メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
国民議会会館は神殿のような作りの建物だった。
なんとなく、ギリシャを彷彿とさせる。
周囲には国軍兵士が詰めていて、包囲していた。
俺たちが居るのはその後ろだ。
……あの兵士たちに許可を取るわけにはいかない。
あくまで勝手に、コッソリ入るテイなんだから。
さて、どうするか……
どこか包囲網が薄い場所は……
そう思い、見回す。
そこに
「俺に任せろ」
俺の父親が、ずい、と前に出る。
どうする気だ……?
確か、コイツのペルソナのヨシミツには、幻惑するようなスキルは無かったはず。
そう思い、俺は何をするつもりなのかを見守った。
この男は、何も考え無しにこんなことを言う男じゃない。
きっと何かあるはずだから……
するとコイツは
「ペルソナ」
黒衣禿頭の人影……自身のペルソナ「ヨシミツ」を呼び出して。
「ヨシミツ、あの見張り2~3人の体調を弄れ……ランタマイザだ」
『良かろう』
ヨシミツはその手を広げ、その後魔力の波動のようなものをぶつけるように、目の前に両手の平を向ける。
そして
『覇ッ』
小さな気合の声。
すると
兵士の数人が、突然頭を押さえた。
「どうした?」
「……何か、急に怠くなった」
そしてそんなことを言っている。
兵士にしてみれば、急に身体の力が入りにくくなり、意識も定まりにくくなって注意力が散漫になったと。
そんな感じかもしれない。
急病が疑われたためか、その兵士たち数人がその
……なるほど。
「純粋に、いい仕事だと思う」
俺は素直に自分の父親の仕事を褒めて。
そのまま、見張り兵士たちの注意が警戒から逸れている隙に国民議会会館に潜入した。
国民議会会館内部は、赤い絨毯が敷かれた洗練された感じで。
古代神殿のような外観と裏腹に、一流の国家機関施設の内装だった。
汚れのようなものも見当たらない。
「綺麗だな」
思わず呟く。
俺の父親はその呟きに
「そりゃそうだろう。議員が議論する場所が乱雑で不潔であれば、他国の侮りを買う」
そういうのはみっともないだけじゃない。
国力そのものが見下される恐れがあるってことだ。
小さくそう答えた。
……なるほど。
さすがというか、なんというか。
元国会議員は違うな。
さて……
まずは、人質になっている議員たちを探すか。
そして俺たちは、会館内部を巡回して見張りしている真惺教僧兵を避けつつ、国民議会会館内部を探した。
議員たちが囚われている部屋で一番可能性が高いのは、国政議論をする議場だと当たりをつけて。
当たりをつけた理由は、そこが一番広い部屋だろう、ということだ。
何故なら、議員が決死の覚悟で暴れ出した場合を想定するなら、広い方が都合がいいから。
狭いと僧兵団より議員の方が人数多くなって、僧兵の方がフクロにされてしまう恐れがあるしね。
で。
議場の場所は少し探すとすぐ見つかった。
案内が出ていたからね。
そして行ってみると。
そこは……
僧兵が居る。
かなりの数の。
おそらく、ビンゴ。
廊下の陰から議場への大扉を見つめつつ、俺は考える。
ここから、どうするか……?
可能なら、議員を助けるべきだけど。
強引に行って僧兵たちがもはやこれまでと、議員を殺害しようとした場合、非常にマズい。
それは国王の意思にも反するし、それを足掛かりに旧世界の神々が何かをする可能性もある。
内部の様子だけ確認して、情報だけ持って帰るべきか……?
そう思ったときだ
「ふざけるな! 俺は絶対にアイツを裏切ったりしない!」
強い男の声が、議場の方から響いて来たんだ。