メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

122 / 169
第122話 俺の取るべき道

 一色若葉に再会した。

 それも、あんな形で。

 

 そのせいだろうか。

 

 俺はこんな夢を見た。

 

 

 

 

 俺は何も無い空間で、手をついて謝っていた。

 彼女に

 

 一色若葉に。

 

 彼女はあのときのように、黒のタイトスカートにノースリーブの同色のトップス。

 そんな姿で腕を組み、怒りの表情で俺を見下ろしている。

 

 彼女は言う。

 

「私はあなたを許さない」

 

「あなたのせいで、娘は無用に苦しんだ」

 

「今の娘は幸せになっているけど、だからと言って許せるわけ無いでしょ」

 

 俺に対する強い恨みと非難の言葉。

 俺はそれには一切言い返せない。

 

 申し訳ありません、申し訳ありません、と繰り返していた。

 

 だけど

 

 無数の非難の言葉を浴びた後。

 彼女は俺に

 

「……でも、もうどうしようもない。やってしまったことは取り返しがつかないのよ」

 

「それだけは忘れないでね」

 

 そう、怒りを押し殺した声で言ったんだ。

 

 取り返しがつかない……?

 

 その言葉に俺は

 

 彼女のその言葉に込められた意図を確かめようとした。

 

 それは罪に囚われるなということですか?

 自分の思うように生きろということですか?

 

 その瞬間、目が覚める。

 

 

 

 ハッとして、ベッドに横たわったまま手を上に伸ばしている自分に気づく。

 

 ……夢か。

 

 最悪な気分で毛布の中から抜け出す。

 

 何が「罪に囚われるな」だよ。

 あのまま夢が続いていれば、一色若葉がそれを肯定してくれたのか?

 

 控えめに言って、クズ過ぎるな……

 

 自己正当化するために、こんな夢を見るなんて。

 

 ……あの後。

 

 国王のところに、あの情報は持ち帰られて。

 おそらく国王には

 

 旧世界の神々の手先に、旧世界からの転生者がいる。

 

 これが伝わっていて。

 次は

 

 その人相は押さえたから、真惺教にその人物がどう関わっているのかを探る。

 

 こんな感じになっているはずだ。

 

 ここから先は俺が関わることになるかもしれないし、ならないかもしれない。

 よくわからない。

 

 だけど……

 

(願わくば、俺がそこから外れていることの方が良いな)

 

 一色若葉に会いたくない。

 会いたいわけがない。

 

 俺の前世の罪の象徴だ。

 

 しかし……

 

 だからと言って、逃げる、拒否するのは違う。

 責任があるだろ。間違いなく俺には。

 

「うう……」

 

 ベッドから身を起こし、腰掛けながら頭を押さえる。

 

 頭が痛い。

 

 ……実は最近、飲酒をはじめたんだ。

 

 ここでも未成年は飲酒は許されないが。

 そんなもの、自己申告だからな。

 正確な戸籍があるわけでもないし。

 

 だから普通に買えたんだよ。

 

 原因は無論、あの再会だ。

 眠れなくなり、寝酒というものを試したんだよ。

 

 一応、それで眠れはしたけど……

 

 良くはない。

 やっぱり、本当には眠れていない気がする。

 

 やめるべきか?

 

 ……何せ、俺の父親はあの酒乱男だしな。

 

 そう思ったとき。

 

(アイツにも話すべきかもしれない)

 

 そこに思い当たった。

 この件を、アイツに伝えないのは不誠実なんじゃ無いだろうか……?

 

 俺はふと、そう思ったんだ。

 

 あのことは俺の罪でもあるし、アイツの罪でもあるんだ。

 共有すべきだ。

 

 

 

 そして俺は、共用の居間に向かった。

 

 俺と、アイツ。

 あとキンシローさんの3人で使う部屋。

 

 水を飲もうと思ったんだな。

 

 だけど……

 

 先客が居た。

 まだ日が昇っていないから暗い部屋で。

 

 ランプがついててさ。

 

 テーブルに座ってた。

 

「……ゴローか。どうした?」

 

 俺の父親だった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。