メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第124話 指名手配の賞金首

「そうか……それで、何かあったのか?」

 

 俺の言葉に俺の父親が、動揺が隠し切れない声でそう返す。

 俺は

 

「国家転覆を画策する勢力に手を貸してるよ……旧世界の神々に」

 

 隠さずに、言った。

 

 そんな俺の言葉に父親の表情が固くなった。

 そして

 

「そうか」

 

 その声は暗かった。

 

「どうすれば良いんだろうな……?」

 

 俺の中ではもう答えは決まっていたけど。

 敢えてそう口にする。

 

 俺の父親は

 

「……止める以外なかろうよ。この国はすでに現実的に平和に治まっている。……旧世界の神々は邪魔でしかない」

 

 そりゃそうだ。

 それ以外は無い。

 

 俺たちがそれをやるのかという人もいるだろうけど。

 

 そんなの、この国で今を生きる人々には関係無いんだ。

 

 

 

 日が昇った。

 

 俺も、俺の父親も自分の職場に向かう。

 

 一色若葉のことは気になるけど、自分が抱えている仕事を放りだすわけにはいかないからな。

 そしてレガリス大聖堂前の大通りを歩いているとき。

 

 人だかりを見つけた。

 

 ……何だ?

 

 レガリス大聖堂の敷地前。

 

 大門の前に。

 立札のようなものが立てられている。

 

 そこに近づき、人々が

 

「こいつが例の通り魔の犯人なのか?」

 

「わりと綺麗めだな。こんな女、目立つだろ」

 

 そんなことをざわつきながら言っている。

 まさか……

 

 近づいて、その立札を確認する。

 気になったからだ。

 

 そこには……

 

 一色若葉の似顔絵が貼られていた。

 

 説明書きに

 

 エルダ族の女。

 クレマール族に変装する手段を保有している。

 特に痩せても太ってもいない、普通の体型。

 イッシキワカバ、もしくはリーフと名乗っている可能性あり。

 

 そんな感じで、似顔絵だけではカバーできない情報を文字で書いていた。

 

 これは……指名手配の賞金首ってことか。

 

 普通は募兵舎の掲示板に貼られるだけで、こういう感じでは通知されないんだけど。

 多分、依頼者が王室だからかな。

 

 しかし……

 

 身柄を確保するために内密で探って追っていくのかと思ったけど。

 こうすることにしたんだ……

 

 立札を囲んでいる民衆がジロジロと似顔絵を見ていた。

 そして皆「こんな女、目立つだろ」そう口を揃えている。

 

 俺もそう思った。

 

 とすると……

 

 一色若葉は何らかの方法で顔を変えるか、ここ王都での破壊活動をやめるしかない。

 

 そこを重視したのか。

 王都から逃亡される可能性よりも。

 

 彼女を放置していたら、罪もないクレマール族やルサント族が襲われるからな。

 しかし……これからどうするんだ?

 

 彼女を何とか捕まえない事には、動けない面がある。

 真惺教の本部にヒトを向けるのは、かなり危険な行為だろうしな……

 

 

 だけど

 

 そんな俺の懸念は。

 その次の日に霧散することになった。

 

 ……何故か?

 

 それは

 

 一色若葉が、役人の詰め所に出頭したからだ。

 

 指名手配の賞金首は自分だ、と。

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