メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第107話 怒りの王妃

「神の使いである我々こそが、このユークロニア連合王国を支配するべきです!」

 

 ユーファジア様!

 ユーファジア様!

 

 巫女様!

 

 ユーファジアさんの声に、男たちの興奮した声。

 

 俺たちはそっと部屋に近づいた。

 そして開け放たれた扉の影から、内部を覗く。

 

 するとそこは石造りの大広間。

 

 その奥に、ヒトが集まっている。

 その数は、予想通り20人に届くくらいで。

 

 ほぼ男。

 

 そして……全員、服を脱いでいた。

 

 頭の片隅で予想していたことではあったけど、さすがにギョッとした。

 

 男たちは跪いていて。

 奥に、女が1人いた。

 

 褐色の肌を持つ、美しい金髪の女が。

 男たちと同じく、一糸まとっていない。

 

 それに気づいた瞬間、俺は直視を避けた。

 ここにあれを見られたくないと思ってる人がいるわけで。

 

 顔さえ確認できれば問題無いんだ。

 

 だけど

 

「貴様ら! 許さん!」

 

 ヒュルケンベルグが黙っていられなかった。

 

 部屋に飛び出したんだ。

 

 そして

 

「ユーファの偽物め! その破廉恥な真似はやめろ!」

 

 怒りの声を叩きつけ

 

「ロイヤルナイト!」

 

 槍を持った腕を高く上げ、アーキタイプの力を発動させる。

 瞬く間にその身体を流動する金属が覆い、馬に乗った騎士の姿をイメージさせる大きな姿に変わった。

 

「なっ、何だッ!?」

 

「国王の手の者か!?」

 

 その様子に、男たち……この国に不満を持つムツタリ族の男たち……それがざわつき

 

「静まりなさい!」

 

 奥で裸身を晒しているユーファジアさんの偽物が、動揺する男たちを抑え込もうとそう大声を出す。

 

 しかし

 

「卑しい偽物さん。……よくもまあ、私たちを侮辱するような真似をしてくれたわね」

 

 続いてジュナさんが前に出て。

 

 その手に持った扇を広げて目の前に構える。

 続けて自身のアーキタイプの名を叫ぶ

 

「ロイヤルマスクドダンサー!」

 

 そしてその身をアーキタイプの姿に変えて

 

「……私たち3人の王妃は、国王陛下の妃としての覚悟とその忠誠心に一点の曇りもないわ……それを侮辱したことを、その命で償ってもらう!」

 

 宣言。

 

「……同じく。皆さん、そこにいるのは私の偽物です。今なら見逃します……戦いに巻き込まれたくないのであれば去りなさい」

 

 その後に続いて。

 ユーファジアさんが前に出た。

 

 勝手に自分の姿を使われて、勝手に国王を裏切る卑しい妃を演じられ。

 怒り心頭に決まっているのに。

 

 ユーファジアさんの顔は冷静だった。

 

 いや……

 

 よく見ると、目元が震えている。

 訂正だ。

 

 彼女は今、間違いなく怒り狂っている……_!

 

「ロイヤルサマナー!」

 

 彼女は全く迷いなく錫杖を高く掲げて

 

 その身を巨大な大魔法使いのような姿に変え

 

「先生たち、出番です!」

 

 その声に合わせて床に描かれる魔法陣。

 

 合計3つ。

 

 そこから

 

 ベルゼブブ、キングフロスト、そして……

 

 白い鱗の純白の巨大ドラゴンを呼び出した。

 

 そんな3体の異形を召喚し、彼女は

 

「覚悟なさい! 陛下と私の名誉に賭けて、絶対に仕留めます!」

 

 弱さが一切含まれない、強い言葉を叩きつけ

 

「絶対に許さない!」

 

 叫んだ。

 そこに

 

 ゴオオオオ!

 

 そんな彼女の怒りに合わせるように

 

 純白ドラゴンが大きく吠えた。

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