させながらブリットに上官の話は最後まで聞く様にと注意するに留め、入手したデータによる精査をブレスとも共有し、そしてブレスから口を開くのだった。

 

『これは…もしやヒューストン基地で行われている『プロジェクト77(ダブルセブン)』の試作機や配備されてる正式量産型のヒュッケバインMk-IIやまだ改装が済んでいないゲシュペンストMk-II、それ等の中で試作機達を強奪してメキシコ高原の部隊、或いは他の潜伏先のDC残党に引き渡すつもりなのか、機体そのものや超合金NZ(ニューゼット)メッキ、光子力リアクター入手の為に?

 確か今北米で量産型ヒュッケバインMk-IIが配備され始めた基地は4つ、中でも手薄なのがヒューストン基地だったな…俺達ファミリーの情報収集担当の『ガレント・カベリナリオ』の集めた情報から聞いたので間違い無い筈だ』

 

「うむ…『鬼の腕』と呼ばれる情報屋が集めたデータが言うなら可能性が高いが…コウジ君、この半年でPTやAM等のTC-OSに仕掛けたネットワームはどんな物だね?」

 

「登録されてないパイロットが乗ってOSを起動すれば、たとえ正規パイロットのDコンキーを使おうが全OSのデータが消去されてその機体は新しいOSをダウンロードし直さなきゃ鉄屑になるし、そのダウンロード自体が大幅整備によって漸く出来る代物だから実質動かない鉄屑が幾つか生まれる物です。

 これはジュウゾウ博士達のお墨付きです」

 

「ふむ………しかし………もしや………。

 ………何かあるな、これは。

 よし、本艦はヒューストン基地へ急行する、総員は第1種戦闘配置で乗機で待機、直ぐにでも出撃可能状態に移行したまえ」

 

「りょ、了解!」

 

「(…もしかして、ネットワームを掻い潜る手段でもあると考えたのか、リー艦長は?)」

 

 ブレスが言及したプロジェクト77(ダブルセブン)の試作機や量産型ヒュッケバインMk-II等の奪取の可能性を、リーはネットワームについても考慮しつつも………そのネットワームを突破、或いは無力化する手段が存在するかも知れない、そんな可能性を鑑みてシロガネを第1種戦闘配置で急行させ、パイロット達を乗機に搭乗させたのだった!

 コウジはそのネットワームの突破方法をパイロットスーツに着替えながら行い………そして、幾つかのパターンが浮かぶが、そのどれもが現実的ではないとも考えたが………それでもやれる可能性が極めて低いが『ある』と判断し、マジンガーZを起動させてカタパルトへ待機するのだった…!

 

 

 

 

 

 

───地球連邦軍ヒューストン基地───

 

 

 

 

 

 一方ヒューストン基地のオフィスでは出張中…と偽ってヴァルストークの中に居るミツコがプロジェクト77(ダブルセブン)のプロジェクトリーダーの『フィリオ・プレスティ』と通信を行なっていた。

 内容もプロジェクトの進捗具合を確かめる事だった

 

『…プロジェクトは順調に進行している様ですね』

 

「はい、本日1500、このヒューストン基地にてプロジェクト77(ダブルセブン)・コードβプロト、『カリオン』でテストを行います」

 

『うふふ、結果が楽しみですこと。

 特にカリオンの武装と機動性がどれだけの力を発揮出来るか、出来ればこの目で確かめたい所ですわ。

 あ、記録映像も送って下さいましね。

 画像はSSSモード、音質はRS5モードで。

 後々、商品化するつもりですの』

 

 そしてミツコは今ヒューストンに向かっているヴァルストークに居る事を気取られない様に録画をする様にとフィリオに頼むと、そのフィリオは苦い顔をしていた。

 …プロジェクト77(ダブルセブン)は本来はその完成形で無限に続く星の海を旅する為の翼となる物だった。

 それに武装を積む事は…フィリオの理想に反していたのだ。

 その成果を利用し、外宇宙への侵略兵器の開発助力をしていると感じてしまっているのだから。

 すると、ミツコは少し溜め息を吐きながらフィリオと会話を始めた。

 

『フィリオさん、貴方は元DCであり………ビアン博士の側に居て、そしてジャグラスジャグラーの警告も耳にしている筈です。

『地球人類は自立しなければマトモな交渉すらも出来ない』、その為にDCが結成され、リオンシリーズやテスラ・ドライブの小型化まで行われた………貴方はそれに関わった、地球人類の自立を願い、自身の理想を曲げてまで。

 だからこそカリオンにも…『プロトα』や完成形にも武装が必要なのです、自衛の為に。

 だからフィリオさん、貴方が心を痛める必要はありませんのですわ。

 何故なら…星の翼の完成・理想形とその技術は侵略には使わせない、それが貴方との約束ですし………そんな侵略に使う真似をすれば、ウルトラマン達に我々は見限られてしまいますからね』

 

「…ミツコ社長…」

 

『だから今は理想を叶える為に武器を手に取る事を我慢する時なのです………地球人類は未だに自立出来ていない、それはウルトラマンや仮面ライダー達が地球人類を守り続けている事から間違い無いのですから』

 

 ミツコはフィリオがリオンやテスラ・ドライブの小型化に関わった事実を口にしながらビアンの理想やジャグラーの念入りな警告をフィリオに思い出せつつ、星の翼の最終完成形とその技術を侵略に使う事は許されないと兵器を作るミツコ自身が口にする事でフィリオからの好感度を稼いでいた。

 この世界のミツコはジャグラーの念入りな警告もそうだが………あの光の巨人や仮面の戦士達、人知を超えた力を持ちながらも人の心を理解して共に寄り添い、地球人類が自立出来る時までは身を削るだろうウルトラマンや仮面ライダー達に見限られない様にしようと言う考えを持っているのだ。

 よって未来の話になるがプロトβのデータを元に完全戦闘型の機体を作る事になるのだが………それでも、αとβ、そして『Ω』の技術を最後まで戦闘型の機体に利用する事は無かった。

 それがフィリオとの約束だったのかは分からないが………この世界では、恐らく渋々完全戦闘型の機体をミツコは作るが、裏でその破壊と星の翼の完成をフィリオ並に夢見ているだろう。

 何故なら此処まで飛べれば…ウルトラマンや仮面ライダー達に認めて貰える領域のスタート地点に漸く立てるのだから。

 確かにこの世界のミツコは人類を基本的には信じていない、だがウルトラマンが信じる限界を超えて挑戦し、夢を掴もうとする人間の可能性には賭けているのだ。

 

『では、録画の件はお願い致しますね』

 

「…分かりました」

 

 そうして通信が終わると、フィリオはビアンの下でリオンシリーズの完成を共に成し遂げてしまった事や、テスラ・ドライブの小型化に実現させた己の過去の罪を振り返るが………これでもウルトラマン達が地球人類を見限らなかったのは、それが必要な力だったと言う証明になってしまっていたのだった。

 故に………この世界のフィリオもまた、夢を追い掛ける者であるがその想いは並々ならないのだ。

 ………自身の、まだプロジェクトの仲間達や妹にすら話せていない不治の病の件も併せて、星の海を羽ばたく翼の完成を夢に見ているのだ。

 その為にも………ミツコも語った今は地球圏の自立の時に至る為に………シリーズ77(ダブルセブン)への武装搭載も心苦しいが受け入れ、そして必ず理想の未来を掴む為の準備を整えさせると思っていたのだった。

 そんなオフィスに、2人の人物が入って来る。

 

「少佐、テストの準備が完了しました」

 

「ありがとう、『タカクラ』チーフ、『ダイスケ』君。

 パイロットの様子と機体の整備は?」

 

「2人のコンディションも良好、機体の整備も十全、何時でもやれる。

 但し『アイビス』は緊張していて心拍に少し乱れ…武者震いがあったから少しアドバイスをしたよ。

 成功する事を目標にするな、ただ速く、ただ高く飛ぶ様にと………彼女の性格等に合ったアドバイスをね」

 

「ふふ…君もアイビスの事を良く見てるね」

 

「『スレイ』の方には自分の力をこのプロジェクトを夢物語と笑うバカ達に見せ付けてやれと焚き付けてやったよ。

 そしたら『当然だ、兄様の夢を嗤う奴等に目に物を見せてやる!』と意気込んでたよ。

 まぁ、僕からそんな事を言わずとも彼女ならそうすると思ったけど、イスルギから来たアドバイザーとしての仕事はしないと、ね」

 

 プロジェクトのチーフであり機体整備担当、及びマネジメントを行う『ツグミ・タカクラ』とイスルギ重工からコロニー出身で宇宙戦闘機乗りの経験値が高いとして外部アドバイザーとして派遣された『ダイスケ・ウモン』は2人のパイロットである『アイビス・ダグラス』とフィリオの妹である『スレイ・プレスティ』にそれぞれの状態を見て報告をし、且つダイスケはアイビスには彼女の性格から成功よりもただ速く、高く飛ぶ事を意識させ、スレイには兄の夢を嘲笑う愚か者達にカリオンと自身の力を見せ付ける様にと言うそれぞれに適したアドバイスを送っていた。

 差異次元では資金源のイスルギの支援もカツカツだったフィリオのプロジェクト77(ダブルセブン)も、この世界ではイスルギ重工がグルンガスト弐式のライセンス獲得等で資金源を確保したので他の差異次元よりも潤沢な支援が施され、更にイスルギ以外にもジュウゾウが面白いと感じて資金提供したのでミツコもその甲斐あって上手く行くと深く読み、新たなリオンの開発にも流用出来る部分を流用する為、お金事情はかなり解決していたのだ。

 オマケにダイスケも派遣された事でアイビスの成績は…スレイと比べて70点の所を今では89点出せられる様にまでなっていた。

 ツグミ1人でやるタスクが多過ぎたのとスレイと比べ過ぎた部分がプロジェクト内(特にツグミやスレイ)にあったのでそれぞれスレイはスレイ、アイビスはアイビスと断言出来る外部のアドバイザーが必要だったのだ。

 その点をダイスケが解決したので、フィリオも彼の事を信頼しているのだ…人としても、『戦士として』も。

 

「…でも、アイビスの技量は上がりつつありますが、それでもツイン・テスラ・ドライブの実験機であるカリオンを扱い切れるかどうか…」

 

「ツグミ君、何度も言うけどスレイはスレイ、アイビスはアイビス、2人は違う人間なんだ。

 同じ成績を求めても、同じやり方を求めても違う物が出るのは当然なんだ。

 だからスレイの様に扱わせるのでは無く…アイビスなりのやり方を見出す事こそが、このプロジェクトの成功の可否を担っていると僕は思っている。

 フィリオ、間違っていたら間違っていると言って欲しい」

 

「いや、君の言う通りダイスケ君。

 ふふ、君が来てくれたお陰でアイビスも順調に飛び立ち始めてる…スレイも刺激されて更に腕を磨いてる。

 良い連鎖を起こせてるよ、ありがとう」

 

「僕はただ、2人にはそれぞれ違うアドバイスをすれば良いと思っただけさ…じゃあ予定通り、テストは2人にやらせるぞ」

 

「(…ダイスケ・ウモンさん。

 私にはまだ少し分からないです、フィリオや貴方が何故アイビスを其処まで買うのか…このテストで、その答えをどうか見せて下さい)」

 

 そして、人間関係にもダイスケがそれぞれスレイとアイビスで対応を変えつつ適切なアドバイスを送った事で、アイビスも差異次元程劣等感に満ちたスレイに劣る存在から少しだけランクアップし、スレイもアイビスにそんな伸び代がある事は知ってたのに何時までも開花しない彼女に苛立っていた物が、差異次元よりも技量が高まる事で少しはやる様になったと認め始め、スレイは自分自身の技量のみを伸ばす事に専念出来る様になっていたのだった。

 そして…それ等が上手く行っている事をツグミはまだ不思議がっており、このダイスケや恋人であり上司のフィリオが何故アイビス・ダグラスと言う平凡な女の子を高く買うのか………それをこのテストで見極めよう、自分もプロジェクトやチームの為に理解出来る様になろうとモニタリングし、其処から徐々にテストの開始時刻が迫るのであった………。




此処までの閲覧ありがとうございました!
リー中佐、ブリット君が噛み付いたシーンで窘める程度で済ませた上でヒューストン基地へシロガネを向かわせるの巻。
家族が犠牲になってない彼なら変に拗れたりしないので、様々な情報角度から精査してヒューストンに向かう連中がメキシコのか、また別のDC残党に合流するからそれを叩こうと判断出来る柔軟さを持つのです。
更にラミアの任務をサラリと開示しつつ、プロジェクト77(ダブルセブン)にイスルギの外部アドバイザーとしてダイスケ・ウモンが参加してます。
原作見てて、序盤のツグミはスレイと比べ過ぎたからのとアイビスもスレイを意識し過ぎたから変に肩に力が張っちゃった+資金カツカツだったからああなってたからそれが無くなればアイビスもギリギリ及第点から及第点を安定して出せる様になるだろうと思いました。
後、本作のミツコは地球人類にそこまで希望は持ってないですけど、自分の限界すら超えて夢を掴み、高みに登ろうとする人間の可能性…ウルトラマン達が信じてる部分を自分も信じてみようかなと思ってるのでプロジェクト77(ダブルセブン)への資金繰りをギリギリにはしてないのです。
ミツコなりにウルトラマンが地球人類を守る理由は何なのかと思い、ある種の答えに辿り着いたのでそのウルトラマンが信じる可能性とやらも興味が湧き、信じてみる形になってたりします。
…最後にダイスケ・ウモンって誰ぞと思う人はもう居ませんよね?
一応彼は『ダイスケ・ウモンとしてはイスルギ重工のスタッフ』と言う事になってます。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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