スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第5話の前編を投稿致します。
いや〜、会話量が多い…OG2になるとキャラが倍位増えるのでそりゃそうなると思いました。
さて、今回は戦闘マップまで突入して少しの戦闘を描き、残りは後半で描きます。
では、本編へどうぞ!!


第5話『蘇る者/貫く者(前編)』

────メキシコ高原───

 

 

 

 

 メキシコ高原に秘匿されたDC基地に於いて、今のDC残党兵達を纏め上げている『バン・バ・チュン』大佐がこの基地まで遠征して来た各所のDC残党部隊を出迎えていた所であった。

 

「同志よ、良くこの様な辺境まで来てくれた」

 

「いえ、ビアン総帥の理念を実現する為ならば、此処までの苦労など…」

 

「私は、新たな秩序を求める諸君等を、聖十字軍の名に於いて歓迎する」

 

「ありがとうございます、バン・バ・チュン大佐」

 

 バンはビアン博士の理念を正しく理解しており、『今の情勢』は危ないと察知し、DC残党各所に我が下へ集えと命じ、そして新たなる拠点となる地に出立する為の足も用意していたのであった。

 

「第1陣の出発はもう直ぐだ。

 私のライノセラスへの機体搬入後、艦内で休息を取れ」

 

「お心遣い、痛み入ります。

 此処ならば、付いて来てくれた部下達にも安眠を与えられます」

 

「うむ、特別に士官用個室を提供する。

 合成食品以外の食事も用意させよう」

 

「何から何まで…噂に違わぬお人柄だ。

 大佐なら、地球を救える気がします」

 

「いや………全てはビアン総帥の理念あっての事だ」

 

「はっ、それでは失礼します!」

 

 そして此処まで来た者達に好待遇の配慮等々をやっているバンは、この会話の中で見極めを行なっていた所であった………彼達の話した凶悪なる存在に渡り合う事が出来る崇高な意思を持ち合わせている兵士達の選定である。

 そんな裏事情を隠しながらも、此処に来た者達の8割は異星人やスペースビースト等の人外の化け物達、凶悪なる存在に渡り合う事が出来る崇高な意思を持つ戦士であると見ており、後はDC残党を『新たなるDC』に再起させ、戦力を纏め上げる段階まで進み始めているのだ。

 

「ビアン総帥の理念などと………貴方も見掛けに寄らず口の上手な方だ」

 

「何か不服でもあるのか、少佐?」

 

「いえいえ。

 部下を労うのは大事な事です。

 我々の食料が残り少ないとは言えね」

 

「………彼等との合流に成功すれば、その様な問題は解決される。

 それより、私は連邦の目を掻い潜り、此処まで辿り着いた同志の労に報いたいのだ」

 

「まあ、エルザム・V・ブランシュタインの料理程では無いにしろ………彼等にとっては久々のまともな食事になるでしょうがね…まぁ、私がこの場に居る限りは彼は此方に参画する事は無いでしょうがね」

 

「(………貴様がエルザム少佐の名を語るか、アーチボルド・グリムズ)」

 

 だが………その2割の中に、このアーチボルドの様な者達が入っているのだ。

 今は業腹ではあるが、彼達との合流や『新たなるDC』の再起に必要な人材になってしまっているのでバンは其処まで表情には出していない………が、アーチボルドとエルザムの因縁を知る者として腹の裏では煮え滾る様な怒りが沸々と沸いていたのであった。

 

「…では、先程の兵達の機体搬入が済み次第、私は出発する。

 後詰めは任せるぞ」

 

「了解しました」

 

「彼等の…アースクレイドルからの迎えは予定通りに来ているのか?」

 

「ええ、8時間後にメキシコ・テピク沖へ到着します。

 無論、彼等に二心が無ければ………の話ですが」

 

「矢張り疑っているのか」

 

「当然でしょう。

 僕たちのスポンサーなら兎も角…何故にプロジェクト・アーク…種の保存計画に携わる彼等が僕達に手を貸すのです?」

 

「それはこれから見極めれば良い。

 だが、強固な外殻を持ったあの巨大地下人工冬眠施設は、我々にとってこの上ない拠点となる」

 

「ま、確かに…使い様によっては、自給自足が可能な地下要塞となりますからね」

 

 そして、アーチボルドがアースクレイドルからの出迎えを疑っている事にバンは腹の裏で嗅覚が鋭いと感心しつつも、必ず迎えに来る前提で動いているのである。

 …何故ならバンは、既に彼等の中で…『影』との接触を果たし、連邦議会の現状も把握しているからである。

 故に今の連邦議会の化けの皮を剥がす為にも、戦力をアースクレイドルに集中する必要があったのだ。

 無論、向こうにも信用してはならない者のリストが回されており、その中にソフィア・ネート博士の名前が無かったのは幸いだったともバンは考えていた。

 

「バン大佐のお考えは分かりました。

 では、僕達は連邦軍の目を引き付ける為、暫く別行動を取ります」

 

「うむ、アースクレイドルで待っているぞ」

 

 そしてアーチボルドの部隊に別行動を任せると、バンは連邦議会、凶悪なる存在、スペースビーストに人外の化け物………それ等を一掃する為の闘志を燃やしながら、メキシコの基地から兵達を引き連れてテピク沖へと向かう準備を進めるのであった…。

 

 

 

「少佐、お茶をお持ち致しました」

 

「おや、もうそんな時間ですか。

 …ふむ…所で、バン大佐のライノセラスは?」

 

「既にこのエリアからの離脱に成功しています」

 

「結構(新たな総帥の器か否か、お手並み拝見と行きましょうか、バン・バ・チュン大佐)」

 

 一方、紅茶の時間になったので紅茶を飲みながらアーチボルドはその嗅覚から自身が試されている…否、下手すれば見限られる事も見抜いているので、バンが新たな総帥の器でなければ…と考えながら、『ローズ』からの補給物資を受け取る用意や次に必要なお宝のリストを確かめるのであった。

 そんな中、監視網を見張っていたDC残党兵が第1警戒網を通過した事を確認し、アーチボルドへ報告していた。

 

「シロガネ、第1警戒網を高度700で通過。

 約30分後に此方と接触します」

 

「来ましたね。

 では、丁重に出迎えましょうか…『ユウキ』君、『カーラ』君」

 

「分かったよ」

 

「………少佐、アースクレイドルの連中の申し出を受けると言う話は本当なのですか?」

 

「………ああ、其処の君、ユウキ君にも紅茶を頼みます」

 

「少佐!」

 

「君もこの時間のお茶は欠かさないのでしょう?

 どうです?

 このアッサムティーは入手に苦労しただけあって、中々の物ですよ」

 

「結構です、それより…」

 

 そんな中で、アーチボルドの考え…と言うよりアースクレイドルの者達の考えに異を唱える者が居た。

 その名は『ユウキ・ジェグナン』、冷静沈着であり、バンのリストに『必要不可欠な者達』の中に居る戦士の1人である。

 そんな彼は聡明な人間であり…アースクレイドルから来る者を信じて良いか、それを疑問に思っているのだ。

 

「バン大佐は見極めると仰られてました、ならば僕達はそれに従うだけですよ。

 あ、でも助言は歓迎しますよ?」

 

「…では、少佐。

 ティーカップは紅茶を注ぐ前に温めておく事をお勧めします」

 

「ほう、それで?」

 

「駐留地で新鮮な水を得たとは言え、此処の水質は硬水。

 茶葉からの抽出力がやや低いのです」

 

「(あ~あ、始まっちゃった。

 ユウったら紅茶の事になるとホントにうるさいんだから)」

 

 そんな会話の中でアーチボルドの助言OKの言葉からユウキは紅茶ガチ勢としての助言を始め、その隣りに居た『リルカーラ・ボーグナイン』…カーラは完全にスイッチが入っちゃったと思いながら見ていたのだった。

 

「………にも関わらず、『ポットの為の一杯』を余分に急須に入れるのを忘れています」

 

「成る程、勉強になりましたよ、ユウキ君」

 

「最後に1つ。

 何故、この時期にアッサムティーを?」

 

「ああ、僕はこの紅茶が好きなんですよ。

 ………血の色に似てますからね」

 

 そして、最後のアーチボルドの一言………血の色に似たアッサムティーが好きと言う発言が彼の全てを表しているのを、ユウキやカーラはアーチボルド・グリムズと言う男の罪業を全く知らない為、格納庫に向かい出撃しようとするのだった。

 そんなアーチボルドはユウキの長い紅茶のうんちくを聞き入れ、次は硬水で作る紅茶を注ぐ前にティーカップを温めておこうと思うのであった。

 …生粋のテロリストで狂人でも、部下からのアドバイスだけはきちんと受け取れる人間らしさがある、それがこのアーチボルド・グリムズの厄介な人間性なのである。

 

 

 

 

「アーマードモジュール隊、発進急げ!

 繰り返す!

 アーマードモジュール隊、発進急げ!」

 

「ねえ、ユウ!

 待ちなよ、パートナーを置いていく気?」

 

「誰がパートナーだ」

 

「あたしに決まってんじゃん」

 

「………」

 

 しかしてユウキとカーラは出撃直前に漫才の様な光景を作り出していたのだが………ユウキはカーラがこの先も付いて来る事を快く思っておらず、出来ればこのメキシコ高原の基地で降ろしたかった想いがあったのだが、こうやってカーラが付いて来た事で敢えて彼女に何故付いて来たか問わねばならなくなったのだった。

 

「カーラ、何故この艦から降りなかったんだ?

 バン大佐の許可も得ていたんだぞ」

 

「だって、此処までユウ達に関わった上に抜けたら、無事じゃ済まないでしょ?」

 

「大佐はそんな人じゃない」

 

「ううん、あいつはあたしを殺すよ、絶対」

 

「あいつ?

 もしかして、アーチボルド少佐の事か?」

 

「うん。

 英国貴族の末裔だが何だか知らないけど、本当は…」

 

「其処までにしておけ」

 

「あ、もしかして、あたしの事心配してくれてるんだ?」

 

 しかし、カーラが降りなかった理由はどうやらアーチボルドの本性を勘でほんの少し輪郭が見えた為、降りられなかったのが正しかったのだ。

 勿論ユウキも愚かでは無いのでアーチボルドならもしかすればとは考えていたが、それ以上言えば危ないのでストップを掛けたのだった。

 しかし、カーラは直ぐに元の調子に戻るので、ユウキは何時も振り回されるのであった。

 

「…全く、今回が最後のチャンスだったと言うのに」

 

「だから、言ったじゃん。

 あの時ユウに助けて貰った恩もあるし…あんたの事、気に入っちゃったって」

 

「嘘を吐くな。

 お前の目的は………復讐の筈だ」

 

「何言ってんの。

 今時そんなの流行らないよ」

 

「それ以外の目的があって、俺達と共に戦っていると言うのか?」

 

「…」

 

「まぁ良い、出撃するぞ」

 

「うん(…でも、ユウ…さっきの言葉、嘘じゃないんだよ)」

 

 そうしてユウキはカーラの目的が復讐…自身の家族を奪った理不尽な異星人達への復讐と看破しているので、カーラも沈黙の肯定をした後出撃しようとした………が、それでもユウキを気に入っている、この言葉だけは嘘じゃなく本心なのだと分かって欲しいとも思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方シロガネはメキシコ高原のDC残党のライノセラスからの砲撃で戦艦が揺れるが、其処まで深刻な損傷じゃないとしてこのまま本隊を叩こうと艦をヴァルストークと共に突撃させたが………どうにも抵抗が薄いとリーは感じており、少し考えていた所だった。

 

「12時方向に大型熱源反応あり!

 ライノセラス級、艦影1!」

 

「…成る程、通りで抵抗が薄い訳だな」

 

『あれは後詰め、そう言いたいんだなリー中佐?』

 

「その通りだブレス艦長。

 …まんまと本隊には逃げられた後になった形となった訳だ。

 それにケネス少将が得た情報も餌だった可能性がある。

 何方にせよ、DC残党に一杯食わされたな」

 

 そしてリーはブレスとも通信で会話しつつ、後詰めの部隊が前方に居るだけで後は逃げ去った後だと察知し、更にケネスが得た情報が餌だった可能性も視野に入れてまんまとしてやられたとして表情を険しくしていたのだった。

 

「艦長、敵砲台は沈黙しましたが、若干の歩兵戦力が森林地帯へ逃げ込みました!」

 

「敵に降伏の意思無しと判断するしか無いか…。

 ならば気化爆雷を投下、歩兵戦力を焼き払え!」

 

 そしてこの状況で歩兵戦力が近場の森林地帯に逃げ込むのは通過した後を待ち伏せる為…即ち降伏の意思無しと判断せざるを得なかったリーは森林地帯を気化爆雷を投下し焼き払う選択を取るのだった!

 そして、シロガネとヴァルストークはそのまま後詰めのライノセラスへと突撃して行くのだった!!

 

 

 

 

 

「くっ…まだ地球人同士で戦わなければならないなんて………。

 これじゃ、DC戦争の時と同じだ」

 

 一方格納庫ではブリットがまた地球人同士で戦わなければならない事に荒れており、コウジもまたDC戦争の時と変わらないと思いながらマジンガーZの整備を整えていたのだった。

 

「しょうがないんじゃない?

 向こうには向こうの正義って物があるんだから」

 

「テツヤさんならこう言うだろうな。

 所詮戦いとは別々の正義の衝突で起きる事だ。

 正義と悪の戦いなど、滅多に無い…ってね。

 なら、腹を括るべきだぜ、ブリット」

 

「正義って…何時エアロゲイターが…いや、バルマーがやって来るか分からないんですよ!?

 それに今の連邦議会だってスペースビースト達に乗っ取られ掛けてる、そんな状況で人類同士の争いをしてる場合じゃないですか!!

 内乱なんかやってて、奴らにその隙を突かれでもしたら、今度は…!!」

 

「(…その認識は正しい、ブルックリン少尉。

 事実『向こう側』では軍縮と、DC戦争への参画を拒んだマジンガーZとゲッターロボの接収と言う隙を突かれて地球は支配された。

 そう言う危機感を持つだけでも、お前は必要不可欠な人材の証明になる。

 しかし…連邦議会がスペースビーストに乗っ取られ掛けているだと?

 ………少し突いてみるか)

 あの、連邦議会がスペースビーストに乗っ取られちゃいそうだったりしたりすると言うのは本当だったりしますのでしょうか?」

 

 そんなブリット達の会話を聞いていたラミアはブリットが指摘した内乱の最中に異星人が来て侵略されたら地球が負けると言う至極尤もな意見だったと『向こう側』の情勢も踏まえて思考していた。

 しかし………連邦議会がスペースビーストに乗っ取られ掛けてると言う『向こう側』でも無ければ自身も知らない情報が飛び出たのでそれが本当か確かめ始めたのだった。

 それを隣で聞いてたラウル達もギョッとした表情を浮かべていたのだった!

 

「あちゃ〜、ラミアちゃんやラウル君達にも聞かれちゃったか………そうよ、今の連邦議会はスペースビーストに乗っ取られ掛けてて、グライエン・グラスマン委員長がそのスペースビースト、他の半分の議員はビーストヒューマンだって情報がこっちに回って来てね。

 お陰で今頃統合参謀本部もてんやわんやしてるんじゃないかしら?」

 

「嘘だろ…そんな状況でDC残党の討伐をしてる場合じゃないでしょうが!?」

 

「…スペースビーストを操る敵に動きを悟られない様にするにはこうするしか無いってブライアン大統領と統合参謀本部の判断さ。

 連邦議会は何れ取り戻す、それまでに地球圏の情勢を連邦軍で一纏めにしようって所だろうぜ」

 

「…何てこった…!!」

 

 ラミアやラウル達に話していなかった連邦議会乗っ取りの話をブリットが漏らしてしまった為にエクセレンやクレナイが現在の地球連邦政府の状態を説明し、連邦軍の統合参謀本部もスペースビーストを操る敵にこの事がバレていないと演出する為に何時も通りの任務をやるしか無いと話すとラウルやミズホ、ラージの表情は凍り付き、ラミアも…事態は『向こう側』並に切羽詰まり初めていると理解し表情を険しくさせたのだった!

 

「(今の連邦がそんな状態だとはな…くそ、どうにも機密通信が出来ないからレモン様達にも情報共有が出来ず、まだレモン様達がこの事態に気付いてるかの判断も出来ん。

 これではマトモに任務を遂行するにも支障が出るな…!)」

 

『ブリッジより各機動部隊員へ!

 敵艦、アーマードモジュール隊の出撃を確認、機動部隊降下30秒前!!

 繰り返す、機動部隊降下30秒前!!』

 

「兎に角、今は目の前の事に集中しようぜ。

 さあ、出撃だ!」

 

「くっ…了解!!」

 

 そして、DC残党のライノセラスからアーマードモジュール隊が出撃した事で全員が出撃する事となったのだった!

 ブリットはまだ人類同士で争う事に不満を持ちながらも、ヒュッケバインMk-IIに乗り込み出撃するのだった…!!

 

 

 

 

 

 

第5話『蘇る者/貫く者』

 

 

 

 

 

「此方リーだ、敵集団を囮と判断し作戦を変更する。

 機動部隊はエリア内の敵機を撃破せよ」

 

「了解」

 

「まんまと本隊に逃げられちゃったからせめて此処の敵を倒してDC残党の戦力を削ぐ…って考えかしらん?」

 

「それもあるが…DC残党の動きが早過ぎるのだ。

 裏で何が手を貸しているのか…先ずは此処の敵を掃討した後、調査の為にDC残党を追う必要がある。

 頼んだぞ、機動部隊各員(…十中八九『影』だろうが、それを明かせないのはもどかしいな)」

 

「あらん、そう言う事ならお任せデマカセだったりしちゃいますのでことよ」

 

 そうして、シロガネとヴァルストークより機動部隊各機が降下し、ヘビクラはキングジョーSC、クレナイはゲシュペンストMk-II改A型装備で出撃し、互いに睨み合いが発生するのだった!

 

「ほう…此処を突破せず、僕達の相手をしてくれるみたいですね。

 臨機応変な判断をする優秀な艦長の様ですが…それだけに今後も僕の策に乗ってくれる事でしょう」

 

「ねぇキョウスケ、あの戦闘機と戦車…何処製の奴?

 識別コード、無いんだけど」

 

「確かに無いな、DC残党が開発した物か…?」

 

 その中に、識別コードが無い戦車や戦闘機が混じっているのをエクセレンは目敏く見つけ、キョウスケやヘビクラ達も不審がっていたのだった。

 だが、ラミアはそれを知っている…それは『向こう側』で開発された物なのだから。

 

「(FI社の戦闘機『ソルプレッサ』とZ&R社のホバータンク『フュルギア』…成る程、『こちら側』には無いらしいな)」

 

「各機へ、相手の大半は鋼龍戦隊のエース達です、まともに相手をしたらただでは済みません。

 適当なタイミングで合流ポイントへ向かって下さい」

 

「了解、攻撃を開始する」

 

 そしていざ戦闘が始まる………その瞬間、ブリットは遂に溜まっていた物が爆発し、全体へのオープン回線を使いDC残党に通信を仕掛けてしまうのだった!!

 

「待て!

 お前達も東京宣言を聞いただろう!

 今は地球人同士で戦ってる場合じゃないんだぞ!!」

 

「あちゃ〜………」

 

「(通常周波数で通信だと?

 正気か?)」

 

「おやおや、若い…それに熱いですねぇ」

 

「俺達の敵は同じ筈だ!

 こんな所で戦力を消耗するなんて、無意味だ!!

 あんた達も地球圏の事を考えているなら、今直ぐこの戦いを止めろ!!」

 

 ブリットは異星人やスペースビーストと言う目下の脅威を前に地球人同士で争う事の愚かさをその魂を以て叫ぶと、DC残党兵達は…黙ってその言葉を聞くに留める者が多かった。

 一方リーは通信モニターのヘビクラとも顔を合わせて、後で叱る事だけはしっかりしようと気苦労するのであった。。。

 

「フッ…真顔でああ言う事を言える人間が未だ居るとはね。

 たが、あの手の類は無視をするに…」

 

「連邦のパイロット…幾つか言っておくぞ」

 

「(ユウキ君?

 やれやれ、彼も律儀ですねぇ)」

 

 だが…そんなブリットの叫びに応対した者が居た。

 それはユウキだった。

 しかも1つだけでは無い、幾つかと言う言葉がある様に…『DC残党で掴んだ情報』も交えて話すつもりなのだった。

 

「お前達がL5戦役でエアロゲイターに勝利した事………あれは幾つかの奇跡が幾つも重なって起きた『偶然』だ。

 偶然は2度も起こらない、だからこそ今の連邦軍よりも強い力が必要だと言う事だ」

 

「な、アレは偶然なんかじゃない、俺達が死力を尽くして………そして勝ち得た勝利なんだ!!

 あの時の戦いで俺達に後を託して死んで逝った人達の名誉を愚弄する言葉は許さないぞ、お前!!」

 

「………そうか、それは済まない、散って逝った英霊達の為に謝罪する。

 だが…もう1つ、地球連邦議会がスペースビーストやビーストヒューマンに乗っ取られ始めている………いや、半分が既に手に落ちているお前達に地球圏の平和を任せられると思うのか?」

 

「な、何故それをお前達が知っている!?」

 

「だからこそ俺達は………DCは再び決起する、連邦議会のビースト共を排除し、より強くスペースビースト達の介在が発生しない政府を作る為にも!」

 

「(向こうにまでこっちの情報が漏れてる………こりゃ、根深い所に居るな、スパイが)」

 

 そうしてブリットとユウキの口論になると、ブリットはL5戦役で犠牲になった者達の名誉を守る為にユウキに謝罪させ、ユウキやカーラは其処の点に於いては鋼龍戦隊達の活躍を認めてはいる、例え彼等がカバー出来る場所が少なく、カーラの家族が犠牲になったとしても………死んで天に召された英霊達の魂を愚弄する気は無かったのだ。

 だが…連邦議会が半分以上ビースト達に乗っ取られ掛けてる事はユウキ達も看過出来ない事案であった。

 この点に於いてはバンも、人間の屑と呼べるアーチボルドもまた、化け物に地球圏の政治を支配される事だけは勘弁願いたいと言う考えは一致し、DC残党として団結していたりするのだ!

 そして…キョウスケやヘビクラはこの通信で結構な所にDC残党と繋がってる者が居るとあっさり推察が出たので下手な反論は誰もしなかったのだった!

 

「そして最後に…お前達鋼龍戦隊達の個が如何に強くても、全体を守り切れる保証など無い事、それは如何する気だ?

 そして異星人やスペースビーストの攻撃で無辜の人々が犠牲になったら如何なる責任を取る?

 …だから俺は、俺達DCは未だ銃を取るんだ、お前達が地球圏の守護者と完全に認める訳には行かない…更にずっと広い範囲で人々を守れる俺達DCこそが真に地球圏防衛を担える者だと証明する為に、再び再起する!

 もうこれ以上…いたずらな犠牲が出ない様にする為にな…!!」

 

「ぐっ………!!」

 

「(ユウ…)」

 

 そしてユウキは鋼龍戦隊達でも地球圏全体を守り切れる訳じゃ無いと断言し、ブリットもそれに関しては何も言えなかったのでDCの再起は当然の如く起きてしまうと考えてしまうのだった。

 そしてユウキは………カーラの家族が犠牲になったあの日を、ユウキがカーラを救ったあの日の出来事を脳裏に浮かべながら、冷静にではあるがその魂をの熱さを見せ、カーラはユウキの重い決意にも触れながら少し悲しい表情を浮かべていたのだった。

 

「(対立する意見同士がぶつかり、そして何方も譲れず折れる事が無い…戦争では良くある事だ…そして、我々の様な存在も同時に必要とされているのだ…)」

 

「待ちな…お前、名前は何て言うんだ?

 俺はストレイジのショウタ・ヘビクラ中佐だ」

 

「…ユウキ・ジェグナン少尉だ」

 

「ならばユウキ少尉…お前、自分達の事を全く疑いの余地が無い正義の味方だと思っているか?」

 

「…?」

 

 そうしてユウキや他DC残党兵達がスロットルを踏み込もうとした瞬間、ユウキにヘビクラが噛みつくのだった。

 自分の正義に疑いが無いのかと………ジャグラーが形作られたあの苦い記憶の底にある忘れては『お互いにあってはならないと』言うジャグラーが戒めを込めた自身の信念、ウルトラマン達の正義を疑う目を持つ事を、ウルトラマン達が介在出来ない場所に自身が踏み込む闇の道と言う決意を。

 そして…ユウキに自身の正義を疑う目を持っているかの問い掛けをしたのだった。

 

「…俺自身は正義だとは1度も思った事は無い…だが、この星を護りたいと言う感情だけは嘘は無い…!!」

 

「…へっ、それで良いんだよそれで。

 んじゃ始めっか…俺等にも譲れないもんがあるからな!」

 

「…ふう、総員、攻撃開始!

 此処を突破し逃げたであろうDC残党本隊の行方を追うぞ!!」

 

「了解だぜ、リー艦長!!」

 

 そして、シロガネ&ヴァルストーク隊とアーチボルド隊の衝突が始まり、それぞれが信念を以て引き金を引き始めていた…アーチボルド以外は。

 アーチボルドは熱く泥臭い信念など何も価値も無いと思うと同時に民間人の血が見たい生粋のテロリスト思考である為、この中で言えば話が出来るが理解不能の純粋悪に近い存在である。

 そんなアーチボルドの部下のユウキとカーラは…真逆の存在で、鋼龍戦隊のそれに近い存在だった。

 他の後詰めのDC残党兵達も大体が同じである。

 よって…ラミアは人間対人間の信念を貫く戦いを稼働してから漸く間近で目撃するのだった!

 

「ユウキと言ったな!

 俺の名はブルックリン・ラックフィールドだ!!

 俺の信念は今でもずっと変わらない、この星を護り抜く事だ!!

 お前もそうなら、俺達はきっと…!!」

 

「其処までだブルックリン………貴様の信念が正しく、その考えもまた正しいならば、俺を倒してから証明しろ。

 それが出来なければ、俺達は止まらん!」

 

「(これが戦争、互いの信念等をぶつけ合う戦い………その果てにあるのは何なんだ?

 ………レモン様はその事だけは『自分で見つけなさい』と仰られた………私の信念は、Wシリーズとしてレモン様達の力になる事…だが、彼等は…ええい、一体何を考えているんだ、私は!?

 言語機能と共に思考回路まで可笑しくなり始めたのか!?)」

 

「ラミアさん危ねぇ、オラァ!!」

 

「むっ、済まないカズマ(私が後ろの警戒を怠るなど…くそ、余計な思考はカットしろ、戦いに集中しろ、W17!!)」

 

 更にラミアは人間同士の信念の衝突を食い入る様に見た結果、敵に背後を取られてしまい、カズマに救われると言う結果を生み出してしまっていた!

 これにはラミアも自身の状態が何なのかと困惑し、戦闘に集中しようとするのだった!!

 

「あんた、マジンガーZとコウジ・カブトでしょ?

 あたしはリルカーラ・ボーグナイン、カーラで良いよ。

 あんた達の実力とか、そう言った物は認めてるよ、あたしは。

 でもね………あんた達が取り零した人達を誰かが救ってやんなきゃ絶対あたしみたいな………異星人の侵攻で家族を亡くす人達が出ると思う。

 だから、あんた達が正論を吐いても、あたしとユウは止まらないよ!」

 

「…カーラ、改めて自己紹介するぜ、コウジ・カブトだ。

 だったら…俺流に止まるまでぶん殴って、そして地球人同士の争いを止めてやるって宣言するぜ、俺は!!」

 

「…下手に謝らなかった事、結構良いじゃん。

 あんたやあのブルックリンって熱血君がもっと地球連邦軍に居たら良いなって思ってるよ!」

 

 更にカーラのガーリオン・カスタムとコウジとマジンガーZが激突し、コウジはこの手の相手は下手に謝れば逆に相手を刺激するだけだと分かっているので、ならばとDC残党をぶん殴って止める止めると言う答えのみを示したのだった!

 カーラはブリットやコウジの様な人間がもっと地球連邦軍に居ればと考えている事を口にしながらバースト・レールガンを放った!

 しかし………第2世代の超合金NZ(ニューゼット)や其処から抽出、塗布された超合金NZ(ニューゼット)メッキを傷付けるには、同じメッキを塗布した弾丸しか無理であり、後詰めのアーチボルド隊にはその弾は貴重過ぎるので『まだ』手元に回って来ていない為、マジンガーZは愚かヒュッケバインMk-IIすらも傷付ける事が出来ずにいたのだった!!

 ユウキとカーラはこれはちょっとだけ危ない………そう考えながらスロットルを踏み込み、マジンガーZ達の攻撃を回避しながら足を止めなかったのだった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、あれがマジンガーZか………ならばアレは我々が手にするとしよう………偉大なる『暗黒大将軍』と『ミケーネ帝国』の為に!!」

 

 だが、そんな人間同士の戦闘を傍観する人物が居た。

 その者は虎から上半身が生えている様な者であり、明らかに人類外の異常なる者の1つだった!

 そしてその物の名は『ゴーゴン大公』………ミケーネ帝国の諜報員にしてミケーネの戦力をある程度指揮出来る地位に居る明確な現行地球人類の『敵』であった!!

 そしてその背後にはガラダK7とダブラスM2を合わせた様な巨人と、機械獣をより戦闘的にした様な存在が複数体居るのであった…!!




此処までの閲覧ありがとうございました!
ユウキとカーラ、2人共好きなキャラの1人なので言う事を言わせながら少し戦闘を書きました。
後は…DC残党にも連邦議会の状態が漏れてるので、DC残党の決起理由が原作と異なります。
まぁ、スペースビーストとビーストヒューマンに乗っ取られ掛けてる連邦議会を見たらそりゃそうなるわな!としかコウジ達も思えません、はい。
そして………遂に現れ始めたゴーゴン大公とミケーネ帝国。
つまり、次に現れるのはゴーゴン大公が引き連れて来た…。


次回もよろしくお願い致します!
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