メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第158話 そして決戦へ

 これが法の神……!

 

 かつて神の王座についていたという、最高神……!

 

 なんて……

 なんて……

 

「悍ましい姿だな」

 

 俺の父親がポツリと

 

 その言葉に法の神は凄まじい視線を向ける。

 

「よくもこの醜い姿を我に晒させたな……その罪、転生の末の末まで償い続けよ! 人間!」

 

 憎悪に満ちた視線。

 このあまりにも醜すぎる姿は、本来のこの神の姿ではないのか。

 

 だから……

 表に一切出て来なかったのかもしれない。

 

 裏方に徹して、他の悪魔や、一色若葉のような存在に働かせる……

 

「かつての輝かしい唯一神としての姿……! それを、それをおおおおお……!」

 

「よっぽど表に出て来たくなかったらしいな」

 

 嘆く法の神に俺は言葉を投げつける。

 戦うときは相手を怒らせるのは基本だしな。

 

「当然だッ! この姿では人間の信仰は集められぬ!」

 

「止む無く他の悪魔の助力を願った我の屈辱を想像できるか!? 土塊どもがぁ!」

 

 ……まあ、そうだろうな。

 

 この神のこの見た目は、邪神としか言いようがない。

 どこにも神聖さが無い。

 

 まともな信仰を集めるなんて無理だろう。

 

 だから俺は

 

「ハッ、ざまあみろ」

 

 コイツを激昂させるために。

 わざとそう嗤ってやった。

 

 だけど。

 その前に

 

「よくも僕の国で僕の国民を玩具にしてくれたね」

 

「不可解なニンゲンの出現も、君の仕業なのかな」

 

 ウイル国王が穏やかに訊ねる。

 だが、その眼光は鋭い。

 

 法の神は俺の挑発よりも、それに激昂した。

 

「なんだその口の利き方は! 我に対して何たる無礼! 弁えよ土塊ェ!」

 

 目を剥きがなり立てる法の神。

 だけどウイル国王は一切動じずに

 

 さらに

 

「……答えろ」

 

 有無を言わさぬ気迫を込めて、言い放つ。

 

 法の神はその言葉に

 

「ふざけるな……!」

 

 その態度に。

 神への不遜を感じ取ったらしい。

 

「土塊の分際でッ! 我が目的のために魔力を操作し、その姿と魂を変貌させたことが不満だとッ!?」

 

「喜ぶべきだッ! 我の役に立てたことをッ! 人間はそうあるべきであろうッ!」

 

 これまで何度かあったこの世界の人間のニンゲン化。

 その原因はコイツの仕業だったのか。

 

 俺の脳裏に、あのユージフ族の村での出来事。

 マルティラでの出来事。

 そしてこの王都で、ムツタリ族の男がニンゲンに変貌したことが蘇る。

 

 あれは全て、コイツの企みの一環で起きたことだったのか……!

 

 その答えに。

 

「なるほど。良く分かった」

 

 ウイル国王の目が鋭くなった。

 覚悟が完全に決まったと言っていいだろうか。

 

「……叩き潰してやる。覚悟するがいい」

 

 そう、ハッキリと宣言し。

 その手に握った草薙剣を高く掲げて

 

「キング!」

 

 その叫びと共に波動が広がる。

 国王の目が橙色に激しく輝き、顔に目を中心に隈取のような文様が浮かび上がり……

 

 噴き出した焔の中で変化する。

 液体金属が湧きだして、巨大な甲冑のような

 

 アーキタイプの姿へと。

 

 ユークロニア連合王国の国王のアーキタイプ「キング」

 

 これがこの国の国王の戦いの姿。

 

「……異世界の邪神よ」

 

 アーキタイプへの変身を完了させ。

 

 周囲に八咫鏡を舞わせながら、その手に握った大振りの長剣を法の神に突きつける。

 

 必ず倒す。

 その姿にはそんな国王の絶対の意思があった。

 

 法の神に剣を突きつけた後。

 国王はその剣を袈裟掛けに振るった。

 

 そして

 

「さあ、行くぞ。ついて来てくれ」

 

 俺たちに向けて

 

「ゴロー! マサヨシ!」

 

 そんな言葉を。

 

 その言葉は俺に火をつけた。

 当然だよな。

 

 こんな場面で、燃えない方が無理だ。

 とんでもない極悪人のこの俺が

 

 この世界を蝕みに来た思い上がった最高神を叩き潰す手伝いが出来るんだ。

 

 俺は仮面に手を掛け、投げ捨てる。

 

 そして

 

「任せろ!」

 

 衝動のままに。

 そんな不敬な言葉を口にして。

 俺は黒い怪盗服姿にその身を変えた。

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