メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
俺たちが負けた……?
ハッタリとは思えなかった。
だけど
予想がつかない。
何をどうするって言うんだ……?
「おい、親父」
俺はかなり焦っていて。
またそんな呼び方をしてしまう。
すると俺の父親は
「……見当もつかないし、我々のこの行動は迂闊な行動ではない。後悔は無用だ」
とりあえず、戻ってから考えよう。
そう、冷静に返して来る。
まぁ、そうだよな。
ここで焦っていても仕方ない。
ここから出て行かないと
ここが認知世界であるならば、どこかに出口があるはずで。
そこを通れば外に出ることは出来るはず。
……イセカイナビは無いけれど、認知世界の在り方を考えれば、この街を出て行けば出られる可能性が……
そんなことを考えているうちに
気がついたら、議場に居た。
放射状に並んだ机と椅子。
そして玉座。
……戻って来ていた。
あの認知世界はパレスとは違うみたいだな。
戻って来た現実世界では
議員たち、そして僧兵たちが……
「申し訳ありませんでした」
「自分たちは何故、陛下を裏切ろうとしたのか……」
武器を捨て、床に手をついて項垂れていたんだ。
全員、改心して反逆行為、寝返り行為を悔いる様子を見せている。
……この分だと、宿舎の方の一般信者たちも元に戻って居そうだな。
おそらく、宿舎に立てこもっているという一般信者たちも、この僧兵たち同様にネガイを奪われていたんじゃないだろうか?
それを、俺たちがネガイを奪っていた悪魔・魔神ミトラスを討伐することで解放。
結果改心が起き、洗脳状態から元の精神を取り戻した……
そういうことなんだと思う。
俺はしきりに「悪かったです」を繰り返しているルサント族の僧兵の1人に
「ちょっといいか?」
そう声を掛ける。
その僧兵は床に手をついて、項垂れていた顔を俺に向けて来る。
恐怖と戸惑いと、後悔に塗れた顔を。
……何で自分が国を裏切ったのか理解できないんだろうな。
俺はそれを気の毒に思った。さすがに。
でも俺は今は彼を慰めるために声を掛けたんじゃない。
「……大教主はどこにいる?」
この議場にあの男がいないことは、しばらく前に気づいてた。
だから気になったんだ。
ここにいないなら、どこに居るんだ……?
俺のその問いに
「……大教主は」
僧兵は目を逸らしながらこう答える。
「レガリス大聖堂です」
レガリス大聖堂……?
そんなところに一体何の用……?
訳が分からず、困惑するしか無かった。
あそこは別に、真惺教が有利になるような、安全になるような場所じゃない。
かつての国教時代の建築物だけど。
今は違うんだ。
なのに、何故……?
だからかもな。
何故そこに大教主が行ったのか理解できないから、自信を持って言えなくて。
だから目を逸らしたんだ。
……ひょっとしたら、僧兵団たちも何故そこに大教主が向かったのか分からないのかもしれない。
そしてそのまま。
俺たちは国民議会会館を去った。
後は放っておいても投降してくれるから、それで良いハズ。
そう思って、外に出た。
そこで愕然とした。
国民議会会館を包囲していた国軍の兵士たちが混乱していたんだ。
何故か……?
それは
「レガリス大聖堂が消えた! 土地ごと! ごっそりと!」