メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「クソッ!」
ストロールがロイヤルファイターの姿で、道に剣を叩きつける。
ガキン、と石畳で金属の剣が高い音を立てる。
逃亡を許したという予感に、苛立ってそれが抑えられなかったのか。
普段は穏やかな人物なんだが。
「ストロールさん、諦めるには早いです」
分かれ道で二手に分かれましょう。
追跡できるかもしれない。
そう提案しようとした。
そのときだった。
「……どうしました?」
そこに。
クレマール族の女性が現れたんだ。
見覚えがある顔だった。
……リーフさんだったんだ。
「ここは危ないです! 家に帰って下さい!」
何でこんなところで会うんだ!?
内心、再会したことに喜びのような気持ちは感じた。
俺にとっては因縁の深い人物だからね。
だけど……
こうして夜に、通り魔を追跡している現場で会うなんて。
最悪のタイミングだ。
彼女は白地の貫頭衣のような、ワンピースのような服を身に着け。
腕に包みを抱えている。
……買い物にでも行っていたのか?
この時間に。
夜しか営業していない店があるからな。
この街には。
「えっと、何かあったんですか? ゴローさん……ですよね?」
久々の再会なのに。
彼女は俺のことを覚えてくれていた。
仮面をつけているのに、声で分かったのか。
久々なのに。
そこに感じるものがあったけど
「危ないです! 通り魔が出ているんです! クレマール族を狙う通り魔が!」
俺はそれを繰り返し伝える。
彼女が通り魔にやられるのを避けたかったから。
「……ゴローの……そいつの言う通りだ。ここは危ない」
そこでストロールがアーキタイプの姿を解除する。
元の姿に戻ったストロールは厳しい表情をしていた。
「俺が安全な場所に案内しよう……こっちだ」
そして彼女に近づき
ガッ、と。
彼女の頭の角を掴み、強引に奪い取った。
えっ?
目を疑う。
クレマール族の特徴である、頭の2本の角。
それが今、ストロールの手で奪い取られたんだ。
……まるで。
カツラかカチューシャを奪い取るみたいに。
いや……
カチューシャだったんだ。
リーフの角は
……分からなかった。
いや
ストロールが奪ったカチューシャを道に捨てると、カチューシャの質感が自然なクレマール族の角の質感から、水晶で出来た角のカチューシャそのものに変化する。
魔法のカチューシャだったのか。
おそらく、クレマール族にエルダ族が変装するための。
角を奪われたリーフは、射貫くような強い視線でストロールを睨み据えていた。
「どうして分かったの……?」
そう、憎々し気に口にしながら。