メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第151話 決断の時

 俺を守る位置に、3名の王妃たちがアーキタイプを発動させて立っている。

 

 そして当たり前だが、俺自身は変身しない。

 俺はアーキタイプの力が使えないからな。

 

 それで仮面はつけてるわけだが、普段から公に出るときは極力そうしてるらしいからおそらく怪しまれたりはしないはず。

 お忍び行動ができることに拘っていたウイル国王の拘りに救われた形だ。

 

「聞け! 旧世界の邪神よ! 陛下の国民たちを惑わすのをやめるのです!」

 

 ユーファジアさんが声を張り上げる。

 

 俺が声を出すと、正体発覚のリスクが増していくから、軽々しく口は出さない。

 俺の口の使いどころは考えないと。

 

「邪な偽りを民に吹き込み、堕落に導くことは許しません!」

 

 第一王妃に相応しく、3名の王妃の代表、国王の代弁者として振舞ってる。

 そこに彼女の王妃としての意識の高さを俺は見た。

 

 見たけど……

 

(正直、法の神がダンマリを続けてくれた方がありがたい)

 

 俺がここに国王の身代わりでやって来たのは、国民に

 

 国王陛下は我々を放置している。

 

 そう思われないためなんだし。

 

 神器を取りに行かないとどうしようもないのは事実なんだけど、だからといってこっちを放置するのは駄目なんだよ。

 

 人は感情の生き物だしね。

 

 どうか、なるべく無視してくれ……

 仮にも前の世界の神の王だったんなら、余裕をかましてくれればいいんだよ。

 

 だけど

 

 無視されていた王妃たちの呼び掛けに

 

『……邪悪なる王に身を捧げし、邪なる女どもめ。その口を閉じよ』

 

 とうとう、返す声があった。

 

 来た……!

 

 俺は緊張する。

 法の神からの返答。

 しかもその内容が……

 

 これは決断しなければならない。

 ここは俺が口を挟まないといけないと思う。

 

 何故なら、妃たちが侮辱されたからだ。

 

 妃は王の妻なんだから、そこでダンマリはまずいだろ。

 どう考えても国王は、奥さんたちを大切にしているわけだし。

 

 不審に思われるし、違和感を持たれるかもしれないだろ。

 

 考えろ。

 ウイル国王ならなんと言って口を挟む?

 

 それは時間としては数秒だったけど。

 その数秒で俺は全力で考えた。

 

 そして 

 

「口を閉じるのはお前だ! 邪悪なる旧世界の神め!」

 

 堂々と、はっきりと言い切る。

 こういう場合、ボソボソというわけにはいかない。

 

 勢いで押し切るのが大事だろ。

 言ってる内容も内容だし。

 

 王妃が侮辱された後に即座にこの台詞は

 

 内容の熱さに引っ張られ、違和感を感じにくいはずだ。

 

 さあ、どうだ……?

 

 内心緊張しつつ次の言葉を待つ。

 

 すると

 

『……言わせておけば。お前は旧世界の罪人と結び、旧世界の悪魔の言葉を聞いた』

 

 底冷えするような冷たい怒りが込められた、厳かな声が帰って来た。

 そこには俺の正体への疑念は無く

 

 加えて。

 一色若葉から聞いたのか、本当の俺の存在についての言及があった。

 

 ……ということは。

 

 おそらく、気づいていない……?

 

『その罪、計り知れぬ。今すぐ地獄の業火に焼かれ、地獄へ堕ちよ』

 

 怒りの言葉は続く。

 

 よし……

 

 限界まで時間を稼ぐ。

 やってみせるさ……!

 

 俺は、演技は上手いんだ!

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