(あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします)
「そう言えば、雨宮はこれからどうするんだ?」
ひとまず打ち上げられた両者であったのだが、ふと椎名は胡桃からこれからどうするんだ?と尋ねられた。元々生存者や新しい拠点を求めてここにやってきたということもあり、少し考えるとここで皆さんと暮らしてたい旨を伝える。
「そうですね…、元々生存者探しもありましたが…学校の設備が使えるなら拠点を移そうと考えてたので…。皆さんがよければここで暮らそうかと…」
もちろん断る選択肢がない彼女達は即答で各々問題ないという返答を返していき、ひとまず現状は学校の生存者組である胡桃達に椎名は加わることになった。
とはいえしばらくは家から使えそうなものを持ってきたりするため行ったり来たりすることになることを伝えていく。
「…ええっ、全然構いませんよ♪椎名さんなら信頼出来ますし♪」
「私もしーちゃんと一緒にいたい!」
「胡桃ちゃんの負担も考えたら、戦闘要員は多いほうがいいですからね♪」
「じゃあお言葉に甘えて…!あっでもしばらくは家と往復する形にはなると思います、服とかも取りに行かないとですし…」
だが慈はせっかく再会出来た上に、安全な場所から無理して出なくてはいいのでは…という彼女らしい不安そうな表情を見せていたが、椎名曰く私服や持ってこれそうな食料があるとのこと。
それにもし家族が家に戻ってきていた可能性も考えて一度戻りたい旨を伝えると、慈は少し考えてから少し考えさせてくれと伝えた。
「…せっかく私たちと再会出来たんですし…、それにここなら食料もありますから無理して外にでなくても…」
「…それはわかってます、佐倉先生。でも私的に取りに行きたい服とかありますし…、もし親が帰ってくる可能性も考えて一度戻りたいんです」
「……分かりました、その件については少し考えさせてください」
すると2人が話し終えたタイミングで、生徒会室に大きなお腹の鳴る音が響き渡る。…まあその犯人は悩むまでもなく、音がした方に一同が視線を向けた先には、お腹を押さえながら苦笑いを浮かべる由紀の姿があった。
グゥゥ〜
「……」ジー
「あっあははぁ……」
その様子を見ていた胡桃は盛大なため息を溢すと、少しは空気を読めよと突っ込みを入れていき、由紀がそれに反論していく。
とはいえ彼女の言い分も無理はない、なんせ今日一日何も食べていない上に激しく動き回ったりしたのだ…そりゃ当然意識してなくてもお腹は減ってしまう。
「…はぁ、少しは空気を読めよー…」
「だってー…!今日何も食べてないんだもん…!なのに激しく動き回るし…」
そんな由紀の様子を見ていた悠里は、せっかく食料がたくさん手に入ったので、椎名の歓迎祝いも兼ねて少し豪華な夕食にしましょうかと提案。
すると由紀が目を輝かせながら食いついていき、更の夕食がカレーだと判明すると、嬉しそうな表情を見せていく。
「…なら今日はカレーライスにしましょうか、雨宮さんの歓迎会的なのも含めて♪」
「カレーライス!?やったー!」
まあ流石に普通のカレーではなくレトルトカレーやインスタン系のご飯などといったものばかりではあるが、それでもこの状況ではちゃんとしたご飯なのには変わりない。
当たりが日が暮れつつあるものの、それとは対照的に相変わらず盗難防止アラームが鳴り響く中、学校からは微かに賑やかな声が聞こえてくるのであった。
その頃…美乃里達はというと優乃の家で丁度夕食を食べ終わったようで、瑠璃も起きているということで彼と話した今後のことについて彼女が説明していた。
「…ということなの、るーちゃんもそれでいいかな?」
もちろん否定する理由もない瑠璃は全然大丈夫だと口にしつつも、自分も巡ヶ丘学院にいきたいという強い思いをアピールしていく。
どうやら彼女曰く巡ヶ丘学院にはお姉ちゃんが通っているようで、美乃里が行くなら自分もついでにいきたいということらしい。
「もちろんなのだ!というかるーもそこにいきたいのだ!」
「…というと?」
「りーねぇがその学校に通ってるの!るーのお姉さんが…!」
だが美乃里の妹である由紀と同じように、人が集まりやすいという今回の騒動の発端でもある感染症とは相性が最悪な場所にいるとなると無事に再会出来る保証はないといっていいもの。
本当にそれでも大丈夫なのか…、そう真剣な目つきで尋ねた美乃里に対して、瑠璃は一瞬考え込んでしまう。
「…それは別に構わないけど、はっきり言って無事に再会出来るかも分からないよ。むしろ最悪な形になるかもしれない…、それでも大丈夫?」
「……」
まあ彼女のような幼い歳の少女にとっては酷な話と言わざる終えない…、返答によっては高校に着いてからの行動について考えるしかないか…そんなことを美乃里は思っていたのだが…
その心配をする必要はなかったようで、瑠璃の決心が揺らぐことはなくそれでもお姉ちゃんに会いたいという思いが強かったようだ。
ーまあそりゃそうだよね…、だって小学生の低学年だよ?酷な話なもんだよ、場合によっては着いてからの行動も考える必要g…ー
「……それでも…、それでもお姉ちゃんには会いたいのだ…!」
ー……その必要はなさそうかも、この子…思ってたよりも気持ちが強いんだね…。私が同じぐらいの歳なら無理かも…ー
なら無理に反対する必要はないため、本当に大丈夫なことを確認してから優乃とも再確認する形で美乃里達は次の目的地を巡ヶ丘学院高校へと決めていく。
「…本当に大丈夫なんだね?無理してるとかはない?」
「うん!るーは無理してない!」
「…優乃くんもそれでいい?」
「はい、正直瑠璃ちゃんを連れて行くのは不安ではありますが…本人がいきたいということであれば…」
「…なら次の目的地は決まりだね」
とまあそんなこんなで話が纏まると、先ほど爆睡していたはずなのにお腹一杯にご飯を食べたことで眠たくなったのか、瑠璃がふと大きな欠伸をしながらうとうとし始める。
ふと室内の時計に目をやった美乃里はもうこんな時間か…そんなことを思いながら、そろそろ寝ましょうかと口にしつつソファーから立ち上がっていく。
「……ふぁぁ〜、お腹一杯に食べたからなんだか眠たくなってきたのだ…」
「…もうこんな時間か、明日も早いだろうしそろそろ寝ましょうか」
その後うとうとする瑠璃を抱きかかえ優乃による安全に寝れそうな部屋があるかと尋ねていくと、2階の自室ならベットもある上に安全ということでそこに案内してもらうことに。
「よっと…、優乃君。何処か安全に寝れそうな部屋とかあるかな?」
「あーそれなら自分の部屋を使ってください、いい感じのベットがあるんで」
「ありがとう、ならそこに案内お願いするわね」
問題なく2階に上がり瑠璃をベットへ寝かしつける頃には既に爆睡しており、その様子を見ていた優乃はさっきあれだけ寝ていたのに…と苦笑いを浮かべていく。
まあそれだけここ落ち着ける場所であることを意味している上に、これから先落ち着いて休める保証もないため、休めるうちに休んだ方がいいと美乃里は寝かしつけながらそう口にする。
「…すぴー…」
「…もう寝てますね(汗)、あれだけさっき寝てたのに…」
「まあそれだけここが落ち着ける場所なんでしょう、でもそのほうがいいんだけどね。これから先こうして休める保証はないわけだし…」
もちろん優乃もそのつもりであり、安全も考えてこの部屋で瑠璃と寝ることにした2人は、わずかに着けていた明かりを消すと、そのまま優乃は引いた布団で、美乃里は瑠璃と一緒に眠りにつくのであった。