学園生活部と銃マニアの女子高生   作:三坂

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第5話 準備

 

 

 

 こうして外部への探索に出る際の目的地として母校の巡ヶ丘高等学院に向かうことに決めた椎名は、出発する日を明日の朝と仮定して準備を始めていく。

 一応日帰りという形にはなるものの、それでも街の様子がどうなっているか分からない以上、近場の学校でさえ時間がかかることは想定しておかなればならない。

 

 なので日帰りでも充分に物資やらは用意しておく必要があるので、リビングではインスタント系など保管が効く食べ物や飲料水を全てテーブルに引っ張り出し、そこから持っていくものを選別していた。

 

 

「…とりあえず日帰りの予定ではあるけど、外がどうなぅてるか分からない以上備えはしっかりしておかないと……」

 

 

 もちろん日帰りである上にまたここには戻って来るつもりなので全部持っていく必要はない上に、銃火器などの護身用武器を持っていくことも考えるとあまり持っていくことは出来ない。

 ひとまず水やお茶といったペットボトルの飲料水を何本か修学旅行などで使う予定だったリュックに詰め込みながら、インスタント麺も上手くスペースを調整しながら入れていく。

 

 

「けどあんまり持っては行けないよね…、銃火器もある訳だし…。とりあえずインスタント麺と飲料水を何個か入れておいて……」

 

 

 食べ物などを一通り入れ終わるとふと着替えをどうしようか…と脳裏に浮かび上がったのか少し手を止めて考え始める。

 万一日帰りで帰れないことを考えると野宿みたいなことをすることも充分に考えられ、非常時とはいえ流石に同じ服を着るわけにはいかないだろう。

 

 もちろんなんでもかんでも持っていくわけにはいかないため、ひとまず下着ぐらいは替えを持っていこうかな…そんなことを思いながら一旦2階の自室へと向かっていく。

 

 

「よし…こんなものかな…、っとそういえば着替えどうしよう…。日帰りだけど…、一応下着だけは用意しておこうかな?」

 

 

 そうこうして食べ物やちょっとした衣服、そして地図やインスタント麺などの調理に使うカセットコンロを準備し終えると、明日すぐに出発出来るように車の後部座席へと入れる。

 

 

「えっと食べ物に衣服…、あと地図とかカセットコンロも用意して…、よしあとはこれを車に入れておいて…っと」

 

 

 それが終わると今度は自分の身を守るための武器である銃火器のメンテナンスやらマガジンへの弾込めをするために、再びリビングへ戻った椎名は車庫のロッカーから手に入った銃や弾薬小箱を並べるようにテーブルに置いていく。

 

 

「とりあえず食べ物とかはこれでオッケー…、あとは銃火器の方も色々見ておかないと……」

 

 

 未だにこれが本物であることに信じられずにいる椎名だったが、テーブルに並べる際に手に持った瞬間、モデルガンとは違った重みを感じだことで、これが本物だという現実を突きつけられていた。

 

 

「…未だに信じられないけど…、ここに持ってくる時に感じたあの重み……どう見ても本物だよね…コレ…」

 

 

 いくら銃マニアな彼女とはいえど流石に本物を触ったことはないため、とりあえず3種類から一番軽いSIG SAUER P226拳銃を手に取っていく。

 まさか本物を触れる日が来るとは…という思いを持ちながらも、同時にきちんと扱えるのかという不安が脳裏に過ぎる。

 

 

「とりあえずコイツを…(P226を手に取り)、にしてもまさか本物を触れる日が…。…でも上手く扱える…かな?」

 

 

 確かに強力な武器であることには変わりはないが下手に扱い方を間違えれば自身の身を滅ぼしかねない、特にホンモノを扱ったことない人間が使うなら尚更だ。

 なので本格的な実戦を経験する前に手慣らししておく必要があるので、何度か試し打ちをしておいて損はないだろう。

 

 

「確かに強力だけど…、下手したらこっちにも危害が及ぶ……。それに土壇場で上手く撃てる保証も…、やっぱ試し打ちしておいた方がいいか…」

 

 

 当然だが試し打ちするにしても家の周辺で使えば殺人病に感染した歩く屍が寄ってくる可能性が出てくるため、少し離れた場所でするのがいいかもしれない。

 となれば学校に向かう道中で試し打ちするのが確実であり、そんなことを考えながらリリースボタンをリリース。

 

 

「っても家の周辺じゃまずいから…、やるだとしても少し離れた場所で……。あっ学校いく道中なら……」スチャ

 

 

 その後弾倉が出てきたことを確認すると、拳銃側のセーフティが機能していることを確かめながら弾薬小箱からP226用の9x19mmパラベラム弾の弾を1つ1つ込めていく。

 まあ弾があったところでちゃんとマガジンに込めて準備しておかないとすぐには撃てないし、そもそも土壇場で呑気に装填など出来るはずもない。

 

 なのでこうして余裕があるときにしっかり準備しておく必要があるため、予備の弾倉2つにも同様に椎名は弾を装填していく。

 

 

「っと…、やっぱモデルガンとは違うなぁ…。当たり前っちゃ当たり前だけど…」

 

 

 そんなことを呟きながらも少し慣れた感じで弾倉に弾を込め終わると、15発の弾がたっぷり入ったマガジンを拳銃に装填。もちろん薬室には入れない状態にしつつ、適当な壁に構えてイメトレみたいなことをしてみる。

 

 

「よし…とりあえずこれでコイツの弾込めは完了…、っと……(スチャ…)ひとまず今は撃つ必要はないからスライドせずに……。こんな感じ…かな?」

 

 

 ホンモノの銃を撃ったことがないとは言えど、動画などで撃ち方を学んでモデルガンなどでその姿勢も何度かやったことはあるため、構える姿勢だけなら経験者にも見えなくはない。

 しばらくそんな仕草をしていた椎名だったが、他の銃火器のマガジンにも弾を込めないといけないため、一旦拳銃をテーブルに置いてから次の銃の弾込めに入っていく。

 

 

「……うーん、見た目だけは行けるんだけどな。ってそんなことしてる場所じゃないか、他のやつにも弾を込めないと……」

 

 

 とはいえ残る2つである89式小銃と豊和 M1500ボルトアクションライフルといった明らかに本格的な銃火器であり、女子高生が持つにはいささか大きいようにも思える。

 だがその分両者共に威力や射程などは拳銃とは比べ物にならないため、上手く扱えればそれこそ強力な武器になることには間違いはない。

 

 

「やっぱ2つとも大きいなぁ…、拳銃とはえらい違い……。いくらガンマニアの私でもちょっと大きい…か?いやまあでもその分強力な武器には変わりないし…」

 

 

 だがこれを使うということは感染して凶暴化した歩く屍とはいえど元はれっきとした人間を撃つということを意味、…いやそれだけならまだいい話。

 今や法や秩序が機能しなくなった以上、自分と同じ人間も場合によっては脅威になりうるだろう。

 

 なんせ充分な武器を持っている上に食料などもそれなりに用意している女子高生など、襲われるには充分に要素を満たしている。

 …いや襲われるだけならまだいい、それ以上のことをされるとなると考えるだけでも気分は最悪だ。

 

 

「…でもこれを撃つってことは…、いやまだ感染者ならいい…。こんな法も秩序が機能してない世界じゃ同じ人間にさえ何をされるか……」

 

 

 出来ればその状況は避けたい…しかしもしそうなった場合は、覚悟を決めておく必要があるだろう。もちろん感染者だからといって気軽に撃てるわけもない、最悪の場合知っている人物が感染した状態で目の前に現れる可能性もあるのだ。

 どのみちこの銃火器を使うとなれば、しっかりとした覚悟を持たなければこの先の困難を生き残れない。

 

 

「…出来れば避けたい、けど覚悟はしない自分の身が守れない……。例え…感染した家族と再会することになっても……っ……」

 

 

 一瞬手が震えかけた椎名だったが、覚悟を決めた表情を見せながら気持ちを切り替え、手を止めていた弾倉への弾込めを再会。

 それが終わると銃を専用のカバーにいれると先程車に乗せた食べ物などが入っているバックに押し込むように詰め込んでいく。

 

 

「…いやいや…!そんなこと言ってたら自分を守れない…!!自分の身は自分で……っと!」(助手席に荷物をぶち込み)

 

 

 こうして準備をしている間にも時間というものはあっという間に過ぎ去っていき、気づけば時刻は夕方を示す5時を指していた。

 まさかお昼も食べずに熱中していたとは、そんなことを思っていると急にお腹が空いてきたため、とりあえず夕飯にしようと呟きながら立ち上がる。

 

 

「…うわ…!?もう夕方…、熱中し過ぎたかm…(ぐぅぅぅ)。やば…お腹減ってきた…夕飯にしようっと…」

 

 

 幸いにも夕飯は昨夜のカレーが残っているため、それをしっかり空気に当てながら温めつつ、炊飯器の釜にに研いだお米をぶち込んでいく。

 とまあそんなことをしている間にも時間は過ぎていき、気づけばあっという間に外の景色はオレンジ色から暗闇へと変わっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな着々と準備を進め始めているのと同時刻、巡ヶ丘橋では引き続き検問体制が引かれた状態での封鎖が続いており、昼間よりも人や車が押し寄せるように橋の上に詰めかけていた。

 もちろん警察官もその対応におわれており、DJポリスなどは昼間よりも厳しい口調で混乱している市民に対して呼びかけを行っていく。

 

 

『例え家族であっても!!襲いかかる人から離れなさい!!負傷したもの、他者に襲いかかるものは通せない!!』

 

 

 そんな橋の上、封鎖ラインの敷かれたバリケードの最前線である場所では女性のニュースキャスターがカメラに視線を向けながらも報道用のカンペ片手に報道を行っていた。

 

 

『巡ヶ丘市の西部の封鎖は尚も継続されていますが、日本全土のみならず全世界で感染症が蔓延する中、その意味があるのかどうかについて、一部住民から強い批判を浴びています!』

 

 

 ちなみに彼女達は現地の状況を伝えるためにこうして巡ヶ丘市にやってきたのはいいものの、感染拡大によって洋上への脱出した本局に帰還する手段を喪失。

 なので衛星中継によってできる限りの情報を伝えるためにこうして、世界の終わりが見えつつある中でも懸命に伝えているらしい。

 

 

『尚、取材に訪れた我々は感染症拡大の影響により洋上に脱出した本局に帰還する手段がなく…。衛星中継によって可能な限り巡ヶ丘市での取材を……』

 

 

 そんな中、巡ヶ丘西警察署の署長でありこの巡ヶ丘橋の封鎖や検問を指揮している中年男性の警察は、無線片手に何処かとやり取りをしていた。

 しかしその口調はかなり力強く、無線の内容に怒り心頭しているようにも思え、同時に懸命な訴えをしているようにも思える。

 

 

「自由にしろとはどういうことですか!?県警本部からの応援は!!」

 

 

 どうやら今行っている封鎖に関して神奈川県内で最も大規模であり余裕のある県警本部からの応援を派遣してもらえるように交渉しているようだが、あらぬ返答が返ってきたことでこの状況になっているらしい。

 だが代理で連絡を受け待っている通信司令部も好きでそういった返答をしているわけではなく、どうやら県警本部との通信が途絶えてしまったプラス本庁もそれどころではないとのこと。

 

 しかし自分たちだってはいそうですかと言える状況ではないため、思わず手にしていたインカムの無線機を地面に叩きつけていく。

 

 

「通信が途絶した…!?くそっ!!」カコン!

 

 

 するとその直後部下らしき男性警察官が駆け込んできて、今の今までなんとか堪えていたバリケードが押し寄せてきている市民やゾンビに突破されそうだと報告。

 とはいえ署長もそれはいずれそうなることは分かっていたようで、だからこそ役所の人間や警察署でも普段警察業務をしない会計課などの連中も借り出したんだと愚痴を溢す。

 

 

「署長!!このままではバリケードが破られます!!」

「そりゃそうだろうよ…、頭数足りなくて…会計課や役所の人間も借り出したんだからな…!」

「しっしかし!!」

 

 

 だが愚痴ったところでどうにかなるかと言われるとそんなことはなく、表情を切り替えると先程インカムで本庁…いわば上からの内容を話し始める。

 状況がこうなってしまっている以上、上層部としては治安を守る為ならどんな手段をとっても構わないとのこと。

 

 

「…上から通達があった、治安を護るためなら何をしてもいいとさ…、向こうも酷いらしい…。警視総監から全体への訓示は『出来ることを出来るだけやれ』…だそうだ」

 

 

 もちろん手段を選んでられないというのは部下もわかりきっており、なら早く命令をと焦りの口調で詰め寄っていく。だがそれは裏を返すと対岸に残されている市民を見捨てるということになるため、そんな簡単に切り捨てられない署長は一瞬迷ってしまう。

 

 

「ならば命令を!!対岸に無事な市民がいたとしても、大を生かすには小の虫を…!!」

「………市民を護るのが俺たちの仕事なのに…」

 

 

 そもそもこの騒動だってまだ始まってから2日も経っていないのに、ここまで事態が悪化するなど誰が予想したのだろうか?その苛立ちもあってか署長は悔しそうに車の運転席ドアガラスを叩きつけると、ぶつけどころのない怒りを吐いていくのであった。

 

 

「…くそっ!!この騒動が始まってまだ2日も経っていないんだぞ!!」

 

 

 

 






がっこうぐらしもいいけど
学園黙示録とかラストオブアスの終焉に向かうまでの流れもいいよね()
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