メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第160話 君臣一体

「天照大神! 今何の用ですか!?」

 

 さすがに。

 この状況で気を遣っていられない。

 

 冷やかしで出て来たならさすがに怒る。

 この神様、日本滅亡後はやる気について怪しいからな。

 

『まあ、落ち着くがいい。別に邪魔しに来たわけでは無い』

 

 俺の荒れ具合を察知したのか。

 何故か神様の身でありながら宥めるような言葉。

 

 俺の信頼を得るためか

 

『仮にも神器を与えた国の一大事を物見遊山に来るほど、妾は腐ってはおらぬでな』

 

 俺の傍で宙に浮き、淡々と。

 

 ……まあ、そうか。

 神器をくれたんだ。

 この神様は。

 

「じゃあ何の御用ですか!? この状況をひっくり返す秘策でもあるんですか!?」

 

 でも言い方がキツくなる。

 焦りで心が抑えられないんだ。

 

 女神はそんな俺の態度に

 

『無いことは無いのぅ』

 

 特に気を悪くした様子を見せず、そう返してくる。

 この辺、日本神話体系の最高神の器の大きさか。

 

「無いことは無いって……何かあるんですか!?

 

 余裕のない俺の返しに

 

 頷き、女神は言った。

 

『ただし、楽では無いぞ……君臣一体じゃ』

 

「君臣一体……?」

 

 はじめて聞く言葉だった。

 

「何ですかそれは」

 

 焦りはあったが。

 訊ねる。

 

 女神は

 

『……本来は守られるべき民が、君と一体……つまり共に戦う意志を示すことよ』

 

 臣というのは家臣のことで。

 この場合、民衆のことを差すのか。

 

 でもそれなら

 

「現在、家臣が戦ってるじゃないですか! これじゃだめなんですか!」

 

 魔王アバドンと死闘を繰り広げている王妃3人を、メタトロンと戦っているニューラスを指し示す。

 

 ニューラスだけでなく、王妃だって国王の家臣なんだ。

 条件は満たしているだろ!

 

 だけどそんな俺の言葉に女神は眉根を寄せて首を左右に振り

 

『あれでは駄目じゃな。この場合の臣は君に直接仕える者では駄目なのじゃ』

 

 その気になれば逃げ出せる。

 仕える相手、傅く相手を変えることに特に何も問題が起きない。

 

 そんな、普通の、一般の人々。

 

 そうでないといけないんだそうだ。

 

 そうでなければ発動しない、と。

 

「発動……?」

 

 思わず復唱する俺に

 

 女神は頷き

 

「うむ」

 

 そう返してきて

 

 続けた。

 

「……現在、草薙剣の加護があの別世界の法の神のなれの果て相手に抑え込まれている状態じゃ」

 

「それを跳ね除ける。さすれば、草薙剣は元々ヤマタノオロチの尾から出て来た剣」

 

 蛇……竜の要素を持つあの法の神に、致命的な一撃を与えることが可能になる。

 

 ……とのことだ。

 

 確かにあの神、下半身が蛇だからな。

 竜の要素を持ってるっていえば、そりゃそうだろう。

 

 そうか……

 

 希望が繋がった気がした。

 

「で、どうすればいいんですか!?」

 

 女神の出して来た秘策を理解し。

 俺は次のこと……女神の言う「君臣一体」を実現するにはどうすればいいのか?

 それを訊ねたんだ。

 

『それはじゃな……』

 

 女神は語った。

 君臣一体を示すにはどうすればいいのかを。

 

 俺はそれを聞き

 

 迷いはあったが

 

「陛下! 親父!」

 

 声を張り上げ

 

「ここは頼んだ!」

 

 その後、駆け出した。

 

 レガリス大聖堂の敷地に向かって。

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