メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第133話 大魔王の名を

 法の神くらいしか、女神(アマテラス)が言う「魂の複製」は出来ないらしい。

 

 だがその法の神は、大魔王の手によって既に倒されている……。

 それ、おかしいだろ。

 

 そう思うけどさ……

 

 ひょっとしたら今になって、復活したのかもしれないよな。

 モノが神なんだから。

 

 ヒトじゃないんだ。

 

 

 ……一般では、1個の考えに固執するのは危険だ。

 だけど今回は、一色若葉の振る舞いがある。

 

 彼女は俺がアマテラスに報告すると伝えると、ニンゲンに変身して襲い掛かって来た。

 そこは無視できないはずだ。

 

 もし俺の考えが的外れなら、彼女はあんな真似をしなかったはず。

 

 だから

 

「あの、その大魔王ですが」

 

 俺はアマテラスに訊ねる。

 

「……名前は?」

 

 

 

 

 大魔王ルシファー。

 

 俺がアマテラスに訊ねて、教えて貰った名前はそれだった。

 

 ……名前だけは聞いたことあるな。

 元々神に最も近い天使で、そのせいで自分が神以上に偉大であると慢心し、神に反逆して悪魔に堕とされた魔王だっけ。

 

 結構有名だよな。

 結構創作物に名前が出て来る有名な大悪魔だ。

 

 そしてそれこそが大魔王を名乗った悪魔の名前。

 

 腕を組んで考える。

 その、思案する俺に

 

「ゴロー、何を考えている?」

 

 俺の父親が訊ねる。

 その響きには何だか期待を感じた。

 

 俺が発する言葉に期待している何かを。

 

 ……何だかそれで満たされる自分を発見し、軽く嫌になる。

 

 そんなことを考えながら、俺は言った。

 

「いや、ルシファーの名前を使えば揺さぶりを掛けられるんじゃないかと思ったんだ」

 

 真惺教に巣食っている黒幕に。

 

「例えば新興宗教を作るとかさ」

 

 ルシファーを拝むような新興宗教を。

 

 俺のそんなアイディアに

 

「……誰に信仰させるんだ?」

 

 俺の父親は苦い顔をする。

 宗教がらみは面倒だぞと。

 そう顔に書いてある気がする。

 

 だけど俺はあまり気負わず

 

「真惺教以外の宗教」

 

 そう、しれっと返す。

 この場に集まってる人間たちの表情が動いた。

 

 皆、お前何を言い出すんだ? って顔をしている。

 

 そんな俺に父親は

 

「……それは他の宗教を潰して改宗させるという意味か?」

 

 苦々しい感じで訊いて来た。

 お前のアイディアは、国をガタガタにするかもしれないぞと。

 

 そう言いたげだ。

 

 だけど俺は首を左右に振って

 

「いや、そうじゃない。そのまんまで、ルシファーも拝んで貰う」

 

 思うところを口にした。

 今度は、全員の顔が困惑に染まった。

 

「……ハァ?」

 

「悪い? 分かりやすく説明してくれ」

 

 俺の父親とニューラスの言葉。

 まぁ、分かりにくいかもな。

 

 俺は言い直した。

 詳しく、なるべくわかりやすく。

 

「……日本と同じ感じで、ルシファーを複数宗教の共存の象徴として持ち出すのさ。元々の宗教はそのまんまで、ユークロニア連合王国の宗教共存の象徴としてルシファーを担ぎ出すんだよ」

 

 この言葉で、ニューラスは大体分かり。

 俺の父親も理解したみたいだった。

 

「なるほど。つまりウチの陛下の役割を、そのルシファーという旧世界の神の反逆者に担わせるんだな?」

 

 ニューラスのその言葉は的確に俺の意図を説明できてると思ったので、俺は

 

「そうです。そんな感じですね」

 

 肯定した。

 

 ユークロニア連合王国は多種多彩な宗教はあるが、全てを仲間として平等に扱っている。

 多様性を認め、否定しない。

 その象徴として、ルシファーを別で拝むんだ。

 皆で、例外的に同じ名前の神を。

 

 ……ちょうどこの国が、9つの種族統合の象徴として同じ国王を王として頂いている。

 それと同じ感じだ。

 

 普通の宗教はおそらく普通に拝んでくれるだろう。

 だけど……

 

 ……真惺教はどうだろうか?

 もし、法の神が黒幕であるのならば。

 

 多分、黙ってはいないはず。

 

 

 俺のこのアイディアを

 

 国王は

 

「……元々、ユークロニア連合王国には国教の概念はあったが、他の宗教は別に禁教だったわけじゃない」

 

 だから宗教で揉めないように、共存象徴の神を設定し、それに対して拝めというのは特に問題なく通ると思う。

 

 国王が、そう言って俺のアイディアを支持してくれた。

 

 ……よし!

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