学園生活部と銃マニアの女子高生   作:三坂

3 / 18





第3話 武器調達

 

 

 

 

 外の景色が暗くなり始めている頃、夕食を食べ終わった椎名は気分転換にリラックスするためお風呂に浸かっていたようで、タオルで頭を拭きながら丁度リビングへと戻ってきていた。

 

 

「ふぅ……さっぱりした…」フキフキ

 

 

 その後はドライヤーで髪を乾かしてから、使った食器を洗うために再びキッチンへと戻り、お湯とハイターでつけていたカレー皿などを綺麗に清掃する。

 ちなみに本来ならお風呂から上がったのならパジャマなのだが、万が一何かあっても動けるよう私服を着ているようだ。

 

 

「っと…そろそろお湯とハイターにつけたカレー皿もいいかな、ちゃちゃっと洗い流しちゃお…」

 

 

 そんなことを説明している間にも1人分ということもあってかあっという間に皿を洗い終わった椎名は、キッチンのテーブル椅子に腰掛けながら今後のことについて考え始めていく。

 

 

「よっ…と、さてと…これからどうしたものか…」

 

 

 出来ればこのまま事態が収束するまで籠城することが望ましいものの、もし本当にゾンビパンデミックなら食料がある3週間のうちに落ち着くとは限らない。

 長期間化した場合外への物資調達も視野に入れ焼ければならず、そうした場合感染した元人間と必然的に対峙してしまうのだ。

 

 

「…出来ればこのまま籠城がいい、けどもし長期間化した場合外部に物資の調達に行かざるおえない。…でもそれなら感染した元人間と嫌でも対峙することに…」

 

 

 いくら感染して凶暴化しているとはいえ元は普通に暮らしていた人間、出来れば殺したくはないもののそこで躊躇してしまえば自分もその仲間になってしまうだけ。

 だが流石に素手で倒すわけにはいかないため、外部に遠征へ行くとしたらそれまでに何らかの武器が必要になってくる。

 

 

「……出来れば殺したくはないけど、でも躊躇したら自分がやられる…。けどやるにしても何か武器がいるよね……」

 

 

 出来れば映画やゲームのゾンビパンデミックみたいに銃があればいいのだが、ここは日本なのでそんなものに期待するだけ無駄というもの。

 なので適当な棒に包丁をくっつけて槍みたいな形にでもするか…、そんなことを思っていた椎名だったがふとあるものに目が留まる。

 

 

「出来ればゲームとかのゾンビパンデミックみたいに銃があればいいんだけど、まっここ日本だしそんなものないのね。…最悪包丁を適当な棒にくくりつけて……ん?」

 

 

 彼女の視線の先には、キッチンやリビングの隣に沿うように作られた廊下を挟んで見える車庫があり、中に厳重に保管された格子状の窓がついたロッカーが2つ置かれているのが見えた。

 

 そういえばお父さんにこのロッカーは非常用のものが入っているから決して開けちゃ駄目だよと念押しされていたな…とふとそんなことを思う。

 

 

「あれは確か……」

 

(回想シーン)

『いいか?椎名、あのガレージにあるロッカーは開けちゃ駄目だぞ?緊急時用のために設置してあるからな』

 

『へー…、緊急時ってどんな時?』

 

『うーん、それはお父さんもよくわかってないんだ。多分災害関連だとは思うが…、とにかくあけないようにな?』

 

『はーい』

(終了)

 

「そういえばそんなことを言ってたっけ……」

 

 

 だが今こそがまさしく緊急事態ともいえる状況、もしかすれば役立てそうなものが入っているかもしれないと思った椎名は直接ロッカーの中身を確かめてみることに。

 

 

「…でも今はまさしく緊急事態って言ってもいいし、もしかしたら何か役に立つものがあるかも…。確かめてみよっと」

 

 

 とはいえお父さんに許可なく勝手に開けるようなものなのでもし帰ってきてロッカーを開けているところを見られたら怒られるだろうな…、そんなことを思いながら車庫へと足を踏み入れていく。

 

 

「まあでも、緊急時とはいえ勝手に開けるようなもんだし…お父さん帰ってきて見られたら怒られちゃうだろうなぁ」汗

 

 

 そんなことを思いながらロッカーの前に立った椎名は、そのロッカーが2つとも鍵と電子式パスワードで厳重にロックされていることを確認。

 しかし彼女はパスワードも鍵も知らないため、間違いなく今のままでは正攻法で開けることは出来ない。

 

 

「…電子式パスワードと鍵か、でも私両方知らないんだよなぁ……」

 

 

 かと言って映画やアニメでよくあるようなバールを使ってこじ開けようにも、肝心のバールがないためそれも不可能。

 まさかの中身をみる以前に開けることがこのまま出来はいのでは…そんなことを思っていると、ふとロッカー横の引き出しが開いていることに気がつく。

 

 

「…でも映画みたいにこじ開けようにもバールうちにないし……、いわゆる八方塞がr……あれ?ここの棚開いてる……」

 

 

 しかも開いている引き出しの場所は唯一その引き出しで鍵が付いている上段なのだが、普段滅多に開いているところを見たことがないのだ。

 

 ぱっと引き出しの中を見たところ、引き出しに入っていた書類が少し乱れているところから恐らくお父さんが警察署に行く前に何か持ち出したのだろう。

 

 

「普段滅多に開いてないのに…、この感じだとお父さんが警察署行くまえに何か持ち出したのかな…?」

 

 

 そんなことを思っているとふと引き出しの中に1枚の紙と鍵が入った小袋が目に止まったので、なんだろうと思いながら彼女はそれぞれ手に取るように出していく。

 

 

「……?この紙と鍵の入った小袋なんだろう…」

 

 

 どうやら紙の方には緊急時と判断した場合、各駐在所に用意されている必需品が入った厳重なロッカーを開けていいこと、そしてその際に必要なパスワードや鍵についての説明が書かれていた。

 

 

『緊急時用マニュアル』

非常事態が発生したと判断した際、このマニュアルに書かれているパスワードと付属した鍵を使い、駐在所に備え付けられたロッカーを開けること。

パスワードは両方共1968

 

「これって…もしかしてこのロッカーに備え付けられたパスワードと鍵なんじゃ…」

 

 

 実際ロッカーのパスワードも4桁となっている上に、駐在所に存在している厳重なロッカーはこれしかないためほぼ間違いはないだろう。

 それに他に宛がない以上確かめるしか選択肢にはないため、意を決した椎名はマニュアルに書かれている通りの手順でそれぞれのロックを解錠していく。

 

 

「…うん、ロッカーのパスワード桁も4桁だ。…やってみる価値はあるかも」

 

『ロッカーのセキュリティ解錠順

①まずパスワードを打ち込む

②その後解除音がなったことを確認したら鍵を鍵穴にさして回す

 そうすれば完全に解除して開くようになっている』

 

「まずはパスワードを打ち込んで…(ガチャ)、それで音がなったら鍵を差し込めば……」

 

 

 するとどうやらそのパスワードと鍵で合っていたようで、鍵をさしてまわすとがちゃんとロックが解除した音が鳴り響いた。

 それを確認した椎名がゆっくり取手を手前に引くと、若干のきしみ音が鳴りながらもロッカーの扉がゆっくりと開いていく。

 

 

がちゃん!!

「…この音は…(ぎぃぃぃ…)ビンゴ…!」

 

 

 果たして緊急時用とされていたロッカーには何が入っているのか…そんなことを思いながら扉を完全オープンした彼女だったが、まさかの光景に思わず目が点になってしまう。

 

 

「…果たして緊急時用って言われてたロッカーには何が……え?…」

 

 

 まあそうなるのも無理はない、いくら緊急時用とはいえまさか厳重そうなロッカーの中身には本来駐在所にあるはずのない銃火器が3種類ほど立てかけられているのだ。

 

 

「えっ…ちょ…これ…銃?」

 

 

 もちろん銃マニアの彼女はこの3種類の銃がそれぞれ豊和 M1500(特殊銃I型)と呼ばれるボルトアクションライフル、そして89式5.56mm小銃、最後にSIG SAUER P226というセミオートピストルなのは一目で分かった。

 

 しかしこのボルトアクションライフルやセミオートピストルは主に警察でも特殊部隊がメインに使っている装備、89式に関しては警察を初めとして自衛隊や海保が使っているもの。

 普通に考えて駐在所どころか一般の警察官が使えるはずのないものがどうしてここに…、と椎名はそんなこと口にしていく。

 

 

「えっちょ…これって豊和M1500にP226、しかも89式まで…なんで特殊部隊御用達のものが普通の駐在所に……」

 

 

 ちなみにこのロッカーは武器やマガジンなどを保管するためのもののようで、もう一つのロッカーを開けると弾薬が入ったと思われる箱が何箱が積み重ねられていた。

 

 

「……こっちのロッカーには弾薬の入った箱が何個かある……」

 

 

 一瞬モデルガンかと思ったものの、試しに手を取ったSIG SAUER P226という拳銃を手に取ると明らかに重みを感じたことでそんなあわい期待は崩れ去ってしまう。

 

 

「…いっいやまさか、こんなのが駐在所にある訳ないよ…!きっとモデルガンとk……、…いや…この重さは…ほっ本物…?」

 

 

 しかも緊急時用マニュアルに書かれていたことが本当のことなら、ここにある武器保管用のロッカーが他の駐在所にもあるということを意味している。

 

 まさかこうなることを事前に予想していて…そんなことを思いながらマニュアルの下の方に視線を落とすと、そこには神奈川県警という文字と有名な製薬会社『ランダルコーポレーション』のサインが目にとまる。

 

 

「ってかこのマニュアル…、駐在所って書いてあるってことはまさかここ以外にも…?そうなるとまるでこうなることを予期して……」

 

 

 とはいえ結果的には強力な武器を手に入れられたことは間違いないと言ってもいいため、理由はさておき使わせてもらおう…と思いながら1つ1つ手に取るようにロッカーから出す。

 

 

「…けど強力な武器を手に入れられたのは大きい、どんな理由で設置したのかは不明だけど有り難く使わせて貰おっと」ガチャ

 

 

 その後取り出した銃火器やら弾薬は一旦リビングのテーブルなどにおいてから、状態を確認するように順番に手を取ってまじまじと見つめていく。

 銃火器に貼り付けられている点検した年月日は最近の日付になっているため、どうやらキチンとメンテナンスはされているようだ。

 

 

「…状態はけっこういいかも、まあ点検した年月日の張り紙を貼ってある時点でメンテナンスはしっかりしてたみたいだし……」

 

 

 それと同時に銃火器などを入れて運べそうなバックパックやカバーが入っていたため、最悪全部持って動こうと思えば出来なくもない。

 …まあ銃自体それなりに重さがあるので、全部持っていこうとすればある程度運動神経のいいJKにはキツそうにも思えるが

 

 

「あとはロッカーに入ってた銃カバーとバックパックに入れれば持ち運びも、…まあ小銃とボルトアクションライフル両方持つのは大変だけど」汗

 

 

 だがそれも歩いて移動する場合に限っての話、そういえばロッカーのあった車庫にチラッとだが車が置いてあったよな…と思い出した彼女は再び戻っていく。

 

 

「…けど確か車庫に車あったよね、それが使えれば……」

 

 

 もちろん駐在所の車庫に止まっている車といえばそれは言わずがもなミニパトカーであり、車庫へ向かう前に車の鍵がかけられている場所に立ち寄っていく。

 

 

「っとその前に鍵鍵……あっあったこれだ」

 

 

 普段なら警察官である父親がパトロールなどに行く際に乗っているのだが、今回警察署に行く時は別の手段で向かったらしい。

 案の定先程ちらっと見た際にあったミニパトカー(スズキ 初代スイフト)が止まっており、それを見た彼女はこれは使えそう…とそ口に溢す。

 

 

「……本当ならお父さんがパトロールとかで使ってるんだけど、今朝は別の手段で行ったっぽい?…でも、お陰で移動手段として使えそう…」

 

 

 鍵などを開けて運転席ドアを開いてから、セルにキーを差し込んでIGONにしつつガソリンの残量を確認すると、最近入れたのか満タン表示になっているようで、しばらくは入れなくても困らなさそうだ。

 

 

「…(ガチャ)うん、ガソリンも満タンだ。最近入れたっぽいけど、これならしばらくは心配しなくていいかも」

 

 

 その後ロッカーから見つけた銃の弾薬の数を把握してなかったことを思い出した椎名は、一旦車のことは置いといて再びリビングの方へと戻っていく。

 

 

「って…そういえば弾薬の残量見てなかった…、それも確認しておかないと…」

 

 

 それから各種弾薬の入った小箱を開けたりしてそれぞれ何発用意されているのか確認すると、以下の通りの数があることを確認できた。

 

SIG SAUER P226 100発

89式5.56mm小銃 200発

豊和 M1500(特殊銃I型)45発

 

 多いように見えて残弾を気にせずに撃ちまくればあっという間に底を尽きてしまうような数に、これじゃあまりメインで使うことや積極的に撃つことは出来ないな…と内心そんなことを思う。

 

 

「うーん…少なくはないけど、撃ちまくったらあっという間に底つきそう…。あんまり積極的には使えないか……」

 

 

 となればやはり頼りになるのは近接武器などといったものになるので、どのみち即席で何か槍みたいなものを作る必要があるかもしれない。

 だが色々しているうちに気づけば当たりは暗くなってきてそろそろ寝る時間が近づいてきていたため、明日に備えて寝ることに。

 

 

「やっぱり近接武器を用意する必要はあるかも…、ってもうこんな時間…明日に備えてそろそろ寝るか」

 

 

 もちろん寝る前に戸締まりなどはしっかり確認しつつ、カーテンを少し開けて外の様子もチラリとだが確認。

 すこし前まで騒がしいぐらいに緊急車両やらなんやらが通っていた筈の通りは、嘘のように静まり返っており街灯に道が照らされるだけで人一人すらいなくなっていた。

 

 

「…その前に戸締まりと外の様子を……(チラリ)うーん…すこし前の騒ぎが嘘のように静まりかえってる……」

 

 

 しばらく外の様子を見ていた椎名だったがふとどこからともなく街灯に照らされる形で1人のスーツ姿男性が目の前を歩きながら横切っている姿が目に入る。

 普段ならば普通に仕事帰りとかかと思うが、よくよく見ると服が血まみれなうえに顔面は蒼白、目も白く濁っているようにも見え、何処か足取りもおぼつかないようにも見えた。

 

 

「……ん?あれは……人?…いやでも…、なんか足取りが怪しい…それに…目も白く濁ってるような…うわ…服も血だらけ」

 

 

 まるでゾンビのようにも見える人影が目の前の通りを横切っていく様子をしばらく見ていた彼女、だが幸いにもこちらには気づいていないため気づかれる前にそっとカーテンを閉めながら窓から離れていく。

 

 

「……」そろーり…

 

 

 その後窓や玄関などの戸締まりを確認していき、問題ないことを確認すると2階にある自室に戻って寝るためにそのままリビングを後にして階段を上がる。

 

 自室に入りそのままベットで横になった彼女だったものの、家族のことが不安になったのか一旦起き上がり勉強机にある家族と自分が映っている写真立てを手にとって見つめていく。

 

 

「よっと………、………(スッ)」写真立てを手に取り

 

 

 やはり連絡が取れない家族の安否が気になるのだろう。それもそのはず、いくら優等生とはいえどまだ彼女は高校生。いきなりこんな状況で1人にさせられたら誰だって不安になってしまうというもの。

 

 とはいえやはり疲れがかなり溜まっているのか、気づけば寝息を立てながら写真立て片手に横になって寝落ちしていくのであった。

 

 

「……スーッ…スーッ…」

 

 

 






まさかの駐在所に銃火器((
本来ならありえないシチュエーションだけど、あの製薬会社のことだからそのへんも考えてるよね(適当)

 ちなみに89式に関しては調べてみたら自衛隊や海上保安庁以外でも警察の特殊部隊が使っていたみたいなので、今回含ませて頂きました(それでも駐在所には本来ないものだけど)。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。