メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
実際に見るユージフ族は……
なんというか、マスコットのイメージだった。
別に醜くはない。
むしろ愛らしい。
言葉を喋る愛玩動物。
そんな感じだ。
服は着ている。
なんだか、村同様時代劇の農民っぽい服。
色は緑だったり、藍色だったりで派手さは無い。
これが彼らの民族衣装なのか。
ぬいぐるみみたいな外見なのに。
まぁ、口には出さないけど。
明らかに差別だしな。
彼らが見下されるのは、この外見が大きな理由だろうな。
他にもあるかもしれないけど、これが理由のひとつでないはずがない。
小学生くらいの体格の、コウモリに似た姿の獣人。
……これで成人しているって言われても信用できないよ。
声さえ聞かなきゃな。
……声は大人なんだよ。
目の前のユージフ族のうちの1人……黒い毛並みの蝙蝠人間は、低めの渋いボイスで俺たちに挨拶して来た。
声からすると多分男だな。
「私はこの村の村長をしておりますズハウスと言います」
男は村長と名乗った後、おそらくだけど愛想笑いを浮かべた。
そして
「お疲れでしょう。ささ、食事と入浴の準備をしております故……」
そんなことを言い出した。
だが
「そういうことはしなくて良いです。確認に来たわけですから」
俺の父親はそう、村長にニコリともせずに返す。
魔導器の適切管理の確認に来た人間として、正しい態度なんだろうな。
確認に手心なんて加えるわけにはいかないし。
だとしたら接待は受けられない。
……俺は父親のこの態度が少し意外に感じたけど……
そういえば生前、屋敷の自室でこいつが酒を飲んで管を巻いていたとき。
デスクの上でウイスキーグラスを傾けながら、赤ら顔で
「国民なんてぇ、地道な努力を否定する怠け者ばかりだぁ」
「すぐ、先生そこをなんとかとか、意味不明の戯言をほざく。死に絶えろ馬鹿どもがぁ」
そんなことを、吐き捨てるように言っていた。
傍で聞いてて俺は
当時は「そういうお前はどうなんだ?」って思っていたけど
……ひょっとしたら、元々の俺の父親はこういう徹底した真面目人間で。
政界で揉まれる中で、歪んでいったのかもしれないな。
酒飲んで愚痴ることがそれってことは、腹が立っていたってことだ。
腹が立つってことは、それが自分の中では許せなかったってことだろ?
だから元々は……そういうことだったのかもしれない。
まぁ、だからといってこいつの生前の所業は許されないし、俺もこいつの被害者の1人として、許す気は無いけどな。
知るかよ。
本当のところがどうだったかなんて。