メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

131 / 169
第131話 考えられるのは

 ニンゲンは倒されると、例外はあるが大体が死体を残さず消滅する。

 理屈は良く分かってないらしい。

 

 それは、ニンゲンを研究してないからだと思う。

 その理由はおそらく、ニンゲンがヒトが魔力(マグラ)を暴走させて怪物に変じたものだ、ということが明らかになることがマズかったからだろう。

 

 だいぶ長いこと、その情報は伏せられていたらしいし。

 

 その場には、一色若葉の掛けていた眼鏡だけが転がっていた。

 彼女がこの世界に残して行ったのは、もうそれだけだった。

 

 俺は怪盗服を解除してそれを拾う。

 

 そのとき後ろから

 

「ゴロー、無事か!?」

 

 ニューラスが、ハイザメ氏とバジリオを連れて戻って来た。

 援軍。

 

 もう、要らないわけだけど。

 

 

 

 その後。

 俺はライケン魔道商会に連絡を取り

 

 俺の父親に、神器の箱を持って来させた。

 

 アマテラスにあの情報……

 

 俺たち以外の転生者が現れた。

 それは限りなく本物に近いのに、絶対に本物では無かった。

 この情報を伝えるために。

 

 ……わけわからんと言われるかもしれないが、事実そういうことなんだから仕方ない。

 

 

 

『何用じゃ?』

 

 王城の円卓会議室で。

 円卓の中央に置いた神器の八咫鏡の箱を皆で囲んで

 

 アマテラスを呼び出した。

 

 女神は箱の上に小さな自らの姿を立たせ、俺たちを見回す。

 俺は

 

「申し訳ありません。ひとつお聞きしたいことが」

 

 挨拶をそこそこに。

 話をすぐに切り出した。

 

 

 

『話がよぉ見えぬなぁ……本物としか思えないのに、絶対に違うとはどういうことじゃ?』

 

「それはですね……」

 

 俺の説明に、女神は混乱しているようで。

 再度説明を余儀なくされた。

 

 なので俺は言ったよ。

 一色若葉がどういう母親で。

 こちらの世界に居た同じはずの存在が、根っこの部分で大きくズレていることについて。

 

 俺の説明を受けて

 

『なるほどの』

 

 ようやく理解をしてくれた。

 女神は

 

『かつてのその女なら、絶対に言わないことを言ったと。そういうことじゃな?』

 

「そうです!」

 

 人は変わるものかもしれないが、それほど大きくは変わらない。

 子供を愛する母親が、いきなり子供より旧世界の神々に与えられた使命を盲目的に遂行し、子供をないがしろにする人間に変わるなんて。

 

 そんなの不自然だろ。

 事前にそういう兆候があったなら別だけど、それすらないはずなんだ。

 いや、無かった。

 無かったはずだ!

 

『分かった。オヌシのいうことが全て正しいという前提で考えてやるわ……その場合はじゃな』

 

 女神は顔を顰めていた。

 よほど嫌な答えなんだろうか……?

 

 それは

 

『……魂魄の複製を新しく作った可能性が考えられるな』

 

「魂魄……魂ってことですか?」

 

『うむ』

 

 女神は語ってくれた。

 俺が感じ取ったことが全部正しいことを前提で考えた場合。

 

 出る答えとしては

 

 それは魂の複製以外は無いと。

 

 魂の複製とは?

 

 人の魂を1枚の絵画に例えると説明しやすい。

 つまり、そっくりに書いた贋作なんだ。

 

 だから絵としての見た目は一緒なんだよ。

 

 だけど……本物では無いから、技術的な部分がよくよく見ると違ってる。

 それはサインの書き方だったり、書き手の都合によって選択した絵の具の年代かもしれない。

 

 俺が感じた違和感そういうことなんだ。

 

 曰く、本物の一色若葉に望んだことをさせられないから、死んだ本人の魂に似せて、経験したことを全てインストールし。

 根っこの部分に、自分にとって都合のいい精神を書き込んだ。

 そういう存在じゃないかという予想。

 

「そんなことができるんですか……」

 

 俺がそう、呻くように言うと

 

 女神は、アマテラスは

 

『全ての神にできることではない、限られておるがな』

 

 そう淡々と言う。

 俺は訊いた

 

「例えば?」

 

 女神は答えてくれた。

 

『……前の世界では、法の神じゃな。他の神では難しかろうよ』

 

 法の神……?

 法の神って……?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。