メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「来い! ヘリワード!」
俺は仮面を剥がしつつ自身のペルソナ・ヘリワードを呼び出す。
魔神ミトラスの表情が動く
「抗うか……諦めよ!」
そして
「喰らえッ!」
ごぉっ、と。
ミトラスの吐息が火炎になり、俺に降り掛かった。
俺は認知世界のサンメルオ中央通りを駆け続け
「アンタも法の神に従っているのか!? お零れに与るために!?」
揺さぶりを掛けるために口を動かした。
あまり深くは考えていない。
思いつくままだ。
「我は太陽の神なるぞ! 再びその地位に立ち返られるのであれば、かつての敵の軍門に降るのも厭わぬ!」
ミトラスはそう言い放ち、再び火炎を吐き出した。
凄まじい威力だ。
元太陽の神を自称するだけのことはある。
「我はかつては法と契約を司る神であった! だがその地位を追われた! その屈辱! 苦しみ! 分かろうものか!」
……確かに。
想像は出来る。
俺、ミトラスなんて神様知らないし。
あまり有名な神じゃ無いだろ。
法と契約を司り、太陽の象徴ですらあった神なのに。
だからまあ、気持ちは想像できた。
でも
「太陽神なんて地位が回復できるわけが無いだろ! 一番偉い神に決まってる! そんなもの、法の神が渡すはずがない!」
否定した。
別に深く考えていない。
相手に揺さぶりを掛けるために、速攻で組み立てた批判のための批判だ。
言った後
別にギリシャ神話ではアポロンが太陽神で。
ギリシャ神話で一番偉い神は雷神のゼウスだから
太陽神=最高の神
って考え方は普遍的じゃ無いだろ。
そう内心で思った。
それは太陽を信仰している民族の中だけの話だ。
だけど俺の言葉はミトラスには刺さったらしい。
ミトラスは怒りの籠った声で
「彼奴はこう言った! 自分はこの世界に永久に君臨するつもりはなく、ここで力を取り戻したら元の世界に戻ると!」
その表情には俺の言葉に動揺する色も、門前払いする色も無かった。
俺が言ったことを
「戻り、自分を完全否定した憎き神殺しに裁きを与え、元の世界に再び君臨すると!」
構造的にあり得ないと否定して来たんだ。
俺は騙されていない!
使命を果たせば望みの地位が与えられるという根拠がちゃんとあると。
それが……
法の神は別の世界からやって来た。
ここには力を取り戻しに来ただけ。
力さえ取り戻せば元の世界に戻る。
そして元の世界で復讐を果たす。
この4つのこと……
俺はこれで衝撃を受けてしまった。
まず、法の神がこれまでのことの後ろにいることが確定した。
これもあったけど
その前に。
その法の神本人が、元々この世界の住人ではない。
別の世界からの訪問者だったと。
どういうことだ……?
別の世界線ってことか……?
「死ぬがいい!」
ハッとした。
思わず思考し、足が止まっていたんだ。
気がつくと目の前にミトラスの激しい火炎魔法が迫ってて……
――やられる!
そう思ったとき。
俺の身体が、掻っ攫われた。
横合いから飛び出した何かに。
それは……
漆黒の僧侶の人影……俺の父親のペルソナ「ヨシミツ」……!
「親父!」
また、思わず言っていた。
言いたくないはずなのに。
そこに居たもう1つの人影に。
ノースリーブの赤い軍服風の怪盗服に身を包んだ、がっしりした体格の、壮年男性……
俺の父親である、獅童正義が……!