メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第141話 魂の世界に引き込む魔導器

「分かりました議長! 必ずやそのことを陛下に!」

 

 俺の父親はそんな言葉を残し、こっちに……出口に走って来る。

 すごい演技力……

 

 嫌な気分になるが、俺との血の繋がりを感じてしまう。

 一般国民を騙し続けて、世のため人のために働く政治家……

 

 そのイメージを保ち続けた男だけはある。

 

 俺の父親は議場を出ると同時に怪盗服を着用し、出入り口の陰に俺と共に身を潜める。

 

 中では

 

「追え!」

 

「いや、あんな男私は知らないぞ!?」

 

「何!?」

 

「そういうのはいい! 取り敢えず捕えろ!」

 

 混乱が起きていた。

 俺の父親のことなんて知らないと言い出す奴や、その言葉にさらに混乱する奴。

 真実を確かめようと口を開く奴。

 

 で、最終結論で

 

 とりあえず俺の父親を捕まえよう。

 

 その結論に達したようだ。

 そこに至るまで、数秒。

 

 決断としては早いのかもしれないな。

 

 逃がして後から問題になるより、とりあえず捕まえておくことが大事だと。

 

 ……いい判断だけど、こっちとしてもそれがありがたいんだよなぁ。

 

 出入り口に殺到する僧兵たちに

 

 俺たちは飛び出して蹂躙する。

 

 僧兵たちは自分たちが追跡者だと、狩る側だと思って来ていたから余裕だった。

 

 瞬く間に無力化に成功し、全員気絶に追い込んで。

 

 戦闘員でない議員たちに向かって行き、アロンゾたちに駆け寄る。

 

「助けに来ました!」

 

 そう言いつつ。

 

 途中、議員が数人襲ってきたが。

 俺は理由がちゃんと理解できてなくても、さっきのやりとりでなんとなく予想はしていたから速やかにそちらも無力化した。

 

 

 そして

 

 

「……ありがとう。助かった」

 

 アロンゾたち無事な議員たちのみをそこから救出し、速やかに移動……

 つまり脱出したいところだけど、今欲しいものがあった。

 

 さっき、あの場で起きていたことに関する情報だ。

 脱出する前に知っておかないと、取り返しがつかなくなるかもしれない。

 

 だから、迷わず

 

「議長、申し訳ありません。ちょっといいですか?」

 

 俺たちに礼を言ってくるアロンゾ議長に向かい、訊ねる。

 

「洗脳ってどういうことです?」

 

 

 

 アロンゾの話では。

 

 さっき言ってた魔導器……赤い宝石の嵌った魔法の小杖(ワンド)のようなもの……それに自分から触れると

 

 魂を真惺教の忠実なしもべとして取り込まれてしまうそうだ。

 

 この国民議会会館を襲撃した僧兵たちが持ち込んだもので。

 拘束されたときにそう説明を受けた。

 

 そして議員の何人かが、この場を切り抜けるために

 

「分かった、真惺教に入信する」

 

 そう偽りの鞍替えを宣言し、自分から魔導器に触れ

 

 結果、本当に取り込まれてしまった。

 アロンゾはそういう変心を過去の経験からかぎ分けることができたらしく。

 

 そこから、あの魔導器は触れるとマズい代物だ。

 

 そういう結論を導き出したらしい。

 

「理屈は全く分からないが、これを知ってて触れた者を魂の世界に引き込み、そこで破れぬ契約を結ばせる魔導器だと言っていた」

 

 苦い表情でアロンゾ。

 

 そしてアロンゾは続けてこう言った。

 

「契約を結ばされた者はネガイというものを奪われ、真惺教の忠実な下僕(シモベ)になると……」

 

 魂の世界……?

 ネガイ……?

 

 俺はその言葉に困惑と……

 何だか、引っかかるものを感じたんだ。

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