メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第1章:明智、異世界転生する
第1話 俺は異世界に来た。


 俺は気が付いたら荒野に投げ出されていた。

 

 確か俺は……

 

 怪盗団の奴らに全てを託して……シャドウたちに取り囲まれて……

 無我夢中で戦って、その先……

 

 衝撃を感じて、意識が飛んだんだ。

 

 最後に見たのは、絶望的な数のシャドウたちの姿……

 

 蝶の羽を備えた王族風の衣装を身に着けたシャドウ。

 インド風衣装に身を包んだ猿人の姿のシャドウ。

 様々な武具を手にした、屈強な身体の六腕のシャドウ……。

 

 どいつもこいつも、凶悪なオーラを放ってて。

 単独でも楽ではないのに、それが数えきれないほど居る……

 

 心が折れそうになったけど……

 

 最後の瞬間まで足掻き続けないと、アイツに幻滅されるんじゃないかと思った。

 

 ……アイツに……雨宮に。

 

 

 

 俺の名前は明智(あけち)吾郎(ごろう)

 18才の高校生探偵だ。

 

 母親譲りでルックスが良かったからか、探偵王子と呼ばれていた。

 それで世間的な評価は……名探偵。

 

 ……表向きは。

 

 俺の本当の姿は殺し屋。

 悪徳政治家の父親に自分を認めさせるために、自分の有能さを一番示せるその分野で仕事を続けていたんだ。

 

 そしてその末路が……

 

 さっき言ってた状況だ。

 ずっと仕えて来た父親にハメられて、数えきれない数の敵に囲まれて、絶体絶命の状況に追い込まれた。

 そしてその後……

 

 今の状況だ。

 

 俺はそのとき豪華客船の機関部分の金属の通路に居たのに。

 何故か今、見知らぬ荒野に投げ出されている。

 

 これは……

 

 テレポートした……というより。

 ここは死後の世界なのかもしれないな。

 

 死後の世界ってヤツは、もし存在するなら

 

 それは楽園のような世界か、死の充満した不毛な世界の二択だと思ってたんだが……

 

 ここは、少し違っていた。

 

 ……簡単に言うと、野生の王国なんだよ。

 

 少ないけど草が生えていないわけじゃないし、目を凝らすと遠くに野犬の集団がうろついてる。

 

 厳しい環境だけど、ここは死の世界じゃない。

 

 そして少し進むと砂漠になってるんだけど。

 その砂漠の向こうには……

 

 明らかに、人工物と思えるもの……石の建築物が見えた。

 だいぶ先だ。

 

 数キロはありそうな……

 

 取り敢えず、あそこまで行ってみるか。

 何か分かるだろ。

 

 あんな巨大なものがある以上、あの辺には何か居るはずだ。

 ここが人の存在する世界ならな。

 

 そう思い、起き上がり

 

 俺は自分の姿を確認した。

 

 格好は……

 

 普段着用している高校の制服だ。

 ブレザーに近い……灰色のジャケットに、黒のズボンの制服。

 そこに黒い手袋を嵌めている。

 

 武器は無い。

 あの世界ではサーベルを使ってたけど、あの世界は認知が全ての世界だからな。

 あの世界ではサーベルとして使えたこの剣も、こっちではおそらくただの玩具だ。

 

 まず使い物にはならない。

 邪魔になるだけだから、俺はその玩具のサーベルを投げ捨てた。

 

 さて、行くか。

 

 俺は立ち上がり、服から土を掃った後。

 危険そうな野生動物たちに気を付けつつ、歩き出そうとしたとき。

 

 突如、荒野の土が盛り上がり、それが恐ろしい速さで接近してくることに気が付いた。

 これは……

 

 映画でそういう演出を見た覚えがあった。

 

 これは……

 

 地中に棲む、危険生物が獲物を襲うときにするやつだ……!

 

 そんな俺の予想は、嫌なことに的中する。

 

 次の瞬間……

 

 土が吹き上がり、そこから

 

 体長数メートルに達する、ミミズの化け物が出現したんだ。

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