メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

114 / 169
第114話 囮作戦実行

 妖精という存在は、魔力(マグラ)と密接な関係があるらしい。

 で、どういう理屈なのかは少し分からないんだけど……

 

 その姿を盗み見られにくいそうだ。

 

 簡単に言うと、自分が姿を見せたいと思った相手以外には気づかれにくいんだ。

 それ以外の者がガリカを見つけるには、魔力(マグラ)に対するそれなりに高い感知能力を要求される。

 

 前に、街中を堂々とガリカが飛んでいるのに、誰もガリカを見て

 

 妖精だ!

 

 国王陛下の臣下の1人だ!

 

 そんなことを言わないので変に思って訊ねたら、そんな答えが返って来た。

 

 なので俺は、ギドをガリカに見守って貰うことを提案した。

 

 囮になるギドをガリカに見守って貰い、ギドが襲われたら、近くで待機している護衛者にそれを知らせ……

 

 その後、一緒にその襲撃者を倒す。

 そういう作戦。

 

 

 

 そして

 

「しかし、変装が服とカツラだけというのはわざとらしいと思われないか?」

 

「拙者はそうは思わんな。服装も変えておるわけだし。髪があるだけでガラリと印象が変わる」

 

 俺たちは蜜蜂のささやき亭にいた。

 メンバーはストロールと俺とハイザメ。

 

 ハイザメは素早いので、緊急連絡が入った場合に真っ先に加勢に向かえるからの人選。

 

 ストロールは戦闘力とブレイン面を考慮し。

 そして俺は、状況的に旧世界の人間が現場に居た方がいいからだ。

 

 ギドを送り出して俺たちは良くわからないお茶を飲みつつ、煎餅みたいなものを3人で摘まんでる。

 味はどれも悪くない。

 むしろ煎餅みたいなのは、いい塩梅の塩味で美味い。

 

 パリパス族の伝統料理なのかね?

 

「なあマリアさん、このお菓子はパリパス族の伝統料理なのか?」

 

 店内は賑わってる。

 夜に差し掛かり、この店に飲みに来ている客がかなり居る。

 

 だけど、今は手が空いているように見えたから。

 

 俺はマリアにそう訊ねた。

 すると

 

「そうですよ。私も小さいときにおやつでよく作って貰ってましたから」

 

 そんな答えが。

 なるほど。

 

 味はえびせんに近い気がする。

 薄紅色の平たいアレだ。

 

 こっちは見た目は茶色。

 形状はえびせんよりは小さい。

 

 お茶のつまみとしては理想的かもしれない。

 

「なかなか美味いな。拙者の故郷にもモチという食べ物があり、それを焼くとこんな感じになる」

 

 パリパス族の伝統的お菓子を食べながら

 ハイザメがそんなことを。

 

 モチって。

 

 餅のことだな。

 

 そういや煎餅って元々は餅から作るんだっけ?

 何かの映画で見たような覚えがある。

 

 しかし餅か

 

「やはり基本は煮て食べるんですか?」

 

 モチが餅であること前提でそう俺は訊ねる。

 ハイザメは

 

「ああ、モチを知ってるのか?」

 

「僕の故郷にもあったんです」

 

「……なるほど」

 

 俺の言葉にハイザメの表情が柔らかくなる。

 そして

 

「拙者の故郷では味噌で煮るか、砂糖で煮るのが一般的だった。砂糖煮は年に1度くらいしかしないんだ」

 

 砂糖は高くつくからな。

 懐かしそうに。

 

 砂糖煮ってことは、お汁粉に近いのかもしれないな。

 しかし小豆無しか。

 

 それで美味しいのか?

 

「ウチにもありましたが、小豆と一緒に……」

 

 煮て食べる、と言おうとした。

 そのときだった。

 

 この店のドアが開いた。

 

 俺たち以外誰も注目していない。

 だから俺たちだけは気づく。

 

 開いたドアの隙間から、入り込んでくる蟲の羽根を持つ小さい人影に。

 

 ガリカだ。

 

 ガリカは俺たちの傍にピューッと羽ばたき、近づいて

 

「敵が引っ掛かったよ! 出番!」

 

 そう、興奮した面持ちで伝えて来たんだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。