メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第166話 これが僕の役目だ

~ユークロニア連合王国国王・ウイル視点~

 

 来た……!

 

 これが君臣一体か……!

 

 ゴローがやってくれたんだ。

 ありがとう……!

 

 そこに

 

『どうやら間に合ったようじゃの』

 

 旧世界の女神がこれを感慨深く感じているのか。

 そう喜びと昂りを感じる声音で僕に囁く。

 

『見るがいい……ヌシの民があそこで祈っておるわ』

 

 そしてその手で、レガリス大聖堂を指し示した。

 

 僕はそこに

 

 マリアとユージフの女性が祈る姿を視認する。

 

 ……いや、見えたんだ。

 

 ここからは相当な距離があるからね。

 なのに、肉眼で見えたというのは無理がある。

 

 でも、ハッキリと見えたんだ。

 

 マリアは黒い色の落ち着いた感じの衣装で、一心不乱に祈ってくれていた。

 ……昔は子供らしい可愛い服を着ていたけど。

 

 最近は大人を意識した服を着るようになったよな。

 母親であるファビアンヌさんの影響なんだろうか?

 ファビアンヌさんがよく着てる服に似ている気がした。

 

 マリア……

 彼女は僕の仲間だったグライアスの娘だ。

 

 彼女は出会ってすぐに、父親であるグライアスをルイ暗殺の失敗で失い。

 そのことで、僕との繋がりが出来てしまった。

 

 彼女は戦えなかったが、それでも。

 あの厳しかった王を決める戦いで彼女の、マリアの存在はずっと僕の支えになっていた。

 僕には本当の意味では親も兄弟もいないけれど……

 

 マリアは僕の妹で。

 マリアも僕を兄として信じて、慕ってくれている。

 

 そして今は

 こうしてこの国のために前に出てくれた……!

 

 

 だから僕は

 

 ユークロニア連合王国の国王として……

 

 この国を守る。

 守ってみせる……!

 

 

「消え去れェ!」

 

 

 そこに。

 法の神が僕に天雷を浴びせた。

 

 だけど

 

 その激しい稲妻とそのエネルギーは、僕に何の影響も齎さない。

 

 天雷がまともに僕を捉えたことで勝利を確信していたのか。

 笑みを浮かべようとしていた法の神は

 

 哄笑しようとしたが

 

 その表情が凍り付く。

 

「なん……だと……?」

 

 気づいたらしい。

 もはや、僕には一切の攻撃が無効に終わることを。

 

 だから

 

「……覚悟しろ。この世界から消え去るがいい」

 

 そう、僕は言い放った。

 その言葉に法の神は

 

「やめろ! 考え直せ!」

 

 目を見開き、声を張り上げる。

 

「お前はあまりにも大きな罪を犯そうとしているのだぞ!? 絶対に許されないことだ!」

 

 その表情は追い詰められていて

 

「我を倒すということは、正義に背を向けるということだ! 何故それを理解しない!?」

 

 まるで、かつては神の王だったという威厳は見られなかった。

 もう、打つ手がないのか。

 

 ……哀れだな。

 倒されることが避けられなくなったら、そうなのか……

 

 そこにいるのはもはや絶対の神などではなく。

 小さな、ネズミのように感じられる。

 

 そして

 

「ヒトは弱い! 我の正義無しでは」

 

 そんな法の神の言葉に割り込むように

 

 グアアアアアッ!

 

 という悲鳴と。

 

「陛下! こちらは完了しました!」

 

 僕の妃のユーファが声が。

 見ると

 

 ユーファ、ジュナ、ヒュルケンベルグ。

 

 3人の妃たちが、魔王アバドンを討ち果たしていた。

 とどめを刺されて、塵になっていく魔王。

 

「主よォォォォッ!」

 

 そしてニューラスのロイヤルドラグナーガーディアンモードの振るう大剣が、巨大な銀色の存在……確かメタトロン……を斬り捨てる。

 爆散するメタトロン。

 

 ……よし。

 

 あとはコイツだけだな。

 

 僕は高く草薙剣を掲げ、まっすぐに突っ込む。

 今の僕には敗北は無い。

 

 ただ、敵を斬り捨てるだけだ。

 

 法の神は最後の抵抗で、がむしゃらに何かを、光球を僕に投げつけるが。

 一切の意味が無い。

 空しく破裂するだけ。

 

 その爆発で、僕に一切の傷を負わせることが出来ない。

 

 そんな僕に

 

「陛下!」

 

「陛下!」

 

「陛下ァ!」

 

 僕を信じて支えてくれる3人……

 

 彼女らのその期待と信頼に応えるのが僕の役目だ。

 

 そして

 

「お願いします!」

 

 そんなユーファの言葉が耳に届いたとき。

 僕の剣は、法の神の肩から脇腹までを袈裟に、完全に切り離していた。

 

 ガアアアアアアアアアッ!

 

 怯え切り、絶望の表情を浮かべる法の神。

 

 この異世界の邪神は、最期に

 

「何故この我が、この我が、2度も破れるのだぁぁぁぁっ!?」

 

 そんな叫びを残して。

 

 紫色の炎にその身を変じて。

 

 あとには、何も残らなかった。

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