メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「何で来たんだよ!?」
危ないだろ!
2人ともこの世界に来たことでやられたら、あの場に戦える人間がいなくなる。
そうなったら、俺たちが国民議会会館に乗り込んだ意味が無くなる!
訳が分からなかった。
コイツは、俺の父親は合理的に動く男のはずだ。
絶対に馬鹿な男では無いはずなのに。
なのに
「……嫌だったからだ。それだけだ」
全く低レベルな、感情論……
コイツらしくない。
冷徹に、総理大臣になるために何でもやった男だっただろ。
そのために、俺の母さんだって捨てたし、一色若葉だとか、奥村フーズの社長だとか。
平気で人も殺して来たのに。
そのとき俺は
あのときを思い出した。
コイツの認知世界で……
コイツに嵌められて、心の怪盗団を一網打尽にするための餌にされたときのことを。
ひょっとしたらコイツは、あれを悔いているんだろうか……?
ふと、そう思った。
自分の目的のために、自分の息子を鉄砲玉のように消費したことを。
やるべきではなかった、って。
ただの妄想かもしれないが。
(いや、妄想だろ。それ以外無い)
……俺はそれを打ち消す。
妄想じゃなかったからって、どうだって言うんだ?
コイツにも、自分の子供への愛情があったんだって喜ぶのか?
そんな資格無いだろ。俺には。
散々他人の幸せを壊したくせに。
だから
「そうかよ」
それだけ返し
「だったら手早く終わらせよう。……多分コイツを倒せば自体が好転するはずだ」
この認知世界に来て俺は、ネガイとやらを奪われたりしていない。
だったらこの悪魔を倒せば、解放されるんじゃないか?
人間を洗脳状態にする「ネガイ」というやつが。
コイツがそれを集めているんだし。
そんな俺の言葉に
「この我に勝つだと……大きく出おったな」
ミトラスがやや怒りが混じった声で反応する。
聞き捨てならないのか。
「我は神である! 太陽神である! 法と契約の守護者である!」
生意気だ、という気持ちが溢れてる。
その怒りがどんどん強くなる。
「……この世界に、魂だけで乗り込んで、なお戦う力を持ち込んだ程度で……!」
目がつり上がり、声が雷鳴のように強くなる。
それでミトラスの怒りの高まりと、その大きさが伝わって来る。
「思い上がるな人間の分際で!」
……そういうことか。
怒り狂うミトラスに対して、俺はどんどん冷静になっていく。
ミトラスの言葉から考えて。
思った通りやっぱりここは認知世界で。
ここで戦うにはペルソナ能力を持つ必要があるんだな。
だったらもういい。いけるはず。
ここは俺のフィールドだ。
「覚悟しろ」
俺は殺し屋なんだ。
この認知世界が俺のフィールド。
……アンタの運命は、もうここで終わりだよ!
その思いで、俺のヘリワードが弓を握る力が強くなった。