メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第157話 出現する法の神

 鎧戦車が変形していく。

 翼が持ち上がり、折りたたまれていた腕や足が解放され、変形後の姿を形作っていく。

 

 それは人型で。

 竜の頭を持ち。

 

 背中に翼を持った半人半竜の巨人……

 

『これがロイヤルドラグナー・ガーディアンモードだ!』

 

 変形が完了し。

 高揚している調子の、ニューラスのそんな名乗り。

 

 ……えっと。

 

 これって……

 

 所謂スーパーロボットだろ……?

 

「懐かしいな。昭和を思い出す」

 

 俺の父親は一連の変形を見届けて、そう一言。

 

 俺は平成生まれだからあまり知らないが。

 昭和はこういうのが昼間にやっていたらしいな。

 

 俺の父親は顎を触りながら遠い目でロイヤルドラグナー・ガーディアンモードを見つめている。

 

『なんだその振る舞いは! 神に対する畏敬の念が一切感じられぬ!』

 

 そしてメタトロンは。

 ロイヤルドラグナー・ガーディアンモードに対して怒りを燃やす。

 

 ただの鎧戦車が戦うためにロボットモードになったことが許せないらしい。

 

『お前から粛清してくれるわ! 地獄で悔い改めよ!』

 

 メタトロンはそう宣言し、羽ばたき、向かって行く。

 銀色の守護神(ガーディアン)に。

 

『おおよ! 掛かってきな! ぶちのめしてやるぜ!』

 

 ニューラスはそんな機械仕掛けの巨大な天使を正面から迎え撃つ。

 

 そして巨大なロボットと天使の正面からの潰し合いが開始された。

 

 目からビームを発射するメタトロン。

 それを翼を盾に使いやり過ごすロイヤルドラグナー。

 

 反撃にロイヤルドラグナーはその口から輝くビームのようなものを発射する。

 なんとなくだけど、発射の瞬間に迸る稲光に

 

 荷電粒子砲。

 

 という言葉が浮かんだ。

 

『グオオオッ!?』

 

 メタトロンはそれを両腕をクロスして防御し。

 

『おのれ地獄霊が!』

 

 再び反撃へと……

 

 

 あっちはもう、ニューラスに任せておけばいいな。

 ならばこっちは

 

「ウイル陛下」

 

 呼びかける。

 この国の国王に。

 

「お願いできますか?」

 

 ……この危機的状況……

 

 放っておけば、人質が悪魔の腹で消化されてしまうという状況。

 この状況の打開を。

 

 ウイル国王は俺の呼び掛けに

 

 頷いた。

 

「ああ」

 

 その言葉と共に

 

 その手の剣……おそらくは草薙剣を高く掲げ

 

 振り下ろした!

 

 風を斬る音。

 同時に

 

 何かが砕ける音がした。

 

『グアアアアアアッ!』

 

 正体不明の悲鳴と一緒にだ。

 

 

 その次の瞬間。

 

 

 すり鉢状に抉れていた土地に、巨大な建物が復活する。

 ピラミッドを逆さにしたような、理解しがたい建築物……

 

 その広い敷地には、6枚の翼、角と尻尾を持つ異形の神の像も。

 

 レガリス大聖堂……!

 

 俺の心が燃え上がることが止められなかった。

 やった……!

 

 絶望的な気持ちだったから

 

 嬉しい。

 

 これでマリアが助かった。

 いや、助かっているはずだ!

 

 蜜蜂のささやき亭で、彼女から向けられた笑顔が脳裏に蘇る。

 本当に良かった……!

 

 思わず、震えを感じた。

 

 そこに

 

「おのれぇぇぇ、よくも、よくも……」

 

 激しい怨嗟の声が響く。

 それは苦し気で、呪いに満ちていて

 

「我が腹を切り開くとは……! 人間如きが……!」

 

 そんな声とともに

 どろり、と

 

 地面から緑色の汚れたヘドロが湧いて来た。

 湧き上がるヘドロは盛り上がり、巨大な大顎を形作る。

 

 顎というか……顔か。

 

 人間の大顎に、申し訳程度の目鼻がついているヘドロの悪魔……

 

 こいつは我が腹を切り開くと言った。

 ということは

 

「こいつが魔王アバドン……!」

 

 その異形の姿に俺は息を呑む。

 

 そして

 

 

 問題はそこで終わらなかった。

 

 

『……もはや致し方なし』

 

 

 その声はまるで天から降って来たように感じた。

 

 法の神の怒りと決断の声。

 その声は

 

『ここは我も出るしかあるまい』

 

 穏やかに感じられたが。

 内部に秘められた怒りと屈辱の強さは隠し切れない。

 

 心の弱いものなら、その場で萎縮し、動けなくなる響きがあった。

 

 

 そして空間が割れた。

 

 バリバリと、まるで南極大陸の氷山を切り裂くクレバスのように。

 その割れた空間から

 

 ヌッと現れた。

 

 空間の割れ目に手を掛け、自分の巨大な身体を引きずり出していく。

 

 

 それは紫色の炎に包まれていて

 

 青白い禿頭の老人の上半身と。

 蝙蝠の翼を備えた漆黒の蛇の下半身を持ち

 

 その腹部に角の生えた男性の顔。

 蛇の顔。

 山羊の顔。

 蜥蜴の顔。

 その他に飛蝗の顔もあった。

 

 複数の、そんな頭を生やしている。

 

 そんな凄まじい姿をした悪魔……!

 

 これが法の神。

 別の世界線で神殺しに敗れ去り、この世界に逃げて来た侵略者……!

 

 それは俺たちを睨み据え。こう叫んだ。

 

「さあ、地獄に堕ちるがいい!」

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