スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第10話後編を投降致します。
今回は前回の続きから………そして、いよいよ後半のタイトル回収をします。
そんな中で何が起きるのか見て頂けたら幸いです。
では、本編へどうぞ!


第10話『悪魔の魔神/黒き天使の再臨(後編)』

「司令…アレはまさか…!!」

 

「うむ………『影達』から情報が齎された敵………殲滅対象『D』だ。

 ヴィレッタ大尉、イルム中尉、リュウセイ少尉!

 あのグレートマジンガーに酷似した魔神はDC残党、連邦軍関係無く敵対行動を取っている、被害を拡大させぬ為に即時撃破命令を出す!」

 

「此方ヴィレッタ大尉、了解。

 聞いたわねイルム中尉、リュウセイ、DC残党も関係無く無差別に攻撃し始めているあのマジンガー擬きを撃破するわ」

 

「で、DC残党の方は………」

 

 レイカー司令とサカエ参謀は、『影達』から自分達の世界を滅茶苦茶にした存在の1つ………デビルマジンガー、『こちら側』の連邦軍の認識コードである殲滅対象『D』が確認された事で即時撃破命令を飛ばしていた!

 無論ヴィレッタ達も無差別攻撃を仕掛けて来るこの『マジンガー擬き』達を優先して攻撃すべきと判断しており、ロックオン目標をDC残党機から『マジンガー擬き』に変更していた!

 そしてイルムがチラリとDC残党の方に視線を向ければ………。

 

「何なんだこいつ等は…!!

 此方ユウキ・ジェグナン少尉、アレはスペースビーストと同様に『地球人類勢力の敵である』と判断する!!

 戦闘を中断し、両者であの『マジンガー擬き』を撃破する事を連邦軍側に要請する!!」

 

「ユ、ユウキ少尉、そんな独断で良いんですか!?」

 

「責任は俺が取る!!

 それよりもゼオラ曹長、奴等は連邦軍や俺達を関係無く無差別に攻撃して来ている事が重要なんだ…恐らくだが、スペースビーストクラスの『敵』になり得ると俺は考えている!

 それならばDCの特記事項に従い、『地球人類勢力の敵の排除』を優先するべきだ!」

 

「…っ!

 りょ、了解、現時点から優先排除勢力をあの『マジンガー擬き』に変更します!

 アラド、気を付けてよ!!」

 

「俺だけそんな扱いかよゼオラ!?

 …けど、アレは何か嫌な感じがプンプンしてるのが分かるッスよ!!」

 

「うん、マジンガーZや…1番良く似ているグレートマジンガーと違って『俺達は敵だ』って、見た目からも主張してる感じだよ。

 皆、『生き残る』為に戦うわよ!!」

 

「…どうやら向こうもあの『マジンガー擬き』を優先してくれるらしいな!」

 

 ユウキが独断ではあるものの、連邦軍もDC残党も関係無く攻撃を仕掛けて来るこの『マジンガー擬き』達にDC特記事項を適用し、連邦軍と一時協力して撃破する動きを見せていた!

 ゼオラはリマコンの影響で連邦軍と協力する事に嫌悪感を持つが…DC特記事項に従わない事は、ビアン達の理念から外れると言うロジックが働き、ゼオラも連邦軍を無視して『マジンガー擬き』達にロックオンしていた!

 そして戦闘が開始されると………デビルマジンガー:Cタイプ達は、その身を超合金NZ(ニューゼット)クラスまで硬くなった超合金Zによって超合金NZ(ニューゼット)メッキが施された弾丸や光子力ミサイル化しているミサイル等にダメージを受けていたが、それでも反撃を仕掛けられる程度の損傷でダメージが済まされ、グレートブーメランやグレートタイフーン、ネーブルミサイル、そしてブレストバーン等を放ちリオンやソルプレッサにダメージを蓄積させ、次々とDC残党の機体を撃墜し始めていた!!

 

「ブレード・トンファー!!!!

 オラオラオラオラオラオラ、オラァ!!!!!」

 

【ズガズガズガズガズガズガズガ、ズガァァァァァッ、ドォォォンッ!!!!】

 

「うわ、殺られる!!?」

 

「させないぜ、ファイナルビーム!!!!」

 

【ビィィィィィィィィ、ズォォォォォォォォッ、ビィィィィィィィィィィィィッ、ズドォォォォォォンッ!!!!】

 

 一方リュウセイはアルブレードのブレード・トンファーの連撃を何度も何度も叩き込み、デビルマジンガー:Cタイプを上手く対処しつつ1機撃破し、イルムもリオンを狙っていたデビルマジンガー:Cタイプとリオンの間に立ち、リオンを守る形でファイナルビームとブレストバーンの撃ち合いになり…出力はファイナルビームが上回っていた結果、撃ち合いを制してデビルマジンガー:Cタイプを更に1機撃破したのだった!!

 

「…今のブレストバーンの威力、1世代前の光子力リアクターのままだったら撃ち負けていたのはこっちだったな…!」

 

「超合金NZ(ニューゼット)メッキも…第1世代型だったらアトミックパンチ1発でブチ抜かれてただろうな…!!」

 

「…この敵は、かなり厄介な連中だわ…!」

 

 しかし、イルムはその勝利の中でもこの半年の間にあった技術躍進が無ければ、グルンガストでさえもこの撃ち合いに敗北を喫していたと断言すると、リュウセイでさえも…もしも超合金NZ(ニューゼット)メッキが第1世代型のままだったら…そう考えて冷や汗を搔き、ヴィレッタも量産型ゲシュペンストMk-IIIC装備のフォトン・ビームカノンでデビルマジンガー達を攻撃しつつ、サンダーブレーク等の攻撃範囲までこの敵達を近寄らせない様にしながら………今の連邦軍の量産機達の完成が遅ければこの敵に対抗出来ずに落とされるヴィジョンが脳裏に浮かび、スペースビーストの中でも進化体を相手にするのと同等の警戒心を見せるのだった!!

 そしてその光景を見ているレイカー司令達も、殲滅対象『D』は『1番弱いタイプ』で数が集まれば第2世代型の超合金NZ(ニューゼット)メッキ塗布機体を落とす戦闘能力を発揮しているので、これが本当に『1番弱いのか』と戦慄していたのだった!!

 更に暗雲から雷が落ちると、またデビルマジンガー:Cタイプが10も現れ、合計で30を超える数が伊豆基地に襲来するのだった!!

 

「おいおいおい、まだ来るのかよ!!」

 

【ブォォォン!!】

 

「っ、ゼオラ、危ねえ!!

 ぐっ………オラァ!!!」

 

「ア、アラド、大丈夫!?」

 

「ああ、そっちも平気か!?」

 

「(今のガーリオンの動き…仲間を守る為の最適解で行動したな。

 仲間の為に力を発揮するタイプの奴が乗ってるな、ありゃ)」

 

 リュウセイが『マジンガー擬き』がまだ増え続けるとぼやいたその時、デビルマジンガー:Cタイプがグレートブーメランをゼオラのランドグリーズの頭部に向かって投げ込んで来ていた。

 それを目撃したアラドはゼオラ機に急速接近し、援護防御をしつつグレートブーメランをアサルト・ブレードで弾き飛ばしたのだった!

 一方攻撃を邪魔されたデビルマジンガー:Cタイプは…意思など持たない事は間違い無いが、狙った獲物を討ち取れなかった事に唸り声の如き駆動音を響かせ、アラドのガーリオン・カスタムとゼオラのランドグリーズを威嚇していた!!

 2人はこの敵は連携が1つでも崩れてしまえば其処からつけ入れられる…そう直感し、ブーステッド・チルドレンの相方コンビとして互いの背中を守りつつ『マジンガー擬き』に隙を与えない様に立ち回らなければならないと考えていた!

 

「…っ、司令、戦闘区域に急速接近する艦影あり!

 識別はプラチナム1とアイアン2、そしてトレイラーです!!」

 

「シロガネとハガネ…それとヴァルストークが来るのか!!」

 

 だが、そんな混迷に陥っていた戦場にシロガネ・ハガネ・ヴァルストークの3艦が戦域に急速突入すると同時に機動部隊を展開し、『マジンガー擬き』達を視認するのだった!!

 

「な、何なんだよありゃ!?

 グレートマジンガーの偽物が一杯じゃないか!?」

 

「報告ではDC残党部隊の攻撃を受けていると聞いていたが…リュウセイ、何があった?」

 

「キョウスケ、コウジ、それに皆、来てくれたのか!!

 それが…DC残党と戦闘中に突然コイツ等が現れやがったんだ!

 気を付けろよ、コイツ等、数が集まりゃ今の超合金NZ(ニューゼット)メッキを塗布された機体も撃破出来る戦闘能力を持ってやがるぞ!!」

 

「マジかよ…!!

 ちっ、何なんだ、このグレートの偽物達は!?」

 

 カズマがデビルマジンガー:Cタイプを見て驚愕している中で、キョウスケやコウジ達はリュウセイからこの『マジンガー擬き』の戦闘能力は結構高い事を聞かされ、ミケーネ帝国に続いて謎の敵の襲来にいよいよ前大戦を思わせる混迷さが現れているとコウジもマジンガーZも考えていたのだった!!

 

「ラミアさん…アレは…!!」

 

「ああ、間違い無い…デビルマジンガーだ。

 しかもデータ上のCタイプならば第2世代の超合金NZ(ニューゼット)メッキであれば無傷で倒せる筈だが………どうやら、奴等も『進化』しているらしいな」

 

 その間にラウルのエクサランス・フライヤーとラミアのアンジュルグは接触回線でデビルマジンガー:Cタイプだと断定し、且つデータ以上の戦闘能力を発揮している事からアレ等を生み出したマジンガーZEROが進化する様に戦闘能力を『進化』させたと確信し、いよいよこれはシャドウミラーとしての任務………『こちら側』の地球人類勢力の戦力向上を急がねばならないとラミアも考え始め、イリュージョン・アローやディストラクションライフルを構えながらデビルマジンガー達に敵意を剥き出しにするのだった!!

 

「(…ラウルとラミアはあの『マジンガー擬き』に対して異様に敵意を向けている…?

 あの2人は…奴等を知っているのか?)」

 

「(だが…今はそれよりも…)アサルト1より各機へ、DC残党部隊と協力しつつあのマジンガー擬きを撃破しろ。

 …全員、育成状態が良いゼットンを相手にした時と同じ感覚で相手にしろよ。

 油断すれば…こっちが殺られる…!!」

 

「OK、キョウスケ中尉!!」

 

『行くぞマジンガー擬き達…本当のマジンガーの力を、お前達に見せてやる!!』

 

 そして、ハガネ・シロガネ・ヴァルストーク隊も交えた戦闘が開始され、一番槍としてアルトアイゼンがその突進力を活かしてリボルビング・ステークをデビルマジンガー:Cタイプに突き刺し、釘打ちを2回叩き込んだ…が、此処でキョウスケはこの『マジンガー擬き』は想定よりも硬いと即座に判断し、更にステークの撃鉄を引き合計4回でデビルマジンガー:Cタイプの超合金Zが撃ち抜かれ、爆散したのだった!

 

「今のアルトちゃんで4回もステークを撃ち込まなきゃ抜けないってグルンガスト級に硬いわよ、ね!」

 

【ビィィィィィィィィィィィィィィィィッ、ズドォォォォォォンッ!!!】

 

 そんな様子を見ていたエクセレンはヴァイスリッターのオクスタン・ランチャーCモードを数秒間照射し続けて漸くデビルマジンガーの超合金Zが融解し、爆散したのだった!

 エクセレンはヴァイスリッターのオクスタン・ランチャーでこれなら本家のマジンガーZでも最大火力のブレストファイヤーや光子力ビームを数秒間浴びせないと撃破出来ないとして、この『マジンガー擬き』達は明らかにどの勢力よりも潜在脅威度が高いと計算し、割と真面目に対処を始めるのだった!!

 

「ラミアさん、ラウルさん、一緒に行くぜ!!」

 

「ああ、任せろカズマ!

 ディストラクションライフル・マキシマムレベル…シュート!!」

 

「此処だ…『ミラージュ・サイン』!」

 

 次にカズマ、ラウルがデビルマジンガーを連携で攻撃し、止めにラミアがアンジュルグのミラージュ・サインで五芒星に斬り、最後に縦に一太刀浴びせてデビルマジンガーを破壊したのだった!

 だが、矢張りラミアはデータ上のデビルマジンガーよりも強くなってると確信を持ち、これ以上強くなれば鋼龍戦隊でも太刀打ちが出来なくなる可能性が浮上し始めた事で表情を険しくしていたのだった!

 

「スペシウムランチャー、シューッ!!」

 

「光子力ビーム砲、発射ぁ!!」

 

「BMセレクト…!」

 

 次にライの量産型ヒュッケバインMk-IIとブリットのヒュッケバインMk-II、ラトゥーニのビルトラプターがスペシウムランチャーをデビルマジンガーに浴びせ釘付けにしつつダメージを蓄積させ、止めにヘビクラの乗るキングジョーSCの光子力ビーム砲でデビルマジンガーを撃破したのだった!!

 更にヘビクラはキングジョーSCを『タンクモード』に切り替えると、複数のデビルマジンガーにその動く武器庫としての力を叩き込み、クレナイが乗るセブンガーやカイのゲシュペンストMk-II改G装備がそれらを撃破出来る様に援護するのだった!!

 だが…未だ雷は止まず、デビルマジンガーは更に5体増えると同時にそれ等はマジンガーZを取り囲む様に現れるのだった!!

 

「ちぃ、ブレストファイヤーや光子力ビームを最大火力で叩き込んで、強化型ロケットパンチを零距離でブチ込んで漸く貫ける超合金Zなんて何なんだよ…!!

 仕方無い、此処は魔神パワーを使って一気にコイツ等を叩くぞ、マジンガーZ!!」

 

『ああ、魔神パワー、第1から第5、開放!!』

 

【ギュピィィィィィン!!!!】

 

 そして、コウジとマジンガーZは埒が明かないとして魔神パワーを開放すると、先ずは高次予測を使いこの『マジンガー擬き』が増えなくなる未来を予測し始めると…それはアッサリと見つかり、キョウスケとヘビクラ、更にエクセレンに通信を飛ばすのだった!!

 

「キョウスケ中尉、エクセレン少尉、ヘビクラ中佐!!

 あの雲にありったけの光子力エネルギーを叩き込め!!

 それであの雲…いや、『路』を消せる!!」

 

「光子力エネルギー…路…そうか、あの雲は空間転移の出口か!!」

 

「そして、コイツ等は『マジンガー擬き』…即ち、あの雲は謂わば光子力エネルギーの塊と言う訳か。

 なら、それを上回る光子力エネルギーを叩き込めばその出口を壊せる…そう言う事か」

 

「それなら行くわよヴァイスちゃん!!

 え〜い!!!」

 

「光子力………ビィィィィィィィィィィィィィィィィムッ!!!!!!!」

 

「光子力ビーム砲、最大出力だ!!」

 

「これを最大威力で使うならば叫ぶのも吝かではない…サンダーブレェェェェェックッ!!!」

 

【ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ、ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ、ボォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!】

 

 そうして選出されたマジンガーZ、アルトアイゼン、ヴァイスリッター、キングジョーSCは光子力ビームやサンダーブレークを最大威力で暗雲に放つと…光子力エネルギーのマイナス領域であった暗雲がプラスの光子力エネルギーを過剰に叩き込まれた事で反作用が発生し、且つプラスの方がマイナスを上回った事で暗雲が光に包まれる様に爆散し、青い空が見えると同時に伊豆基地やハガネ等が探知していた未知の重力震反応が消滅したのだった!!

 アラドやゼオラはその光景を見て鋼龍戦隊として戦っていた面子達の力を目の当たりにし、驚愕せざるを得なかったのだった!!

 

「よっしゃ、これでこの『マジンガー擬き』は増えないな!!」

 

「ならさっさと終わらようぜ!」

 

「ああ、行くぜ『マジンガー擬き』『………擬キハ………オ前達ダ………』………っ!?」

 

 かくして転移門とも呼ぶべき暗雲を消し去らせ、コウジ達は一転攻勢を仕掛けようとした………その時、コウジとマジンガーZの耳に届く様に目の前の『マジンガー擬き』達から一瞬声が発せられ、コウジとマジンガーZは無意識的に距離を離してしまっていた!

 

「コウジ、どうした?」

 

「今、声が………アイツ等から、俺とマジンガーZにしか聞こえない声が届いた………!!」

 

『そして、今ので分かった………コイツ達は、『終焉の魔神』の尖兵………更に、俺とコウジを『終焉』に傾けようとしている、と!!』

 

「何ぃ…?」

 

 その声を聞いたコウジとマジンガーZは、声の主が本能的に『終焉の魔神』の物であると確信し、今此処にこの『マジンガー擬き』達が現れたのは自分達を『終焉の魔神』側に傾けさせようと言う魂胆があった事を全員に伝えていた!

 ヘビクラとクレナイはそれを聞き、この世界ではまだ誕生していない『終焉の魔神』が、その尖兵を送り込んで来たと言う情報と先程の転移門の暗雲の情報も合わせて………これ等は『終焉の魔神』が誕生した世界からやって来ている、謂わばこの世界に侵入した『異物』だと確信したのだった!!

 

「ならコウジ、もう魔神パワーは」

 

「魔神パワーならもう封鎖したぜ、ラウル。

 …『終焉の魔神』、奴の声を聞いた時点でな」

 

「(まさか、マジンガーZEROが『こちら側』のマジンガーZへこの様な形で干渉しようとするとは…どうやら、デビルマジンガーはただの劣化マジンガーと言う訳では無いらしいな。

 こんな時こそレモン様の見解も聞きたい所なのだがな…。

 だが、まだコウジ・カブト達は『抗える』のなら良かった………)」

 

 次にラウルはコウジとマジンガーZに魔神パワーを切る様に促そうとしたが、もうコウジとマジンガーZは魔神パワーを封鎖していたのだった。

『終焉の魔神』の声が聞こえた………この時点で、奴に見られている、即ち干渉を許してしまうと即座に判断したので、魔神パワーを急いで切ったのである。

 魔神パワーとの親和性が高まった事で、より『終焉の魔神』の存在を検知出来る様になったが故のデメリットが今此処に表れた形となったのだ。

 そんなコウジ達を見て、ラミアは機密通信機が壊れていなければ………そう考えつつ、コウジ達が『終焉』に抗えると知り、無意識に笑みを浮かべていた………その笑みはW17としてか、それともラミア・ラヴレスとしてか、本人にも分かっていない事であった。

 

「兎に角、コイツ等の目的がコウジ達だってんなら触ったら火傷じゃ済まねえって教えてやろうぜ!!」

 

「ああ、勿論さリュウセイ!!」

 

 その間にアルブレード、アルトアイゼンがマジンガーZと横並びになり、コウジとマジンガーZに舐めた真似をした事のツケを払わせようと武器を構え、唸り声の如き駆動音を響かせるこの『マジンガー擬き』達をさっさと倒して戦闘を終わらせようと一歩踏み込もうとした………。

 

「………ならば、それに俺も加えて貰おうか」

 

「………えっ!?」

 

【ビュォォォォォォォンッ!!!!】

 

「ガン・スレイブ、T-LINKフェザー!!」

 

 その時、アルブレードと量産型ゲシュペンストMk-IIIC装備に待ち望んでいた声が響き………それと同時に黒き天使、アストラナガンが転移し終えると同時に目の前のデビルマジンガー達に攻撃を仕掛け、数機を撃破したのだった!!

 コウジ達はアストラナガンの姿を見て………リュウセイとヴィレッタはそのパイロットたるイングラムの声を聞き………漸く、漸く待ち焦がれて止まなかった者の1人が帰って来たとして笑みを浮かべていたのだった!!

 

「ったく、遅い上に良い所取りかよイングラム」

 

「すまんなヘビクラ。

 しかし………このデビルマジンガー、『向こう』で戦った個体達の姿形は同じだが、進化したのか超合金Zの剛性も出力も上がっているな。

 …だが、『俺達』の敵では無いな」

 

「イ、イングラム…!!」

 

「リュウセイ、ヴィレッタ、積もる話は後だ。

 先ずはこのデビルマジンガー共を撃破するぞ」

 

「デビルマジンガー………それがこの『マジンガー擬き』の名前か…分かったぜ、教官!!」

 

 更にイングラムの口からデビルマジンガーと言う名前を聞き、この『マジンガー擬き』達の名前を知れたリュウセイとヴィレッタは、イングラムが帰還した事で精神が研ぎ澄まされ、デビルマジンガー達に勢いがある攻勢を仕掛けたのだった!!

 そんなリュウセイ達に続いてコウジも、キョウスケも、ヘビクラも、皆がイングラム・プリスケンの帰還に歓喜しながらも残ったデビルマジンガー達を撃破する為に先程まで以上の連携を見せ始めたのだった!!

 

「す、凄え…」

 

「アラド、ゼオラ、私達も遅れを取らない様に行くわよ!!」

 

「は、はい!!」

 

「(あれは確か…L5戦役最終決戦終結時、特殊任務に出たとされる機体、アストラナガン…。

 成る程、ブルックリン達の動きが良くなったのは彼…イングラム・プリスケン少佐が帰って来た事による戦意高揚か)」

 

 一方のユウキ達DC残党部隊もハガネ・シロガネ・ヴァルストーク隊ばかりに美味しい所を持って行かせない様に積極的に連携しつつデビルマジンガーを攻撃し、ユウキのランドグリーズとブリットのヒュッケバインMk-IIがすれ違いながらその背後に居るデビルマジンガーをそれぞれ攻撃し、それぞれの『仲間達』と共にそれ等を撃破したのだった!

 

「喰らえ、ブレストファイヤー!!!」

 

「アキシオン・キャノン、デッド・エンド・シュート!!」

 

【ギュォォォォォォォォォッ、ズドォォォォォォンッ!!!!】

 

 そして、イングラムの帰還によって情勢が動いた事で全てのデビルマジンガーは撃破されたのであった。

 其処からキョウスケは視線をDC残党部隊へと向けると…特記事項を終えたDC残党部隊は急ぎ帰還して行き、レーダー上からも消え去るのであった。

 

「…状況終了を確認、各機帰艦せよ。

 イングラム少佐もな」

 

「了解」

 

 それからダイテツは敵勢力が現れない事を確認し終え、状況終了と帰艦命令を全員…イングラムにも含めて命じると、それぞれがハガネ・シロガネ・ヴァルストークへと帰還し、そして3艦は伊豆基地の整備庫に入港し伊豆基地の危機が去ったのであった。

 …その様子を見ていたアヤは、早速ハガネに帰艦したイングラムへと走って行き、それを止める者は居なかったのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イングラム…再会したらビンタの1つ位はしようと思っていたけど…でも、こうやってまた会えた事の方が嬉しくて…」

 

「ああ、分かっている。

 …ただいま、アヤ」

 

「…っ!!」

 

 ハガネ入港から数分後、格納庫にてアヤがイングラムに抱き着き、恋人がやっと………半年越しにこの世界に帰還して来た事に嬉し泣きしていた。

 イングラムもただ一言ただいまと口にし、アヤの泣き顔を見せない様に配慮をしつつ抱きしめ、生きて再びこの世界に帰って来れたと自身も噛み締めるのであった。

 それ等を見ていたリュウセイやライ、ヴィレッタも笑みを浮かべ、此処に漸くSRXチームが一時的とは言え全員揃うのであった。

 そうしてアヤが泣き止むまで抱き締めていたイングラムは、コウジ達を見据えて敬礼をすると全員が即座に敬礼を返すのであった。

 そして敬礼を終えた後、ヘビクラがイングラムに肩を掛け、待たせ過ぎた事に力を込めるとイングラムはそれを黙って受け入れ、そして通過儀礼を終えると、先ずはイングラムの方から口が開かれるのであった。

 

「…改めて、イングラム・プリスケン少佐、此処に帰還した。

 そして、俺があの孔の向こうで見て来た物を、皆に報せたい」

 

「まっ、先ずはそうだな。

 んじゃ、全員ブリーフィングルームに行こうぜ」

 

 そうしてイングラムはブリーフィングルームに鋼龍戦隊として戦った面々を誘い、『向こう側』で見聞きした事、体験した事、その全てをアストラナガンからメモリーチップを抜きながら伝えようと動いたのだった。

 一方ラミアは…アンジュルグの整備があると偽り、整備の合間を縫ってごく自然にW16…エキドナとの接触を図るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「………以上が、『向こう側』で見聞きした歴史や戦い、そして俺とテツヤ・ツルギ少佐が体験した事のあらましだ」

 

「…イングラム少佐やテツヤさんが行った先の世界でそんな事が…。

 しかもこっちでノーバディーズと記録されてる連中は、向こうではシャドウミラーって連中だったのか…」

 

「けれどイングラム少佐、シャドウミラーのやろうとしている事はまた人類勢力同士の戦争が起きる原因に成りかねない…いや、今成っているかも知れないんですよ!

 それで良いんですか!?」

 

 イングラムが話した『向こう側』の辿って来た歴史………『終焉の魔神』や、キョウスケが変貌して生まれたと言うベーオウルフ、更にスペースビースト達により世界が滅亡寸前まで追い込まれてしまった、その壮絶な記録に全員が絶句したのだった。

 しかし………ブリットはまた人類勢力…連邦軍とDCで戦争が起きる事に拒絶反応を示し、イングラムに噛み付いてしまっていた。

 しかしイングラムは、ブリットならそう言うとも思っていたので………敢えてシャドウミラー目線に立った発言を始めていた。

 

「…俺とテツヤが見聞きした感触を言えば、シャドウミラー達もDCが戦争を起こす事を想定していない訳では無かった、更にそれが起きる事は本意では無いとも感じられた。

 だが、それでも連邦軍、更にDCの両方が人類勢力として戦力を引き上げ、一同団結しなければあの魔神………今のコウジとZ、奴の声に抗えたと言う2人にならもう言える『終焉の魔神』の名………マジンガーZERO、奴やベーオウルフ、更にスペースビーストを操る者共と言った世界を滅ぼしかねない面々に勝てないと断じて彼等は行動しているのだ。

 ならばその覚悟を…無碍にする訳には行かないのもまた、俺達戦う者、この世界を護る者の責務だったんだ」

 

「………ブリット、言っちゃ悪いが俺達は運が良い方なんだ。

 シャドウミラー達の世界は崩壊寸前まで追い込まれてこっちに来ざるを得なかった。

 が、俺達の方はマジンガーZERO………俺やZが乗り越えるべき『終焉の魔神』に未だ成っていない、その上でZと言う意思が確立し、マジンガーZEROとは別の方向を向きながら俺達と一緒に戦ってくれてるんだ。

 これはシャドウミラー達がこうなって欲しかった………そんな可能性に満ちてると言っても過言じゃないぜ。

 なら俺達は………『人類勢力』として、DCと連邦軍が協力し合える時を見出すんだ。

 幸い、手を組むって言うならもう口実は1つは存在してるしな」

 

 更にそのイングラムの発言にコウジが横に立つZと共にシャドウミラー達の覚悟を受け止める様に自分達が余りにも恵まれていると発言し、シャドウミラー達もこうなれば良かった結果が此処にあると力強く拳を握りながら話していた。

 そして………遂に自分やZが知る事が許された、魔神パワーの果てに待つ者………マジンガーZEROに自分達がまだ成っていない事を話しつつ、DCと連邦軍が手を組む理由がもう既にあると話したのだった。

 そして頭の回転が良いエクセレンやキョウスケ、更にイングラム達はその1つとは、現在の連邦議会の状況だと思い浮かべるのであった。

 しかし………その話を聞いたダイテツは、果たしてその団結が連邦軍主体か、DC側が主体か、或いは両者が対等なのか………其処で話が変わって来ると想像しながら、統合参謀本部達が『影達』…シャドウミラーの行動を黙認している事にも矢張りイングラムの言う様な意味があるとして、黙って若き戦士達を見守るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方ラミアは、あっさりとW16…此方ではエキドナと名乗る彼女と接触し、機密通信装置の予備と指令ディスクを受け取りつつ、お互いの状況の擦り合せを始めていた。

 

「連邦軍側で今後の戦力として必要不可欠な人材のリストを収めたメモリーだ。

 これをレモン様に渡せ。

 …そしてW16、今回のデビルマジンガー出現の件、お前はどう受け止める?」

 

「…レモン様に伺うことを前提とするならば、矢張りこの世界のマジンガーZとコウジ・カブトへの干渉と視察、と言った所だろう。

 次に、キョウスケ・ナンブの様子はどうなのだ?」

 

「奴はベーオウルフになる兆候が今の所は見当たらん。

 が、今後の予測はまだ迂闊に断定は出来んだろう。

 それと…」

 

「何だ?」

 

「…いや、何でもない(何故私は今、エクセレン・ブロウニングの事を伝えなかった…?

 矢張り言語機能以外にも障害が発生しているのか………?)」

 

 しかし………レモンにエクセレンの事を伝えようとした所で不意にラミアはそれを口にするのを止めてしまい、何故自分がそんな事をしたのか理解出来て居なかったのであった。

 そして………『この世界』でラミアがレモンにそれを報告しなかった理由は、レモンがそれに触れて欲しくないと無意識に思ってしまった………と言う、『他者を案じる』と言う、まだ本人が自覚していない部分が働いたからである。

 そうして互いに報告を終えてエキドナと離れたラミアは『こちら側』に来て、鋼龍戦隊達の面々やリー中佐、ブレスやカズマ達ヴァルストークファミリーにケンザキと言った仮面ライダー達の覚悟や他者を思いやる心と触れ合う事で…レモンが望む『親離れ(シンギュラリティ)』への兆候が徐々に表れ始めているのであった…。




此処までの閲覧ありがとうございました!
デビルマジンガーは以前可能性の光を潰す為に『向こう側』のマジンガーZEROが生み出したとありましたが、それは正解の1つでもう幾つかの役割があります。
まぁ、今回の話でその役割は大体は察せられたと思います。
そしてイングラムとアストラナガン、遂に帰還です。
ただデビルマジンガーが一番弱いCタイプでも結構強くなってると見抜いてるので、時間経過でデビルマジンガーも、主のマジンガーZEROも進化していると察しています。
因みにラウル達をイングラムはちゃんと見てますが敢えてスルーしてます。
此方はテツヤ・ツルギが帰って来るまでは黙っておこうと判断したので。
そして………徐々に『親離れ』が始まりつつあるラミアですが、本作ではどんな風になるのか、お楽しみにです。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしています!
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