メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「何故この我が、この我が、2度も破れるのだぁぁぁぁっ!?」
俺はレガリス大聖堂のバルコニーでその光景を見つめていた。
自己の存在を絶対のものと疑いもせず、他の世界に土足で上がり込んで来た
思い上がった超常存在が……
この国の王に討伐される様を。
国王の剣を受けて法の神は
紫色の炎に包まれ、消えていく……
終わった……
「ありがとう……お兄ちゃん……」
バルコニーで国王のために祈るという大役を果たしてくれたマリアが、この結果を見て安心したのか。
崩れ落ちるように膝を突き、ウイル国王への感謝を口にする。
涙声で。
そんな彼女を、共に同じ仕事を果たしたオヴィが気遣うように寄り添っている。
「お疲れ様」
そこに。
妖精……ガリカが飛んで来た。
この辺で待ち構えていた天使たちも全滅したからやってきたのか。
屋外の空間を突っ切って、俺の傍にやって来る。
「何とかなって何よりです」
俺は微笑んで見せる。
労われたのだし。
ガリカはくるりと空中で宙返りをして
「……あなたがこの世界に来てくれなかったら、この国はもっと酷いことになっていたかもしれないね」
真顔で、そう呟く。
続けて
「あなたが居なければ……あのシンジュクの街の探索なんて考えなかったし。シンジュクを探索しなければ、あの旧世界の神の存在に気づくことも無かった」
そんな。
持ち上げ過ぎだろ。
別にそれは旧世界の人間であれば誰でも良かったはずだ。
だから
「別にそれは俺である必要はないと思いますよ」
そう返すと
「でも事実よね」
くるくると。
俺の周りを飛び回り
「あたし、思うんだよね」
思いを馳せるように話す。
「出会いって何か意味があるのよ」
……出会い。
出会いか。
俺は色々考えた。
今の世界だけじゃない。
前の世界のことも含めて……
俺の父親も。
前の世界で傲慢に振る舞っていたとき。
ここの世界に転生する羽目になった。
あれも運命だったと言われれば、そうかもしれない。
「あたしだって、今の国王陛下に出会ったのはただの偶然だったけど……成り行きでこの通り側近の1人として働いてるわけだし」
ガリカは語る。
自分の身の上の話を。
元々自分は便利な使い走りみたいなもので。
国王に出会ったのは偶然だったと。
それが王を決める戦いに巻き込まれて……
色々働く羽目になった。
そんな話を。
「今の臣下たち、皆そうなのよ。誰一人として、欠けていたら今の結果になってない」
……そりゃ見れば分かるよ。
全員が仲間として必要とされてる。
そうじゃなきゃ、ああはならないだろ。
そしてガリカは俺にこう言った。
「だからあなたも、この世界に来たのはこのためだったんじゃないかな?」
……このため。
絶対の正義を自称する神が、この世界を踏み荒らそうとしているから。
そんな存在に躊躇いなく歯向かえる、大罪人である俺が選ばれた……?
それとも……
俺の父親を引き込むために俺が必要だった……?
分からないが……
なんとなく、俺はそのガリカの言葉が正しいんじゃないかと思った。