メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第108話 3人が来た意味

 正直、敢えてこの仕事に王妃を3人とも出撃させる意味が分からなかった。

 国王は自身の妃が3人とも戦死する可能性を考えていないのかと思い、不信感を少しだけ感じていた。

 

 女なんて替えが効く、みたいな。

 

 でも、それは違うなと。

 否応なく、目の前で行われていることを目にして思い知らされた。

 

「うわああああああ!」

 

「申し訳ありません! 心を入れ替えます!」

 

「出来心なんです!」

 

 ……ムツタリの男たちが脱ぎ捨てた服を慌てて掴み、唯一の出入り口である大扉に殺到していく。

 

 俺たちはそれを一切阻まない。

 逃げるに任せた。

 

 ……彼らは一瞬で分かったんだ。

 さっきまで目の前で自分たちを煽っていたのは、真っ赤な偽物であると。

 

 こっちに王妃が3人とも揃ってて、全員がアーキタイプを発動させたから。

 

 誰か1人でも欠けていると、この結果は無かったかもしれない。

 勢揃いという圧倒的説得力で納得をさせたのか。

 

 国王は多分、これを狙ってたんだな。

 

 あくまで事件解決についての最適解を。

 自身の妃についても大切だけど、あくまでそっちを優先したのか。

 

 王だから。

 

 

 まあ、それはそれとして。

 

 俺も別にお客さんでこの仕事に同行したわけじゃない。

 俺は俺の仕事をしないと。

 

 俺も自分の姿を純白の怪盗服姿に変え、顔に被った鴉をイメージする赤い仮面を剥がした。

 

「ロビンフッド!」

 

 仮面が青い炎に変わり、そこから生まれる俺のペルソナ・ロビンフッド。

 

 ロビンフッドはその逞しい腕で、大弓を引き絞って狙う。

 

 1人残された、全裸のムツタリの女を。

 

 ……顔だけは、ユーファジアさんと瓜二つのその女を。

 

 その女は……

 

 顔を怒りに引き歪めていた。

 集めたムツタリの男たちを引き留めることすらできなかったからか。

 

 一瞬でこの、歪んだ集会を叩き潰されたからか。

 

「……おのれ。よくも我の邪魔を……王妃共、許さん」

 

 ふるふると震えつつ、ユーファジアさんそっくりの顔でそう言い放つ。

 その言葉に

 

「それはこっちの台詞だ! お前は旧世界の神の1つなのか!?」

 

 ヒュルケンベルグがその手に握った巨大な斧槍を突きつけて問う。

 

 その言葉を受けて、その女は

 

「……いかにも」

 

 言って、その顔の前に両手のひらを翳すように構え

 

 オオオオオオオオ……

 

 地の底から響くような声を上げる。

 すると……

 

 

 女の姿が、変わっていく。

 

 肌の色が褐色からぬけるような白に変わり。

 乳房が引っ込み、男性的な平らな胸になる。

 

 その顔を、上半分を角が生えた白い仮面が覆い、背中に黄金色の巨大な翼が生える。

 

 身体の大きさも倍以上に膨れ上がり……

 

 最後に、10メートルを超える大きさの緑色の大蛇が出現。

 

 ユーファジアさんに化けていた存在は、その正体を現した。

 

「ホッホッホ。我は魔王アスタロト。くだらぬ人間どもめ。やってくれたのう」

 

 大蛇に跨り、ふわりと浮き上がって。

 ユーファジアさんの偽物の正体……魔王アスタロトは

 

「身の程を教えてくれる! のこのことここに出て来たことを後悔させてくれるわぁ!」

 

 そう吼えて

 

 飛行する大蛇を駆って高く舞い上がり、その手に握った銀色の長槍を振り上げた!

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