メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第117話 気づけた理由。そして……

「そりゃわかるさ」

 

 ストロールは淡々と語る。

 

「まず、俺たちを見て落ち着き過ぎだ。……アーキタイプの姿は別に秘匿したものではないが、普通に見るものじゃない」

 

 確かに……

 俺は戦いの緊張感と、追跡失敗の焦りでそこに気が回らなかった。

 

 今の俺たちと遭遇したのに、彼女は落ち着き過ぎていた。

 少しも慌てた様子が無かったんだ。

 

 でも……

 

 クレマール族である。

 俺はその時点で、通り魔の正体がリーフさん……いや、リーフであることを可能性から除外していた。

 

 理由はあのムツタリの仮面を被ることができないからだ。

 絶対に角が邪魔になるから。

 

 それがまさかカチューシャでエルダ族がクレマール族に化けているなんて。

 

 そんな可能性は全く考えていなかったんだ。

 

 普通、そんなもので化けられるはずが無いと思うだろう?

 だってカチューシャなんだぞ?

 

 玩具みたいなもんじゃないか。

 

 そんなもんで変装できるなんて子供の冗談みたいな話だ。

 それが魔法のカチューシャじゃないのであれば、だけど。

 

 ……全く、良く気づいたよな。

 俺はストロールのその慧眼に感服した、という他無かった。

 

 

 だけど。

 

 ストロールは続けてこう言った。

 

「……あとひとつ。これは公開情報では無いがな。……数年前の王を決める戦いのとき」

 

 最後に現国王と戦った相手・大逆者ルイ。

 

 実はルイは、エルダ族の人間だったらしい。

 

 ルイは一般にはクレマール族の男という認識になっているが、違ったんだ。

 ルイはエルダ族で……

 

 変装で、同じように魔法のカチューシャを使用していたそうだ。

 そしてこの情報は伏せられている。

 

 何故か?

 

 それは……

 

「新国王がクレマール族とエルダ族の混血で、最後の敵がエルダ族……」

 

 この構図が、王を決める戦い自体がエルダ族の陰謀だった。

 エルダ族がこの国を支配するために打った芝居だったんだ。

 

 そんな憶測を呼びかねないので、伏せた。

 

 俺にとっては衝撃の真実。

 そんな話があったのか……!

 

 知らなかった。

 

 だから俺にはそういう発想は無かったけど。

 ストロールはその実例を目の前で見ているから

 

「……当然、クレマール族であるからと、正体不明の敵の容疑者から外れることはない」

 

 なるほど……

 

 全てを聞き。

 リーフは悔しそうに唇を歪める。

 

 そして吐き捨てるように

 

「明智吾郎!」

 

 俺に鋭い視線を向けて。

 言い放った。

 

「……前の世界では人殺しに手を染めていた癖に、私の邪魔をするなんて、恥を知らないの!?」

 

 ……俺にとって。

 絶対に言われたくない、耳を塞ぎたい言葉を。

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