メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第14話 お父さんと一緒

「お前のその力はまさか……?」

 

 俺の怪盗服姿を見て、俺の父親は激しく動揺していた。

 俺は頷く。

 

「そうだよ。アンタが向こうで使い倒した認知世界での俺の能力。実際に見るのは初めてだろ?」

 

 ……なんか気分いいな。

 こいつは俺のチカラを知ってはいたが、コイツ自身は認知世界に入ったことが無いから見たことは無いんだよ。

 

 俺のこの姿。

 何だか笑えるよな。

 

 ……散々、邪魔な人間を消すのに使い倒したくせにさ。

 

 するとだ。

 俺の父親の目が急に沈む。

 

 えっ?

 

 予想外だったので、思わず視線を送ると

 

「……悪かったな」

 

 ボソッと。

 そんなことを。

 

 ……今更謝られてもなぁ。

 

 なので俺は

 

「だったら最初からすんなよ」

 

 吐き捨てるように、思わずそう返してしまった。

 

 だったら俺と母さんを捨てるような真似してんじゃねえよ!

 後から謝るくらいならさ!

 

 

 

 その後、無言で必要手続きを済ませ。

 俺と俺の父親は王都を出た。

 

 その間、終始無言だ。

 会話するようなことなんて何もない。

 

 同じ馬車に乗り込んで。

 

 俺はこの世界の勉強のために、ライケン魔道商会の本棚にあった歴史の本を1冊借りて来て読み耽り。

 コイツはずっと馬車の窓から外を見ていた。

 

 ……軽く地獄の環境だ。

 最悪過ぎる……。

 

 

 

 おかげで読書には集中できたけどね。

 

 読んでいた歴史の本には「この国は3つの国を統合して作られた」とあった。

 そして統合の中心になった国の王が角を持つ人種・クレマール族で。

 その次に有力だった国の王が耳長人種・ルサント族だったらしい。

 そのせいで、建国してかなり経つのにこの2種族がいまだに幅を利かせているそうだ。

 

 ……ライケン魔道商会に来るまでの記憶を辿ると、頷かざるを得ないな。

 

 

 

 目的地は、王都から2日馬車で掛かる距離に存在するユージフ族の村。

 名前はバイヤ村。

 

 彼らは自衛のために、武器として使用可能な魔導器を購入してて。

 その際、補助金を国に申請していた。

 

 王都からの保護が行き届かないので、そのための代替措置だな。

 自衛武器を買うためのお金を一部国が負担してくれてるんだ。

 

 で、今回その自衛の武器が壊れたので、買い足したいそうだ。

 

 そのための手続きで、俺たちは今現地に向かってる。

 

 ……あってはならないことだけどさ。

 転売目的で魔導器を購入しようとしてて、魔導器が壊れたってのがそもそも嘘の可能性あるから。

 

 そこら辺を見極めるために、俺たちは派遣されてるわけだよ。

 

 もし魔導器が壊れた証拠……例えば残骸なんかが出せなければ。

 購入させちゃなんないし、場合によっては国に報告する必要がある。

 

 

 

 乗り心地最悪の馬車に2日揺られ。

 途中、1回気持ち悪くなりながら。

 

 俺と俺の父親は、ユージフ族の村に着いた。

 

 ……馬車から降りたそこは。

 

 何だか、日本の田舎の農村をイメージさせた。

 

 屋根を葺いているのは藁だし。

 田んぼのようなものが見えるので、稲作を行ってる形跡もある。

 

 まるっきり、時代劇に出て来る昔の日本の農村のイメージだ。

 

 王都は西洋のイメージだったんだけど。

 

 珍しくて周囲を見回していると。

 

「……よくぞいらっしゃいました。ライケン魔道商会の方ですね?」

 

 小柄な人影……

 

 ……数名のユージフ族のヒトが、俺たちを出迎えに村の中から現れたんだ。

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