メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第13話 初仕事

 ベルギッタに雇ってもらい、俺と俺の父親(アイツ)との共同生活が始まった。

 まあ、別に協力し合って生きているわけじゃなく、ただの同居人みたいなもんだったけど。

 

 住居はベルギッタが用意した一軒家の1室を貸してもらい、そこで寝た。

 住んでいるのは俺とキンシローさんと、アイツだ。

 

 最初頭の片隅で、俺はアイツが何かやってるんじゃないかと危惧したけど、杞憂だったみたいだ。

 怪盗団は約束通り、この男を改心してくれたらしい。

 

 真面目にライケン魔道商会の職員の仕事を日々こなしている。

 

 おそらく今のコイツが、本来のコイツなんだろう。

 黙々と仕事を着実に片付けて、結果を積み上げていく人間。

 

 まぁ、だからどうだってもんだけどな。

 いくら本当は……

 

 傲慢で、自分勝手で、酒癖が悪くて、残虐。

 そういう最悪な人間では無かった。

 

 そう言われても、はいそうですかなんて言えるかよ。

 こっちは母さんを早死にさせられたんだ。

 

 

 

 そんなある日。

 

「おい。仕事だ」

 

 とうとう俺に初仕事が回って来る日がやって来た。

 

 俺の父親は仏頂面で俺に書類を差し出して来る。

 

 ……前の世界と比較すると紙の質が悪い。

 まぁ、しょうがないよな。

 

 それに読む分には別に問題ない。

 紙の質なんて。

 

 俺はざっと目を通す。

 書類はこっちの世界の字で書かれていたけど、俺は謎スキルでその文字で書かれた文章の意味が問題なく理解できた。

 

 ……ふーん。

 

 なるほど。

 

「このゴボルンって何?」

 

「緑色の肌をした亜人だ。体格は普通の人間より少し大きいくらいで、原始人レベルの知性しか持たないが、凶暴。あまりに強力なものは、賞金稼ぎの標的になることもある」

 

 淡々と、俺の父親は書類の補足説明をする。

 俺は頷いて

 

「俺の仕事はアンタの護衛でもすりゃいいのかな?」

 

 ……コイツ相手に取り繕う必要も無い。

 僕はやめて俺。

 呼称はアンタ。

 

 前の世界ではこんな呼び方したことないけどな。

 

 書類にはこう書かれていた。

 ゴボルン駆除用に村に常備していた魔導器を買い足したい。

 そんな要望を出しているのは、王都近隣に存在するユージフの村。

 

 ユージフ……

 かなり見下されている種族だな。

 

 外見は蝙蝠と人間の中間みたいな姿で、小さい。

 成人しても、人間での7才児くらいの大きさまでしか育たないんだ。

 ユージフの話をするとき、この世界の人間は明らかに軽く見ている目をしていた。

 

 ……理由は彼らが9種族でぶっちぎりで人間離れした外見だからだろうな。

 加えて小さいし。

 

 人間、自分より遥かに弱い者を対等にはなかなか見るのは難しいもんだろ。

 

「武器はこの申請書を出せば借りられる。魔導器だから使い方を……」

 

「ああ、そういうのはいいから」

 

 俺は、俺の父親が続けて別の書類を出そうとするのを手で制して。

 

「ペルソナ」

 

 そう、力の言葉を口にする。

 

 同時に俺の姿が怪盗に変化する。

 ブレザー姿の高校生から、純白の貴族的な怪盗服姿に……

 

 俺は顔を覆う赤い仮面を指先で叩きつつ

 

 変身した俺の姿を見て絶句している父親に

 

「……この通り。俺には戦う力はすでにある。そういう武器はアンタだけが持てばいい」

 

 そう、若干勝ち誇ったように言ってのけた。

 ……なんとなくマウントを取りたくなったんだ。

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