メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
ユージフたちの悲鳴と怒号が聞こえて来る。
ニンゲン……?
人間がどうしたんだ……?
俺は父親の顔を見る。
父親も動揺しているみたいだ。
分からないんだろう。
人間に対してこうも騒ぐ理由が。
この世界では、彼らは自分たちのことを「人間」とは思っていないのか?
そういえば……
俺が確認した言葉に、人間という意味の言葉が無かった気がする。
種族を意味する言葉はあったのに。
おかしくないか?
知的生物なのに、自分たちを総称する言葉が無いなんて。
そして俺たちはこの世界の言語が読むだけで意味が分かるのに、そこに人間という意味の言葉が無いなんて。
……その上で、ユージフたちが騒ぐ「ニンゲン」
何なんだそれ……?
おそらくだけどそれは
絶対に「人間」じゃない……
俺はその、騒ぎの場所に向かおうと一歩踏み出す。
だけど
「待って下さい!」
村長のユージフが俺に懇願する。
「追加の魔導器はもう良いです! 残り5本の魔導器でなんとかやっていきますから!」
どうかどうか、このままお帰りを!
村長ユージフの声は悲痛な色があった。
魔導器の補充と追加の件が潰れてしまってもいいから、この騒ぎの元を見て欲しくない……
そんな意志を感じる。
というか、やっぱり魔導器が8本壊れたというのは嘘だったんだな。
本当に壊れたのは5本で、3本なんとか追加で欲しかったのか。
そのために嘘を吐いて……
……まぁ、今はそれはどうでもいい。
そんな風に言われると……
見ないわけにはいかないよな。
俺は仕事で来てるんだ。
「オイ、行くぞ」
親父、なんて言いたくないから。
それだけ言い残して俺は騒ぎの元に向かった。
後ろから俺の父親がついて来ている気配がある。
「ああ! お願いです! 帰ってくだされ!」
そしてその後ろから。
ユージフの村長の悲鳴のような声が後を追って来ていた。
悲鳴と怒号の場所は、すぐそこだった。
村の中心部に広場があり。
そこで多数のユージフたちが逃げまどっている。
……あまりも不気味な怪物から。
そこにいたソレは、全体のフォルムが鳩か鶏に似ていた。
だけど、頭部がどうみても人間の頭で。
防空頭巾のようなフードを被ってた。
フードの色は黒で。
ついでに言うと、丸眼鏡も掛けている。
大きさは3メートル近い。
少なくとも、俺よりデカかった。
で……
コイツが不気味なのは、人の顔を持っているのに、動く様子が鳥そのものなんだ。
羽根を動かし、頭を小刻みに振っている。
鳩がやる仕草に酷似している。
それがどうしようもなく不気味で……
これが……ニンゲン?
俺は周囲を見回す。
だけど、あの不気味な怪物以外、ユージフたちがニンゲンと呼ぶ存在が見当たらない……
わけが分からなくて動けなくなる俺を前にして。
その怪物は俺に目を向け
クエエエエエエ!
……鳥そっくりの声で、雄叫びのような声を発した。