メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「放置は出来ない。言うまでもないことだけど」
国王の言葉を否定できる者はこの場に居なかった。
ならば、どうするのか?
「……犯人はクレマール族やルサント族を狙ってる可能性が高いよな?」
まず、バジリオが手を上げた。
それは俺も思った。
この国は元々、クレマール族とルサント族が主役の国で。
その他の種族は色々な意味で「その他」な国だったんだ。
だからこの国に不満のある人間が、通り魔でヒトを襲うなら
それはクレマール族かルサント族が標的になるのは極めて自然だと思う。
「だったら、ストロールに囮になってもらうのはどうだ?」
バジリオのその提案に
「いや、そりゃ多分難しいぜ?」
ニューラスが難色を示した。
その理由は
「ストロールは王下六本槍として顔が知られてるからな。
ああ、それはそうかもしれない。
明らかに罠なのに、襲ってきたら馬鹿だとしか言えない。
でも、それが駄目ならどうするんだ……?
しばらく思案し。
「……ならば私はどうだ?」
ギドが手を上げた。
皆の視線が集中する。
「キミも顔が売れているのは一緒だろう」
ヒュルケンベルグの冷静な指摘。
ニューラスも同意するような表情を浮かべている。
ギドも元々は惺教の有力者だった。
顔が売れているのは同じだ。
だけど
「しかし、私は普段顔を隠して生活をしている」
ギドは普段、フルフェイスの兜を被って国王に仕えている。
だから……?
「そんな私が変装をして外を歩いていれば、それが罠であるという意識を持ちにくいのではないか?」
あ、なるほど。
それはそうかもしれない。
変装をするということは、バレたくないという理由があるからだ。
ストロールは普段、顔を堂々と晒して歩き回っている。
そんなストロールが変装すれば、罠のためだと思われる可能性が非常に高い。
だけど普段顔を隠して生活することを強いられているギドが、顔を出して変装をしている。
それは
息抜きか個人的理由で外に出ているんだ。こっそりと。
そう思われるよな。
変装の理由が「罠のため」と決めつけられにくくなる。
そしてこれが重要なことだけど。
ギドは旧世界の神々に命を狙われているんだ。
襲撃を掛けられる可能性は大いにあるわけだ。
「……なるほど。悪くねぇな」
ギドの言葉を聞き終え、ニューラスが腕を組み。
思案して一言。
そして
「なあ陛下よ。俺はギドに囮になって貰うのが良いと思うんだが……どうだ?」
国王に判断を投げた。
ニューラスの言葉を受けて
「ギド1人に全て任すのは危険だから避けたいが……有効な手は他にあるだろうか?」
国王は俺たちの意思を問う視線を向ける。
俺たちはそれを受けて
それぞれ、考え。
そこで俺は
「陛下、ギドをガリカに見張らせるのはどうですか?」
そう、進言した。