メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第167話 俺がこの世界に呼ばれた理由

「何故この我が、この我が、2度も破れるのだぁぁぁぁっ!?」

 

 俺はレガリス大聖堂のバルコニーでその光景を見つめていた。

 

 自己の存在を絶対のものと疑いもせず、他の世界に土足で上がり込んで来た

 

 思い上がった超常存在が……

 

 この国の王に討伐される様を。

 

 国王の剣を受けて法の神は

 紫色の炎に包まれ、消えていく……

 

 終わった……

 

「ありがとう……お兄ちゃん……」

 

 バルコニーで国王のために祈るという大役を果たしてくれたマリアが、この結果を見て安心したのか。

 崩れ落ちるように膝を突き、ウイル国王への感謝を口にする。

 

 涙声で。

 

 そんな彼女を、共に同じ仕事を果たしたオヴィが気遣うように寄り添っている。

 

「お疲れ様」

 

 そこに。

 妖精……ガリカが飛んで来た。

 

 この辺で待ち構えていた天使たちも全滅したからやってきたのか。

 

 屋外の空間を突っ切って、俺の傍にやって来る。

 

「何とかなって何よりです」

 

 俺は微笑んで見せる。

 労われたのだし。

 

 ガリカはくるりと空中で宙返りをして

 

「……あなたがこの世界に来てくれなかったら、この国はもっと酷いことになっていたかもしれないね」

 

 真顔で、そう呟く。

 続けて

 

「あなたが居なければ……あのシンジュクの街の探索なんて考えなかったし。シンジュクを探索しなければ、あの旧世界の神の存在に気づくことも無かった」

 

 そんな。

 持ち上げ過ぎだろ。

 

 別にそれは旧世界の人間であれば誰でも良かったはずだ。

 だから

 

「別にそれは俺である必要はないと思いますよ」

 

 そう返すと

 

「でも事実よね」

 

 くるくると。

 俺の周りを飛び回り

 

「あたし、思うんだよね」

 

 思いを馳せるように話す。

 

「出会いって何か意味があるのよ」

 

 ……出会い。

 出会いか。

 

 俺は色々考えた。

 

 今の世界だけじゃない。

 前の世界のことも含めて……

 

 俺の父親も。

 前の世界で傲慢に振る舞っていたとき。

 

 雨宮蓮(アイツ)に出会って、破滅して。

 ここの世界に転生する羽目になった。

 

 あれも運命だったと言われれば、そうかもしれない。

 

「あたしだって、今の国王陛下に出会ったのはただの偶然だったけど……成り行きでこの通り側近の1人として働いてるわけだし」

 

 ガリカは語る。

 自分の身の上の話を。

 

 元々自分は便利な使い走りみたいなもので。

 

 国王に出会ったのは偶然だったと。

 

 それが王を決める戦いに巻き込まれて……

 色々働く羽目になった。

 

 そんな話を。

 

「今の臣下たち、皆そうなのよ。誰一人として、欠けていたら今の結果になってない」

 

 ……そりゃ見れば分かるよ。

 全員が仲間として必要とされてる。

 

 そうじゃなきゃ、ああはならないだろ。

 

 そしてガリカは俺にこう言った。

 

「だからあなたも、この世界に来たのはこのためだったんじゃないかな?」

 

 ……このため。

 

 絶対の正義を自称する神が、この世界を踏み荒らそうとしているから。

 そんな存在に躊躇いなく歯向かえる、大罪人である俺が選ばれた……?

 

 それとも……

 

 俺の父親を引き込むために俺が必要だった……?

 

 分からないが……

 なんとなく、俺はそのガリカの言葉が正しいんじゃないかと思った。

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