妖怪・カイザー好き好き黄金裔   作:カイザーの椅子

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シリアスパートだと書いてる時頭空っぽにできないのと、オンパロスのシナリオまだ終わってないなら永劫回帰の中の一回を書けばいいじゃんというこの作品の前提をひっくり返してしまったので、おんぎゃあああ!!!と叫びながら書いてます。

雑な学パロとかに逃げたい。逃げたい(切実)


蠢倥l縺滓ご縺励&

「……僕も随分と感傷的になったモノだな」

 

 今立っているこの場所が故郷のヒュペルボレイオスだということを、ケリュドラはすぐに理解できた。

 今更故郷に未練などないと思っていたが、どうやら郷愁の念を捨てきれていなかったらしい。

 意外だと思うのと同時に、故郷を思い出すのは何処か必然だと思っている自分が居た。

 

『■■■■、■■■■■■■■』

 

 何度も聞いたような言葉が夢の中のヒュペルボレイオスに鳴り響く。

 発言の主の顔すら思い出せないのに、忘れてはならない。否、忘れたくない大事だった筈のモノだった。

 

『蜷帙↓谿コ縺輔l繧九→縺阪b縲∝菅縺ョ莉」繧上j縺ォ豁サ縺ャ縺ィ縺阪b縲

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 ──だから、君には生きてほしい』

 

 ヒトガタのようでヒトガタではないような輪郭が光っていて実体がわからない何かが、決意の籠った意思で何かを述べるが大半の言葉はケリュドラには伝わっていない。

 その言葉を受け取った時、嬉しくはなかった。でも、嫌な気はしなかった。

 

「……ならば──」

 

 その言葉に対する返答は決まっていた筈なのに、何度も口にしてきたような気がするほどに自然と口と喉が動いていた。

 

「僕のために死んでくれ」

 

 そう告げると夢のヒュペルボレイオスは淡く消えていった。

 

 

 ■■

 

 

「……ぅ」

 

 目が覚めると妙な夢を見たとき特有の倦怠感と胸の中で何かが欠けたような寂寥感と手の中に残った人を殺した感覚がケリュドラを襲う。

 こういう日は、一日中だらけたくなる衝動に駆られるが、生産性も合理性もないため、腰を起こして毎朝欠かさずに飲んでいる牛乳をコップに注いで一気に飲み干す。

 

 ケリュドラは半神になった代償として少女の時の姿のままでいる。

 元々オンパロスの人間は長寿であるため緩やかに老いていく。それでも一生この姿のままだと多少威厳に欠けるということと、健康に良いという理由である。

 

 決して、小さい身長を伸ばすための涙ぐましい努力などではない。

 

「ふぅ……」

 

 牛乳で白くなった唇を布で拭って、朝の身支度を行う。

 今日は謁見の予定もなく、完全な休暇である。とはいえ部屋に閉じこもっていても暇を持て余すのと、少しばかり出掛ける用事がある。

 

 その場所はオクヘイマの墓地である。

 死んだ兵士に対して特別何か思うことも無いといえばない。しかし、抱えている違和感の正体がそこにある気がしてならない。

 

(とは言え、心を残すような相手など僕には居ないのだがな)

 

 墓地に足を運んだケリュドラは誰かの墓参りをすると明確に決めていたわけではないのに、行く先を知っているかのように足が動いてしまっていた。

 しばらく歩いている間にも、戦争で増えた死者の墓が並んでいるのが見える。

 それに対して特に思うことは無いのだが、それを無い物にもできない。これら全ての上に自分とその玉座があることを今一度自覚させられる。

 

「なんだ。これは……!?」

 

 足が止まり、着いた先には名前すら掘られてないどころか墓石ですらない石ころが数段重なっていて、そこにはケリュドラのぬいぐるみが置かれていて、驚きのあまり声を出してしまった。

 作製許可など誰にも出した覚えのないそれを持ち上げて細部を確認する。

 

(ふむ……流石にこんなにもちもちとしていない気もするが、よくできているな……)

 

 背中の方から一度中の綿を抜いてから再び縫い直したような跡が見える。

 ぬいぐるみの出来に反して、その縫い目は明らかに裁縫に慣れていない人間の荒さだった。

 誰かが大切にしたものを壊してしまって、初めて針を触って慣れないながらに何とか繕うことができた。そんな風にケリュドラの目に映った。

 

「……っ、ぅ」

 

 作った人物がどれだけ大切にしていたのかも、それが一度裂かれてしまったであろう事実に理由もなく、頭と胸が締め付けられるように痛む。

 ぬいぐるみを持つ手に力が入ってしまうのと同時に、手の中に残った感覚から懐かしい声が聞こえてくるような気がした。

 

『好■です、■■■てく■■■』

 

 断片的に頭の中で鳴り響く男の声は、夢の中で聞いた言葉と同じであるという確信と、どうして忘れてしまっていたのかわからないほどに真剣なようで言い慣れていて何処か軽さを感じさせる。

 一瞬懐かしさと寂寥感で目を細めてしまうが、すぐに何だかイラっときて眉にしわを寄せる。

 

(ああ……貴様か。この僕をこんな気持ちにさせるのは貴様か……!)

 

 それでも顔や声を完全に思い出せたわけではない。

 しかし、自分にこうもモヤモヤとした気持ちを抱かせた人物が居たということに気付くとニヤリと口角が上がってしまう。

 どこに居ようが目の前に引きずり出して釈明なり言い訳なりを聞いた上で刑にかける。

 

 そのためにはもっと情報が必要になる。

 手掛かりは少ないものの、この無銘の墓とぬいぐるみは大きな手掛かりとなる。

 しばらくはまた戦争のクールタイムで内政に使う時間も増えるだろう。その間にセイレンスにもこの事を共有して人探しに使う時間も捻出するために、頭の中で組んでいたスケジュールを大幅に調整する必要がある。

 

 こうしてはいられない。全てを思い出した。とは言えないものの、違和感の正体の片鱗を見つけたケリュドラはぬいぐるみを元の位置に戻してから、墓地を出てセイレンスを呼び出す。

 

「カイザー、今日は休暇中ではなかったか?」

「構わぬ。剣旗卿もよく応じてくれた。それよりも、だ」

 

 セイレンスも休暇でメーレの飲み歩きをしていたにも関わらず急な呼び出しに応じてきてくれたことに感謝する。

 違和感の元として、夢の中の人物とぬいぐるみを作った者が一致しているとなった場合それはそれでモヤっとした気分になりながら墓地で感じたことをセイレンスに説明する。

 

「なるほど……ワタシもほんの僅かに感じていた違和感の正体がそれだとすると得心がいく」

 

 セイレンスは話を聞きながら最初は怪訝な表情をしていたが、彼女も大なり小なり似たような違和感を持っていたらしく、すんなりと納得してくれたようで捜索の件のことにも頷いてくれた。

 

「しかし、その魚はカイザーのぬいぐるみを作るような人物であるということしかわからないのだろう? それをどう探す?」

「僕や剣旗卿以外にも似たような違和感を持った者が居るはずだ。その者達から話を聞いて情報を集める」

 

 無銘の墓に弔われていた人物とケリュドラの夢の中の人物が同一人物なら、自分に誓った言葉を一字一句漏らさずに聞く義務があったと思った彼女は何としても彼を探し出すと決めた。

 




8月までかケリュドラ実装までは毎日更新を一応目指します。
目標まで間近ですね。

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