メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
俺の姿が変化するのに合わせて、俺のペルソナ・ロビンフッドも変化する。
鳥イメージのスーツを身に纏ったスーパーヒーローから
禍々しいヴィランのような姿に。
それは2本の角を頭に生やし、白と黒のストライプで全身を覆った悪の戦士。
その右手には、真っ赤な色の刀身のロングソードを携えていた。
その悪の戦士……この姿のときの俺のペルソナ・ロキは
ロングソードを一振りし
「ぶっ壊してやる!」
その俺の声に合わせ、敵に突っ込んでいく。
鳥人間……異形の怪物・ニンゲンに。
ニンゲンはロキに向かって光のミサイルを発射する。
だけど
突進を止めずにロキは
そのミサイルを全て、最小限の動きで躱す。
見切っているんだ。
ニンゲンは迫って来るロキに動揺しているようだ。
羽根をばたつかせて鳴き声をあげている。
何故避けられるんだ!?
そう言ってるみたいに見えた。
ロキはニンゲンに迫り
そのままロングソードを片手で振るった。
逆袈裟掛けの斬撃。
クエエエエエッ!
ロキのロングソードは、斜めにニンゲンを切り裂く。
ニンゲンの悲鳴。
ニンゲンは、その表情を変化はさせなかった。
ただ叫ぶだけ。
……怪物。
外見にヒトの要素があるだけで、本質も怪物なのか。
俺はその様子で、ニンゲンの本質のようなものを感じ取った。
「決めろ! ロキ!」
俺はロキにとどめの命令を出した。
俺の言葉に従いロキは、その角の間に輝くエネルギーを集中する。
純粋な魔力のエネルギーの塊だ。
至高の魔弾、と俺は呼んでいる。
それが斬撃のダメージから回復しきれないニンゲンに
一直線に撃ち込まれた。
レーザーのように。
クエエエッ!
最期の悲鳴。
ロキの至高の魔弾はニンゲンの胸部を撃ち抜いて風穴を開ける。
同時にニンゲンは塵に変わる。
――終了。
戦いの決着を見届けて俺は
ユージフたちに視線を向けた。
ユージフたちは呆然としている。
目の前で何が起きたのか理解できていないんだろう。
俺は万一を考えてそのままの姿で
「……あれが魔導器を壊した原因なのか?」
この状況から考えられる仮説について訊ねたんだ。
彼らはニンゲンについて隠そうとしてた。
保護する気は無いのに。
俺が思うに、彼らはあの怪物を倒すために戦力増強がしたかったんじゃないか?
なので、本当は5本しか魔導器が壊れていないのに、8本発注したんだ。
老朽化その他で破損した武器としての魔導器は、新規購入時に「交換」という形を取る。
際限なく買うことは禁止されてるんだよ。危ないから。
法律でいち自治体に与えられる魔導器の上限は、その規模で決まってて。
この村の場合は10本なんだよ。
それ以上持つことは許されない。
なので法律で13本は持てないんだ。
でも、そんな嘘を吐きたくなるくらい、あのニンゲンという化け物が恐ろしかったってことか。
……だったら
「王都に連絡すれば軍隊を派遣して貰えたんじゃないのか?」
俺は素直にそう言った。
王都はこの村のユージフたちが自衛をするために、10本もの武器の魔導器を買うことを許可したんだ。
自分たちの手に負えない怪物が現れたなら、それぐらいしてくれるだろ……
むしろそれが、国が存在する意味なんじゃないのか?
俺はそう思ったんだ。
だけど
「そんなこと、言えるわけ無いでしょう!?」
突然だ。
ユージフたちの1人が、俺に向かって悲鳴をあげるみたいに。
そう、強い口調で言って来たんだよ。