メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「法の神って……?」
分からなかったから訊ねる。
聞いたことが無かったから。
それに関して女神は
『前の世界で神の王座についていた神のことじゃな』
古くはバアルがその座に就いており、バアルが力を失って主が変わった。
その主が法の神。
……法の神は用心深い神で、永久に自分が王座に君臨するために
自分以外の悪魔から神として振舞うための決定的な力を奪ったらしい。
そのせいで、前の世界では法の神には誰も逆らえなかったそうだ。
そして法の神は盤石な神の王座に就いて、自分の思い描く理想的な世界を作った。
それが前の世界。
(理想世界の割には、不完全なところが多過ぎただろ)
女神の話を聞きながら俺は内心そう思い
(あれが理想の世界だったってことか? ふざけやがって)
毒づいた。
毒づきながら訊ねる。
「名前は? 名前も法の神なんですか?」
『その真の名は法の神は自分が王座に就いた際に削除しおった』
何でも。
名前が分かると呪詛の攻撃対象に指定することが可能になるので。
法の神は自分がその対象に絶対にならないように、王座に就いたとき自分の名前を消したんだそうだ。
……なるほどね。
一番偉い神様だから、何でも好きに出来るってことか。
「まとめると、その神さんが一枚噛んでるってことか?」
ずっと話を黙って聞いていたニューラスが口を挟む。
女神は頷いて
『この男の話が全部正しいという前提で考えるなら、な』
淡々とした調子を崩さずに返した。
「つまり、前の世界を支配していた神が、今こっちの世界に来ていると考えるべきなのか?」
『くどいな。その通りじゃ』
あまりニューラスが同じことを聞くので、女神の声に苛立ちが混じる。
それを感じ取ったのか。
ニューラスは
「スマン。あと1つ教えてくれ……何でそんな神が居たのに、前の世界は滅んだんだ?」
そりゃそう思うだろうな。
そこまでしっかり支配していた神がいたのに、滅ぶなんて。
ニューラスの語った歴史では、最終戦争が起きたせいで滅んだと言っていた。
それはおかしいよな。
止めろよ。強力な神なんだし。
出来るはずだろ。
神自身が滅ぼしたいと思った?
……自分が作った理想世界なのに?
その答えは
『法の神が大魔王に倒されたからじゃよ』
……大魔王?
何でも。
法の神に反旗を翻した悪魔の1体が、自身を法の神の対極の存在として高め抜いたらしい。
だから大魔王。
神に敵対するものだから、悪の権化の扱いを受けるわけだけど
それでも、なんとしてもこの用心深く独善的な神を神の王座から引きずり落としたかった。
そんな存在が、法の神を倒し。
神の王座は座る者が無くなり、空になった。
そしてそのせいで、最終戦争が起きたときに
戦争を強引に止めることが出来る存在が不在だったんだ。
……王座の主を倒したんだから、自分が座れよと俺は思ったけど。
『神の王座に座るには、必要な資格が要るのじゃ』
女神の言葉。
一緒に聞いていた俺の父親は
「……日本でもそうだったろ。皇位には継承の資格があった」
そう言って、その言葉をサポート。
つまり大魔王は、法の神を倒すことだけを考えてて。
その後は全く考えて無かったのか。
それか……
なんとしても倒すことを第一優先にしないといけないくらい、法の神が強大な存在だったってことなのか……?