メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
『この国は日本と大いに関係がある国よな』
旧世界が滅んだ後に地上で何が起きたのか分からないが、現在日本列島は完全に無くなってしまっているけど。
その領土内に、かつて東京があった場所がある。
そして言葉の問題を考えると、その可能性が高い。
「つまり?」
ウイル国王が問う。
女神の言わんとすることを。
女神は
『……三種の神器をヌシに与える。ヌシが日本の後継国を知らす者となれ』
知らす、という言葉は。
統治するに近い言葉らしい。
あくまで近いだけでそのものじゃないが。
俺の父親に後で聞いた話によると。
すべて把握し管理する。
ざっくりいうとそういう意味合い。
かなり古い言葉で、統治者としての理想を表現した言葉だということだ。
まあ、つまり。
簡単に言えば
ウイル国王に、日本の統治者の資格を与えると言ってるんだな。
俺は聞いてて平常心では居られなかった。
意外に俺も、それなりに前の世界のあの国に思い入れがあったんだな。
『ヌシが神器の力を得ることが出来れば、魔王アバドンの腹から中のものを取り戻すことも出来るはず』
この国の王が、俺の元居た世界の祖国の神器を得る……
目の前でとんでもない話をされていると思い、震えを感じた。
そこで
「じゃああれか? 俺が鎧戦車をトバして、シンジュクに行けばいいのか?」
ニューラスが女神に訊ねる。
まあ、当然だよな。
神器はあの作り物の東京にあるんだから。
女神は頷いた。
だけど
『……ただし、家臣に任せるのは許さぬ……というより、不可能じゃ』
続けてそう言ったんだ。
曰く。
昔、勝手に神器を盗もうとした人間が居たらしい。
そういう歴史的事実があったんだ。
俺の父親の受け売りなんだが。
そいつは盗み出した神器を日本から持ち出そうと船に乗った。
だが、その船は嵐に遭い。
結果として、日本に戻されることになった。
それと同じことが起きるそうだ。
ニューラスたちに命じて、家臣があの場所に行って回収して来るという手を使うなら。
絶対に何かが起きて阻止される結果になるらしい。
そうしないためには……
「僕が行かないと駄目ってことか」
ウイル国王が神妙な表情で呟いた。
『そういうことじゃな。一度手にすれば、家臣に命じて持ち運ばせることは自由にして良いが、それまでは不可能。そう心得よ』
一瞬「家臣に一度与えて、それをウイル国王に献上させればいいのでは?」と思ったが。
なんとなく、それは許されない気がした。
仮にも神器だ。
そんな、ペンの貸し借りみたいな真似が許されるわけが無いよな。
神器を与えるという言葉には重さがあるはずだ。
便宜上、一時的に、なんてのは無理なんだろう。
でも、そうすると……
「魔王アバドンの方はどうするんですか? ここはウイル陛下が向かわないと、取り返しのつかないことになる気がするんですが」
俺は手を上げて自分の思うところを口にする。
単純に考えて
法の神が「国王は悪である」と旧世界の神を自称して民衆に言っているのに。
国王側がそれを放置というのは
民衆に余計な不安というか、不信を呼ぶんじゃないのか?
もしかしてこの神の言うことが正しいんじゃないのか、って。
これに関して
俺の国民はそんな心配をしなければならないほど愚かじゃ無い、なんて。
さすがに断言できないんじゃ?
国民がややこしいせいで、この国王は家臣の女性を全員妻にせざるを得なくなったんだし。
俺のそんな指摘に
「それについては」
ウイル国王は俺に強い視線を向けながら
「キミに身代わりを頼みたい」
そんなことを言って来たんだ。
えっ。
……この人、本気か?