メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第137話 突入するのは

「時間が無いですね。……突入した真惺教の僧兵団連中以外はどうなっているんですか?」

 

「真惺教の信者宿舎にまとまっているようだ。そして……」

 

 全員、突入したら死を選ぶと言っているらしい。

 そして大教主の所在は不明。

 

 しかし、国王自身に王冠を持参しろと言っている以上……

 

「大教主はおそらく、国民議会会館にいる可能性が高いと思うぜ」

 

 ニューラスが不愉快そうな表情で髭を弄って、そう一言。

 俺もそれは同感だ。

 

 カウンターの人質に取られても問題あるしな。

 真惺教の奴らにとっては、一番安全な場所は「現在自分たちが実力で占拠した場所」なはずだし。

 

 これに関しては他の家臣の面子も、同意見のようだった。

 

「陛下よ。どうする? 拙者が潜入して調査すべきか?」

 

「そうだね……」

 

 国王は思案顔で、慎重に言葉を選ぶ感じで

 自分の顎先、唇に触れながら

 

「このことの実行犯で無い真惺教の信者は死なせるわけにはいかない。あまりに異様だ。何かしらカラクリがあるんだろう」

 

 まず、真惺教の信者の宿舎に強行突入し、信者の犠牲を厭わずに全てを押さえる案を却下する。

 このウイル国王は、やっぱ思慮深いと思う。

 

 犠牲になる国民の数を最小に抑えることを最優先に考えている。

 それが俺にも理解できた。

 

「悪いが頼めるか? 宿舎の方は……」

 

「拙者が行く。こういうときの元隠密騎士団員だ」

 

 ハイザメが上げた手を、国王は了承するように頷き

 

「ならば、国民議会会館の方は」

 

「そっちは僕が行きます。元々怪盗ですから。任せて下さい」

 

 続けて俺が手を上げた。

 

 

 

 

 国民議会会館に入り込んだヤツらは戦闘員だ。

 潜入がバレたとしても、こちらを排除に動くだけで。

 

 宿舎に居る一般信者と違い、自分の命を人質に破滅的な行動に出られる恐れは少ない。

 だからこっちを俺に任せたんだよ。あの王様は。

 

 ハイザメの方が実力を把握していて、信用できるから。

 だからその実力が完全に把握できてると言い難い俺たちにこっちを任せたんだろ。

 

 それにさ。

 俺たち、別に国王陛下の家臣じゃ無いもんな。

 どこぞの知らない能力者。

 国王勢力と無関係。勝手にやったこと。

 

 そういう風にも言い切れる。

 見つかった際のダメージは自分の家臣の場合と比較して、ずっと少ないわけだ。

 

 そんなことを考えている俺の横で

 

「ウイル国王は国家元首としては理想的な男のようだな」

 

 そんな言葉。

 俺の隣で、一緒に国民議会会館を見つめている男……俺の父親が小さく呟く。

 

 父親にも呼び掛けたんだ。

 ペルソナ能力を得て、怪盗服を身につける能力を得てるんだ。

 潜入能力を得てるはず。

 

 ……理由は不明だけど、ペルソナ能力に目覚めて、怪盗服を着ることができるようになると。

 潜入に関する技能が身に着くんだよ。

 

 このせいで、本来ただの高校生だった心の怪盗団(ザ・ファントム)が、認知世界で怪盗行為をすることができたんだ。

 

 ……かつてはこの男は自分の心の中にそのチカラで入り込まれて。

 結果、改心に追い込まれて破滅したけど。

 

 それと同じ力を自分が得て、今度は他人のためにその力を振るうことになるなんて。

 

 なんと言うか……

 

 皮肉だよ。

 

 そんなことを思いながら

 

「行くぞ。大丈夫だよな?」

 

「ああ」

 

 そう言いつつ。

 俺たちは怪盗服姿に姿を変えた。

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