メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
何の音だ……?
何か、大きなものが飛行する音に聞こえた。
具体的に言うと、飛行機のような……
目をやる。
空に。
そこには……
巨大な銀色の飛行物体があった。
それは全体的なフォルムは船に似ていたけれど。
翼がついていたり。
何か流線形を乱す、変なゴツゴツした部分があって。
少し違和感がある。
で、見覚えがあった。
カラーリングだとか、デザインが少し違うけど……
あれは、王室所有の鎧戦車だ!
俺の目が見開かれた。
そんな馬鹿な!?
戻ってくるまでまだ数時間はあるはずだ!
早過ぎる!
王室鎧戦車はこのレガリス大聖堂跡地に舞い降りて来ていた。
まるで銀色の怪鳥のように。
あまりの異常事態に誰も動けない。
それが地上スレスレまで降りて来たとき。
そこから飛び出す2つの影。
それは……
「待たせた。ここからは引き受ける」
この国の国王。
ウイル。
彼は王としての衣装を身に着けておらず、今は旅人の服の姿。
彼は身軽に鎧戦車から飛び降りて、そのまま着地した。
その身体には……
首に勾玉の首飾り。
右手には古代日本を彷彿とされる、銀色の剣。
そしてその周囲に……
3つの銅鏡が浮いていた。
剣と同じく、前の世界で古墳から出土するものと酷似した銅鏡が。
銅鏡はくるくると、国王を守護するように飛び回る。
ひょっとしてあれが
八尺瓊勾玉。
草薙剣。
そして八咫鏡。
なのか……?
見たら死ぬ。
そういう話だったが、それを身に着けているのは何故だ?
偽物……?
いや、そんなはずはない。
八咫鏡を見れば、あれがそんなものでは無いのは分かるだろ。
宙に浮いて、ファンネルみたいに飛んでんだぞ……?
それにあの高さを飛び降りて、身体にダメージを受けてる様子も無いし。
余計「あれは普通の状態じゃない」と思うしか……
混乱し。
動揺し。
そして同時に希望を持つ俺。
これでなんとかなる。
国王の姿に俺はそう思ったんだ。
さらに
「間に合ったようだな」
俺の父親も降り立った。
こっちは怪盗服姿だ。
「親父!」
俺の呼び掛けに
「……神器を受け取って戻っているとき、ニューラスさんがアーキタイプに目覚めた」
説明で返して来た。
何があったのか。
どうも、八咫鏡のチカラでこの場所で何が起きているかを知ったらしい。
そこでニューラスが覚醒したそうだ。
今こそ自分が働くときだ、って。
それがあの銀色の鎧戦車で……
そのチカラで残りの距離をぶっ飛ばして来たのか。
その出鱈目な事実に、俺は流石に興奮を覚える。
そこに
『陛下!』
鎧戦車から声が響いた。
ニューラスの声だ。
声には喜びと勇ましさがあった。
『王を決める戦いではロクに戦えなかったが、今回は違うぜ!』
……ニューラスはウイル国王の臣下でガリカを除けば唯一アーキタイプの力を持たない。
だからおそらく、王を決める戦いでは鎧戦車の操縦士以上の仕事は出来なかったんだろうとは思っていたけど。
本人はそこを気にしていたのか。
別に適材適所って言葉があるんだから、負い目は感じなくて良いとは思うが
こういうのは本人の気持ちの問題だしな……
俺がそう思い、ニューラスの気持ちに思いを馳せていると
『見てくれ!』
とんでもないことが起きたんだ。
『ロイヤルドラグナー! トラスフォーメーション!』
えっ
なんと……
鎧戦車が変形を開始した!