復讐の第二帝国   作:F-Shinji

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この作品は、私がようつべとニコ動で公開している【鬼畜Kenshiランス】と言う、ランスシリーズのキャラをKenshi世界に放り込んだ実況プレイ動画のランスキャラを、オリキャラに変更して小説化した内容となっております。
大した動画では無いですが、この小説を読んで興味が湧きましたらググッてみて下さい。


000:三人の転生者

 

 

俺はアヤト。

 

何処にでも居そうな、普通のサラリーマン。

 

事故かなんかで死んだ気がするが、気が付いたらKenshi世界に居ました。

 

正確には、ホーリーネーション領内の、ブリスターヒルの西・スタックの北辺りに立っている、オクランとか何とかの像の前で。

 

それは、近隣の農村の人達が教えてくれた訳だが、ある設定により、俺が男性と言う事でやたら親切だった。

 

【ホーリーネーションの市民】と言う設定なのか、金は200cat(単位)しか無かったが、聖火の経典を持っていたので、修行中の旅人だと言うと、宿泊する場所に加えて、何と食料まで恵んでくださいました。

 

ガラスかなんかで自分の顔を見た際、だいたい20代半ばくらいに見えて、やや茶色と言った感じの短髪であり、ゲームで設定した顔を何となく似ているな~ッと思った程度だが、農民の皆様には何故かストライクだった模様。

 

 

————しかし、男である。

 

 

このホーリーネーション。

 

所謂、びっくりする程の男尊女卑の国でありました。

 

まァ、男が生きやすいってのは有り難く、貧富の差が激しい都市連合や、弱者には肩身が狭いシェク王国に飛ばされなかったって時点で、むしろ感謝したいくらいだ。

 

……とは言え、初期ステータスでリアルのKenshi世界に飛ばされて、生活の為に最初に遣る事と言ったら【アレ】かなァ……

 

ずっと農村に居るのも良いんじゃないかと思ったが、数日経つと村人の目線が少し怖くなったし、戦闘も(居れば)別のプレイヤーが勝手にやってくれって感じだが、働かなくては生きてゆけないので、結局、俺はやや大袈裟なお見送りを受けて、スタックの街に全力疾走した。

 

正直、俺のケツを眺める視線が痛かったですッ! もう来ません!!

 

それにしても、腹は減るけど、大して疲れないぜッ!(普通に眠くはなるが)

 

わんこ(ボーンドッグ)は足が遅かった一方、俺は走ってるウチに足が速くなってるし、それなりに楽しめそうな世界だ。

 

だけど、戦闘だけは勘弁な!?

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

————要塞都市スタック。

 

 

武器屋が無い以外は設備が充実しており、ブリスターヒルに次いで賑わっているホーリーネーション三大都市のひとつ。

 

当然、ゲームと比べると格段に広く、東西には要塞門が有り、北に上級審問官セタの【城】とも言える建築物が聳え立っている。

 

防護壁上の砲台はクロスボウのみと、やや火力としては乏しいと言えるが、何も使わないシェク王国と比べればマシかもしれない。

 

一方、ハープーン砲台(だったか?)を携えている都市連合は……今は関係無いとして。

 

原作でも発電所が有った辺り、思ったよりも店内の電気や街頭、防衛の為の照明などは充実していた。

 

街を行き交い・出入りしている人間も非常に多く、スタックは防衛の要のひとつとして兵士が非常に多く在籍している事から、毎日の様に肥沃な土地で大量生産されている食料が農村から届けられ、その物流は止まる事が無さそうだった。

 

疲労が溜まりにくい世界だからか、それなりの数の女性も馬車馬の様に働いているが、無駄に咎める様子は見ないので、男連中も余計な事に時間を使って効率を下げる程、愚かでも自意識が高い訳でも無い様だ。

 

う~ん、ゲームとは全然雰囲気が違って、街中を眺めているダケでも面白いな……だが、仕事を探さなくっちゃな……【アレ】は最終手段として……

 

ケツにさえ違和感が無かったら、ある程度、運動や労働のステータスを上げるまではNOUFUでもマジで構わなかったんだけど、農作業は女性の仕事でも有るらしくて、最悪【自分の仕事を奪わないで下さい】と泣きつかれる程らしいからな……(炭鉱送りが怖いのかもしれない)

 

さて置き。

 

門番から簡単に荷物検査をされ、街に通された後、直ぐに【街の光景】に目を奪われつつ、そんな事を考えていた俺だったが、気を取り直して街中に紛れていった。

 

新しい生活の、期待に胸を膨らませて……!!

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

————だが結局、俺が辿り着いたのは【アレ】=KOUFUであった。

 

 

ホーリーネーションは人口が多い上に、誰も彼もが財に対する【欲】に乏しいので、全体的に給料が安かった。

 

内地の肥沃な農村で働く女性は無給な者も多いくらいだ。

 

一方、飯は(肉以外)安くて美味いので、それには感謝しなければならないが……

 

実際にはどうだか分からんが、富を得たら得たで、欲深い悪人として火炙りにされたりしないだろうな?

 

 

「今回は、銅を〇〇キロで……」

 

「おおッ、何時も有難う座います、兄弟ッ!」

 

 

そんな不安を抱えつつ、スタックでは不足しがちな【銅】を売って生計を立てる事にした俺。

 

そんな銅は原作とは違って、Modでも適用……いや、リアルだから当然なのか、ざっと調べたら買取価格が180catではなく、高めに変動していたのだ。

 

よって、俺は迷わず飛び付いて、ツルハシ(無料レンタル)片手にスタックを飛び出した。

 

尚、銅鉱脈はゲームを遊んでいた人なら分かるかもしれないが、スタック南東の【あそこ】だ。

 

本来、銅は【リバース鉱山】を始めとした専用の【鉱山施設】を経由して流れて来るモノを仕入れるしか無く、KOUFUを組織して、それ以外の場所で掘らせようにも『富を狡猾に得る悪行』とか言われたら怖いっぽく、最悪、噂に尾ひれがついてしまう可能性も有るらしい。

 

また、壁も無い屋外でKOUFUに労働させる場合、ボーンドックや野盗に襲われる可能性が無い訳ではないし、だからと言って【鉱山施設】の門を守る衛兵が如く彼らを護衛する部隊を用意するにしても、費用に対する利益率の悪さやらで商人が腰を上げにくく、良くも悪くもホーリーネーション特有の【歯車】に阻まれてしまっていた。

 

しかし、その辺の流れ者=俺が掘って来た銅を買う分には利点しか無いので、商人達は喜んで俺が持ち込んだ銅を買い取ってくれた。

 

相手が男性ならば、褒めちぎるのも忘れない。

 

オクラン万歳!!

 

……とは言っても、一人で稼げる金額などたかが知れているので、一日掛けて掘った【銅】を売るも、僅かに衣服を更新するダケで殆どなくなるので、(肉を控えて)質素な生活を繰り返す事、約二週間。

 

 

「(大きな声は出せないけど……酒が美味ェ! 安酒な筈なのにッ)」

 

 

相変わらず痛いのは嫌なので戦闘はしていないが、念願の【木製バックパック】を手に入れ、服とパンツを普通等級に替え、靴は何故か移動速度の上がる下駄にできた。

 

原作と違って野菜料理が格安な反面、何故か下駄が高かったりして意外だったが。

 

今は徐々に貯金を始めており、肉も食べれてるし、久々に酒も飲めたしで、徐々に黙々と働いてきた成果が出始めていた。

 

原作だと、ホーリーネーションの酒場にアルコールは無かった気がしたが、実際、有るんだから問題無し!!

 

(多分)セタさん、ありがとうッ!

 

さてさて、このまま小屋を買うか? それとも、女の子を身請けしちゃったり? ブリスターヒルを見に行くのも良いな……!

 

生活に余裕ができると、自然と視野が広まってゆくモノであり、俺が色々と考えを膨らませていると……

 

 

「あの……」

 

「えっ?」

 

 

酒場でチビチビとラム酒を飲んでいた俺に、一人の少女が話し掛けて来た。

 

男性には何度か話し掛けられた事が有るが、女性は初めてだった。

 

見た感じ10代半ば辺りか? 結構小柄で、身長は150cmくらいだろう。

 

また、黒髪のショートヘアで、顔は可愛いと思うが無表情と言った印象だった。

 

Kenshi世界では、体格は実力に影響しないのは置いといて。

 

そのすぐ後方には、同じくらいの体格の少女がもう一人立っていて、そちらは薄茶色のロングヘアでニコニコとしている。

 

二人とも半袖のシャツにズボンと、他の女性と大して変わらない服装をしているが、どれも品質が良さそうで、その雰囲気には身分の差と言うのを感じた。

 

それに対して、俺が判断に迷って固まってしまっていると、黒髪の少女が口を開く。

 

 

「同じテーブル……御一緒しても、宜しいですか?」

 

「あ、あァ。勿論……」

 

「有難う御座いますッ」

 

 

何だこの突発イベントは……どうすれば良いのだ!?

 

俺がOKすると、少女二人はぺこりと頭を下げ、ちょこんとテーブルを挟んだ正面の椅子に座る。

 

 

「えっと、私に何か御用で……?」

 

「先ずは、自己紹介いたします。私はハトコ……上級審問官セタの娘です」

 

「!?!?」

 

「そして、こちらが幼馴染のエル。上級審問官ヴァルテナ様の娘になります」

 

「…………」(ペコリ)

 

「はァッ!? あ、あのあのッ! わ、ワタクシッ、何か【しでかして】しまったのでしょうか!? このラム酒がダメだったりッ?」

 

「いえ、別に咎めに来た訳では有りません。どうか、お掛けになって下さい」

 

「は、はァ……」

 

「それでは改めまして。貴方が、此処最近、雑貨屋で銅を売り続けている【放浪者】の方ですか?」

 

「(設定はホーリーネーションの市民っぽいが)そ、そうです。名はアヤトと言いますッ」

 

「……何故、銅を掘って売却しようと?」

 

「ど、銅鉱脈が近くに有って、それが高く売れると分かって……」

 

「フム……銅鉱脈は、偶然発見されたと言う事ですか?」

 

「(最初から知ってたけど……)はい。偶然です」

 

「以前の街などでも、似た様な労働手段を?」

 

「いえ……初めて思いつきました」

 

「それにしては、真っ先にバックパックを買われていた様ですが?」

 

「だ、誰にでも思いつくかな~と……(KOUFUだと【買うもの】じゃん!)」

 

「一日で売却するのであれば、購入せずとも持ち運べますよね?」

 

「あ、後の事を見越してまして……」

 

「成る程。それで、一人で掘られていたと言う事ですが、危険だとは思わなかったのですか?」

 

「百も承知でしたけど、街が近かったですし、直ぐに逃げれば大丈夫かなと思いまして」

 

「随分と、肝が据わっていらっしゃるのですね。貴方のような方は、聞いた事が有りませんでした」

 

「お、臆病なダケですよ……この年でも、実戦経験なんて有りませんし……」

 

「!? その、お年で……ですか?」

 

「……はい……」

 

 

ゲーム開始時点だと、どんな見た目でもパラメータはオール1だけど、現実的には有り得ないんだよな……

 

見た目が25歳くらいとくれば、多少は棒を振った事くらいは有るだろうし、実戦経験が無い上に未だに定職も就かないから【放浪者】なんて呼ばれるのだ。

 

意気揚々と生活していた俺だったが、客観的に考えたら、めっちゃ恥ずかしい存在じゃないか……

 

境遇が境遇だから仕方ないとは思うが、相手が10代の少女なダケに、羞恥心で押し黙ってしまう俺だったが……

 

何故か、少女の方も驚いていた様に見え、目を丸くしていたが、表情を改めると再び口を開いた。

 

 

「キャットロンは、大陸の南東に居る」

 

「!?!?」

 

「バグマスターの宝は、大量の歯」

 

「……!?」

 

「ナルコの誘惑には、AIコア……」

 

「……!!」

 

「私の独り言で、露骨に驚かれていますね。何か、変な事を言いましたか?」

 

「えッ? だ、だって、それって……セタ様の娘なのに……」

 

「そうです。生まれてこの方、ホーリーネーション領を出た事が無い私が、何故、そんな事を知っているのか……」

 

「まさか————」

 

「私とエルも、【向こう】からやって来ました。貴方とは違って、生まれ変わりでしたけどね」

 

 

 

 

……

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

上級審問官セタの娘、ハトコ。

 

小柄で冷静な無表情の少女だが、無口ではなく、むしろお喋りと言って良い程、狡猾で口が回る。

 

女性ゆえに公には言われていないが、影では10年もの間【神童】と称賛されており、物心がついた頃にはスタックの繁栄に貢献し始めたとの事。

 

成る程……原作より遥かにスタックが繁栄してて、女性も頑張っていると感じたのは、その為か……

 

表では全てセタの手柄と言う事にされているが、彼も娘の才能を認めていて、原作よりもホーリーネーション全体の男尊女卑を和らげでいるレベルなのが凄い。

 

彼女は【記憶がそのままで、後ろ盾も有れば、誰でも少しはマシに出来ますよ】と、自分の実力を誇っていなかったが、俺は滅茶苦茶感心した。

 

そんな才女に、スタックに着いたら直ぐ【一人で銅鉱石を掘りに行く】毎日を過ごす奇特な俺が、見逃される筈が無かったと言う訳だ。

 

一方、上級審問官ヴァルテナの娘、エル。

 

こちらは【Kenshi】を知らない。

 

ハトコよりも更に年下で、同じく小柄だが、常にニコニコしている反面、こっちは何故か無口だった。

 

加えて【おてんば】ゆえに物心がつくと【オクランの盾】を離れようとした事が有った為、ヴァルテナがセタの娘に面倒を見て貰おうと預けた際、暫くして互いに【向こう】の世界の人間だと言う事に気付き、それからはずっと一緒に行動しているとの事。

 

俺も俺で【向こう】で死んだ身なので、ハトコとエルとは直ぐに意気投合し、それから銅採掘は続けつつ、夜は東の宿兼酒場で三人で一緒に食事をする事が多くなった。

 

尚、原作とは違って、スタックの宿にはちゃんと個室が有った。

 

コレもハトコの政策の一つであり、それに伴って、宿屋の収入も飛躍的に上がっている。

 

 

「もう、こっちに来てから一ヵ月かァ……」

 

「お互いに【向こう】の出身だと言う事は分かりましたが、それはそれで終わり、特に何も有りませんでしたね」

 

「ぼちぼち銅採掘も飽きたし、戦闘でもって考えてはいるんだけど、重鎧は高いからなァ……」

 

「でも、ちゃんと【リアル】では痛いですし、ホーリーネーションで手足が飛んだらオシマイですので、時間が掛かってでも高品質以上の装備を目指すべきです。今のスタックには侍装備も並んでいますから、そちらを目標にすると良いでしょう」

 

「分かっちゃいたけど、打たれ強さを上げるのが、こっちだと一番キツそうだな……それに、他の街で武器は勿論、実際に戦うなら担いでくれる仲間も欲しいし……」

 

「安全性を重視し過ぎると、戦いに移行できるのは、大分先になってしまいますね……特に決壊したら、立て直すのは困難でしょう。ジグザグ回避も、相手の大振りの隙を突くのも、現実では無理でしょうから」

 

「う~ん、どうすっかな……まァ、もう少し金が溜まってから考えるか……それより、ハトコの方は今後、何か考えてる事でも有るのか?」

 

「今は特に無い……ですね。私もエルも冒険への憧れは有りますが、此処に居れば安全なので離れる理由が思いつきませんし、何よりお父様が許してくれないでしょう」

 

「そりゃそうだ。立場は勿論、此処以外の国が原作と変わらないなら、尚更、出て行くなんて馬鹿げてる」

 

「ですから……私は変わらず、ホーリーネーションの男尊女卑を徐々に改善しつつ、シェク王国と都市連合に侵略されない様、密かに国力を上げる政策を補助してゆくつもりです。お父様も、私の考えには理解を示してくれていますから、いずれはホーリーロード・フェニックスにも……」

 

「原作のセタからは考えられないなァ」

 

「そうでしょうか? 彼らは同盟を組めば、スケルトンさえ見逃してくれるんです。娘の言葉に耳を傾ける事くらいは、やって頂けなければ困りますよッ」

 

「ハハッ、違いない」

 

 

ゲームでは不可能だったが、プレイヤーが国自体に介入し、国力を上げてゆき、その中で平和に暮らしてゆく。

 

四肢が吹っ飛ぶのを醍醐味とする【Kenshi】としての面白味はなくなってしまうが、ビークシングに食われたり、【死にかけ】となって地面に転がるリスクを考えると、冒険しない事が最も賢い生き方だと考えても仕方ない。

 

実際、原作よりホーリネーションの情勢がマシな今、俺もこのままハトコとエルと一緒に軽口を交わしながら過ごすのも良いかと感じていた。

 

そんな中、食事を進めていると、唐突にハトコとエルは互いに頷き合い、(合法でも有る酒の影響か)妙に頬を朱に染めながら口を開くが……

 

 

「で、ですからアヤトさん。これからも、私達と一緒に————」

 

 

————バァン!!!!

 

 

ハトコの言葉を遮るかのように、勢い良く宿屋のドアが開かれる。

 

それにより、酒場側の常連達が一斉に注目し、各々の視線が重なった先には、スタックの宿屋を拠点にしている傭兵のリーダーの男が立っていた。

 

その傭兵のリーダーは、既に武器を手にした臨戦態勢で、慌てた様子で叫ぶ。

 

 

「お、おいッ! 大変だ!! スケルトンの軍勢が攻めて来たぞ……!!」

 

「!? す、スケルトンだとォ~!?」

 

「そんなッ!? (原作じゃ)有り得ません……!!」

 

「……!!」(オロオロ)

 

「スケルトンッつっても、首無しのスラル型だが、時間が時間だし、何より数が多くて、夜間警備の頭数じゃあ対応できないッ! だが、俺達にとっては稼ぎ時だから、酔いが回ってないヤツは全員出ろ!! ちゃんと報酬は弾むってよッ!」

 

「マジか!? ……ッしゃ! 行くぜ!!」

 

「腕が鳴るぜ~!!」

 

「ハトコッ。あ……有り得ねえッ、有り得ねぇって……!!」

 

「これは、ホーリーネーションだけ……? それとも……」

 

「……!?」(オロオロ)

 

 

傭兵のリーダーの言葉に、同じチームの傭兵達が、酔いも関係無く揃って立ち上がり、武器を手に取ると宿屋を出て行った。

 

それと同時に、店内は大騒ぎになってしまうが、その一方、俺とハトコは茫然とその場に立ち尽くしていた。

 

常にニコニコしていたエルでさえ、今回は不安そうに俺とハトコを交互に見ている。

 

前述の通り、エルは原作の事を知らないが、他の者達とは【違う驚き方】をしていそうな俺達を見て心配になったんだろう。

 

……そう……【バニラ】で首無しのスラル(隷属)型のスケルトン部隊が、従来の場所を離れてスタックを襲う事など有り得ないッ。

 

コレは、何を隠そう……俺とハトコでも【この時点】では予想できない、キャットロンが率いる【第二帝国】の侵攻を意味していた。

 

 

————この夜を皮切りに、大陸全体で狂ったスケルトン達が暴れ続ける地獄の日々が、始まったのであった。

 

 

「ハァ……もしかして、スタックでスローライフを過ごすのは、お預けな感じか?」

 

「明日、お父様に呼び出される事は、間違い無いでしょうね。頭が痛いです……」

 

「元気出せって。付き合うよ! 生の上級審問官セタ様ッてのを見る絶好の機会だし!」

 

「あッ、そっちなんですね……(生来の【Kenshi】好き……いずれは……)」

 

「……!!」(ピョンピョン)

 

 

尚、このスタックに対する襲撃は夜通し続き、多くの兵達が疲弊した上で終結した事に加え……

 

以後、この街に住む人間の全員が長くの間、不安な夜を過ごす羽目となってしまった。




ホーリーネーションが原作よりも過ごしやすかったら、そりゃ一生住むよね。
だったら、せやッ! 第二帝国を全世界に嗾けて、無理矢理にでも戦わせたろ!
作者は【第二帝国が攻めてくるMod】が大好き。Kenshiが格段に面白くなります。
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